小説(転載) 俺も妹とやっちゃったよ 12/12
近親相姦小説
俺も妹とやっちゃったよ その12
家へ帰ってきて、
俺は妹の部屋のドアを、初めてノックした。
向こうから声は掛からなかったけど
「入るよ?」
って言ってからドアを開けた。
クリスマス以来、久しぶりに面と向かって妹と話した。
「明日、ヒマ?」
それを聞いて妹はちょっとびっくりした表情。
こういうシチュエーションは想定していなかっただろう、
「う、うん、ヒマ・・・だけど・・」
なんてすごくあたふたして答えた。
「クリスマスの時は・・ごめんね。 それでさ、
その埋め合わせっていうか・・・」
俺も結構どもってたけど、なんとか言葉に出して言った。
「ともかく、明日、・・・、そうだ、映画見に行こう。エーガ。」
妹はちょっと間を空けてから
「う、うん。いいよ。」
とかわいくうなずいた。
「じゃあ、明日。な。」
と言い残して、部屋を後にした。
出るときにちらっとテーブルに目をやった。
クリスマスの夜、俺が置いていったプレゼントの袋・・・、そこにはなかった。
捨ててしまったのだろうか?
ちょっと不安になった。
その夜はこんな夢をみた。
朝、二人で出かけようとするところへ妹に電話が。
楽しそうにしゃべる妹。受話器から聞こえるのは男の声。
そして妹は満面の笑みで俺に向かって、
「ごめーん、遊ぶ約束しちゃったから、お留守番よろしくねー」
といって、突然姿を消してしまう。
目が覚めたときは、しばらくボー然としていた。
時計を見たら9時、よいこはまだ寝ている時間。
そうか、クリスマスの日、あの時の妹はこんな感じだったのか・・・
そういえばこの夢、初めて妹とチューした時みたのと寂しさ具合が非常にそっくり。
こんなときは、早く誰かの顔がみたい。
自分ひとりでは生きていけない。
廊下に出ると、洗面所で妹が歯を磨いていた。
こっちを向いて目が合う。
そこに妹がいることに何故か心の底から安心感がわいてきた。
「おはよう」って一言、その安心感をぶつけるようにかけた。
妹は歯磨きの途中だと言うのに、口をもごもごさせながら
なんとか必死におはようを言おうとしていた。
下へ降りると、両親はまだ寝ていた。
夕べもかなり遅かったようだし、いろいろあって疲れているんだろう。
なにがあったのか詳しく聞けるほど、勇気は持ち合わせていない。
どんなに重いものを背負っているのか、想像もしたくない。
ちょっとして後から妹もパジャマのまま降りてきた。
「お父さんとお母さん、まだ寝てるんだね。 あ、朝ごはん、作るね。」
「いや、コーンフレークあるから俺これでいいや。 あやは?」
「私もそれでいい。」
ということで
すこし肌寒い1月の日曜日の朝、二人食卓に並んでコーンフレークに牛乳かけていた。
俺から話しかけてみた。
「何見たい?」
「えっ、何が?」
「えーが。」
「あっ、えっとね、あの、『恋愛小説家』・・・」
「恋愛小説家? ふーん、あれってけっこうエロい話らしいよ?
