小説(転載) 「原孫氏の素晴らしき淫楽な生活」
近親相姦小説
掲載サイトは消滅。
題名 「原孫氏の素晴らしき淫楽な生活」
1.
夕暮れ近く、辺り一面薄暗くなった頃、その閑静な住宅街に、一台のタクシーがやって来た。
そしてそれは、ゆっくりとスピードを緩めると、一軒の洋式建築の家の前に停車した。
中から、白髪交じりのダンディなスーツ姿の男性が出てきた。
「おう。今帰ったぞ。」
「お帰りなさいませ。」
義男がドアベルを鳴らしてドアを開けると、目の前に一人の女性が、
上り口の居間で三つ指をついて座っていた。
妻の幸子は夫の出向かいには、いつもこうして待っていてくれた。
いつも明るい笑顔。優しげな微笑が義男の疲れた気持ちを癒してくれる。
「今日は、随分とお早いのですね。」
「あっ・・ああ。まあ今日は特に仕事のトラブルなど無かったからな。」
「そう・・それは良かったわ。それじゃああなた、今からお風呂を先に
します?それとも食事の方を先になさいますか?」
「そうだなあ。風呂を先にしようか。」
義男は、夫婦兼用の居間に入ると、直ぐに上着から靴下までを脱ぎ捨てて、
シャツとパンツだけの格好で風呂場に向った。
脱衣所には、既に代えの下着類とパジャマが用意されていた。
ゆっくりと湯船に浸かる。ひと時の開放感が全身を覆った。
「ふうう。ああ気持ちが良いなあ。」
義男は大きく息を1つ吐いた。
幸子は申し分の無い女房だった。それは新婚当時から変わらない。
万事至り尽せりの対応だった。夫が戦場から帰ってきてからも余計な気を
使わせぬように、細心の尽くし様に心を配った。
義男も、また女房孝行には余念が無かった。
休みの日には女房を連れての旅行を何度もした。
勿論買い物の時も一緒について行った。たまに料理だってする。
二人はいつも互いの事を第一に考えていた。
だから、この関係は新婚当時から、何一つ変わってはいない。
幸子とは職場結婚だった。当時幸子は社長秘書を務めていた。
社内では評判の美人。気立ても良く明るい性格。
当然社内の男性が放っておく訳など無かった。何人も群がる。
義男もその中の一人だった。だがそれほど熱心な信者では無かった。
遠くから見ていただけ。気にはなるが、積極的な行動はしなかった。
義男自身、女性に媚を売るのが嫌だったせいもあったからだ。
そりゃそうだ。他の男性と同じ様な事をしても、所詮その中の一人
でしか評価されない事を理解していたからだ。
媚びを売って女性にアピールしても男の値打ちなど判りはしないだろう。
若い内は仕事で自分の今を構築するのが先決なのだ。
義男の仕事における成果は、着実に実っていった。
数年の後、彼は社運が懸かったプロジェクトから召集があった。
社長の陣頭指揮の元、その大きな仕事に参加した義男は、そこで初めて
幸子と出合った。
二人は自然と語らい、そして自然と付き合うようになった。
だがそのきっかけは義男からではなく、幸子からの誘いからであった。
彼女は仕事に追われる義男を常にサポートしていた。
積極的だったのは幸子の方だった。傍目で見ていてもそれははっきりと
分かった。社内のマドンナに惚れられたのだ、後の流れは決まったも同然。
義男だってまんざらではなかったのだから・・
そして数ヶ月の付き合いの後ゴールイン。社長の媒酌の元、二人は永遠の愛
を誓った。
以来30年近く、順調な夫婦生活を送ってきた。
30才手前で娘・舞を得た。そして42才でアメリカに単身赴任。
当時娘は中学に入ったばかりで、思春期の真っ盛りだった。
環境の変化が与える影響の大きさを考えると、一緒には連れて行けない。
勿論そうなると妻もダメだった。
「舞は私がちゃんと育てます。あなたは仕事に集中して下さい。」
幸子は、健気に笑って義男を見送った。
厳しいアメリカでの生活。幸子は年に2回夫の元に通った。
ひと時の安らぎを与えてくれた。その後は大きくなった娘も来てくれた。
最後の数年間は、幸子が体調を崩したせいもあって娘の舞だけが来てくれた。
そんな家族のお蔭で義男は15年もの長きに渡って第一線で踏ん張る事が出来
たのであった。
義男が取締役常務として本社に戻って6ヶ月経った。
その間には娘、舞の結婚式があった。
相手の男性は、がっちりとした身体の持ち主。人の良い顔つき。しっかり者の
舞にふさわしい良い旦那様が来た。
人の良い・・・そう。義男がそう思うのは、あの帰りの飛行機での出来事。
娘を一人の女性として抱いたあの時を思い出していた。
誰も気づかない娘との秘め事。義理の息子の満面の笑顔を見ると、義男の胸が
痛んだ。勿論良きパートナーである妻にも同様だった。
「あなた。お湯加減は如何かしら?」
思いに耽っている義男の耳に、ふいに幸子の声が入って来た。
「ああ、凄く良い加減だ。どうだお前も一緒に入らないか?」
「何バカな事言ってるのよ。もうすぐ舞も帰ってくるんですよ。」
義男の誘いも、あっさりと一蹴された。
国際線FAとして勤めている舞だが、ここ最近は内勤として本社に入っていたから、
帰りも早かった。
舞は結婚後も以前と同様に勤務に従事していた。
旦那は結婚後直ぐにイギリスへ単身赴任した。
新婚旅行も含めてイギリスに1ヶ月滞在して帰って来た。
当初の予定は、仕事を辞めて2人でイギリスで新婚生活を送るはずだった。
だが一転その約束は反古にされた。舞は仕事を続け、そして実家で暮らす事になった。
当然旦那は大反対。約束が違う。だけど舞は突っぱった。
いざとなれば結婚破棄まで辞さなかった。
折れた旦那。惚れた弱み。結局月1回イギリスに足を運ぶ事で決着した。
幸子は呆れ、義男は肩を窄めた。
原因は自分にある。義男は舞に対してビシっとした態度が取れなかった。
舞は笑顔で義男を見る。幸子には勝手気まま娘の満足げな笑みに映った。
義男には小悪魔な誘いに見えたのだった。
「お父さんには2人の妻が出来たのよ。」
舞の言葉が頭の中で何度も反芻した。
「あの人とお父さんとは似ている所があるの・・・それは血液型。」
その意味を考える度に身が竦む思いに駆られた。
どこまで本気なのだろうか?
道の真ん中で足が竦んでしまった義男。当然その先には、おそらく1つの結論が
控えているだろう。その答えを口にする事は出来なかった。
身の毛もよだつ結論。出来れば引き返したい。
だが、もうそれも無理だった。父は娘とSEXしたのだ。この事実は変えられない。
密会はいつもホテル。そしてそれは舞のフライト帰りに限っていた。
密室の中での逢瀬。ひと時の夫婦生活だった。
頭の中で否定しても、身体は正直だった。煩悩は既に全身を蝕んでいた。
舞の肉体は最高だった。柔らかくて、弾力に富んでいて、そして躍動的だった。
舞は色々なテクニックで義男の肉体を虜にした。
それは様々な男性遍歴を裏付けるかのようだった。
舞の柔らかな肢体は、様々な体位を可能にした。愁いを秘めた瞳が潤んでいた。
そして魅惑的な”おんな”の声が悩ましい。
義男は若さを取り戻したかのように、舞を何度も抱いた。
もう離れられない。もはや舞の淫らな表情が頭の中から消える事はなかった。
義男は、湯を何度も顔に浴びせた。
悩んでても仕方が無い。こうなれば今の状況を楽しむしかないのだ。
勝手な理屈で結論付けた。
勢い良く湯船から身を起こした。”欲望”が元気に反り返っていた。
それはもうニ週間も舞を抱いていない事実を証明していた。
風呂から上がると、夕食は既に出来上がっていた。
「さああなた、一杯いかがですか?」
義男が食卓に座るや、タイミング良く幸子がビールを手にして催促した。
風呂上りの一杯は格別だ。義男の喉は一気に潤った。
幸子は、にこやかに義男の表情を見ている。15年ぶりの夫婦水入らず、幸子の
笑みは何時までも消えなかった。
「ただいまあ!」
その時、玄関から舞の声が響いてきた。
そして直ぐに紺のスーツ姿の舞が食卓に顔を出した。
「おかえり舞。丁度良かったわ。今から夕食なの。あなたも直ぐに着替えてらっしゃい。」
「うん。私もうお腹ペコペコだったの。直ぐに来るからね。」
舞は満面の笑みを振り撒くと、急いで自分の部屋に入った。
しばらくして着替えた舞が食卓に現れた。
3人の夕食が始まった。
「あ~あ。デスクワークって疲れるわ。もう目がチカチカしてしょうがないの。」
そう呟くと自分の肩をつまんで首を左右に揺らす。疲れて肩が凝った親父がよくする仕草。
「しょうがない奴だなあ。まあ、お前は昔から身体を動かす事が好きだったから椅子に座った
ままの仕事なんて似合わないのかもな。」
呆れた表情で義男が合いの手を入れた。
「まあなんですか。なんて呆れた事を言ってるの。あなたがどうしてもと言って続ける事に
したお仕事なのでしょ?今更そんなグチを言ってたら、イギリスに独り住んでいる人に申し訳
ないでしょ。続ける以上は、何があってもグチは言わないの。分かった?」
幸子が語尾を強くして舞をたしなめた。
舞は首を窄めて舌をペロリと出した。
「ごめんなさい。でもFAのお仕事は大好きよ。天職だと思ってるわ。だから続ける決心をしたの
でもねデスクワークは辛いのよ。座ってばかりじゃ何だか身体がムズムズして気持ち悪くなるの。
それは分かってよう、お母さん。」
「それでも言っちゃダメなの。あなたには責任があるの。大事な旦那様との約束を破ってまで続ける
仕事なんですから当然でしょ。黙って耐えなさい。」
幸子は厳しい口調で道理を諭した。舞は仕方なさそうに首を縦に振った。
気まずい雰囲気。家族の箸の動きが止まった。
「あっああ、なあ舞。それならお前いつからフライト業務に戻るんだい?」
重苦しい空気を打破するように、義男は調子ハズレの声で舞に問うた。
「あっああ。それなら明後日からなの。明後日月曜日からシフト交代するの。次の内勤までは
思いっきり頑張るわよ。うふふ。」
おどけるように笑う舞。だけど母は不機嫌なままだった。
「そういえばお父さんも、これから仕事が忙しくなる時期じゃないの?」
舞の目がイタズラっぽく笑っている。
「あっああ。そうだな。これから大事な株主総会があるからな。」
舞の誘いの文句に思わず動揺する義男。幸子の横顔をちらりと見て返事をした。
「また帰宅が遅くなるのですか?もう大変ねえ。身体には十分に注意して下さいよお父さん。」
「ああ分かってる。いつも済まんなあ。これが終わったら今度一緒に温泉でも行くか?なあ母さん。」
「はいはい。せいぜい期待せずに待っていますわ。」
やっと幸子から笑みがこぼれた。複雑な気持ちで娘と妻の顔を見比べる義男。
舞がこっちを見ながらウインクをした。ドキリと胸が高鳴った。
そして舞が下唇をひとなめして挑発する。あの悩ましいくびれた腰のラインが頭の中に浮かんだ。
その時義男の妻を想う気持ちは、あっけなく霧散してしまった。
自然と身体全体が持ち上がるような感覚を覚えた。
嗚呼男って奴は・・・。すまない幸子。
薄っぺらい夫婦愛を嘆く一方で、ニ週間ぶりの舞の肢体をその手に抱く期待を胸いっぱいに
膨らませていた。
夕食が終り、幸子が洗物の後片付けをしている時、義男は隣のリビングでのんびりとテレビ
に見入っていた。
舞は風呂に入っていた。機嫌良いいのか鼻歌が聞こえて来た。
義男は内心、気がそぞろとしていた。だからといって風呂場へ行こうなどというバカな行動は
しなかった。
そんな変な行動をしてバレては元も子もないからだ。
舞との”夫婦生活”は決められた空間だけの関係だった。
舞と義男はあくまで父と娘。娘の旦那は今はイギリスの空の下で泣いている。
古女房は、台所で不機嫌そうに洗物をしている。
しばらくして舞が風呂から上がってきた。ミルキーホワイトのバスローブに包まれた格好で、
リビングに現れた舞。その頭に巻かれたタオルからは濡れた髪がほんの少し耳の上に垂れて
出ていた。そしてそれは上気して赤らめた顔と合さって、辺り一面にほんのりとした色気を
漂わせていた。
「いいお湯加減だったわ。ああさっぱりした。」
そう言いながらソファーに大きくジャンプして、その大きな身体を沈めた。
「まあなんですか、そのはしたない格好は!あなたも人の奥さんになったのだから、
もう少し落ち着いた行動をしたらどうなの!」
幸子の怒声が即座に台所から響いた。
「きゃあ!」
慌てて両足を揃えて座り直す舞。だけど肩を窄める姿は、まさに居心地が悪そう。
そして幸子はその姿を見届けると再び洗物を続けた。
舞はそんな母の後ろ姿を見ながら、恐る恐る義男の近くに寄って来た。
「お母さん最近ずっとあの調子で私に怒ってばかりなのよ。もう嫌になっちゃうわ。」
「そりゃあ当たり前だろ。お前のわがままのせいで、母さん相手先の両親に何度頭を下げて
いるか。勿論俺も下げたけどな。もう大変だったんだぞ・・お前分かっているのか?」
「そ、そりゃあ悪いなとは思ってるけど・・・でも。」
「でも、じゃない。母さんが怒るのも無理は無いぞ。ああ見えて筋の通らない事に対しては
断固許さない性質なんだからな。」
二人は額を着き合わせながらコソコソ話。
バツの悪そうな表情が2つ。
「お父さん、何とかしてよ。」
「何とかってなんだよ。」
「どうにかしてお母さんの機嫌を直してちょうだい。このままじゃあ辛いもん。」
「そんなこと言ってもなあ、俺もどうしていいか・・」
「何言ってるのよ。これってお父さんにも半分責任あるんだからね。」
「なっなんだと・・・勝手な事言うんじゃないぞ。大体これはお前から持ちかけた
事なんだからな。」
「な、何よその態度。娘の私が困ってお願いしているんだから、素直に聞いてくれ
たって良いじゃないのよ!」
「何だあ!親に向ってその口の聞き方は!」
次第に大声になっていく2人のやり取り。一気に白熱化した。
そしてとうとう舞は義男のむなぐらを掴み、そして義男は舞の頭を鷲掴んだ。
「あなたたち何ごちゃごちゃやっているのよ!!ケンカなら外でやりなさあい!!」
とうとう横綱のお出ましとなった。
ピタっと綺麗に2人の動きが止まった。しばらくお互いの情けない表情を見ていた。
「ごめんなさい。もう止めますから。」
低いユニゾーンの響き。
幸子は、それを見届けるや再び後片付けに専念した。
「ねえ、本当にお願いします。何とかして。」
「わ、分かったよ。このままじゃあちょっとマズイからな。」
両手を合わせる仕草の舞を見て、義男は仕方ない表情で幸子のいる台所まで、
ゆっくりと歩を進めた。
どうしようもない不安に1度振り返る。舞の両手が頭上高くかざして拝んでいた。
頷く父。またゆっくりと一歩ニ歩・・・ああいやだなあ。
2度目の振り返り。舞は胸元で両手を組みながら、顎を前に突き出すようにして早く早くと催促。
あの野郎~・・・だけどしょうがない。こみ上げる怒りを抑えつつ前へ進む。
「な、なあ母さん。ちょ、ちょっと話があるんだけど・・いいかなあ?」
「なんですの。今はちょっと手が離せないんですけど・・」
ツンとした横顔。深い怒りが垣間見える。これには義男も気が引けた。
「ま、舞の事なんだが、も、もうちょっと穏やかに対応したらどうだろうかなあ・・と思ってさ。」
「穏やかに?・・・それはどういう事ですの?」
「あいつだって反省はしてるだろうってことだよ。だからお前がそういつまでも怒ってばかりじゃ
あいつはずっと肩身が狭い思いをして可哀想だと思うんだ。だから・・」
「可哀想?あの子が?あんなわがまま一杯で子供っぽさが抜け切らない行動ばかりする子がですか?」
「え?ああ、いや・・その。」
幸子の予想外の言い返しに驚く義男。二の句が継げなくなった。
「私は今も独りイギリスで寂しい思いで単身赴任している彼の事を思うと、物凄く申し訳無い気持ちで
いっぱいになるんです。勿論親御さんにもです。ああ・・娘の我がままで大変迷惑をかけているって・・
私が日々どんな気持ちでいるか分かりますか?肩身が狭い思いなのはこっちの方なんですのよ!!」
わっと、関を切ったかのように泣き出す幸子。
びっくりした義男は、ただオロオロと立ち尽くすばかり。
助けを求めるように、部屋の向こうにいる舞を見た。
舞は両腕を身体の前に出して、大きな輪を作った。
そして目を瞑って首を可愛く横に傾けた。
ー黙って抱きしめろー パントマイムの答えは容易に理解できた。
義男は言われるままに幸子の腰に腕を回して、ぐいっと自分の身体に引き寄せた。
幸子は突然の事に驚いた。その表情は義男の胸元に寄せられた。
「あ、あなた・・」
「いつも苦労をかけて済まない。お前のお蔭で私は安心して仕事に打ち込んでこれたんだからね。
お前がいないと私は身の回りのことなど何1つ出来やしない。凄く感謝しているんだ。」
「まあ、あなた、そんな・・・」
戸惑いながら恥らう幸子。50を超えても可愛らしい表情だった。
舞は両腕で作った輪を更に小さくしていった。そして呑気に目を瞑りながら唇を尖がらせている。
ーもっと強く抱きしめろー
義男は言われるままに両腕に力を入れた。すると幸子も両腕を義男の背中に回していった。
「舞だってバカじゃないさ。たた今は仕事が凄く楽しい時期なんだろうな。随分迷ったはずだと私は
思うよ。今回の事は彼とよく話し合った末の結論なんだから、ここは黙って様子を見てあげようじゃ
ないか。ずっとこのままってはずはないよ。ちゃんと時期を考えているはずだ。それがいつなのかは
分からないけど。」
「私もそう思いますよ。そう思うんだけど、やっぱり相手のこと考えると、娘だからって甘やかすの
はダメだと思って、せめて厳しく接しないと相手様に申し訳なくて・・」
良く出来た嫁だ。義男に愛しい感情が沸き起こった。
だがその肝心な時に継ぎ足す言葉を失念してしまった。
わらわらと慌てる・・・”助けてくれ”
泳ぎ気味の視線が、また舞に向けられた。
その時舞はーーー。
抱きしめる格好のままに、尖がらせた唇の先から舌を出し入れしていた。
”ば、ばかもんがあ!”
