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小説(転載)  『過ち…それから』 第二部 7/7(欠落あり)

官能小説
04 /24 2019
【7】

男の匂いと未経験の豪物が麻耶を完全に淫蕩な世界へと嵌り込ませ、狂ったよ
うに動く舌と唇が高田の腰を痺れさせる。

「我慢できないか、麻耶?」

忙しなく動く麻耶の後頭部を優しく撫で、高田が囁いた。
動きを止めない麻耶は、目だけを上に向け高田に頷く。
高田は麻耶の頭の動きを制すと、両脇の下に手を入れ、そっと麻耶を立たせた。
唇から離れた高田の豪物に、麻耶は右手を絡ませ上下し続ける。
そんな麻耶の唇を激しく奪った高田は、豪物から麻耶の右手を剥がし、窮屈そ
うに服の中にしまい込んだ。
そして麻耶をしっかりと抱き寄せると、階段を上り、改札を抜けていく。
駅前に聳えるシティーホテルを見上げる高田は、無言のまま麻耶を導いていく。
その後を、小走りの瑞貴が追っていた・・・。

簡単にチェックインを済ませた高田は、鍵に刻印されたルームナンバーを数メ
ートル後ろで佇む瑞貴に翳す。
単純な数字3桁の配列に、目を細めた瑞貴にも容易に確認できた。
麻耶は全身を重そうに高田に預けたまま、エレベーターの中へ消えていった。
瑞貴は、やっとの事で降りてきた隣のエレベーターへ乗込むと、部屋のある階
へ急いで降り立つ。
そして二人が居るはずの部屋のノブに手を掛けると、静かに右へ回した。
鍵は掛かっていなかった。当然、高田の配慮である。
薄暗い部屋へと身を滑り込ませた瑞貴の目に写ったのは、全裸になった麻耶が
背をこちらに向け、仁王立ちする高田の股間で顔を激しく前後する姿だった。
艶かしい唾液を絡める音をバックに、高田は満足そうな表情をして瑞貴に合図
を送った。
鏡台の上に置かれた鞄を目で指し示す。
足音を立てぬよう、瑞貴は鞄に近付くと、中を確認する。
鞄の中にはビデオカメラが収まっていた。

(撮るの!?)

口の動きだけで確認する瑞貴に高田が頷く。
そっと電源を入れた瑞貴だったが、入電の電子音が響いたことに慌てた。
しかし、一心不乱にフェラチオを繰り返す麻耶の耳には聞こえていないようで、
瑞貴は胸を撫で下ろした。
背骨のラインをクッキリと記した良い姿勢の麻耶が夢中で高田の豪物に唇を纏
わり付かせている。
その後姿をカメラのレンズが確実に捉える。
麻耶が奏でる唾液音までテープに記録する。
盗撮する瑞貴の興奮まで高まり、無意識に下着に染みを描いてしまった。

高田の腰に両腕を固く廻し、豪物を喉まで呑み込む麻耶の淫蕩さに高田が唸る。
高田が麻耶の頭を掴み後ろへ押したとき、喉から抜け出る豪物がゴボッ!と派
手な音を立てた。
息苦しさに涙を浮かべる麻耶であったが、取り去られた豪物を怪しげな瞳で追
う。
高田はベットに仰向けになると、麻耶に上に乗るよう、要求する。
小さく短い喘ぎを漏らした麻耶は、天を貫く豪物に招かれるかのごとく、ゆっ
くりと高田の腰を跨いでいく・・。
自らの蜜穴を先端に擦りつけ、少し腰を落とす・・・膣口を割り裂かれる感覚
に一瞬動きを止めた麻耶だったが、薬によって灼熱に焼かれた裸身が、その先
の快感を求めて止まなかった。
麻耶は一つ大きく息を吸い込むと、割り裂く亀頭をぐぐぐっっと体内へ埋め込
んでいく。
半分まで呑み込んだとき、動きを止め、吸い込んだ息を一気に吐き出した。
意思を狂わされ、理性も雅貴に対する愛情も頭から消し去られた麻耶は、誇ら
しげに自分の体内を満たしてくる高田の豪物に歓喜の声を挙げる。
今や麻耶の思考は、ひたすらに燃え上がる情念を満たすことに集中し、求めに
完全に応える高田の象徴に割れ目を纏わり付ける。
その様子を、二人の横に静かに歩を進めた瑞貴のビデオカメラが小さな録画音
を発しながら記録していく。
高田の上で頤を何度も反らせ、肌を叩き付ける音に自らを狂わす麻耶の痴態に、
瑞貴の目が輝き興奮が増幅する。
何度も飛びそうになる意識を揺り起こしながら、麻耶は腰を大きく揺すり嬌声
を叫び挙げる。
そして遂には、喉の奥から高らかなる喘ぎを迸ると、高田の胸へ意識を無くし
崩れ落ちた・・・。