それにまだやってんのかな? 上映してたの去年の夏くらいじゃなかったっけ?」
「あ、でも、なんでもいいよ。 その、お兄ちゃんは何見たいの?」
「・・・考えてないや。 行った先にあった面白そうなやつでいいかな。」
こんな感じで淡々と会話していた。
やっぱり、最近はそっけなかったからまだちょっとギクシャクしてたな。
それでも俺は少しだけ、浮かれていたかもしれない。 あ、ちょっとだけ。うん。
コーンフレーク食べ終わって、俺は歯みがきと顔を洗いに行き、妹は着替えに行って
なんだかんだで出かける頃には10時を回っていた。
出かける間際、母に5000円渡されてこれで夕食も済ませて来いといわれた。
やっぱり今日も二人して遅くなるのか。
5000円も要らないって言ったのに
「いいから、あやかのことよろしくね。」
だって。
駅に行くまではちょっと離れて歩いていたけど、
電車に乗って降りるときから、手を繋ぎだした。
人がたくさん歩いている中で、まわりのにぎやかな雰囲気のよさに
二人ともだんだんテンションを高くしていった。
「そういえばお兄ちゃんと二人で出かけるのって久しぶりだよね。」
妹はいつの間にか笑顔になっていて、そんなことを言い出す。
「うん。・・なんか、いい感じ。」
俺もはにかんで答える。
センター試験は来週。 経済事情から私立には入りづらい俺にとって
とっても大事な追い込み時期だけど、そんなことはどうでもよかった。
いや、どうでもいいことはないけど。
ららぽーとの映画館では、まだタイタニックがやってた。恋愛小説家は上映してなかった。
結局、どれも面白そうなのが無くて、「オースティンパワーズデラックス」を見た。
その時感じた映画の面白さはほとんど覚えていないけど、
妹と一緒に映画を見ている時間ははっきり覚えている。
映画館を出たあとはやっぱり映画の話で盛り上がるんだけど、
妹の方がペラペラ勢いよくしゃべりまくる。
前作見ていない人にとってはちょっとつらかったと思うが・・・
「でさ、これからどうする?」
「もっといろんなところ行きたいな。 久しぶりなんだし。」
「どこがいい?」
「お兄ちゃんはどこがいい?」
「お前はどこに行きたいんだよ?」
「えー、お兄ちゃんが行きたいところでいいよ・・・」
「じゃあこの時計台の周りをぐるっと一周。」
「それでもいいよ。」
「・・・・。」
で、もちろんちゃんと二人で手つないで直径10mくらいの時計台をぐるっと一周きめた。
元の位置に戻ってきて、「はい、終了。」って言ったら、「もっと、、、その、どこかへ、、」って。
だから俺は言ってやったよ。「じゃあ今度はあやの番。 あやがどうするか決めるんだ。」
妹は、真剣な表情でなやんでいた。
俺はそれを映画館の近くの広場にある時計台のベンチで、
ずーっと眺めていた。 奇妙な絵だけど、なんかいい感じだったよ。
いい感じっていうか・・デジャブ?
30分くらい悩んで、やっと声を出した。
「・・・ディズニーランド。」
「ディズニーランドねぇ・・」
とりあえず舞浜駅までは遠くなかったから行ってみた。
すごい人、人、人、お昼どきなのに駅はすごく混んでいた。
この大切なシーズンなのに、お前ら家に帰って勉強しろよと言ってやりたかった。
「なんか混んでそうだね。 どうするあや?」
「だね。 もう午後だから、あまり乗り物乗れなさそうだね。」
「あ、もうちょっと行けば水族館あるぞ? 葛西臨海公園。」
「水族館か・・ うん、それで行こ!」
で、結局電車乗りなおして、水族館に。
いい年こいた高校生が水族館ってのも、なかなかオシャレでいいんじゃないか?
と気軽に思っていたが、残酷なまでにつまらなかった。
でも妹は終始楽しそうだった。
深海魚コーナでは係員に大声出さないでくださいと注意される始末・・・
近くにいたファミリーづれの小さい子供にまで、
「おねぇいちゃん、おおきなこえだしちゃだめだよ」
と怒られていた。
そんな絵を遠目から見ていてかなりほのぼのだった。そしてちょっと幸せな気分だった。
その時は、一緒にいるのが恥ずかしかったから遠目から見ていたんだけど。
その後はあたりを一緒に散歩して、
また電車で移動して戻ってきて、あとは思いつかなかったから
普段のように適当に駅前のにぎやかなところで過ごした。