義男は眉を吊り上げて睨みつける。娘の前でそんなところを見せられるはずなどないだろ。
舞は、にぱっと笑うと挙手の礼をして(頭に巻きつけてあるタオルが帽子代わりなのだろう)
スタスタと歩いていってしまった。
「あなたどうしたの?」
ふいに幸子が顔を上げて、急に黙りこんだ義男の様子を伺った。
「あっ、いやなに。」
義男は、急ごしらえの笑顔で答えた。
「ああ見えてもあの子が、実に心根の優しい娘なのは、お前も知っているだろう?」
「え、ええ。」
「結婚しても一緒に住みたいなんてさ、普通の女の子じゃあ言ってもくれないからな。
勿論、旦那の理解と優しさがあってこそなんだけど。」
「私もそこのところは分かっていますわ。そんな彼の優しさに感謝しているからこそ、
舞にはちゃんとして欲しいのですよ。何か間違っています?」
「い、いや、正解だよ。舞ももうちょっと理解してもらわんとな。」
大汗をかいた・・首筋や背中が熱い。ウソの言葉の羅列に気が咎める。そして目が泳ぐ。
義男は幸子の顔を正面から見るのが辛くなった。
”くすくす”突然に幸子が笑い出した。
拍子抜けした表情の義男が思わず幸子の顔を覗き込んだ。
「ど・・どうした?」
「いえ、あなたに抱きしめられたのって何十年ぶりなのかなと思っちゃって、つい・・うふふ。」
「あんまり笑うな。こっちも照れちまう。」
「ごめんなさい。うふふ・・・」
ふう~なんだあ・・・女のご機嫌取りも楽じゃないな。
義男もため息交じりの笑いが鼻から抜け出ていく。
おや?
ふいに頭を上げると、その視線が向こうの廊下に行った。
そこには舞がまた戻っていた。
右手を口元に当てて、”ありがとう”と唇だけが動いた。
”ああ、良かった良かった”義男も笑顔で頷いた。
だが次の瞬間、舞がその身を包んだバスローブの紐を解いた。
(おや?何してんだ?)
義男も不思議そうに、首を前に突き出して、その姿を凝視した。
前が開くと、バスローブの襟口を背中の真ん中までずり下ろして止めた。
見事なお碗型のおっぱいが、露わにそしてひと際大きく写った。
(わ、わわ・・ば、バカが。何てことしてんだ。こんな所でストリップなんぞして
悪ふざけが過ぎる!!)
舞は義男の驚く顔を確認すると、更に大胆に足を上げた。
そして軽く一周回ってみせると、その綺麗な背中が義男の目に飛び込んで来た。
まさにストリッパーの仕草そのものだった。
唖然とした表情の義男。だが視線はそのまま。瞬きも無い。
更にもう一周すると、今度はそのバスローブを全て地べたに落としてしまった。
まるまるの全裸だ。綺麗な肢体が露わになった。
今幸子が振り返ったら、どうなるだろう? 卒倒モノなのは間違いない。
そんな心配は義男だけなのだろう。舞はまったく気にもせずに踊っている。
そして右足を上げると、そのかかとを壁にくっ付けた。
するとその大事な部分は、ぱっくりと見事に全開になっていた。
左手の人差し指と中指の二本が、花弁を押し広げていった。
そこには綺麗なピンクの花が咲いていた。
二週間ぶりの舞の裸に、見惚れる義男。
「あうっ!」
突然に股間に痛みが走った。
窮屈なブリーフの中で、子供が窒息状態になって暴れ始めたからだ。
”ったくなんて娘なんだ”
恨めしそうな表情で舞を見る義男。だけど嬉しそうな笑顔で、もう一度挙手の礼をする舞。
そして落ちていたバスローブを引き揚げると今度こそ、その場を去って行った。
「まあ!」
その時幸子が、素っ頓狂な声を上げた。
何と義男の大きくそして元気になった肉棒が、幸子の下っ腹辺りに当たっていたのだ。
真っ赤な頬の幸子。戸惑い気味に顔がうつむいていた。
「君があまりにも可愛いから、つい元気になっちまったんだよ。済まない。」
「い、いえ。いいんですよ。はい・・」
情けなく引きつった笑顔で妻を見る。そして思わず天井を仰いだ。
そして弱弱しいため息を、1つ2つと漏らしていったのだった。
2.
3日後、ここは都内シティホテルの中の一室。
「あああああああああっ!!」
正面から女の両手が男の広い背中に回っている。そして男の腰が激しく動いている。
布団からはみ出た両足が、宙を彷徨っていた。
「ああ、舞。父さんもうイクぞ。」
「キスして!ねえお父さん。お願いだから。」
激しく唇が重なり合う2人。
「おおおお。まあああい!!」
「ああああん。気持ちイイよ。おとうさああん!!」
激しく痙攣した瞬間、二人はぐったりと重なり合った。
義男は、ゆっくりと起き上がると自分の股間に手を入れた。
嵌めていたコンドームを取り出すと、そのままゴミ箱に放り込んだ。
そして寝ている舞の横に、大の字になって倒れ込んだ。
「ねえ、もうゴム使うの止めようよ。」
「バカ言え、これは男としてのエチケットだ。」
不満気な声色の娘を、あっさりと一蹴する父。
「だってえ、ゴムってそんなに良い感触が無いのよ。」
「ウソをつくなよ。お前まだ諦めてないんだろ?」
顔を横にして、隣の娘の横顔に向って言い放つ。
「そうよ。妻として夫の子供が欲しいのは当たり前じゃないの。」
キッと鋭い目で義男を睨みつける舞。
その勢いに、はっと驚く義男。
「で、でもなあ。私たちは親子だぞ。生まれてくる子供は、私にとっては子であり
孫でもあるんだ。それって生まれてくる子供にとって良いのかどうかも分からんしな。」
「子供は、望まれて生まれてきてこそ幸せなのよ。そこらのバカカップルの出来ちゃった
婚と一緒にしないで。私はどうしてもお父さんの子供が欲しいの。」
素早い切り返しで反論するその表情にはいつもの明るくおどける舞の姿などどこにもなかった。
真剣そのものの眼差しで義男を見つめていた。
「だけどな、旦那が不在の今、そんな事になっちまったら、直ぐにおかしいと思われてしまうだろ?」
それでも義男は、舞を説き伏せるように言葉を重ねていく。
だがその言葉を聞いた舞は、急ににんまりと笑みを浮かべた。
「それなんだけどね。実は彼がね来月帰ってくることになったの。」
「な、なんだとー!そ、それは本当か?」
慌てた義男。同居の条件が本当なら、これから一緒に住まなくてはいけない。
大きな声も無理は無かった。義男は、寝ている舞の両肩を掴むと強引に起こした。
「ちょっちょっと、そんなに興奮しないでよ。帰国って言っても一時的なものよ。
ちょうど赴任して半年経ったから、特別休暇を貰えたって言ってきたの。
最初私があっちに行く手筈をしてたんだけど、彼がどうしても1度日本に帰りた
いって言うもんだから、それで決まっちゃったの。」
「それでいつまでいるんだ?」
「10日間。まあ将来の為の予行演習と思えば・・ねえ、うふふ。」
母親と同じ笑い方をする舞。
急速に脱力感に襲われる義男。ばったりとベットに寝転がってしまった。
「この10日間で、彼と何回もSEXするわ。勿論中出しでね。」
「ああ何てこった。」
義男は、がっかりした表情のまま左手を額に当てている。
舞は義男の胸に顔を、そっと押し当てた。
「だから・・お父さんも安心して私に中出ししても良いのよ。うふふ・・」
美しい悪魔の甘美な誘い。うつろな心の隙に染み入るように入り込む。
義男の手が舞の髪を何度も撫でつけていた。
「今日から暫くの間お世話になります。よろしくお願いします。」
明るくハキハキとした口調が玄関先で響き渡った。
舞の旦那が10日間という限定付きでやって来たのだ。
「そんなに緊張しなくてもいいのよ。どうせ将来ここはあなたのお家になるんだから。
勿論今だってここはあなたの家であることは間違いないんだから、もっとどーんと構
えててちょうだいね。うふふふ。」
幸子がいつも以上の優しい笑みを満面に表わして出迎えた。
勿論その後ろには、仏頂面の義男が憮然とした態度で立っていた。
旦那と舞は駅で待ち合わせていて、彼は大きな荷物を1つ抱えていて、
もう1つを舞が持ってやってきたのだった。
「お母さん、随分と嬉しそうねえ。彼の事気に入ったみたいだね。」
「まあ、母さんは昔からああいった折り目正しい男が好きだったからな。」
「それに最近私に対しても、そんなに厳しい態度を取らなくなったわ。これってお父さん
のお蔭かしら?」
「まあ俺の説得が良かったんだろうな。あはは。」
「説得って・・勿論アレ?」
舞はニヤリと笑うと、義男は慌てて否定した。
「ええ?何?お父さん、日本に帰ってから、まだ一度もお母さんとSEX無いの?ウソー!」
「当たり前だろ。今更この歳で長年連れ添った母さんと、そんなことが出来るはずが無いだろ。」
舞は眉間にシワを寄せながら、頭を何度も左右に振った。
「だめだなあ。道理でお母さんが怒りっぽくなったと思ったわ。何にもしないんじゃね。」
呆れた表情で喋る舞。だがそれを見た義男は、ちょっとカチンときたみたいだ。
「これは長年夫婦をやっている奴にしか分からん事だ。初心者に何が分かるか。バカモン!」
「何よ。私だってあなたの妻なのよ。私の言ってる事の方が当っているわよ。」
舞は義男の太ももを、ぎゅうっとつねった。
「いっ・・痛ってえ!」
堪らず大きな声が出てしまった。
「あなたたち、さっきから何ごちゃごちゃ言ってるの?そんな所に突っ立ってないで、
さっさと荷物を運ぶのを手伝ってちょうだい。」
「は、はい。分かりました。」
幸子の命令に2人は背筋をピーンと伸ばして、またまた仲良くユニゾーンで返事をしたのだった。
新婚夫婦の部屋は1階の奥にある八畳の間になった。
部屋の中は、全て幸子が仕立てていた。小奇麗な佇まい。舞の旦那は気に入った様子だ。
その日の夕食は、久しぶりに賑やかなものになった。
舞の子供の頃の話から始まって、2人の馴れ初めの話、そしてイギリスでの生活の話になり、
最後は義男と幸子の夫婦話まで披露する羽目になってしまった。
とうとう幸子は口を開けて大笑いする始末。それを見た舞と義男は呆気に取られてしまった。
こんなに笑う妻を母を見るのは初めてだったからだ。
義男はふと、幸子はずっと男の子が欲しかったのだなと直感した。
それは叶わなかった夢が実現した喜びが爆発したのだと素直に思ったのだった。
それから2日経ち3日経ちと、時間が過ぎていく内に、次第に彼は家族の中に溶け込んでいった。
遠慮がちの態度は徐々に無くなっていった。食事の時でも、おかわりを言う声が響くや、その手が
伸びやかに幸子の目の前に差し出されていた。
「はいはい、元気があって良いわよ。うふふ・・」
幸子の表情が如実に変わっていくのが分かった。
以前より若返ったような笑顔と肌の張りが顕著に出ていた。
彼はもはや原孫家にはなくてはならない人となっていたのだった。
それから暫く経ったある日の夜。
その時寝室で寝ていた義男は、ふと何かの物音で目が覚めた。
ダブルベットの横では幸子が、背を向けて寝ていた。
その物音は、何かがきしむ様な音がした。
義男は起き上がって辺りを見回した。が、そんな音を出す様な気配などどこにも無かった。
(おかしいなあ?確かに何かの音がしたんだけど・・)
義男は、諦めて枕に頭を置いた。するとまた・・・ギシギシ。
枕の上に置いた方の耳から聞こえて来た。どうやら物音は下からだ。
義男は、枕を退けて片方の耳をベットに押し当てた。
きしむ音は、さっきより鮮明に聞こえて来た。義男は更に耳に神経を集中させた。
きしむ音の合間から、何やら人の声が混じって聞こえて来た。
「アッ・・・ソコ・・・アア・・もっとつい・・」
小さな声の主は、どうやら舞のようだ。義男は直ぐにそれが夫婦の営みだと理解した。
ここでの生活に慣れた旦那が、とうとう堪らずに行動を起こしたのだった。
「オオ・・舞・・・イイぞ・・・最高・・」
旦那の方も遠慮もせずに声を上げている。随分と派手にやっているみたいだ。
(こうなれば当然中出しだろうなあ。張り切るのも当然か、ふふふ・・)
義男は以前舞が言ってた子作りの話が現実に行なわれているのを実感していた。
(まあアイツもイイ身体してるから、何発抜かれることか。大変だぞ。)
やれやれといった表情で、もう一度寝ようとしたその時、義男は目に前の異変に気がついた。
背中を向けて寝ていた幸子の肩が、静かに小刻みに震えているのが分かった。
すると義男は、ゆっくりと右手を伸ばして幸子の肩にそっと置いてみた。
するとその瞬間、びくっと大きく肩が揺れた。
「なあ、幸子。起きているのか?」
「えっ・・・ええ。」
か細く震えた声が聞こえて来た。
「寝れなくなったのか?」
「は・・はい。まあ。」
「無理も無いか。あいつらここに慣れた途端に、随分と派手にやってるなあ。」
「・・・・」
義男の気を紛らすような一言には、もう返事が無かった。
義男は、幸子の顔を覗き込むために身を乗り出した。
「おい、お前随分と顔が赤いなあ。あの声に興奮したのか?」
「な、何言ってるんですか。そ、そんな事は・・・」
「無いって?本当かあ?」
義男は、すっと右手を幸子のパジャマズボンの中に入れた。
そしてパンティの先端部分を指でなぞって行った。
「あああ。何を・・やめ、やめて!」
幸子は下半身をくねらせて、その指の侵攻を阻止しようとした。
「何してるんだい。ちょっと調べているだけじゃないか。直ぐに終わるからさ。我慢しなさい。」
「ああやめて。とめてぇ!」
幸子のあがきも空しく、その指の探索は終り、右手がズボンから出て来た。
「おいおい、何だか湿り気を感じたけど、これはどういう事かな?」
にやつく義男。スケベ親父の表情丸出し。興奮する野郎は全てこんな顔なんだろう。
「し、知りません。」
背中の向こうから実に聞き取りにくい、か細い声が聞こえて来た。
背中は相変わらず震えていた。
「おい、今何て言ったんだ?」
義男は、もう一度その声の内容を聞こうと、幸子の肩を揺らした。
1度、2度・・揺すっても答えない。
そして更に3度、4度とひつっこく肩を揺すり続けた。
すると・・
とうとう堪えきれずに、いきなり義男の方に身体を向けた。
「知りません!!」
幸子は先程と同じセリフを、大きな声で復唱した。
だが、その瞬間、義男の中に新しい感情が生まれた。
振り向いた幸子の顔は、真っ赤に染まっていた。そして今にも泣き出しそうな潤んだ瞳。
恥らいの表情で、下唇が震えていた。
「さ、幸子!」
義男は、たまらずに自分の唇で幸子の唇を塞いだ。暴れる舌先が幸子の舌に絡みついた。
両手でガッチリと幸子の両頬を押さえつける。強引なキス。そしてその舌は、顎から首筋
へと下りてきた。義男の剥き出しの感情がそこに現れていた。
「あ、ああ。あなたあ・・」
幸子の両腕が、自然と義男の背中に回っていた。
義男は、ふいに訪れた感情に押し流されるように、背中からゾクゾクするような痺れを覚えた。
パジャマのボタンを外すと、小ぶりのおっぱいが見えた。娘の大きさから見れば、物足りない
のはものはあったが、実に綺麗な隆起をしていた。まだまだ張りは十分に残っていた。
義男は舌を震わすようにして、隆起物の外郭を舐め始めた。
「はあああん。」
幸子の声が変わった。男をソノ気にさせる淫らな音域が聞こえて来た。
実に甘い。そして可愛い淫声が耳元から入って来た。
義男は右手を、再び幸子の股間に伸ばした。そしてパンティの中に指が入った。
陰部の周りは、既にじっとりと濡れていた。
中指が一本ゆっくりと花弁の中に押し入って行った。
そしてその温かさを瞬時に全身に伝えてくれた。
義男は指の腹を、ゆっくりと中のヒダに押し当てながら、左右に揺らしていった。
「あああああ・・・こんな、こんなの初めてええ!」
普段おしとやかで、あまり感情の揺れを感じさせない幸子が、別人の如くに乱れている。
義男の驚きも同様だった。その昔から淡白なSEXで終始していた頃とは、今ではまったくの
別人に変わっていたと言ってもよかった。
義男はすぐさま、幸子のパジャマズボンとパンティを下にずり下ろしていた。
「おおお舞。凄く気持ちイイよ。」
一方一階では、若夫婦の営みが繰り広げられていた。
正面から深く差し込まれた舞は、左足が太ももまで、旦那の肩口の辺りまでくっ付いていた。
「あああああん。あなた硬いわ。凄く硬くなっている。まるで石みたいよう!」
「な、何て気持ちイイおまんこなんだあ!」
旦那は我を忘れたかのように、一心に腰を降り続けていた。
「はああああん。もっともっとちょうだあい。硬いオチンポをぶち込んでええ!」
舞は、必要以上に大きな声を張り上げていた。
まるで二階の住人たちに聞かせるように。
「今日は、いつもと違って随分と悦んでいるじゃないか?舞。」
「だってあなたとのSEXって、久しぶりでしょ?だから凄く感じちゃってしょうがないの。」
「俺だってそうさ。お前とは久しぶりにだし。それに初めてのナマだろう?もう無茶苦茶気持ち
良くてさ。最後は中出しだろ。燃えない訳無いじゃんか。」
満面の笑みが、幸せの証明。
可愛く頷く舞。だけど、その笑みはそっと天井に向かってのものだった。
彼は何も知らない。本当に幸せな旦那様だった。
「ああああ。そ、そんなあ。あなたそんな事は止めてちょうだい。そことっても汚いのよ。」
幸子は、両手で顔を覆った。その下に視線を動かすと、股間のところで義男が顔を埋めている
のが見えた。舌がピチャピチャと嘗め回す音が聞こえている。
一生懸命にクリトリスを舐めていた。唾液が滴り落ちるまで舌での奉仕。
こんな事は幸子にとって初めてのことだった。
昔は、ただ単に正面から腰を沈めて何度か動いて、それでお終いというパターンだった。
幸子はSEXにはあまり感心が無かったし、また義男自身も仕事の事で頭がいっぱいだった
事もあって、いつも淡白に終えていたのだった。
だが、この変わりようは何だ?