意識を無くし横たわる麻耶の姿態を、瑞貴の持つビデオカメラが上から撮り続
ける。
裸身を汗で濡らし、上半身を小刻みに痙攣させ果てた麻耶の姿は、女の瑞貴か
ら見ても妖艶だった。

「ちゃんと撮ったか?」

ベットの脇にドカリと腰を降ろした高田が、瑞貴の尻を摩りながら聞いた。

「ええ・・・撮れたと・・・思う」

瑞貴の呼吸はやや乱れており、二人のプレイに興奮を高めているのは明らかだ
った。

「下着、脱げよ」

瑞貴のスカートを捲り上げた高田が、赤い下着に包まれた臀部を摩りながら誘
う。

「ああ・・・・・」

両手を下着のゴムに引っ掛けて、一気に下着を脱ぎ降ろした瑞貴が悶える。
下半身を露にして、ベットサイドに座る高田の脚を跨いでいく。
怒張に割れ目を合わせ、ゆるゆると腰を落としながら背骨を弓なりにする。
隣で呼吸を整え、寝息を立てる麻耶を見下ろしながら、瑞貴は急速に桃源郷へ
と突き進んでいった・・。

窓から差し込む日差しが、麻耶の裸体を照らす。
瞼の裏が熱を帯び、ゆっくりと瞳が光を感じる。
ガンガンと鳴る頭を左右に振りながら、麻耶は上半身を起こした。
自分が裸だと認識し、狼狽する。顔を両手で覆い、記憶の断片を探ろうとする。
その耳に、テレビ画面から流れる音声が流れ込み、無意識にそちらに顔を向け
た。
画面の中では、裸の男と女が激しく絡み合っていた。

「いや・・・・・・」

アダルトビデオが流れている状況に、生真面目な麻耶は嫌悪感を憶える。
しかしその中で演じる女が、自分の姿と重なったとき、血の気が引き青褪める。

「いや~!!!」

画面に食入り、現実と夢の狭間で困惑する麻耶の後姿を、腰にバスタオルを巻
いた高田がニンマリと見ていた。
そして背後から麻耶に覆い被さり、暴れる身体を押さえ付ける。

「やだ! いやっ~!!」

突然の襲来に慌てふためく麻耶だったが、耳元で高田に何かを囁かれる。
その途端、麻耶の身体からは力が抜け、高田の重みでベットにうつ伏せで組み
敷かれる。
高田は麻耶の脚の間に両膝を捻じ込むと、その膝を左右へ広げていく。
そして麻耶の腰の上へ体重を掛けると、いきり立つ怒張を強引に埋め込んでい
った。
麻耶は激しく抵抗を試みたが、目覚める前に女芯に塗り込まれた新たな媚薬に
より、すでにソコは濡れそぼっていた。
高田の豪物はスムーズに奥まで入り込み、膣内に染み出していた蜜液が潤滑油
となり音を奏でる。
意識だけは麻耶の支配下だったが、淫蕩な身体は高田の私物と化していた。
背後から貫かれる高度な繰り出しに、麻耶の神経は昂ぶり、口からは次々と喘
ぎ声が漏れ出してしまう。
高田の精液が子宮内へ飛び込んだとき、麻耶は完膚なきまでに気をやっていた。