日も暮れて、もう空ではオリオン座がはっきりと見えるようになった頃
二人してぐったりして、ゲートボール大会終了後の老人のようにベンチにもたれかかっていた。
「そろそろ帰ろうか?」って言ったら
「まだ、もう少し・・遊んでいこうよ。」
って、腕にしがみついてそういった。
「でも疲れただろ?」
「うん、少し。」
「そういえば、夕飯、母さんがお金くれたんだ。 何食べようか?」
「お兄ちゃんは何が食べたい?」
「お前は何が食べたいんだよ?」
「えー、お兄ちゃんが食べたいのでいいよ・・・」
「じゃあカップラーメン。」
「それでもいいよ。」
「・・・さっきもこんなやり取りあったな・・・。」
というかこの文、さっきのコピペです。
さっきの文も前スレからのコピペです。
「えへへ・・だって、・・・え~っと・・
・・そうだ! お家でなべやろうよ。」
「なべ?」
「うん。なべ。」
「それ、いいかもね。」
「じゃあ、材料買いに行こう!」
「今度は、何なべがいい?とかで悩みそうだな・・」
「あはは・・」
ベンチから立ち上がる妹、本当に純粋な笑顔・・・
透きとおっているような感じ・・・
手を差し伸べて、俺をベンチから立ちあがらせようとさせる。
なんとなく、今なら言えるって思った。
「あのさ、あや・・・」
「ん?」
「その、最近さ、なんか俺・・、冷たくしてたみたいで・・・
クリスマスの時も、その・・・ごめん。」
「え・・」
「なんかあれ?謝るのも変かな? あ~、でも、なんか、ごめんね。」
「・・ふふふ、なんかそういわれると、照れる・・」
「照れる?」
「うん。」
「ごめんね。」
「・・許さないって言ったら?」
「えっ?」
「うっそ~。」
「ウソかよ!」
「これからも、こうして、一緒に遊びに連れてってくれるなら、許してあげるよ。」
「・・・・・うん。約束する。」
「絶対だからね。 今度約束破ったら、もう絶好だからね。」
「うん。」
心の中で、ごめんってもう一回あやまった。
たぶんその約束は、守れないから・・・
そして、家に帰ってきて、買って来た野菜だの肉だの魚だのお菓子だのジュースだので
適当にナベを作って、二人で食べた。
いろんなものがごったがえしているナベ。
二人で食べるのはちょっと寂しいくらいだったけど、
終始、おいしいねとかいいながらにぎやかに食べた。
食べ終わって、食器を洗って、
テレビ見ながらくつろいで
今日の反省会もどきなのをやって・・・
「ごめんちょっと旅行帰りのオカンみたいなこと言っていい?」
「え?いいけど・・」
「あ~、やっぱ家でくつろぐのが一番だ~・・つかれた・・」
「あははは、お兄ちゃん・・」
「ん?」
「なんだかんだで、今日は久しぶりに楽しかったよ。」
「こうしてあやと長い時間いっしょにいるのって、本当に久しぶりだもんね。」
「うん。 最近お兄ちゃん冷たかったから・・ふふふ」
「だからゴメンて。」
「もういいよ。」
そうして、俺の左腕に抱きついてもたれかかってきた。
「どうして今日は突然・・・、誘ってくれたの?」
「いや、別に、特に理由はないけど」
「そう。」
「たださ、」
「何?」
「今まで、自分の中でさ、・・・・、その気づいてはいたんだけどさ・・」
「うん?」
「やっぱり俺・・・あやのことが好きなんだなぁって、思って。」
「え・・」
「あ、その、変な意味じゃなくて・・・、いや、その、変な意味なんだけどね。
あははは・・何言ってんだ俺。」
「・・・私は・・・ずっと前から・・・」
「・・・」
「お兄ちゃんのことが好きだったよ。」
「・・・」
「ずっと前から・・・」
「・・・どのくらい前から?」
「・・覚えてない。そのくらい前から。」
「それは・・兄妹として?」
「・・・そういう好きじゃなくて、その・・・違う好きの方。」
「あ、そう。」
「お兄ちゃんは?」
「えっ、俺・・・?」
「・・・」
「・・・俺は・・『愛してる』の意味で、あやのことが好きだよ。」
「・・・本当に?」
「本当。」
「・・・・」
「・・・・」
いつの間にか、抱き合ってた。
そしていつの間にか、キスしていた。
俺はつい興奮して、つよく唇を吸いすぎた。
それで唇を離すときに、糸が引いた。
それ見て、二人で笑ってた。
全身の力が抜けて、俺の肩からあやの腕がずれ落ちたとき
そでがまくれてあやの細い肌が見えた。