幸子は、痺れる快感の中、その疑問に対して。ある思いをめぐらせていた。
浮気ーーー?
長いアメリカでの生活で、何かがあったのかも?
だが考えてもしょうがなかった。
今、この瞬間、夫は古女房の自分を愛してくれている。
この事実を大切にしようと思った。自分が女として愛されている。
その思いだけで十分だった。50を過ぎて再び得れたこの快感に身を委ねよう。
幸子の目から薄っすらと涙が流れていた。
義男は、やおら頭を上げた。
「今度は、お前の番だぞ。」
そう言うと、義男はゆっくりと身体を起こすとズボンを下ろし、そのまま腰を幸子の胸の
所まで持っていった。
「あ、あなた?」
幸子の目の前に、巨大な肉棒がそびえ立っていた。
初めて真近に見る男根に、幸子は息を呑んだ。
義男は左手で幸子の頭を持ち上げた。そして右手には硬くなった肉棒を握っていた。
そしてゆっくりと近づけていくが、幸子はいやいやをして顔を横に背けた。
だけど更に強引に押し付けていくと唇に、その先っぽが当たった。
「い、いやあ。もうやめて。そんな事は出来ないわ。」
幸子は顔を振って拒否した。だけど義男は、それでも委細構わずに口の中にねじ込んで行った。
「むぐぅうう!!」
大きくて硬い男根が、ずぼっと全部口の中に入ってしまった。
喉に当たったらしくむせ返る幸子。目から涙がポロポロとこぼれてきた。
「さあ、舌を使うんだ。舌をしっとりと絡ませるんだ。」
「うう・・ふううん。」
言われるがままに舌を動かす幸子。「おおおお。凄くイイぞ。幸子。」
夫の歓喜に震える表情を見るうちに、次第に自分で動かすようになっていった。
奥歯に少し力を入れたり、舌を裏筋に這わしたりして、義男の表情の変化を観察する
余裕まで出て来たみたいだ。
「随分と飲み込みが早いじゃないか。ははは。」
義男は嬉しそうな表情で、腰を軽く浮かした。
そして目の前に置いてある鏡台の扉に手を伸ばして開いた。
「ちょっと見てみなさい。」
義男は全開した鏡の前に幸子の身体を起こしてやった。
勿論口には肉棒を咥えたままの状態で・・
(きゃああ。何て顔をしているの。恥ずかしい!)
幸子は鏡に映った、その姿に死ぬほどの恥ずかしさを覚えた。
口一杯にほうばった肉棒が、義男が腰を動かす度に頬を何度も膨らませていたからだ。
目は涙で充血していた。幸子はそれがまるで下僕のような扱いに思えた。
屈辱的で恥ずかしい。まるで玩具のように扱われている事に悲しくなった。
だけど・・
同時に身体の奥から沸き立つ痺れるような快感が徐々に全身を覆っていくのを感じていた。
恥ずかしい事をさせられているのに、何故か気持ちが高揚している。
対等な人としてではなく下僕のような扱いに興奮する自分に、少なからず驚いていた。
(もっと苛めて!!)
何時の間にか幸子は肉棒を口の中で優しく愛撫していた。
「なあ、そろそろ俺イキそうなんだけど。」
「もうちょっと頑張ってよ。私まだイケないの。」
旦那の辛抱たまらない表情とは対照的に舞の顔には物足らなさが漂っていた。
そして舞は、何度も天井に視線をやる仕草をした。
「おおお。もうダメ。イク!」
激しい腰の動きが、一気にリズムを無くして無軌道な動きになった。
「あああん。ダメよう。」
舞は素早く起き上がると、すっと身体を離した。
股間に顔を埋めると、肉棒を口に含みながら、右手で扱き上げていった。
「くわああ!!で、出るう!」
旦那の背中が伸びた。そして腰が前後に揺れ、舞の顔が何度も打ち付けられた。
熱い放流が喉を直撃した。舞は一気にそれを飲み干したのだった。
「あああ・・・そんなあ。約束が違うじゃないか。」
これではまるで楽しみに残しておいた好物を、食べる前にお預けを喰らったようなものだ。
旦那が怒るのも当然だった。
だが舞は悪びれずに平然としていた。
「私まだイケないって言ったでしょ。あなたの方がだらしないんじゃないの。」
「俺が早かったとしてもいいじゃないかよ。どうせ中出しOKの条件なんだから一緒じゃないか。」
「あのね、私を満足させないであなたが勝手に満足するのが嫌なのよ。」
「何だとお!」
「悔しかったら、もう一回挑戦しなさいよ。今度は私をちゃんとイカしてちょうだい。そうしたら
今度は満足いくまで私の中に出しても良いから。どう?」
「おう!言われなくてもそうするさ。」
旦那は舞を押し倒すと、力強くたわわに実った舞のおっぱいをもみ始めた。
そして顔を舞の首筋辺りに近づけると、ゆっくりと舌を這わしていった。
(やれやれ・・・)
ちょっぴり不満げな表情。小さくため息をついた。
その時、舞の頭の中では、別の男性の顔を思い浮かべていた。
もの悲しげな瞳で天井を見つめる。そして唇が小さく動いた。
(お父さん・・・・)
「あああああ!!恥ずかしいわ。あなたイイわよ。」
幸子はよつんばの状態で、義男を後ろから迎え入れていた。
正上位しか知らない幸子にとって、初めてする体位に更に興奮を増していた。
「幸子のケツの穴まで丸見えだ。」
「い、いやああ。見ないで。恥ずかしい!」
義男は容赦無く腰を強く打ちつけた。
「ほら、鏡を見てごらん。まるで犬になったみたいで凄くいやらしい格好だよ。」
幸子は義男の言う通りに鏡を見た。
意地汚く腰を突上げて、後ろから義男の肉棒を咥え込んでいる自分自身の姿が見えた。
「いやあああ。本当に犬みたいだわ。」
義男にとって幸子が見せる恥じらいは実に新鮮だった。
まるで何も知らない蕾のままの少女のようだ。
夫婦になって30年近く経つが、初めて見る妻の痴態に義男の興奮は最高潮に達した。
激しくバックから突き立てる。「いやあああん。だめええ!」
幸子は髪を振りかざしながら、何度も打ち寄せる快感を受け止めた。
理性はあっと言う間に吹っ飛んだ。
「ああああ。あなたの・・あなたの・・・」
「おいあなたの何だ?」義男は腰の動きを止めた。
「お願い止めないで!あなたの・・・あなたのオチンチン気持ちイイの!!」
「おおおお。幸子。良いセリフだ。最高だぞ。あはは。」
義男は幸子を仰向けにすると、再び正常位から貫いた。
激しくキスを何度も繰り返す。幸子の口からよだれが溢れていく。
義男は、そのまま幸子の腰を持ち上げると、繋がったままに立ち上がった。
「え?え?何?なんなの?何だか浮いているわ。」
「そうさ今お前は、宙に浮いているんだ。どうだ?」
抱き抱えられたままに、義男の肉棒が花弁に抜き差しされている。
「も、もうだめ。気が変になりそう。もう勘弁してくださああい。」
「あははは・・俺は気持ち良いんだ。お前はイイ女だ。」
そのまま子供みたいな笑顔の義男。ベットの周りをぐるりと一周した。
しがみ付きながら身体を震わす幸子。
その時何を思ったのか義男は、その状態のまま部屋を出て行った。
「ああ、あなたいったいどこへ行くの?」
「お前が気になった部屋に行こう。」
「ば、ばかあ!あなた気は確かなの?こんな格好で行ったらダメです。
親として子供達に明日からどんな顔をして会えばいいのです?降ろして
ねえ降ろしてください。あなた。お願いだから・・やめて!!」
委細構わず義男は幸子を抱えながらゆっくりとした足取りで階段を降りて行った。
手足をバタつかせながら抵抗する幸子も一緒に降りて行ったのだった。
「おおおう。今度こそバッチリ決めるぜ。舞どうだ?」
「あんあんあん。いいわあ。すっごく気持ちいいわよ。」
その時、一階では2回戦が展開されていた。
今度こそ中出しを決めようと躍起になる旦那が側位から腰を上手にくねらせながら
懸命に突上げていた。
旦那は舞の右足を持ち上げながら、横から深々と貫いていた。
「あああ。もっともっとちょうだああい。もっとよ。」
快感にどっぷりと浸かったような、甘ったるい声が大きく響いた。
だがよく見ると、その時舞の表情はまるで正反対の無表情だった。
(アア~ア。全然だわ。この人いつも独りよがりだもんな。チンポ突っ込むだけで女が
感じると思ったら大間違いだっつうの。)
呆れた表情のままで、更に大きな声で淫らな声を張り上げた。
「いいのか?舞。俺もそろそろイキそうだ。」
「あああん。いいわ。もう私イッちゃいそう。ああああん。だめえええ!」
後ろからでは舞の表情など見えない。気持ち良さそうな表情で横から一生懸命腰を振り続ける
旦那様。舞の演技は完璧。彼が哀れに見えた。
(しょうがないわね。そろそろフィニッシュだわ。一杯出すんだろうなあ~。)
舞が腰をクイクイっと捻ると、旦那が情けない声を張り上げた。
「ああああ。凄い締め付けだああ。もうだめ。イッちゃう。イッちゃうよう。」
旦那のお尻が左右にぶれながら、乱暴な動きで舞に乗っ掛かった。
(さあ・・いよいよね。)
その時、舞の目の前にあるドアが、少しずつ開くのが見えた。
(あら、何かしら?)
人影の気配に舞は少し頭を浮かした。
大きな塊の人影が壁を伝って伸びた。
薄っすらと義男の顔がドアの横手から見えた。
(お・・お父さん?)
