アルバム その2
妄想
そういえば自分の子供の頃の写真は実家にあり、手元にはない。父は写真が趣味で家族旅行のときはもちろんのこと、子どもと一緒に公園に散歩に行くときでさえカメラを携えていた。小さい頃は無邪気にカメラに向かってポーズを撮っていた姉も、高校生ぐらいの頃には雑誌のグラビアに出てくるようなポーズを決めていた。父はできあがった写真をテーブルに並べて家族で鑑賞する時間を楽しんでいた。ただそれをアルバムの形にして保存していたかどうかは定かでない。家族旅行などはベストショットを1枚選んで、後日大きく伸ばしたものを玄関に飾っていた。今と違ってフィルムカメラなのでとにかく面倒だ。また撮影も露出だの、絞りだの設定が面倒で父と同じ趣味を選ばなかった。もちろん写真を撮ることはあるがそれはデジカメだからだ。父のように撮影が終わったら写真屋さんに行って現像・プリントを頼むという手間もない。父は不便さもすべてを楽しんでいた。今も写真を趣味にしている父に羨ましさも感じる。そんなことを思いながら手元にある写真を整理していた。結婚する前の写真はすべて実家に置いてきたのだから我が家にあるのは当たり前だが妻と結婚してからのものだ。あっという間に10年以上が過ぎてしまった。さてさてどうやってアルバムつくるのか。調べてみたらフォトブック作成サービスが便利なようだ。そう言えばあの冊子にはアルバムは家族の絆を感じるものが良いと書かれていた。なんとかなりそうな感触を得た。