俺のクリスマスプレゼントの腕輪が、そこにあった。捨てられていなかったんだ・・・
「これ、しててくれてたんだ。」
「あ、うん。えへへ、ありがとうね。お兄ちゃん。」
「すごく高かったよ?これ。 プレミアもんだよ?」
「え、そうなの・・?」
「2000円な。」
「・・・私があげたTシャツだって、すごく高かったんだよ。」
「え?いくら?」
「1500円・・・」
「・・・ダメダメだな、俺ら。」
「ふふふ。・・でもすごくうれしいよ。ありがとう。」
「こちらこそ。」
そして再び唇が重なりあう。
離れたあとは、おでことおでこをくっつけたまま、一緒にソファーにもたれかかった。
結構長い時間。
ずっとこうしていたかった。
散々歩き回って疲れた足も、肩も、腕も、
一気にきれいな水が全身を流れていく感じで、癒された。
二人ともうつろに目を開けて見つめあってる。
「ねぇ、お兄ちゃん・・・・・よく考えたら、チューするのも久しぶりだね。」
「うん。 久しぶりっていうか、やっと初めてキスできた気がする。」
「え?どうして?」
「なんとなく・・・」
「じゃあ、もう一回。」
「ん・・」
「・・」
「・・・あや」
「何?」
「久しぶりついでに、一緒にお風呂はいろか?」
「え、・・・うん。 いいよ。」
「一人じゃ怖くて入れないだろ?」
「うん、怖くて入れない。」
で、一緒にお風呂に入った。
一緒に服を脱いで、向かい合いながらお互いの体をスポンジでこすりあって
その間はずっと唇もこすりあってて、よだれがたれても風呂場だから気にしなくて
背中を洗うときなんかは、体をぴったりと抱きつけあって背中を洗いあった。
でも、何故かその体勢のままから離れられなかった。
肩や首や耳とか二の腕とか、キスできるところは全部した。
こっちがしたところに、後を追うように妹も真似してキスをしてくる。
ジャックはすでに臨戦態勢。 デフコン2ってやつです大統領。
「お兄ちゃん・・」
「あや、顔真っ赤だ。」
「お兄ちゃんだって・・」
「これは、ちょっとのぼせてるだけだよ。」
「湯船に入っていないのに?んふふ・・」
「あやの体がすごく熱いから」
「お兄ちゃんだってすごく熱いよ。」
「あやの体、やわらかくてすごく好きだ。」
「なんか照れちゃうな。」
湯船につかるときも抱き合ったまま。
お湯の温度と、妹の体から伝わってくる体温と、唇から伝わってくる体温がまざって
本当にのぼせそうになった。
目はもともとうつろな状態だったから、
意識がもうろうとしてくるまで気づかなかったのはやばかった。
お風呂からあがった後、俺の部屋で窓を開けて、夜風に一緒にあたっていた。
いい湯冷ましになるんだ。これが。
でもちょっと寒くなってきたから、窓を閉めて、抱きしめあった。
さっきまであたたかかった妹の体はもう、冷たくなりかけてた。
「湯冷めしちゃうかもね。」
「お兄ちゃんがあたためてよ。」
「うん。」
・・・・・
布がこすれあう音、妙に興奮した。
妹は必死に俺にしがみついて、俺の口の中で舌をくるくる回している。
そんな姿が健気に見えて、俺もぎゅっと抱きしめる。
背中と後ろ髪を何度もさすって、妹を好きだという気持ちを確かめる。
「お兄ちゃんに、こうやってなでてもらうの大好き・・・」
ちょっと涙目で言う妹、唇と唇が1mmくらいしか離れていないから
ぶつかり合って、上手くしゃべれていないのがすごくかわいい。
アゴの先から、そのまま首筋を通って、みぞおちのところまで
俺は鼻の頭をなぞらせた。 ポイントを通過するたびにピクンと体を振るわせた。
「んふふ・・くすぐっ・・・たい・・よ・・」
「あったかくなってきた?」
「・・うん。・・すごく、なんか・・・ドキドキしてる・・・」
「俺も。 あやのことが大好きでたまらない。」
「私もお兄ちゃんのこと、大好き・・・」
あやの息遣いが俺の首筋をくすぐる。
パジャマを着たままだけど、肌の感じがすごく伝わってくる。
だから別にパジャマは邪魔にならなかった。むしろパジャマごと、妹を愛した。
妹を横すわりにさせたまま、全身をなでている。
「・・・ん、・・」
やっぱり胸とか、足の間とかを触ると、多少反応があった。
やわらかい胸をもっとやわらかくさせる感じでぐにぐに、回す。
「お兄・・ちゃん・・・なんか、・・へんな感じに、なってきたよ・・・」