一瞬驚いた表情の舞。自分のエッチな声に誘われて覗きに来たのだと思った。
なんだあ・・可愛いらしいとこあるじゃん・・口元が緩んだ。
たっぷりと興奮させてあげるわ。それから気持ち良くしてあげる。
「あああああん。きてぇ!一杯出してぇ!」
舞は目一杯に足を広げて、男根が出し入れしている所を見せ付けた。
そしてその淫らな声は一層艶っぽく響かせた。
だが次の瞬間、舞の目が大きく見開いて固まったままになった。
「お・・お母さん?ウソ・・・」
義男の前に、もう一人の背中が見えた。綺麗な肌。横顔から薄っすら上気した頬が見え隠れした。
泣いている様にも興奮している様にも見える潤んだ瞳が、すがりつくように義男の胸にあった。
「ああ・・恥ずかしいわ。早く、早く上に行ってください。」
「いいじゃないか。向こうは気づいてはいない。よく見ろ凄いぞ。まさに興奮ものだ。」
そう言うと正面から抱っこをしたままで、1回2回と腰を突上げた。
「はあああ・・や、やめて。そんな事をしたら、こ・・声が出そう。」
「だめだぞ。今、声を上げたら、ここから覗いている事がバレるぞ。」
「そんなあ。あなた戻りましょ。早く部屋に・・ああああ。」
容赦の無い義男の突き上げに、脆い肉体が悲鳴を上げそうに鳴っていた。
舞は、驚きを隠せなかった。瞬間、義男と目線が合った。
”どういうつもり?””こういうつもりだ”
互いの目が、そう言葉を交わした。
義男は幸子を降ろした。そして壁に手をつかすと、後ろから一気に差し込んだ。
「きゃああああ。そ・・そんなに突いたら壊れちゃう。だめえ声が出るう~。」
頭を左右に降りながら、迫り来る快感に必死に耐えている。
「さあ前を見なさい。ほらあ・・早くな見ないと終わっちまうぞ。」
「い、いやああ。もう勘弁してください。」
幸子は泣きながら懇願した。実に色っぽい表情に、義男の興奮も最高潮に達した。
「幸子。お前がそんなに色っぽくて可愛い女だとは思わなかったよ。ああ何て時間の無駄遣いを
してしまったのだろう。」
「ああああ。も、もっと、もっと突いてくださああい。お願い。もうたまんないわ。」
「ああいいぞ。もっと突いてやる。そして一緒にいこう。おおお幸子!」
舞は、義男が幸子を見る表情を見て、血が逆流するような思いに駆られた。
今まで見たことの無い慈しみに溢れた表情を舞は見たのだ。
「ま、舞!もうダメだ。出る。出る。出るぞおお!」
旦那の堪えきれなくなった声と、激しく肉がぶつかり合う音とが合さって響いた。
「い、いやあ。止めて、中はダメよ。いやいやいやダメだったら。外に出して!」
その時突然に拒否反応を示す舞の慌てた声が、旦那の耳に入った。
「ば、ばか・・いまさら何言ってんだ。もう止まらん。うおおお、行くぞ!」
「いやああ!!」
いきなりヒステリックな叫び声と共に、後ろにくっ付いていた旦那を突き飛ばした。
「わ、わわ・・何すんだ。ううう!!」
その瞬間大きく反り返った肉棒から、白い花火が打ち上がり、高い放物線を描いた。
「ぶはあ。なんだこりゃあ!!」
哀れその花火は、そのまま旦那の額に着弾したのだった。
だけど舞は気にも留めずに、その大きく見開いた瞳をドアの方向に向けていた。
「おおお幸子。俺たちも・・。」
「ああ・・あなた。もう私、どうでもいいわ。あああ来て!!」
すると義男は何度か大きく腰を突き出した後、一旦幸子から離れた。
そしてそのまま、幸子は壁にもたれかかって、ずるずると腰から崩れ落ちて行った。
「おおおお!!幸子。」
勢い良くしごく肉棒を、空ろ気な瞳で見ている幸子。
「あなた。何するの?」
荒い息遣いの中、幸子は顔を上げた。
そして快感に打ち震えている夫の表情を見た瞬間、その何かがすぐに理解出来た。
「私の顔を汚したいのね。いいわ。思いっきり汚してちょうだい。」
「幸子・・・お前は最高だよ。うおおおお!!」
激しい手の動きが止まった。そしてその瞬間・・・
「いやああああ。」
幸子の顔が、あっと言う間にドロドロに汚されていった。
物凄い量のザーメンが、幸子の目と鼻を塞いでいく。
舞の両目が、母の悦びに満ちた表情を捉えた。
何と美しくて可愛い顔なんだろう。舞は自分が男だったら、きっと手放さないだろうと思った。
初めて見る母親の”おんな”としての表情だった。
年輪を重ねても失われない、その可愛らしさは、自分には生涯持てないだろう。
その両目は瞬きを忘れてしまった。
父は、もうこっちには振り向かないかもしれない。舞はそう直感した。
「おい!舞。話が違うじゃないか。 さっきまで散々その気にさせといて、なんだよ!」
「うるさい!」
舞の怒声が旦那の怒声を圧した。そのすさましい迫力の前に旦那は、声を詰まらせてしまった。
舞は、そんな旦那に一瞥もくれずに、ただ前を、じっと凝視していた。
義男は、冷めた視線を舞に向けたまま、そっと扉を閉めていった。
舞は下唇を、ぎゅっと噛んだまま、ただ黙って顔を伏せてしまった。
3.
翌日の朝の食卓は、皆一様に口が重くなっていた。
「あら・・どうしたの皆さん?。あまり箸をつけないけど、美味しくないの?」
「いや、そんなことはないよ。この焼き魚、結構美味いよ。なあ?」
義男は、若夫婦に話を振ったが、旦那は終始うつむいたままで、ぼんやりと茶碗を持っていた。
舞は、黙ったままお茶を啜っていた。その重苦しい空気は2人を取り巻いていた。
「おいおい、お前今日からハワイへ行くんだろ?久しぶりのフライトだからって緊張しているのか?
ちゃんと食べないと、機内で倒れてしまったらみっともないだろ?」
「分かってるわよ。ちゃんと食べますよ。食べるったら。」
膨れ面の舞は、ゆっくりと茶碗にある御飯を口に入れていった。
じっと目の前にいる母を見ながら・・・箸を動かしていく。
「ねえお父さん。今日の帰りは早いのですか?」
「ああそうだな。」
「だったら今日は久しぶりに鍋でもしましょうか。あなたも如何かしら?」
「あっああ。そうですね。ぼ・・僕、鍋大好きですから頂きます。」
ぼんやりとしていた旦那が、幸子の問いかけに、はっと我に帰った。
「おいおい、君までどうしたんだい?舞と一緒になってぼんやりしちゃって。」
「い、いえ・・別に何もないですよ。はい・・。」
「ふううん。そうなの?」
その白々しい問いかけに、幸子の表情が、ちょっと恥らうかのように、ぽっと赤くなった。
そして幸子は義男から見つめられると、すこしはにかんだような笑顔を浮かべた。
「背広にアイロンをかけておいた方を、そこのリビングに置いてますから、今日はそちらを着ていって
くださいね。あっそれから、ハンカチはこちらの方を使って下さい。それと財布は・・」
てきぱきと義男の世話をやく幸子。舞の眉がちょっとずつ吊り上がっていく。
「ねえ母さん。」「なあに?舞」
「今日は随分と張り切ってるけど。昨日何か良いことでもあったの?」
「ベ、別に何も無いわよ。」
「そう?今日は何だか、いつもと違って明るいし、それにちょっと若く見えるわ。お化粧変えた?」
「ば、ばかね・・そんな事しないわ。いやあねえ、この子ったら。」
どぎまぎした表情で顔をそらす幸子を見て、ますますムスっとした表情になる舞。
「ねえお父さん?」「う・・ん?なんだい?」
「そろそろお父さんの会社って、決算時期に差しかかってて、結構忙しくなるんじゃないの?」
「まあ確かに忙しくなるけど、お父さんは結果報告を受ける立場なんで、それほど忙しくはならないんだ。
という事だから母さん、私の帰宅は当分の間早くなるから、夕食の方はちゃんと頼むよ。」
「まあそんなんですの。それは良かったわ。それならこれからは一層腕によりをかけて料理しますわ。」
嬉しさで、まるで子どものように小躍りする幸子。
「あっ、新しい靴を出しておくの忘れたわ。早く用意しなくっちゃ。」
そしてそのまま踊るようにして、パタパタと玄関に向って走っていった。
だが舞は反対に、眉間にシワを寄せて実に険しい表情になっていた。
「どういう事よ。いつもの所で逢う約束じゃないの?」
「あれはキャンセルだ。私は幸子の料理が食べたいんだ。これからもずっとな。」
「私だってあなたの妻よ。私だって料理を作れるわ。」
「私の妻は一人だけだ。お前は私の娘だ。だからもう彼と一緒にイキリスへ行け。」
「二人とも、どうしたんですか?ボソボソと話したりして?」
一人つま弾きにされた格好の旦那が、申し訳なさそうな顔で、二人の会話に首を突っ込んで来た。
「いやあなに、娘にそろそろ仕事を辞めて、イギリスで君と一緒に暮らしたらどうだって言ってた
ところなんだ。なあ舞。もうそろそろどうだ?このままじゃあ彼に申し訳が立たんじゃないか。」
「え?そうなんですか?お義父さん。」
旦那の表情が急に、ぱあっと晴れた。嬉しそうに笑顔で舞を見た。
パアーン!!
その時、勢い良く箸がテーブルの上に置く音が大きく響き渡った。
思わず後ろに仰け反る義男と旦那。
「もう時間だから行くわ。」地の底から響くような低い声。
舞は怒りを堪えるように、目玉と眉が大きく吊り上げたままに立ち上がった。
「おい舞。ビューティスマイルはFAとしての基本だぞ。そんな顔のままで仕事はするなよ。」
「勿論分かっているわよ。じゃあ行ってくるわ。」
そう言うと用意してあった2輪キャリーケースを手にして、さっさと部屋から出て行った。
「君も大変だなあ。」
「はあ・・どうも申し訳ありませんです。お義父さん。」
そう言いながら、本当に申し訳無さそうに頭をポリポリと掻く若旦那。
「君に1つ良いことを教えてやる。」
「はあ。何でしょう?」
「あいつはな、背中から脇にかけてが弱いんだ。一度試してごらん。効果てきめんだぞ。」
「は・・はああ?」
いきなり予期せぬ言葉を耳にして、素っ頓狂な声を張り上げる若旦那。
義男は悠々と新聞を広げていた。
それから幾日が経って、明日は旦那がイギリスへ戻る日となった。
舞は、その日の昼過ぎにハワイから戻っていた。
幸子は、義理の息子の為に、たくさんの料理を作った。今日は宴会なのだから。
義男も旦那も、よく食べよく喋った。幸子も舞もよく笑った。
義男は舞の笑顔を見て、内心ほっとした気持ちになった。
出かける前の怒りようから、これからどうなるかと心配したが、
これなら大丈夫だ。今は、まだわだかまりはあるだろうが、これで良かったのだ。
義男は、すぱっと娘との関係を絶つ決断した事が、事態を好転させたと確信した。
舞の笑顔は、旦那との新しい生活への決心がついたと思ったのだった。
その夜・・・
「あああいいわ。イッちゃう!!。」「おおおお。幸子!!」
復活した夫婦の営み。あの日以来、義男と幸子は、肌を合わさない日など無かった。
特に義男は日々、幸子の肉体の素晴らしさを発見する毎日だった。
男を受け入れた時の表情、快感に浸る時の表情、終わった時の恥ずかしそうに笑う表情。
全てが新鮮だった。アメリカでの15年の空白が無ければ、こんな感動は得れなかった。
いや、それと同時に娘との出来事があったからこそ、今再びの妻との恋愛があるのだ。
全てが終わった。幸子は義男の腕に顔を寄せると、すやすやと眠りについた。
義男は、安堵の笑みを浮かべて、横で眠っている妻の鼻をピンと指で軽く弾いた。
その時、部屋のドアが開く音がした。外の光りが帯状に差し込んで来た。
それと一緒に、長く伸びた人影が入って来た。
(誰だ?)
義男は、その影を見ようと頭を上げた。
するとその影は、すっとまるで幽霊のように音も無く、前に寄って来た。
立っていたのは舞だった。しかも上半身裸で、パンティ一枚という格好だった。
「おい、舞。お前なんという・・・」
驚いた義男は思わず大きな声を出した。だけど舞の手が直ぐにその口を塞いだ。
そして、にっこり笑うと右手の人差し指を自分の口元に置いて、おだまりの指示を出した。
義男はまさかといった面持ちで、固まったままになった。
舞は、すぐさま義男の既に”終わった”肉棒を口に含んだ。
「うおっ!」
舞の舌が、左右前後と自在に動き回った。これは堪らない。一瞬義男は声が出そうになる
衝動に駆られた。だが耐えねば。今、幸子が目を覚ませば、今までの幸せの全てを失って
しまうからだ。
舞はフェラを続けながら、パンティを脱ぎ捨てた。そして素っ裸のまま、その下半身を義男
の顔の上に押し付けた。
義男の唇に、じんわりとした湿り気を感じた。若い淫臭が鼻をついた。
舞は腰を振って、その花弁を舐めるよう懇願した。
下半身では舞のフェラが、上半身では舞の花弁が義男の五感を刺激していった。
(何という事だ。こんなに気持ちが良いのは初めてだ。)
義男は自分が早くも回復したというのを確信した。
下では舞の声が漏れ始めていた。その大きくなりつつある肉棒が次第に咥え難そうになって
いったからであった。
顔を横に向けると、幸子が幸せそうな表情で眠っていた。そして前を向くと舞の大きなお尻が
目の前にそびえ立っていた。義男は当然の如くに分かりやすい興奮に陥った。
義男は舌で、花弁や尻の穴などを思い切り嘗め回し始めた。
舞の腰が妖しく揺れた。我慢する呻き声が、まるで地を這うように低く漏れた。
そしてそれに応えるように、舞は頭を激しく上下に動かした。
互いの淫らな音が、静かな部屋の中に溢れた。
舞は2度3度とお尻を、義男の顔に押し付けると、すっと、腰を股間の方へ移動させた。
左手で肉棒の根っこを持つと、ゆっくりと腰を浮かせて、花弁の周りに押し当てた。
ねっとりとした肉ヒダが肉棒の先にまとわりつく。
舞は焦らすように、肉棒を花弁の周りに円を描くようになぞっていった。
義男は、本能のままに腰を上下させて要求を訴えた。
振り返って義男の顔を見た舞の顔には、口元にいやらしさを含んだ笑みを見せていた。
少し腰を震わせると、肉棒が、ずぶりと舞の肉壷の中に埋まって行った。
それから直ぐに物凄い速さのシャウトが義男の腰の上で行なわれた。
大きなお尻が躍動感に溢れた動きをしていた。溢れる肉汁が肉棒を包み込んでいく。
舞の腰が上下に動く度に、潤滑油でこすれる淫らな音が耳に入って来た。
互いの小さく吐く息が、何度も交差する。
母親の寝ている横で、父娘が上下で結合しながら互いの淫肉を貪りあっていた。
しかも義男の左腕には、幸子がその身体を寄せていて、身動きが取れない状態にあった。
その時、義男は自分の肉棒が、強い力で締め付けられるのを感じた。
ぬめった肉が絡みつく感覚が、堪らない程の快感をもたらした。
”だめだ。持たない”義男は舞の背中を何度も叩いて、直ぐに退くように指示した。
舞は退くような気配は無かった。むしろ更に、その締め付けを強めた。
”ああなんという気持ち良さだ。”肉体は正直に欲望の吐き出しを準備した。
舞は上半身を後ろ向きに寝かした。義男の胸の上に舞の背中が乗っかった。
舞は舌を出して、義男の頬を舐めた。2人の身体はピッタリと重なり合った。
その時義男は、既にまったく動けなくなっていた。
容赦の無い舞の締め付け。義男は左右に腰を振って逃れようとしたが、まったく動かない。
何度も迫り来る快感の波状攻撃に耐えるのにも限りがあった。
「う、うううん。」
その時、横で寝ていた幸子が、掴んでいた左腕に顔を摺り寄せた。
義男の首筋に、幸子の吐息が吹きかかった。
「あうっ!!」
もはや限界だった。その時義男の右手が舞の大きなおっぱいを鷲掴みにした。
大きく脈打つのが判った。すさましい射精感が何度も下半身を襲った。
暫くして腰の震えも収まった時、射精後の虚脱感が全身を包み込んだ。
舞は、コトが終わると、ゆっくりと身体を起こした。
しっとりと濡れた唇を、ゆっくりと義男の口元に寄せた。甘く優しいキス。
義男は、その痺れた頭が次第に収まっていくのを感じていた。
濡れて潤った瞳には、優しげな明かり灯っていた。
その美しさに義男は、しばし呆然とした表情で見つめていた。
すると舞は、そっと義男の耳を軽く噛んだ。
「ごめんなさい、お父さん。でもありがとう。」
小さい声で、そう呟くと舞は立ち上がって、ゆっくりとした足取りで部屋を出て行った。
後には、ただ呆然と天井を見ている義男がいた。
舞は、部屋に戻ると直ぐに、寝ている旦那の鼻をつまんだ。
気持ち良さそうな寝顔が、次第に充血していった。そしてバタつく手足。
「ぷ、ぷふぁあ。く、苦しい、お前、お、俺を殺す気か。一体どういうつもりな・・ん?」
次の一瞬、旦那の訴える口が舞の唇で塞がれてしまった。
旦那は仰天して目を丸くした。
「起こしちゃってゴメンね。私、急にしたくなっちゃって。」
「ま・・舞?。」
「あなたは、そのまま寝てて。全部私が面倒見てあげるから・・」
舞は、そう言うと旦那の唇に何度も合わせた。
そしてパジャマズボンから、トランクスからを全て剥ぎ取ると、剥き出しになった肉棒を鷲掴み
にした。
「今からあなたのオチンチンを、私のオマンコに入れるからね。」
「お、おい舞、一体どうしたんだい?」
「もう裏切らないから。最後まで愛してあなた。最後までオチンチンを抜かないから・・
最後までイッていいのよ。だから、このままずっと愛して。お願い。」
舞は旦那の上にまたがると、ゆっくりとそして静かに腰を下ろしていった。
義男は、ふと寝ている横から、静かな寝息がするのに気づいた。
「さ・・幸子。」
義男は、寝ている幸子の前髪に手ぐしを入れた。柔らかい笑みで古女房の寝顔を見つめた。
自分の手元で安心して幸せそうに寝ている幸子。
そっと抱き寄せて、額に口づけをした。
幸子の顔が義男の胸元に寄り添う。
義男は左手を背中に回して、そのか細い肩を抱きしめた。
しばらくすると、静かな寝息が重なり合うように聞こえて来た。
幸せそうな笑みを浮かべた寝顔が2つ寄り添うようにして、1つの枕の上にあった。
(おわり)
[2005/01/28]
題名 「原孫氏の素晴らしき淫楽な生活」
1.