その後何度も高田に裸身を蹂躙され、昼過ぎに開放された麻耶は、覚束ない足
取りで自宅へと辿り着いた。
そのまま崩れるようにベットに横たわり、深い眠りに落ち込んでしまう。

同時刻、雅貴の元に一本のビデオテープが届けられる。
届け主には麻耶と記載されている。
不審に思いながらも、テープをデッキに差込み、再生ボタンを押す。
流れ出た映像に雅貴は言葉を無くす。
右下には、昨日の日付が刷り込まれている。
歓喜の声を流し続け、男の上で妖艶に腰を振る麻耶の姿態に釘付けになった。

麻耶と雅貴は、お互いに連絡を取ることをせずに、時間だけが流れた。
雅貴は瑞貴との生活に落ち着きを取り戻し、瑞貴は何も無かったかの様に日々
を送った。
麻耶はあれから、高田にビデオをネタに身体を求め続けられた。
当初の抵抗感も今は失せ、すっかりと高田の性技の虜となっていた。
今夜もまた、高田に呼び出されたホテルへと向かう・・・その足取りは普段と
変わらないものだったが、割れ目からは蜜を滴らせ、下着に丸い染みを作って
いた・・・・。


- 完 -

小説(転載)  『過ち…それから』 第二部 5/7(欠落あり)

官能小説
04 /24 2019
【5】

「あら、高田さんは?」

化粧室から戻った麻耶は、席に居ない高田に気付き瑞貴に聞いてきた。

「なにか用があるとかで帰ったわ、男って勝手よね~!」

裏返りそうになる声を必死に抑えて、瑞貴は平静を装って麻耶へ答えた。

「そうなんだ・・・残念ね、結構楽しかったのに」

そう言うと麻耶は、目の前のグラスを口元に運んだ。
それを見詰める瑞貴の喉がゴクリと鳴る・・。
麻耶はグラスのワインをゆっくりと口に含み、残った全てを喉に流し込んだ。

「そろそろ帰りましょうか? 瑞貴」

ボトルのワインも空になったとき、麻耶が言った。

「そ、そうね、時間も遅いし、そろそろ帰りましょう」

二人は店から出て、駅へ向かってゆっくりと歩き出した。

「あ~、風が気持ちいい!」

両手を夜空に突き上げて背伸びする麻耶を横目で見詰める瑞貴は気が気じゃな
かった。

(高田さんは麻耶と別れたら適当に待ってろって言ったけど、この先はどうな
るの? あの薬は、もう麻耶に効いてるの!?)

横目で伺う麻耶の様子は、いつもと変わった様には感じられなかった。
だが瑞貴に今できることは、高田を信じるしかなかった。
麻耶の歩幅に合わせるように、瑞貴は一緒に駅への道程を歩いていった。

「それじゃあ瑞貴、ここでね!」

駅へと到着した麻耶は、切符売り場の前で瑞貴に別れを言った。

「うん・・気を付けてね、麻耶」

ことの成り行きに不安を隠せない瑞貴は曖昧な別れの言葉を発した。
切符を買い、改札を抜ける麻耶を見送る瑞貴の携帯が鳴った。

「俺だ、お前もそのまま麻耶の後に着いていけ!」
「えっ!? そうなの」
「そうだ、早くしろ!」

そう言っただけで電話を切る高田に少しイラついたが、仕方なく瑞貴も切符を
買い改札を抜ける。
急ぎ足で階段を下りた瑞貴の目に、ホームに立つ麻耶の姿が確認できた。
瑞貴はホームの柱に身を隠し、静かに麻耶の様子を伺い見た。
背筋を伸ばし、均整のとれた身体で立つ麻耶だったが、時折、身体を小さく揺
すり周りを気にする。

(薬が効いてきたのかしら・・・・)

柱の陰から様子を伺う瑞貴は、これから起こる事への期待感に心を奮わせた。

(ああ・・・熱い・・・どうして?・・・)

なかなか来ない電車を待つ麻耶は、原因不明の身体の火照りに戸惑っていた。

(やだ・・・・ああっ・・・なんで・・・熱いのっ!?)

ただ立っているだけなのに、身体の奥から熱が込み上げ、腰の奥が潤み始めて
しまう。
奥から伝わる雫が流れ落ち、しっかり閉じた両脚の力を緩めたら流れ出しそう
だった。

(いやっ! おかしいわ・・・・なにっ!)

額に汗を滲ませ、必死な形相で耐える麻耶の肩を、誰かがポンと叩いた。
ビックリして振り向いた麻耶の後ろに、黒く日焼けした笑顔が佇む。

「あっ! た、高田・・・さん・・・」
「やあ、さっきはどうも! これからお帰りですか?」

高田は麻耶の横へ並ぶと、軽い口調で話し掛ける。

「え、ええ・・・そうです・・・」

高田に肩を叩かれた拍子に麻耶の脚の力が緩み、湧き出ようとしていた雫が下
着にシミを作ってしまった。
そんな事実を高田が知るわけがないと解っている麻耶だったが、隣でピッタリ
と並ぶ高田の視線が凄く気になる・・・。
一度緩んでしまった力は、溢れ出す雫の力には勝てず、再度塞ぐことが出来な
い。
そうしているうちに、電車がホームへと滑り込んできた。

「いや~、混んでますねー」

後続の乗客達に流され、奥の扉へと背中を押し付けれらた麻耶の前を塞ぐよう
に立つ高田が言った。
麻耶をこの場所へ上手く押し込めたことに高田は内心ニンマリとしていた。

「え、ええっ! そ、そうです・・・ね・・・」

流れに任せ少し歩いてしまったことが、麻耶の割れ目から大量の雫を下着に染
み込ませていた。
その状況は麻耶にとっては、とてつもなく恥ずかしく、また気持ちを焦らさず
には居られなかった。
力を必死に入れて、両脚を会わせる麻耶だったが、揺れる電車の中では簡単な
動作ではなかった。
揺れに合わせ脚を踏ん張れば、少し開いた割れ目からは雫が零れ落ちてしまう。
十数秒もすると麻耶の息は微かに荒くなり、前を陣取る高田の耳には、はっき
りとその様子が伺い知れた。

「麻耶さん、気分でも悪いんですか?」

そう言って身体を密着してくる高田に、麻耶の鼓動が速まる。

「い、いえっ! 大丈夫です・・・っ」

高田の視線から顔を反らせ横を向く麻耶の首筋を見て、高田はそろそろだな、
と心の中で思う。
麻耶の首筋は薄っすらと汗を滲ませ赤く色付いていた。それが火照る身体を制
御できない状態だと、高田は見抜いていた。

(まあ、あの薬にかかったら、こんな大人しい女は一発だよな)

そうホソク笑んだ高田は、電車の揺れに任せて身体を強く麻耶に密着させる。

(しかし、本当にイイ女だ・・・バランスの良いスタイルも申し分ない・・・
じわじわと責め始めるか・・・!)

邪心を纏う高田の甘いコロンの香りが、麻耶の鼻腔をくすぐり、刺激する。

(ああ~っ! だめ・・・・どうしちゃったの・・・・わたしっ!)