夕暮れ近く、辺り一面薄暗くなった頃、その閑静な住宅街に、一台のタクシーがやって来た。
そしてそれは、ゆっくりとスピードを緩めると、一軒の洋式建築の家の前に停車した。
中から、白髪交じりのダンディなスーツ姿の男性が出てきた。
「おう。今帰ったぞ。」
「お帰りなさいませ。」
義男がドアベルを鳴らしてドアを開けると、目の前に一人の女性が、
上り口の居間で三つ指をついて座っていた。
妻の幸子は夫の出向かいには、いつもこうして待っていてくれた。
いつも明るい笑顔。優しげな微笑が義男の疲れた気持ちを癒してくれる。
「今日は、随分とお早いのですね。」
「あっ・・ああ。まあ今日は特に仕事のトラブルなど無かったからな。」
「そう・・それは良かったわ。それじゃああなた、今からお風呂を先に
します?それとも食事の方を先になさいますか?」
「そうだなあ。風呂を先にしようか。」
義男は、夫婦兼用の居間に入ると、直ぐに上着から靴下までを脱ぎ捨てて、
シャツとパンツだけの格好で風呂場に向った。
脱衣所には、既に代えの下着類とパジャマが用意されていた。
ゆっくりと湯船に浸かる。ひと時の開放感が全身を覆った。
「ふうう。ああ気持ちが良いなあ。」
義男は大きく息を1つ吐いた。
幸子は申し分の無い女房だった。それは新婚当時から変わらない。
万事至り尽せりの対応だった。夫が戦場から帰ってきてからも余計な気を
使わせぬように、細心の尽くし様に心を配った。
義男も、また女房孝行には余念が無かった。
休みの日には女房を連れての旅行を何度もした。
勿論買い物の時も一緒について行った。たまに料理だってする。
二人はいつも互いの事を第一に考えていた。
だから、この関係は新婚当時から、何一つ変わってはいない。
幸子とは職場結婚だった。当時幸子は社長秘書を務めていた。
社内では評判の美人。気立ても良く明るい性格。
当然社内の男性が放っておく訳など無かった。何人も群がる。
義男もその中の一人だった。だがそれほど熱心な信者では無かった。
遠くから見ていただけ。気にはなるが、積極的な行動はしなかった。
義男自身、女性に媚を売るのが嫌だったせいもあったからだ。
そりゃそうだ。他の男性と同じ様な事をしても、所詮その中の一人
でしか評価されない事を理解していたからだ。
媚びを売って女性にアピールしても男の値打ちなど判りはしないだろう。
若い内は仕事で自分の今を構築するのが先決なのだ。
義男の仕事における成果は、着実に実っていった。
数年の後、彼は社運が懸かったプロジェクトから召集があった。
社長の陣頭指揮の元、その大きな仕事に参加した義男は、そこで初めて
幸子と出合った。
二人は自然と語らい、そして自然と付き合うようになった。
だがそのきっかけは義男からではなく、幸子からの誘いからであった。
彼女は仕事に追われる義男を常にサポートしていた。
積極的だったのは幸子の方だった。傍目で見ていてもそれははっきりと
分かった。社内のマドンナに惚れられたのだ、後の流れは決まったも同然。
義男だってまんざらではなかったのだから・・
そして数ヶ月の付き合いの後ゴールイン。社長の媒酌の元、二人は永遠の愛
を誓った。
以来30年近く、順調な夫婦生活を送ってきた。
30才手前で娘・舞を得た。そして42才でアメリカに単身赴任。
当時娘は中学に入ったばかりで、思春期の真っ盛りだった。
環境の変化が与える影響の大きさを考えると、一緒には連れて行けない。
勿論そうなると妻もダメだった。
「舞は私がちゃんと育てます。あなたは仕事に集中して下さい。」
幸子は、健気に笑って義男を見送った。
厳しいアメリカでの生活。幸子は年に2回夫の元に通った。
ひと時の安らぎを与えてくれた。その後は大きくなった娘も来てくれた。
最後の数年間は、幸子が体調を崩したせいもあって娘の舞だけが来てくれた。
そんな家族のお蔭で義男は15年もの長きに渡って第一線で踏ん張る事が出来
たのであった。
義男が取締役常務として本社に戻って6ヶ月経った。
その間には娘、舞の結婚式があった。
相手の男性は、がっちりとした身体の持ち主。人の良い顔つき。しっかり者の
舞にふさわしい良い旦那様が来た。
人の良い・・・そう。義男がそう思うのは、あの帰りの飛行機での出来事。
娘を一人の女性として抱いたあの時を思い出していた。
誰も気づかない娘との秘め事。義理の息子の満面の笑顔を見ると、義男の胸が
痛んだ。勿論良きパートナーである妻にも同様だった。
「あなた。お湯加減は如何かしら?」
思いに耽っている義男の耳に、ふいに幸子の声が入って来た。
「ああ、凄く良い加減だ。どうだお前も一緒に入らないか?」
「何バカな事言ってるのよ。もうすぐ舞も帰ってくるんですよ。」
義男の誘いも、あっさりと一蹴された。
国際線FAとして勤めている舞だが、ここ最近は内勤として本社に入っていたから、
帰りも早かった。
舞は結婚後も以前と同様に勤務に従事していた。
旦那は結婚後直ぐにイギリスへ単身赴任した。
新婚旅行も含めてイギリスに1ヶ月滞在して帰って来た。
当初の予定は、仕事を辞めて2人でイギリスで新婚生活を送るはずだった。
だが一転その約束は反古にされた。舞は仕事を続け、そして実家で暮らす事になった。
当然旦那は大反対。約束が違う。だけど舞は突っぱった。
いざとなれば結婚破棄まで辞さなかった。
折れた旦那。惚れた弱み。結局月1回イギリスに足を運ぶ事で決着した。
幸子は呆れ、義男は肩を窄めた。
原因は自分にある。義男は舞に対してビシっとした態度が取れなかった。
舞は笑顔で義男を見る。幸子には勝手気まま娘の満足げな笑みに映った。
義男には小悪魔な誘いに見えたのだった。
「お父さんには2人の妻が出来たのよ。」
舞の言葉が頭の中で何度も反芻した。
「あの人とお父さんとは似ている所があるの・・・それは血液型。」
その意味を考える度に身が竦む思いに駆られた。
どこまで本気なのだろうか?
道の真ん中で足が竦んでしまった義男。当然その先には、おそらく1つの結論が
控えているだろう。その答えを口にする事は出来なかった。
身の毛もよだつ結論。出来れば引き返したい。
だが、もうそれも無理だった。父は娘とSEXしたのだ。この事実は変えられない。
密会はいつもホテル。そしてそれは舞のフライト帰りに限っていた。
密室の中での逢瀬。ひと時の夫婦生活だった。
頭の中で否定しても、身体は正直だった。煩悩は既に全身を蝕んでいた。
舞の肉体は最高だった。柔らかくて、弾力に富んでいて、そして躍動的だった。
舞は色々なテクニックで義男の肉体を虜にした。
それは様々な男性遍歴を裏付けるかのようだった。
舞の柔らかな肢体は、様々な体位を可能にした。愁いを秘めた瞳が潤んでいた。
そして魅惑的な”おんな”の声が悩ましい。
義男は若さを取り戻したかのように、舞を何度も抱いた。
もう離れられない。もはや舞の淫らな表情が頭の中から消える事はなかった。
義男は、湯を何度も顔に浴びせた。
悩んでても仕方が無い。こうなれば今の状況を楽しむしかないのだ。
勝手な理屈で結論付けた。
勢い良く湯船から身を起こした。”欲望”が元気に反り返っていた。
それはもうニ週間も舞を抱いていない事実を証明していた。
風呂から上がると、夕食は既に出来上がっていた。
「さああなた、一杯いかがですか?」
義男が食卓に座るや、タイミング良く幸子がビールを手にして催促した。
風呂上りの一杯は格別だ。義男の喉は一気に潤った。
幸子は、にこやかに義男の表情を見ている。15年ぶりの夫婦水入らず、幸子の
笑みは何時までも消えなかった。
「ただいまあ!」
その時、玄関から舞の声が響いてきた。
そして直ぐに紺のスーツ姿の舞が食卓に顔を出した。
「おかえり舞。丁度良かったわ。今から夕食なの。あなたも直ぐに着替えてらっしゃい。」
「うん。私もうお腹ペコペコだったの。直ぐに来るからね。」
舞は満面の笑みを振り撒くと、急いで自分の部屋に入った。
しばらくして着替えた舞が食卓に現れた。
3人の夕食が始まった。
「あ~あ。デスクワークって疲れるわ。もう目がチカチカしてしょうがないの。」
そう呟くと自分の肩をつまんで首を左右に揺らす。疲れて肩が凝った親父がよくする仕草。
「しょうがない奴だなあ。まあ、お前は昔から身体を動かす事が好きだったから椅子に座った
ままの仕事なんて似合わないのかもな。」
呆れた表情で義男が合いの手を入れた。
「まあなんですか。なんて呆れた事を言ってるの。あなたがどうしてもと言って続ける事に
したお仕事なのでしょ?今更そんなグチを言ってたら、イギリスに独り住んでいる人に申し訳
ないでしょ。続ける以上は、何があってもグチは言わないの。分かった?」
幸子が語尾を強くして舞をたしなめた。
舞は首を窄めて舌をペロリと出した。
「ごめんなさい。でもFAのお仕事は大好きよ。天職だと思ってるわ。だから続ける決心をしたの
でもねデスクワークは辛いのよ。座ってばかりじゃ何だか身体がムズムズして気持ち悪くなるの。
それは分かってよう、お母さん。」
「それでも言っちゃダメなの。あなたには責任があるの。大事な旦那様との約束を破ってまで続ける
仕事なんですから当然でしょ。黙って耐えなさい。」
幸子は厳しい口調で道理を諭した。舞は仕方なさそうに首を縦に振った。
気まずい雰囲気。家族の箸の動きが止まった。
「あっああ、なあ舞。それならお前いつからフライト業務に戻るんだい?」
重苦しい空気を打破するように、義男は調子ハズレの声で舞に問うた。
「あっああ。それなら明後日からなの。明後日月曜日からシフト交代するの。次の内勤までは
思いっきり頑張るわよ。うふふ。」
おどけるように笑う舞。だけど母は不機嫌なままだった。
「そういえばお父さんも、これから仕事が忙しくなる時期じゃないの?」
舞の目がイタズラっぽく笑っている。
「あっああ。そうだな。これから大事な株主総会があるからな。」
舞の誘いの文句に思わず動揺する義男。幸子の横顔をちらりと見て返事をした。
「また帰宅が遅くなるのですか?もう大変ねえ。身体には十分に注意して下さいよお父さん。」
「ああ分かってる。いつも済まんなあ。これが終わったら今度一緒に温泉でも行くか?なあ母さん。」
「はいはい。せいぜい期待せずに待っていますわ。」
やっと幸子から笑みがこぼれた。複雑な気持ちで娘と妻の顔を見比べる義男。
舞がこっちを見ながらウインクをした。ドキリと胸が高鳴った。
そして舞が下唇をひとなめして挑発する。あの悩ましいくびれた腰のラインが頭の中に浮かんだ。
その時義男の妻を想う気持ちは、あっけなく霧散してしまった。
自然と身体全体が持ち上がるような感覚を覚えた。
嗚呼男って奴は・・・。すまない幸子。
薄っぺらい夫婦愛を嘆く一方で、ニ週間ぶりの舞の肢体をその手に抱く期待を胸いっぱいに
膨らませていた。
夕食が終り、幸子が洗物の後片付けをしている時、義男は隣のリビングでのんびりとテレビ
に見入っていた。
舞は風呂に入っていた。機嫌良いいのか鼻歌が聞こえて来た。
義男は内心、気がそぞろとしていた。だからといって風呂場へ行こうなどというバカな行動は
しなかった。
そんな変な行動をしてバレては元も子もないからだ。
舞との”夫婦生活”は決められた空間だけの関係だった。
舞と義男はあくまで父と娘。娘の旦那は今はイギリスの空の下で泣いている。
古女房は、台所で不機嫌そうに洗物をしている。
しばらくして舞が風呂から上がってきた。ミルキーホワイトのバスローブに包まれた格好で、
リビングに現れた舞。その頭に巻かれたタオルからは濡れた髪がほんの少し耳の上に垂れて
出ていた。そしてそれは上気して赤らめた顔と合さって、辺り一面にほんのりとした色気を
漂わせていた。
「いいお湯加減だったわ。ああさっぱりした。」
そう言いながらソファーに大きくジャンプして、その大きな身体を沈めた。
「まあなんですか、そのはしたない格好は!あなたも人の奥さんになったのだから、
もう少し落ち着いた行動をしたらどうなの!」
幸子の怒声が即座に台所から響いた。
「きゃあ!」
慌てて両足を揃えて座り直す舞。だけど肩を窄める姿は、まさに居心地が悪そう。
そして幸子はその姿を見届けると再び洗物を続けた。
舞はそんな母の後ろ姿を見ながら、恐る恐る義男の近くに寄って来た。
「お母さん最近ずっとあの調子で私に怒ってばかりなのよ。もう嫌になっちゃうわ。」
「そりゃあ当たり前だろ。お前のわがままのせいで、母さん相手先の両親に何度頭を下げて
いるか。勿論俺も下げたけどな。もう大変だったんだぞ・・お前分かっているのか?」
「そ、そりゃあ悪いなとは思ってるけど・・・でも。」
「でも、じゃない。母さんが怒るのも無理は無いぞ。ああ見えて筋の通らない事に対しては
断固許さない性質なんだからな。」
二人は額を着き合わせながらコソコソ話。
バツの悪そうな表情が2つ。
「お父さん、何とかしてよ。」
「何とかってなんだよ。」
「どうにかしてお母さんの機嫌を直してちょうだい。このままじゃあ辛いもん。」
「そんなこと言ってもなあ、俺もどうしていいか・・」
「何言ってるのよ。これってお父さんにも半分責任あるんだからね。」
「なっなんだと・・・勝手な事言うんじゃないぞ。大体これはお前から持ちかけた
事なんだからな。」
「な、何よその態度。娘の私が困ってお願いしているんだから、素直に聞いてくれ
たって良いじゃないのよ!」
「何だあ!親に向ってその口の聞き方は!」
次第に大声になっていく2人のやり取り。一気に白熱化した。
そしてとうとう舞は義男のむなぐらを掴み、そして義男は舞の頭を鷲掴んだ。
「あなたたち何ごちゃごちゃやっているのよ!!ケンカなら外でやりなさあい!!」
とうとう横綱のお出ましとなった。
ピタっと綺麗に2人の動きが止まった。しばらくお互いの情けない表情を見ていた。
「ごめんなさい。もう止めますから。」
低いユニゾーンの響き。
幸子は、それを見届けるや再び後片付けに専念した。
「ねえ、本当にお願いします。何とかして。」
「わ、分かったよ。このままじゃあちょっとマズイからな。」
両手を合わせる仕草の舞を見て、義男は仕方ない表情で幸子のいる台所まで、
ゆっくりと歩を進めた。
どうしようもない不安に1度振り返る。舞の両手が頭上高くかざして拝んでいた。
頷く父。またゆっくりと一歩ニ歩・・・ああいやだなあ。
2度目の振り返り。舞は胸元で両手を組みながら、顎を前に突き出すようにして早く早くと催促。
あの野郎~・・・だけどしょうがない。こみ上げる怒りを抑えつつ前へ進む。
「な、なあ母さん。ちょ、ちょっと話があるんだけど・・いいかなあ?」
「なんですの。今はちょっと手が離せないんですけど・・」
ツンとした横顔。深い怒りが垣間見える。これには義男も気が引けた。
「ま、舞の事なんだが、も、もうちょっと穏やかに対応したらどうだろうかなあ・・と思ってさ。」
「穏やかに?・・・それはどういう事ですの?」
「あいつだって反省はしてるだろうってことだよ。だからお前がそういつまでも怒ってばかりじゃ
あいつはずっと肩身が狭い思いをして可哀想だと思うんだ。だから・・」
「可哀想?あの子が?あんなわがまま一杯で子供っぽさが抜け切らない行動ばかりする子がですか?」
「え?ああ、いや・・その。」
幸子の予想外の言い返しに驚く義男。二の句が継げなくなった。
「私は今も独りイギリスで寂しい思いで単身赴任している彼の事を思うと、物凄く申し訳無い気持ちで
いっぱいになるんです。勿論親御さんにもです。ああ・・娘の我がままで大変迷惑をかけているって・・
私が日々どんな気持ちでいるか分かりますか?肩身が狭い思いなのはこっちの方なんですのよ!!」
わっと、関を切ったかのように泣き出す幸子。
びっくりした義男は、ただオロオロと立ち尽くすばかり。
助けを求めるように、部屋の向こうにいる舞を見た。
舞は両腕を身体の前に出して、大きな輪を作った。
そして目を瞑って首を可愛く横に傾けた。
ー黙って抱きしめろー パントマイムの答えは容易に理解できた。
義男は言われるままに幸子の腰に腕を回して、ぐいっと自分の身体に引き寄せた。
幸子は突然の事に驚いた。その表情は義男の胸元に寄せられた。
「あ、あなた・・」
「いつも苦労をかけて済まない。お前のお蔭で私は安心して仕事に打ち込んでこれたんだからね。
お前がいないと私は身の回りのことなど何1つ出来やしない。凄く感謝しているんだ。」
「まあ、あなた、そんな・・・」
戸惑いながら恥らう幸子。50を超えても可愛らしい表情だった。
舞は両腕で作った輪を更に小さくしていった。そして呑気に目を瞑りながら唇を尖がらせている。
ーもっと強く抱きしめろー
義男は言われるままに両腕に力を入れた。すると幸子も両腕を義男の背中に回していった。
「舞だってバカじゃないさ。たた今は仕事が凄く楽しい時期なんだろうな。随分迷ったはずだと私は
思うよ。今回の事は彼とよく話し合った末の結論なんだから、ここは黙って様子を見てあげようじゃ
ないか。ずっとこのままってはずはないよ。ちゃんと時期を考えているはずだ。それがいつなのかは
分からないけど。」
「私もそう思いますよ。そう思うんだけど、やっぱり相手のこと考えると、娘だからって甘やかすの
はダメだと思って、せめて厳しく接しないと相手様に申し訳なくて・・」
良く出来た嫁だ。義男に愛しい感情が沸き起こった。
だがその肝心な時に継ぎ足す言葉を失念してしまった。
わらわらと慌てる・・・”助けてくれ”
泳ぎ気味の視線が、また舞に向けられた。
その時舞はーーー。
抱きしめる格好のままに、尖がらせた唇の先から舌を出し入れしていた。
”ば、ばかもんがあ!”