自分の身体に齎される状況に、麻耶の思考が翻弄されていく。
何より、密着する高田の動きに敏感に反応し、声が出そうになってしまう身体
がどうしようもなかった。

(だめっ・・・そんなに・・・くっ付かないで・・・やあ・・・・あっっ)

意識的に押し付けられた高田の肘が、揺れに呼応して麻耶の乳房に触れる。
それは次第に大胆になり、肘の堅い部分で突起を突かれたとき、麻耶の口から
小さな喘ぎ声が漏れてしまった。
慌てて口を真一文字に結ぶ麻耶だったが、その喘ぎを高田が聞き逃すわけなか
った。

「やっぱり様子が変ですよ麻耶さん。どうしたんですか・・・」

顔を麻耶の耳に寄せて囁く高田の熱い息が、麻耶の耳にかかる。

(あああ・・・・ だめ・・・だめ・・・・だめっ~!)

麻耶の脚が小刻みに震えだし、立っているのも限界に近かった。

「無理しないで・・・」

またも耳に息を吹き掛けながら囁く高田に、麻耶の割れ目が一気に開き、中か
らは止め処なく蜜液が流れ出してしまった。


(6)へつづく・・・

小説(転載)  『過ち…それから』 第二部 4/7(欠落あり)

官能小説
04 /24 2019
【4】

「麻耶~、久し振り。変わりない?」

急に掛かってきた瑞貴の電話に、麻耶は酷く戸惑った・・・。

「う、うん 変わりないよ。 瑞貴は?」
「私はどうだろう~・・パッとしないかな」
「そ、そうなんだ・・・何かあったの・・・?」

不安を押し殺しながら麻耶は聞いた。

「別にコレといって無いけど、毎日が退屈でね」
「そう・・・でも、ご主人は・・?」

聞いたあとに麻耶は少し後悔する・・。

「彼は元気よ。でも最近遅い日が多くて・・浮気でもしてるのかしら」

麻耶の鼓動が早鐘を打った。

「そ、そんな、瑞貴のご主人に限って・・浮気なんて・・・」
「そうかしらね~! 男は分からないから」

麻耶の言葉はその後に続かなかった・・。

「どうしたの、麻耶?」
「えっ! なんでもないわ・・・それで、どうしたの今日は?」

話題を必死に変えようと麻耶は瑞貴の突然の電話の理由を聞いた。

「ああ~、話が逸れちゃってごめんね! 実はね、麻耶、今晩って時間ある?」
「えっ、今晩?」
「何か予定あるの? 麻耶」

(今晩は彼と会うの・・・)

言葉に出来ないセリフを胸の奥で吐いてみる・・・。
当然声に出して瑞貴に言える訳がなかった。

「べ、別に予定なんてないわ・・」
「良かった~! 実は今晩、一緒に飲みたくて電話したの」
「そうなんだ・・・」
「旦那がさー、今日も遅くなるなんて言ってきたから、たまには私もいいかな
~なんて思ってね!」

(あの人ったら、私と会うために瑞貴に遅くなるって伝えたのね・・)

麻耶の中で会いたい気持ちが沸き上がる。

「麻耶っ! マヤったら、聞いてる?!」

今夜の逢瀬に気持ちが飛びそうだった麻耶の思考が瑞貴に戻される。

(仕方ないわ・・・ 仕方ないのよ・・)