義男は眉を吊り上げて睨みつける。娘の前でそんなところを見せられるはずなどないだろ。
舞は、にぱっと笑うと挙手の礼をして(頭に巻きつけてあるタオルが帽子代わりなのだろう)
スタスタと歩いていってしまった。
「あなたどうしたの?」
ふいに幸子が顔を上げて、急に黙りこんだ義男の様子を伺った。
「あっ、いやなに。」
義男は、急ごしらえの笑顔で答えた。
「ああ見えてもあの子が、実に心根の優しい娘なのは、お前も知っているだろう?」
「え、ええ。」
「結婚しても一緒に住みたいなんてさ、普通の女の子じゃあ言ってもくれないからな。
勿論、旦那の理解と優しさがあってこそなんだけど。」
「私もそこのところは分かっていますわ。そんな彼の優しさに感謝しているからこそ、
舞にはちゃんとして欲しいのですよ。何か間違っています?」
「い、いや、正解だよ。舞ももうちょっと理解してもらわんとな。」
大汗をかいた・・首筋や背中が熱い。ウソの言葉の羅列に気が咎める。そして目が泳ぐ。
義男は幸子の顔を正面から見るのが辛くなった。
”くすくす”突然に幸子が笑い出した。
拍子抜けした表情の義男が思わず幸子の顔を覗き込んだ。
「ど・・どうした?」
「いえ、あなたに抱きしめられたのって何十年ぶりなのかなと思っちゃって、つい・・うふふ。」
「あんまり笑うな。こっちも照れちまう。」
「ごめんなさい。うふふ・・・」
ふう~なんだあ・・・女のご機嫌取りも楽じゃないな。
義男もため息交じりの笑いが鼻から抜け出ていく。
おや?
ふいに頭を上げると、その視線が向こうの廊下に行った。
そこには舞がまた戻っていた。
右手を口元に当てて、”ありがとう”と唇だけが動いた。
”ああ、良かった良かった”義男も笑顔で頷いた。
だが次の瞬間、舞がその身を包んだバスローブの紐を解いた。
(おや?何してんだ?)
義男も不思議そうに、首を前に突き出して、その姿を凝視した。
前が開くと、バスローブの襟口を背中の真ん中までずり下ろして止めた。
見事なお碗型のおっぱいが、露わにそしてひと際大きく写った。
(わ、わわ・・ば、バカが。何てことしてんだ。こんな所でストリップなんぞして
悪ふざけが過ぎる!!)
舞は義男の驚く顔を確認すると、更に大胆に足を上げた。
そして軽く一周回ってみせると、その綺麗な背中が義男の目に飛び込んで来た。
まさにストリッパーの仕草そのものだった。
唖然とした表情の義男。だが視線はそのまま。瞬きも無い。
更にもう一周すると、今度はそのバスローブを全て地べたに落としてしまった。
まるまるの全裸だ。綺麗な肢体が露わになった。
今幸子が振り返ったら、どうなるだろう? 卒倒モノなのは間違いない。
そんな心配は義男だけなのだろう。舞はまったく気にもせずに踊っている。
そして右足を上げると、そのかかとを壁にくっ付けた。
するとその大事な部分は、ぱっくりと見事に全開になっていた。
左手の人差し指と中指の二本が、花弁を押し広げていった。
そこには綺麗なピンクの花が咲いていた。
二週間ぶりの舞の裸に、見惚れる義男。
「あうっ!」
突然に股間に痛みが走った。
窮屈なブリーフの中で、子供が窒息状態になって暴れ始めたからだ。
”ったくなんて娘なんだ”
恨めしそうな表情で舞を見る義男。だけど嬉しそうな笑顔で、もう一度挙手の礼をする舞。
そして落ちていたバスローブを引き揚げると今度こそ、その場を去って行った。
「まあ!」
その時幸子が、素っ頓狂な声を上げた。
何と義男の大きくそして元気になった肉棒が、幸子の下っ腹辺りに当たっていたのだ。
真っ赤な頬の幸子。戸惑い気味に顔がうつむいていた。
「君があまりにも可愛いから、つい元気になっちまったんだよ。済まない。」
「い、いえ。いいんですよ。はい・・」
情けなく引きつった笑顔で妻を見る。そして思わず天井を仰いだ。
そして弱弱しいため息を、1つ2つと漏らしていったのだった。
2.
3日後、ここは都内シティホテルの中の一室。
「あああああああああっ!!」
正面から女の両手が男の広い背中に回っている。そして男の腰が激しく動いている。
布団からはみ出た両足が、宙を彷徨っていた。
「ああ、舞。父さんもうイクぞ。」
「キスして!ねえお父さん。お願いだから。」
激しく唇が重なり合う2人。
「おおおお。まあああい!!」
「ああああん。気持ちイイよ。おとうさああん!!」
激しく痙攣した瞬間、二人はぐったりと重なり合った。
義男は、ゆっくりと起き上がると自分の股間に手を入れた。
嵌めていたコンドームを取り出すと、そのままゴミ箱に放り込んだ。
そして寝ている舞の横に、大の字になって倒れ込んだ。
「ねえ、もうゴム使うの止めようよ。」
「バカ言え、これは男としてのエチケットだ。」
不満気な声色の娘を、あっさりと一蹴する父。
「だってえ、ゴムってそんなに良い感触が無いのよ。」
「ウソをつくなよ。お前まだ諦めてないんだろ?」
顔を横にして、隣の娘の横顔に向って言い放つ。
「そうよ。妻として夫の子供が欲しいのは当たり前じゃないの。」
キッと鋭い目で義男を睨みつける舞。
その勢いに、はっと驚く義男。
「で、でもなあ。私たちは親子だぞ。生まれてくる子供は、私にとっては子であり
孫でもあるんだ。それって生まれてくる子供にとって良いのかどうかも分からんしな。」
「子供は、望まれて生まれてきてこそ幸せなのよ。そこらのバカカップルの出来ちゃった
婚と一緒にしないで。私はどうしてもお父さんの子供が欲しいの。」
素早い切り返しで反論するその表情にはいつもの明るくおどける舞の姿などどこにもなかった。
真剣そのものの眼差しで義男を見つめていた。
「だけどな、旦那が不在の今、そんな事になっちまったら、直ぐにおかしいと思われてしまうだろ?」
それでも義男は、舞を説き伏せるように言葉を重ねていく。
だがその言葉を聞いた舞は、急ににんまりと笑みを浮かべた。
「それなんだけどね。実は彼がね来月帰ってくることになったの。」
「な、なんだとー!そ、それは本当か?」
慌てた義男。同居の条件が本当なら、これから一緒に住まなくてはいけない。
大きな声も無理は無かった。義男は、寝ている舞の両肩を掴むと強引に起こした。
「ちょっちょっと、そんなに興奮しないでよ。帰国って言っても一時的なものよ。
ちょうど赴任して半年経ったから、特別休暇を貰えたって言ってきたの。
最初私があっちに行く手筈をしてたんだけど、彼がどうしても1度日本に帰りた
いって言うもんだから、それで決まっちゃったの。」
「それでいつまでいるんだ?」
「10日間。まあ将来の為の予行演習と思えば・・ねえ、うふふ。」
母親と同じ笑い方をする舞。
急速に脱力感に襲われる義男。ばったりとベットに寝転がってしまった。
「この10日間で、彼と何回もSEXするわ。勿論中出しでね。」
「ああ何てこった。」
義男は、がっかりした表情のまま左手を額に当てている。
舞は義男の胸に顔を、そっと押し当てた。
「だから・・お父さんも安心して私に中出ししても良いのよ。うふふ・・」
美しい悪魔の甘美な誘い。うつろな心の隙に染み入るように入り込む。
義男の手が舞の髪を何度も撫でつけていた。
「今日から暫くの間お世話になります。よろしくお願いします。」
明るくハキハキとした口調が玄関先で響き渡った。
舞の旦那が10日間という限定付きでやって来たのだ。
「そんなに緊張しなくてもいいのよ。どうせ将来ここはあなたのお家になるんだから。
勿論今だってここはあなたの家であることは間違いないんだから、もっとどーんと構
えててちょうだいね。うふふふ。」
幸子がいつも以上の優しい笑みを満面に表わして出迎えた。
勿論その後ろには、仏頂面の義男が憮然とした態度で立っていた。
旦那と舞は駅で待ち合わせていて、彼は大きな荷物を1つ抱えていて、
もう1つを舞が持ってやってきたのだった。
「お母さん、随分と嬉しそうねえ。彼の事気に入ったみたいだね。」
「まあ、母さんは昔からああいった折り目正しい男が好きだったからな。」
「それに最近私に対しても、そんなに厳しい態度を取らなくなったわ。これってお父さん
のお蔭かしら?」
「まあ俺の説得が良かったんだろうな。あはは。」
「説得って・・勿論アレ?」
舞はニヤリと笑うと、義男は慌てて否定した。
「ええ?何?お父さん、日本に帰ってから、まだ一度もお母さんとSEX無いの?ウソー!」
「当たり前だろ。今更この歳で長年連れ添った母さんと、そんなことが出来るはずが無いだろ。」
舞は眉間にシワを寄せながら、頭を何度も左右に振った。
「だめだなあ。道理でお母さんが怒りっぽくなったと思ったわ。何にもしないんじゃね。」
呆れた表情で喋る舞。だがそれを見た義男は、ちょっとカチンときたみたいだ。
「これは長年夫婦をやっている奴にしか分からん事だ。初心者に何が分かるか。バカモン!」
「何よ。私だってあなたの妻なのよ。私の言ってる事の方が当っているわよ。」
舞は義男の太ももを、ぎゅうっとつねった。
「いっ・・痛ってえ!」
堪らず大きな声が出てしまった。
「あなたたち、さっきから何ごちゃごちゃ言ってるの?そんな所に突っ立ってないで、
さっさと荷物を運ぶのを手伝ってちょうだい。」
「は、はい。分かりました。」
幸子の命令に2人は背筋をピーンと伸ばして、またまた仲良くユニゾーンで返事をしたのだった。
新婚夫婦の部屋は1階の奥にある八畳の間になった。
部屋の中は、全て幸子が仕立てていた。小奇麗な佇まい。舞の旦那は気に入った様子だ。
その日の夕食は、久しぶりに賑やかなものになった。
舞の子供の頃の話から始まって、2人の馴れ初めの話、そしてイギリスでの生活の話になり、
最後は義男と幸子の夫婦話まで披露する羽目になってしまった。
とうとう幸子は口を開けて大笑いする始末。それを見た舞と義男は呆気に取られてしまった。
こんなに笑う妻を母を見るのは初めてだったからだ。
義男はふと、幸子はずっと男の子が欲しかったのだなと直感した。
それは叶わなかった夢が実現した喜びが爆発したのだと素直に思ったのだった。
それから2日経ち3日経ちと、時間が過ぎていく内に、次第に彼は家族の中に溶け込んでいった。
遠慮がちの態度は徐々に無くなっていった。食事の時でも、おかわりを言う声が響くや、その手が
伸びやかに幸子の目の前に差し出されていた。
「はいはい、元気があって良いわよ。うふふ・・」
幸子の表情が如実に変わっていくのが分かった。
以前より若返ったような笑顔と肌の張りが顕著に出ていた。
彼はもはや原孫家にはなくてはならない人となっていたのだった。
それから暫く経ったある日の夜。
その時寝室で寝ていた義男は、ふと何かの物音で目が覚めた。
ダブルベットの横では幸子が、背を向けて寝ていた。
その物音は、何かがきしむ様な音がした。
義男は起き上がって辺りを見回した。が、そんな音を出す様な気配などどこにも無かった。
(おかしいなあ?確かに何かの音がしたんだけど・・)
義男は、諦めて枕に頭を置いた。するとまた・・・ギシギシ。
枕の上に置いた方の耳から聞こえて来た。どうやら物音は下からだ。
義男は、枕を退けて片方の耳をベットに押し当てた。
きしむ音は、さっきより鮮明に聞こえて来た。義男は更に耳に神経を集中させた。
きしむ音の合間から、何やら人の声が混じって聞こえて来た。
「アッ・・・ソコ・・・アア・・もっとつい・・」
小さな声の主は、どうやら舞のようだ。義男は直ぐにそれが夫婦の営みだと理解した。
ここでの生活に慣れた旦那が、とうとう堪らずに行動を起こしたのだった。
「オオ・・舞・・・イイぞ・・・最高・・」
旦那の方も遠慮もせずに声を上げている。随分と派手にやっているみたいだ。
(こうなれば当然中出しだろうなあ。張り切るのも当然か、ふふふ・・)
義男は以前舞が言ってた子作りの話が現実に行なわれているのを実感していた。
(まあアイツもイイ身体してるから、何発抜かれることか。大変だぞ。)
やれやれといった表情で、もう一度寝ようとしたその時、義男は目に前の異変に気がついた。
背中を向けて寝ていた幸子の肩が、静かに小刻みに震えているのが分かった。
すると義男は、ゆっくりと右手を伸ばして幸子の肩にそっと置いてみた。
するとその瞬間、びくっと大きく肩が揺れた。
「なあ、幸子。起きているのか?」
「えっ・・・ええ。」
か細く震えた声が聞こえて来た。
「寝れなくなったのか?」
「は・・はい。まあ。」
「無理も無いか。あいつらここに慣れた途端に、随分と派手にやってるなあ。」
「・・・・」
義男の気を紛らすような一言には、もう返事が無かった。
義男は、幸子の顔を覗き込むために身を乗り出した。
「おい、お前随分と顔が赤いなあ。あの声に興奮したのか?」
「な、何言ってるんですか。そ、そんな事は・・・」
「無いって?本当かあ?」
義男は、すっと右手を幸子のパジャマズボンの中に入れた。
そしてパンティの先端部分を指でなぞって行った。
「あああ。何を・・やめ、やめて!」
幸子は下半身をくねらせて、その指の侵攻を阻止しようとした。
「何してるんだい。ちょっと調べているだけじゃないか。直ぐに終わるからさ。我慢しなさい。」
「ああやめて。とめてぇ!」
幸子のあがきも空しく、その指の探索は終り、右手がズボンから出て来た。
「おいおい、何だか湿り気を感じたけど、これはどういう事かな?」
にやつく義男。スケベ親父の表情丸出し。興奮する野郎は全てこんな顔なんだろう。
「し、知りません。」
背中の向こうから実に聞き取りにくい、か細い声が聞こえて来た。
背中は相変わらず震えていた。
「おい、今何て言ったんだ?」
義男は、もう一度その声の内容を聞こうと、幸子の肩を揺らした。
1度、2度・・揺すっても答えない。
そして更に3度、4度とひつっこく肩を揺すり続けた。
すると・・
とうとう堪えきれずに、いきなり義男の方に身体を向けた。
「知りません!!」
幸子は先程と同じセリフを、大きな声で復唱した。
だが、その瞬間、義男の中に新しい感情が生まれた。
振り向いた幸子の顔は、真っ赤に染まっていた。そして今にも泣き出しそうな潤んだ瞳。
恥らいの表情で、下唇が震えていた。
「さ、幸子!」
義男は、たまらずに自分の唇で幸子の唇を塞いだ。暴れる舌先が幸子の舌に絡みついた。
両手でガッチリと幸子の両頬を押さえつける。強引なキス。そしてその舌は、顎から首筋
へと下りてきた。義男の剥き出しの感情がそこに現れていた。
「あ、ああ。あなたあ・・」
幸子の両腕が、自然と義男の背中に回っていた。
義男は、ふいに訪れた感情に押し流されるように、背中からゾクゾクするような痺れを覚えた。
パジャマのボタンを外すと、小ぶりのおっぱいが見えた。娘の大きさから見れば、物足りない
のはものはあったが、実に綺麗な隆起をしていた。まだまだ張りは十分に残っていた。
義男は舌を震わすようにして、隆起物の外郭を舐め始めた。
「はあああん。」
幸子の声が変わった。男をソノ気にさせる淫らな音域が聞こえて来た。
実に甘い。そして可愛い淫声が耳元から入って来た。
義男は右手を、再び幸子の股間に伸ばした。そしてパンティの中に指が入った。
陰部の周りは、既にじっとりと濡れていた。
中指が一本ゆっくりと花弁の中に押し入って行った。
そしてその温かさを瞬時に全身に伝えてくれた。
義男は指の腹を、ゆっくりと中のヒダに押し当てながら、左右に揺らしていった。
「あああああ・・・こんな、こんなの初めてええ!」
普段おしとやかで、あまり感情の揺れを感じさせない幸子が、別人の如くに乱れている。
義男の驚きも同様だった。その昔から淡白なSEXで終始していた頃とは、今ではまったくの
別人に変わっていたと言ってもよかった。
義男はすぐさま、幸子のパジャマズボンとパンティを下にずり下ろしていた。
「おおお舞。凄く気持ちイイよ。」
一方一階では、若夫婦の営みが繰り広げられていた。
正面から深く差し込まれた舞は、左足が太ももまで、旦那の肩口の辺りまでくっ付いていた。
「あああああん。あなた硬いわ。凄く硬くなっている。まるで石みたいよう!」
「な、何て気持ちイイおまんこなんだあ!」
旦那は我を忘れたかのように、一心に腰を降り続けていた。
「はああああん。もっともっとちょうだあい。硬いオチンポをぶち込んでええ!」
舞は、必要以上に大きな声を張り上げていた。
まるで二階の住人たちに聞かせるように。
「今日は、いつもと違って随分と悦んでいるじゃないか?舞。」
「だってあなたとのSEXって、久しぶりでしょ?だから凄く感じちゃってしょうがないの。」
「俺だってそうさ。お前とは久しぶりにだし。それに初めてのナマだろう?もう無茶苦茶気持ち
良くてさ。最後は中出しだろ。燃えない訳無いじゃんか。」
満面の笑みが、幸せの証明。
可愛く頷く舞。だけど、その笑みはそっと天井に向かってのものだった。
彼は何も知らない。本当に幸せな旦那様だった。
「ああああ。そ、そんなあ。あなたそんな事は止めてちょうだい。そことっても汚いのよ。」
幸子は、両手で顔を覆った。その下に視線を動かすと、股間のところで義男が顔を埋めている
のが見えた。舌がピチャピチャと嘗め回す音が聞こえている。
一生懸命にクリトリスを舐めていた。唾液が滴り落ちるまで舌での奉仕。
こんな事は幸子にとって初めてのことだった。
昔は、ただ単に正面から腰を沈めて何度か動いて、それでお終いというパターンだった。
幸子はSEXにはあまり感心が無かったし、また義男自身も仕事の事で頭がいっぱいだった
事もあって、いつも淡白に終えていたのだった。
だが、この変わりようは何だ?