「いいわ、今夜は付き合ってあげる! 久し振りだもんね」

命一杯の虚勢を張り、麻耶は瑞貴の誘いを受けた。

「嬉しいわ麻耶! じゃあ、今夜7時に駅前で待ち合わせしよっ!」
「分かった、7時ね。遅れずに行くわ!」
「ふふふ・・楽しみ!」

瑞貴の笑いが大きな意味を含んでる事など、麻耶には解るはずも無かった・・。

「それじゃあ、乾杯~!」

麻耶と瑞貴はグラスを合わせた。
暫くの時間、瑞貴が一方的に喋った。
麻耶は瑞貴の繰り出す話題に相槌を打ちながらも、心はココに無かった・・。

「ちょっと麻耶! 何よ上の空みたいな顔しちゃって?」
「あっ! ごめんね・・・ちゃんと聞いてるわよ」
「ホントに~・・・なんか怪しいぞ、麻耶」

麻耶は必死に笑顔を作り、瑞貴に向けた。

「まあいいわ! その変わり、今日はトコトン付き合ってもらうわよ! 飲ん
で、飲んでー」

瑞貴に対する後ろめたさなのか、勧めるアルコールを麻耶は断れなかった・・。

「あ~・・結構イイ気持ちー!」
「わたしも・・・ちょっと酔ったわ」

ワインを2本も空にした二人は、頬を真っ赤に染め、口調も怪しかった。
そんな二人に、低く渋めの男の声が掛かった。

「美女ふたりでお楽しみですか?」

声の主を一斉に見た瑞貴と麻耶。

(誰かしら・・・)

麻耶には見覚えの無い男だった。

「あらっ、高田さん!? 高田さんよね?」
「久し振りです、瑞貴さん。お元気でしたか?」
「ええ~ 元気ですよ。高田さんは、お変わり有りませんか?」

口裏を合わせた二人の会話だったが、芝居染みたところは全く感じられなかっ
た。

「もし良かったら、ご一緒しません?」

瑞貴が空いた椅子を指差し、高田に座る様に促す・・。

「ちょっと瑞貴、そんなこと言ったって・・・・」

瑞貴の知り合いとはいえ、見ず知らずの男と席を一緒にするほど麻耶は社交的
ではなかった。

「いいじゃない、凄く面白くてイイ人よ、高田さんは」
「でも・・・」

伏し目がちになる麻耶を高田はじっくりと品定めした。

(ほほお~・・これは想像してたより数段イイ女だな・・泣かせ甲斐が有るぜ)

そんな目で自分を見下ろされてるとは微塵も思わない麻耶の身体に、容赦なく
高田の視線が注がれる。

(スタイルもいい! この手の女は胸が性感帯だな。あの膨らみ、たまらねぇ)

200人は下らない女を手にしてきた高田には、薄いサマーセータに包まれた
麻耶の裸体を想像するのは造作もなかった。

「じゃあ、少しだけご一緒しよう!」

不安な表情を見せる麻耶を他所に、高田は二人の間へ軽い身のこなしで座った。

「それじゃあ、改めて乾杯!」
「か、乾杯・・・」

細く小さな声でグラスを合わせる麻耶に、高田は優しく微笑み掛ける。
黒く焼けたパワフルな印象に少し圧倒される麻耶・・。
でも百戦錬磨の高田には、麻耶の緊張を解くのに大した時間は必要なかった。
10分もした頃には、高田の豊富な話題に麻耶は頬を綻ばせ、次第に高田に対
する警戒心を解いていった・・・。

アルコールの廻った麻耶が化粧室へ立ったのを見計らって、高田は上着のポケ
ットから袋に包まれた物体を取り出した。
そしてそれを周りに気付かれない様に麻耶のワイングラスへ落としていく。
白い粉がワインに溶け、見た目には全く判別できない状態に戻る。

「ちょっと、何をしたの!?」

思い掛けない高田の行動に瑞貴は声を潜めた。

「これはな、強力な催淫剤だ。まあ、一緒の麻薬みたいなもんだな」

包み紙を灰皿に投げ入れ、タバコの火で燃やし証拠を無くす高田が言った。

「ま、麻薬! そんなの麻耶に飲ませて平気なのっ?」
「ああ、大丈夫だ。薬をやったことがない女には強烈に作用する・・・。これ
で麻耶が落ちるのは確実だ」
「そ、そうなの? 本当に大丈夫?」
「まあ見てろって! スゴイことになるから楽しみにしとけ」

高田は自分のグラスに残るワインを飲み干すと、瑞貴に耳打ちして席を立った。


(5)へつづく・・・

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。