幸子は、痺れる快感の中、その疑問に対して。ある思いをめぐらせていた。
浮気ーーー?
長いアメリカでの生活で、何かがあったのかも?
だが考えてもしょうがなかった。
今、この瞬間、夫は古女房の自分を愛してくれている。
この事実を大切にしようと思った。自分が女として愛されている。
その思いだけで十分だった。50を過ぎて再び得れたこの快感に身を委ねよう。
幸子の目から薄っすらと涙が流れていた。
義男は、やおら頭を上げた。
「今度は、お前の番だぞ。」
そう言うと、義男はゆっくりと身体を起こすとズボンを下ろし、そのまま腰を幸子の胸の
所まで持っていった。
「あ、あなた?」
幸子の目の前に、巨大な肉棒がそびえ立っていた。
初めて真近に見る男根に、幸子は息を呑んだ。
義男は左手で幸子の頭を持ち上げた。そして右手には硬くなった肉棒を握っていた。
そしてゆっくりと近づけていくが、幸子はいやいやをして顔を横に背けた。
だけど更に強引に押し付けていくと唇に、その先っぽが当たった。
「い、いやあ。もうやめて。そんな事は出来ないわ。」
幸子は顔を振って拒否した。だけど義男は、それでも委細構わずに口の中にねじ込んで行った。
「むぐぅうう!!」
大きくて硬い男根が、ずぼっと全部口の中に入ってしまった。
喉に当たったらしくむせ返る幸子。目から涙がポロポロとこぼれてきた。
「さあ、舌を使うんだ。舌をしっとりと絡ませるんだ。」
「うう・・ふううん。」
言われるがままに舌を動かす幸子。「おおおお。凄くイイぞ。幸子。」
夫の歓喜に震える表情を見るうちに、次第に自分で動かすようになっていった。
奥歯に少し力を入れたり、舌を裏筋に這わしたりして、義男の表情の変化を観察する
余裕まで出て来たみたいだ。
「随分と飲み込みが早いじゃないか。ははは。」
義男は嬉しそうな表情で、腰を軽く浮かした。
そして目の前に置いてある鏡台の扉に手を伸ばして開いた。
「ちょっと見てみなさい。」
義男は全開した鏡の前に幸子の身体を起こしてやった。
勿論口には肉棒を咥えたままの状態で・・
(きゃああ。何て顔をしているの。恥ずかしい!)
幸子は鏡に映った、その姿に死ぬほどの恥ずかしさを覚えた。
口一杯にほうばった肉棒が、義男が腰を動かす度に頬を何度も膨らませていたからだ。
目は涙で充血していた。幸子はそれがまるで下僕のような扱いに思えた。
屈辱的で恥ずかしい。まるで玩具のように扱われている事に悲しくなった。
だけど・・
同時に身体の奥から沸き立つ痺れるような快感が徐々に全身を覆っていくのを感じていた。
恥ずかしい事をさせられているのに、何故か気持ちが高揚している。
対等な人としてではなく下僕のような扱いに興奮する自分に、少なからず驚いていた。
(もっと苛めて!!)
何時の間にか幸子は肉棒を口の中で優しく愛撫していた。
「なあ、そろそろ俺イキそうなんだけど。」
「もうちょっと頑張ってよ。私まだイケないの。」
旦那の辛抱たまらない表情とは対照的に舞の顔には物足らなさが漂っていた。
そして舞は、何度も天井に視線をやる仕草をした。
「おおお。もうダメ。イク!」
激しい腰の動きが、一気にリズムを無くして無軌道な動きになった。
「あああん。ダメよう。」
舞は素早く起き上がると、すっと身体を離した。
股間に顔を埋めると、肉棒を口に含みながら、右手で扱き上げていった。
「くわああ!!で、出るう!」
旦那の背中が伸びた。そして腰が前後に揺れ、舞の顔が何度も打ち付けられた。
熱い放流が喉を直撃した。舞は一気にそれを飲み干したのだった。
「あああ・・・そんなあ。約束が違うじゃないか。」
これではまるで楽しみに残しておいた好物を、食べる前にお預けを喰らったようなものだ。
旦那が怒るのも当然だった。
だが舞は悪びれずに平然としていた。
「私まだイケないって言ったでしょ。あなたの方がだらしないんじゃないの。」
「俺が早かったとしてもいいじゃないかよ。どうせ中出しOKの条件なんだから一緒じゃないか。」
「あのね、私を満足させないであなたが勝手に満足するのが嫌なのよ。」
「何だとお!」
「悔しかったら、もう一回挑戦しなさいよ。今度は私をちゃんとイカしてちょうだい。そうしたら
今度は満足いくまで私の中に出しても良いから。どう?」
「おう!言われなくてもそうするさ。」
旦那は舞を押し倒すと、力強くたわわに実った舞のおっぱいをもみ始めた。
そして顔を舞の首筋辺りに近づけると、ゆっくりと舌を這わしていった。
(やれやれ・・・)
ちょっぴり不満げな表情。小さくため息をついた。
その時、舞の頭の中では、別の男性の顔を思い浮かべていた。
もの悲しげな瞳で天井を見つめる。そして唇が小さく動いた。
(お父さん・・・・)
「あああああ!!恥ずかしいわ。あなたイイわよ。」
幸子はよつんばの状態で、義男を後ろから迎え入れていた。
正上位しか知らない幸子にとって、初めてする体位に更に興奮を増していた。
「幸子のケツの穴まで丸見えだ。」
「い、いやああ。見ないで。恥ずかしい!」
義男は容赦無く腰を強く打ちつけた。
「ほら、鏡を見てごらん。まるで犬になったみたいで凄くいやらしい格好だよ。」
幸子は義男の言う通りに鏡を見た。
意地汚く腰を突上げて、後ろから義男の肉棒を咥え込んでいる自分自身の姿が見えた。
「いやあああ。本当に犬みたいだわ。」
義男にとって幸子が見せる恥じらいは実に新鮮だった。
まるで何も知らない蕾のままの少女のようだ。
夫婦になって30年近く経つが、初めて見る妻の痴態に義男の興奮は最高潮に達した。
激しくバックから突き立てる。「いやあああん。だめええ!」
幸子は髪を振りかざしながら、何度も打ち寄せる快感を受け止めた。
理性はあっと言う間に吹っ飛んだ。
「ああああ。あなたの・・あなたの・・・」
「おいあなたの何だ?」義男は腰の動きを止めた。
「お願い止めないで!あなたの・・・あなたのオチンチン気持ちイイの!!」
「おおおお。幸子。良いセリフだ。最高だぞ。あはは。」
義男は幸子を仰向けにすると、再び正常位から貫いた。
激しくキスを何度も繰り返す。幸子の口からよだれが溢れていく。
義男は、そのまま幸子の腰を持ち上げると、繋がったままに立ち上がった。
「え?え?何?なんなの?何だか浮いているわ。」
「そうさ今お前は、宙に浮いているんだ。どうだ?」
抱き抱えられたままに、義男の肉棒が花弁に抜き差しされている。
「も、もうだめ。気が変になりそう。もう勘弁してくださああい。」
「あははは・・俺は気持ち良いんだ。お前はイイ女だ。」
そのまま子供みたいな笑顔の義男。ベットの周りをぐるりと一周した。
しがみ付きながら身体を震わす幸子。
その時何を思ったのか義男は、その状態のまま部屋を出て行った。
「ああ、あなたいったいどこへ行くの?」
「お前が気になった部屋に行こう。」
「ば、ばかあ!あなた気は確かなの?こんな格好で行ったらダメです。
親として子供達に明日からどんな顔をして会えばいいのです?降ろして
ねえ降ろしてください。あなた。お願いだから・・やめて!!」
委細構わず義男は幸子を抱えながらゆっくりとした足取りで階段を降りて行った。
手足をバタつかせながら抵抗する幸子も一緒に降りて行ったのだった。
「おおおう。今度こそバッチリ決めるぜ。舞どうだ?」
「あんあんあん。いいわあ。すっごく気持ちいいわよ。」
その時、一階では2回戦が展開されていた。
今度こそ中出しを決めようと躍起になる旦那が側位から腰を上手にくねらせながら
懸命に突上げていた。
旦那は舞の右足を持ち上げながら、横から深々と貫いていた。
「あああ。もっともっとちょうだああい。もっとよ。」
快感にどっぷりと浸かったような、甘ったるい声が大きく響いた。
だがよく見ると、その時舞の表情はまるで正反対の無表情だった。
(アア~ア。全然だわ。この人いつも独りよがりだもんな。チンポ突っ込むだけで女が
感じると思ったら大間違いだっつうの。)
呆れた表情のままで、更に大きな声で淫らな声を張り上げた。
「いいのか?舞。俺もそろそろイキそうだ。」
「あああん。いいわ。もう私イッちゃいそう。ああああん。だめえええ!」
後ろからでは舞の表情など見えない。気持ち良さそうな表情で横から一生懸命腰を振り続ける
旦那様。舞の演技は完璧。彼が哀れに見えた。
(しょうがないわね。そろそろフィニッシュだわ。一杯出すんだろうなあ~。)
舞が腰をクイクイっと捻ると、旦那が情けない声を張り上げた。
「ああああ。凄い締め付けだああ。もうだめ。イッちゃう。イッちゃうよう。」
旦那のお尻が左右にぶれながら、乱暴な動きで舞に乗っ掛かった。
(さあ・・いよいよね。)
その時、舞の目の前にあるドアが、少しずつ開くのが見えた。
(あら、何かしら?)
人影の気配に舞は少し頭を浮かした。
大きな塊の人影が壁を伝って伸びた。
薄っすらと義男の顔がドアの横手から見えた。
(お・・お父さん?)
一瞬驚いた表情の舞。自分のエッチな声に誘われて覗きに来たのだと思った。
なんだあ・・可愛いらしいとこあるじゃん・・口元が緩んだ。
たっぷりと興奮させてあげるわ。それから気持ち良くしてあげる。
「あああああん。きてぇ!一杯出してぇ!」
舞は目一杯に足を広げて、男根が出し入れしている所を見せ付けた。
そしてその淫らな声は一層艶っぽく響かせた。
だが次の瞬間、舞の目が大きく見開いて固まったままになった。
「お・・お母さん?ウソ・・・」
義男の前に、もう一人の背中が見えた。綺麗な肌。横顔から薄っすら上気した頬が見え隠れした。
泣いている様にも興奮している様にも見える潤んだ瞳が、すがりつくように義男の胸にあった。
「ああ・・恥ずかしいわ。早く、早く上に行ってください。」
「いいじゃないか。向こうは気づいてはいない。よく見ろ凄いぞ。まさに興奮ものだ。」
そう言うと正面から抱っこをしたままで、1回2回と腰を突上げた。
「はあああ・・や、やめて。そんな事をしたら、こ・・声が出そう。」
「だめだぞ。今、声を上げたら、ここから覗いている事がバレるぞ。」
「そんなあ。あなた戻りましょ。早く部屋に・・ああああ。」
容赦の無い義男の突き上げに、脆い肉体が悲鳴を上げそうに鳴っていた。
舞は、驚きを隠せなかった。瞬間、義男と目線が合った。
”どういうつもり?””こういうつもりだ”
互いの目が、そう言葉を交わした。
義男は幸子を降ろした。そして壁に手をつかすと、後ろから一気に差し込んだ。
「きゃああああ。そ・・そんなに突いたら壊れちゃう。だめえ声が出るう~。」
頭を左右に降りながら、迫り来る快感に必死に耐えている。
「さあ前を見なさい。ほらあ・・早くな見ないと終わっちまうぞ。」
「い、いやああ。もう勘弁してください。」
幸子は泣きながら懇願した。実に色っぽい表情に、義男の興奮も最高潮に達した。
「幸子。お前がそんなに色っぽくて可愛い女だとは思わなかったよ。ああ何て時間の無駄遣いを
してしまったのだろう。」
「ああああ。も、もっと、もっと突いてくださああい。お願い。もうたまんないわ。」
「ああいいぞ。もっと突いてやる。そして一緒にいこう。おおお幸子!」
舞は、義男が幸子を見る表情を見て、血が逆流するような思いに駆られた。
今まで見たことの無い慈しみに溢れた表情を舞は見たのだ。
「ま、舞!もうダメだ。出る。出る。出るぞおお!」
旦那の堪えきれなくなった声と、激しく肉がぶつかり合う音とが合さって響いた。
「い、いやあ。止めて、中はダメよ。いやいやいやダメだったら。外に出して!」
その時突然に拒否反応を示す舞の慌てた声が、旦那の耳に入った。
「ば、ばか・・いまさら何言ってんだ。もう止まらん。うおおお、行くぞ!」
「いやああ!!」
いきなりヒステリックな叫び声と共に、後ろにくっ付いていた旦那を突き飛ばした。
「わ、わわ・・何すんだ。ううう!!」
その瞬間大きく反り返った肉棒から、白い花火が打ち上がり、高い放物線を描いた。
「ぶはあ。なんだこりゃあ!!」
哀れその花火は、そのまま旦那の額に着弾したのだった。
だけど舞は気にも留めずに、その大きく見開いた瞳をドアの方向に向けていた。
「おおお幸子。俺たちも・・。」
「ああ・・あなた。もう私、どうでもいいわ。あああ来て!!」
すると義男は何度か大きく腰を突き出した後、一旦幸子から離れた。
そしてそのまま、幸子は壁にもたれかかって、ずるずると腰から崩れ落ちて行った。
「おおおお!!幸子。」
勢い良くしごく肉棒を、空ろ気な瞳で見ている幸子。
「あなた。何するの?」
荒い息遣いの中、幸子は顔を上げた。
そして快感に打ち震えている夫の表情を見た瞬間、その何かがすぐに理解出来た。
「私の顔を汚したいのね。いいわ。思いっきり汚してちょうだい。」
「幸子・・・お前は最高だよ。うおおおお!!」
激しい手の動きが止まった。そしてその瞬間・・・
「いやああああ。」
幸子の顔が、あっと言う間にドロドロに汚されていった。
物凄い量のザーメンが、幸子の目と鼻を塞いでいく。
舞の両目が、母の悦びに満ちた表情を捉えた。
何と美しくて可愛い顔なんだろう。舞は自分が男だったら、きっと手放さないだろうと思った。
初めて見る母親の”おんな”としての表情だった。
年輪を重ねても失われない、その可愛らしさは、自分には生涯持てないだろう。
その両目は瞬きを忘れてしまった。
父は、もうこっちには振り向かないかもしれない。舞はそう直感した。
「おい!舞。話が違うじゃないか。 さっきまで散々その気にさせといて、なんだよ!」
「うるさい!」
舞の怒声が旦那の怒声を圧した。そのすさましい迫力の前に旦那は、声を詰まらせてしまった。
舞は、そんな旦那に一瞥もくれずに、ただ前を、じっと凝視していた。
義男は、冷めた視線を舞に向けたまま、そっと扉を閉めていった。
舞は下唇を、ぎゅっと噛んだまま、ただ黙って顔を伏せてしまった。
3.
翌日の朝の食卓は、皆一様に口が重くなっていた。
「あら・・どうしたの皆さん?。あまり箸をつけないけど、美味しくないの?」
「いや、そんなことはないよ。この焼き魚、結構美味いよ。なあ?」
義男は、若夫婦に話を振ったが、旦那は終始うつむいたままで、ぼんやりと茶碗を持っていた。
舞は、黙ったままお茶を啜っていた。その重苦しい空気は2人を取り巻いていた。
「おいおい、お前今日からハワイへ行くんだろ?久しぶりのフライトだからって緊張しているのか?
ちゃんと食べないと、機内で倒れてしまったらみっともないだろ?」
「分かってるわよ。ちゃんと食べますよ。食べるったら。」
膨れ面の舞は、ゆっくりと茶碗にある御飯を口に入れていった。
じっと目の前にいる母を見ながら・・・箸を動かしていく。
「ねえお父さん。今日の帰りは早いのですか?」
「ああそうだな。」
「だったら今日は久しぶりに鍋でもしましょうか。あなたも如何かしら?」
「あっああ。そうですね。ぼ・・僕、鍋大好きですから頂きます。」
ぼんやりとしていた旦那が、幸子の問いかけに、はっと我に帰った。
「おいおい、君までどうしたんだい?舞と一緒になってぼんやりしちゃって。」
「い、いえ・・別に何もないですよ。はい・・。」
「ふううん。そうなの?」
その白々しい問いかけに、幸子の表情が、ちょっと恥らうかのように、ぽっと赤くなった。
そして幸子は義男から見つめられると、すこしはにかんだような笑顔を浮かべた。
「背広にアイロンをかけておいた方を、そこのリビングに置いてますから、今日はそちらを着ていって
くださいね。あっそれから、ハンカチはこちらの方を使って下さい。それと財布は・・」
てきぱきと義男の世話をやく幸子。舞の眉がちょっとずつ吊り上がっていく。
「ねえ母さん。」「なあに?舞」
「今日は随分と張り切ってるけど。昨日何か良いことでもあったの?」
「ベ、別に何も無いわよ。」
「そう?今日は何だか、いつもと違って明るいし、それにちょっと若く見えるわ。お化粧変えた?」
「ば、ばかね・・そんな事しないわ。いやあねえ、この子ったら。」
どぎまぎした表情で顔をそらす幸子を見て、ますますムスっとした表情になる舞。
「ねえお父さん?」「う・・ん?なんだい?」
「そろそろお父さんの会社って、決算時期に差しかかってて、結構忙しくなるんじゃないの?」
「まあ確かに忙しくなるけど、お父さんは結果報告を受ける立場なんで、それほど忙しくはならないんだ。
という事だから母さん、私の帰宅は当分の間早くなるから、夕食の方はちゃんと頼むよ。」
「まあそんなんですの。それは良かったわ。それならこれからは一層腕によりをかけて料理しますわ。」
嬉しさで、まるで子どものように小躍りする幸子。
「あっ、新しい靴を出しておくの忘れたわ。早く用意しなくっちゃ。」
そしてそのまま踊るようにして、パタパタと玄関に向って走っていった。
だが舞は反対に、眉間にシワを寄せて実に険しい表情になっていた。
「どういう事よ。いつもの所で逢う約束じゃないの?」
「あれはキャンセルだ。私は幸子の料理が食べたいんだ。これからもずっとな。」
「私だってあなたの妻よ。私だって料理を作れるわ。」
「私の妻は一人だけだ。お前は私の娘だ。だからもう彼と一緒にイキリスへ行け。」
「二人とも、どうしたんですか?ボソボソと話したりして?」
一人つま弾きにされた格好の旦那が、申し訳なさそうな顔で、二人の会話に首を突っ込んで来た。
「いやあなに、娘にそろそろ仕事を辞めて、イギリスで君と一緒に暮らしたらどうだって言ってた
ところなんだ。なあ舞。もうそろそろどうだ?このままじゃあ彼に申し訳が立たんじゃないか。」
「え?そうなんですか?お義父さん。」
旦那の表情が急に、ぱあっと晴れた。嬉しそうに笑顔で舞を見た。
パアーン!!
その時、勢い良く箸がテーブルの上に置く音が大きく響き渡った。
思わず後ろに仰け反る義男と旦那。
「もう時間だから行くわ。」地の底から響くような低い声。
舞は怒りを堪えるように、目玉と眉が大きく吊り上げたままに立ち上がった。
「おい舞。ビューティスマイルはFAとしての基本だぞ。そんな顔のままで仕事はするなよ。」
「勿論分かっているわよ。じゃあ行ってくるわ。」
そう言うと用意してあった2輪キャリーケースを手にして、さっさと部屋から出て行った。
「君も大変だなあ。」
「はあ・・どうも申し訳ありませんです。お義父さん。」
そう言いながら、本当に申し訳無さそうに頭をポリポリと掻く若旦那。
「君に1つ良いことを教えてやる。」
「はあ。何でしょう?」
「あいつはな、背中から脇にかけてが弱いんだ。一度試してごらん。効果てきめんだぞ。」
「は・・はああ?」
いきなり予期せぬ言葉を耳にして、素っ頓狂な声を張り上げる若旦那。
義男は悠々と新聞を広げていた。
それから幾日が経って、明日は旦那がイギリスへ戻る日となった。
舞は、その日の昼過ぎにハワイから戻っていた。
幸子は、義理の息子の為に、たくさんの料理を作った。今日は宴会なのだから。
義男も旦那も、よく食べよく喋った。幸子も舞もよく笑った。
義男は舞の笑顔を見て、内心ほっとした気持ちになった。
出かける前の怒りようから、これからどうなるかと心配したが、
これなら大丈夫だ。今は、まだわだかまりはあるだろうが、これで良かったのだ。
義男は、すぱっと娘との関係を絶つ決断した事が、事態を好転させたと確信した。
舞の笑顔は、旦那との新しい生活への決心がついたと思ったのだった。
その夜・・・
「あああいいわ。イッちゃう!!。」「おおおお。幸子!!」
復活した夫婦の営み。あの日以来、義男と幸子は、肌を合わさない日など無かった。
特に義男は日々、幸子の肉体の素晴らしさを発見する毎日だった。
男を受け入れた時の表情、快感に浸る時の表情、終わった時の恥ずかしそうに笑う表情。
全てが新鮮だった。アメリカでの15年の空白が無ければ、こんな感動は得れなかった。
いや、それと同時に娘との出来事があったからこそ、今再びの妻との恋愛があるのだ。
全てが終わった。幸子は義男の腕に顔を寄せると、すやすやと眠りについた。
義男は、安堵の笑みを浮かべて、横で眠っている妻の鼻をピンと指で軽く弾いた。
その時、部屋のドアが開く音がした。外の光りが帯状に差し込んで来た。
それと一緒に、長く伸びた人影が入って来た。
(誰だ?)
義男は、その影を見ようと頭を上げた。
するとその影は、すっとまるで幽霊のように音も無く、前に寄って来た。
立っていたのは舞だった。しかも上半身裸で、パンティ一枚という格好だった。
「おい、舞。お前なんという・・・」
驚いた義男は思わず大きな声を出した。だけど舞の手が直ぐにその口を塞いだ。
そして、にっこり笑うと右手の人差し指を自分の口元に置いて、おだまりの指示を出した。
義男はまさかといった面持ちで、固まったままになった。
舞は、すぐさま義男の既に”終わった”肉棒を口に含んだ。
「うおっ!」
舞の舌が、左右前後と自在に動き回った。これは堪らない。一瞬義男は声が出そうになる
衝動に駆られた。だが耐えねば。今、幸子が目を覚ませば、今までの幸せの全てを失って
しまうからだ。
舞はフェラを続けながら、パンティを脱ぎ捨てた。そして素っ裸のまま、その下半身を義男
の顔の上に押し付けた。
義男の唇に、じんわりとした湿り気を感じた。若い淫臭が鼻をついた。
舞は腰を振って、その花弁を舐めるよう懇願した。
下半身では舞のフェラが、上半身では舞の花弁が義男の五感を刺激していった。
(何という事だ。こんなに気持ちが良いのは初めてだ。)
義男は自分が早くも回復したというのを確信した。
下では舞の声が漏れ始めていた。その大きくなりつつある肉棒が次第に咥え難そうになって
いったからであった。
顔を横に向けると、幸子が幸せそうな表情で眠っていた。そして前を向くと舞の大きなお尻が
目の前にそびえ立っていた。義男は当然の如くに分かりやすい興奮に陥った。
義男は舌で、花弁や尻の穴などを思い切り嘗め回し始めた。
舞の腰が妖しく揺れた。我慢する呻き声が、まるで地を這うように低く漏れた。
そしてそれに応えるように、舞は頭を激しく上下に動かした。
互いの淫らな音が、静かな部屋の中に溢れた。
舞は2度3度とお尻を、義男の顔に押し付けると、すっと、腰を股間の方へ移動させた。
左手で肉棒の根っこを持つと、ゆっくりと腰を浮かせて、花弁の周りに押し当てた。
ねっとりとした肉ヒダが肉棒の先にまとわりつく。
舞は焦らすように、肉棒を花弁の周りに円を描くようになぞっていった。
義男は、本能のままに腰を上下させて要求を訴えた。
振り返って義男の顔を見た舞の顔には、口元にいやらしさを含んだ笑みを見せていた。
少し腰を震わせると、肉棒が、ずぶりと舞の肉壷の中に埋まって行った。
それから直ぐに物凄い速さのシャウトが義男の腰の上で行なわれた。
大きなお尻が躍動感に溢れた動きをしていた。溢れる肉汁が肉棒を包み込んでいく。
舞の腰が上下に動く度に、潤滑油でこすれる淫らな音が耳に入って来た。
互いの小さく吐く息が、何度も交差する。
母親の寝ている横で、父娘が上下で結合しながら互いの淫肉を貪りあっていた。
しかも義男の左腕には、幸子がその身体を寄せていて、身動きが取れない状態にあった。
その時、義男は自分の肉棒が、強い力で締め付けられるのを感じた。
ぬめった肉が絡みつく感覚が、堪らない程の快感をもたらした。
”だめだ。持たない”義男は舞の背中を何度も叩いて、直ぐに退くように指示した。
舞は退くような気配は無かった。むしろ更に、その締め付けを強めた。
”ああなんという気持ち良さだ。”肉体は正直に欲望の吐き出しを準備した。
舞は上半身を後ろ向きに寝かした。義男の胸の上に舞の背中が乗っかった。
舞は舌を出して、義男の頬を舐めた。2人の身体はピッタリと重なり合った。
その時義男は、既にまったく動けなくなっていた。
容赦の無い舞の締め付け。義男は左右に腰を振って逃れようとしたが、まったく動かない。
何度も迫り来る快感の波状攻撃に耐えるのにも限りがあった。
「う、うううん。」
その時、横で寝ていた幸子が、掴んでいた左腕に顔を摺り寄せた。
義男の首筋に、幸子の吐息が吹きかかった。
「あうっ!!」
もはや限界だった。その時義男の右手が舞の大きなおっぱいを鷲掴みにした。
大きく脈打つのが判った。すさましい射精感が何度も下半身を襲った。
暫くして腰の震えも収まった時、射精後の虚脱感が全身を包み込んだ。
舞は、コトが終わると、ゆっくりと身体を起こした。
しっとりと濡れた唇を、ゆっくりと義男の口元に寄せた。甘く優しいキス。
義男は、その痺れた頭が次第に収まっていくのを感じていた。
濡れて潤った瞳には、優しげな明かり灯っていた。
その美しさに義男は、しばし呆然とした表情で見つめていた。
すると舞は、そっと義男の耳を軽く噛んだ。
「ごめんなさい、お父さん。でもありがとう。」
小さい声で、そう呟くと舞は立ち上がって、ゆっくりとした足取りで部屋を出て行った。
後には、ただ呆然と天井を見ている義男がいた。
舞は、部屋に戻ると直ぐに、寝ている旦那の鼻をつまんだ。
気持ち良さそうな寝顔が、次第に充血していった。そしてバタつく手足。
「ぷ、ぷふぁあ。く、苦しい、お前、お、俺を殺す気か。一体どういうつもりな・・ん?」
次の一瞬、旦那の訴える口が舞の唇で塞がれてしまった。
旦那は仰天して目を丸くした。
「起こしちゃってゴメンね。私、急にしたくなっちゃって。」
「ま・・舞?。」
「あなたは、そのまま寝てて。全部私が面倒見てあげるから・・」
舞は、そう言うと旦那の唇に何度も合わせた。
そしてパジャマズボンから、トランクスからを全て剥ぎ取ると、剥き出しになった肉棒を鷲掴み
にした。
「今からあなたのオチンチンを、私のオマンコに入れるからね。」
「お、おい舞、一体どうしたんだい?」
「もう裏切らないから。最後まで愛してあなた。最後までオチンチンを抜かないから・・
最後までイッていいのよ。だから、このままずっと愛して。お願い。」
舞は旦那の上にまたがると、ゆっくりとそして静かに腰を下ろしていった。
義男は、ふと寝ている横から、静かな寝息がするのに気づいた。
「さ・・幸子。」
義男は、寝ている幸子の前髪に手ぐしを入れた。柔らかい笑みで古女房の寝顔を見つめた。
自分の手元で安心して幸せそうに寝ている幸子。
そっと抱き寄せて、額に口づけをした。
幸子の顔が義男の胸元に寄り添う。
義男は左手を背中に回して、そのか細い肩を抱きしめた。
しばらくすると、静かな寝息が重なり合うように聞こえて来た。
幸せそうな笑みを浮かべた寝顔が2つ寄り添うようにして、1つの枕の上にあった。
(おわり)
[2005/01/28]