「俺ちょっと、なんか恥ずかしくなってきちゃったな。」
「私も・・でも、もっとお兄ちゃんに触ってもらいたい・・・」
「じゃああやも、俺のこと触れよ。」
「・・・うん・・」
俺の両方のほっぺたを両手で包み込んで、妹はやっぱり必死にキスをする。
でそのまま妹も俺と同じルートで唇を移動させていった。
なんども俺の頭や耳元をなでてくれる妹。
さすがにそんな妹にじかに触りたくなってきて、
舌と舌をを絡めながら、パジャマのボタンをゆっくりはずす。
妹は腕をバタバタさせながらパジャマを脱ごうとしていた。
あわてなくてもゆっくり脱げばいいのに。 なかなか脱げない様子が妙にかわいかった。
その間、パジャマの下を脱がす。
恥ずかしかったから一気にスパッと。パンツと一緒に。
Aタイプか・・・パンツ職人の大技、「二枚いっぺん」ですな。
妹はよりいっそうあわてて、手で隠した。
「ま、まってよ・・私だけ恥ずかしいよ。 お兄ちゃんも一緒に脱いで・・」
「じゃあやも手伝って。」
ということで妹にボタンをはずしてもらう。
ボーッとした表情と脱ぎかけのパジャマの間から見える妹の胸と素肌。
一生懸命ボタンをはずしてくれるその姿。 上目づかい。
ありとあらゆる要素が集約されてジャック大佐のストライクゾーンに。
デフコン1が発令されました。
そこからは加速度的に、妹を抱きしめた。 いろんな場所にキスをした。
「ん・・・ふうっ・・く・・・」
「んん・・んくっ、・・」
「お兄・・ちゃん・・・はぁ・・」
息も絶え絶えに、妹は何を言ってるのか分からないけど、頑張って何かを言っていた。
胸のてっぺん辺りと足の付け根から中心にむかって、利き腕とは逆の腕の薬指で
やさしくすべらせると、妹の言葉はさらに混乱してきた。
俺の胸で荒い呼吸をする妹。
「俺の顔、見てて。」
というと、妹は顔を上げて俺の目を見つめてくれる。
口のまわりがべとべとになるくらい、吸い付きあって
「好きだよ」
って言ってあげると「私も好き。」って返事をする。
その言葉をいうタイミングと呼吸のタイミングが合わずに、途切れ途切れになる。
それがまた妹の健気さを強調していてたまらない。
だから俺はわざと、へんなタイミングで声をかけた。
でもだんだん、返事をするのがつらくなってきたのか、
妹はただうなずくだけでぎゅっと抱きついてくるのがやっとになった。
かろうじて「お兄ちゃん」という言葉が聞こえてくる。
交代にさわりあいをして、
同時にさわりあいもして、
二人とも汗びっしょりになって
妹のすべての場所に俺のキスのスタンプを押し終わって
俺のすべての場所に妹のキスのスタンプが押されて
愛のスタンプラリーってか、何言ってんだオメー。
真鍋の時と同じように、体育すわりの状態で、妹と一つになった。
寝かせた状態だと、なんかあらたまった感じで恥ずかしいからね。
あと、ちゃんとゴムもつけた。
さっきからの「代わりばんこ」のノリで妹につけさせた。
できれば口でつけてもらいたいが、あとスライム10匹くらい殺さないと
そんな必殺技覚えさせられないな。
妹とするのは、これで6回目。 さすがに妹も痛がらない。
と思ったけど、久しぶりだからかな? ちょっと最初は痛そうだった。
でもすぐに慣れてきたのか、緊張していた体はもとのやわらかい体に戻った。
表情は痛そうなままだったけど。
あと何言ってるのか、完全に理解不能になった。
かろうじて「お兄」という言葉は分かる。ちゃんがうまく言えていないな。
ただ単に呼吸のリズムが合わないだけなんだろうけど、
なんどもなんども同じ単語を繰り返し言っていた。
体を揺らしあっている最中
俺はふと考えていた
ひょっとしたら俺は残酷なことしたかな
だってもうすぐ離ればなれになるというのに
あのまま、きまずい仲のままでいればよかったのに
また妹とこうなって
そしてまた心もろとも離ればなれになって
悲しませる
そのまま倒れていればいいのに
なんども起き上がって、また打ちのめされて倒されて
苦痛ばかり受ける
「お兄ちゃん・・・ずっと一緒に・・いてくれるよね?」
終わったあと、抱き合ったまま、妹がつぶやく。
うん。
とだけ答えておいた。
両親は夜中には帰ってくるだろうけど、かまわずこのまま
裸で抱き合ったまま眠りについた。
それから1週間後、センター試験があった。
ほとんど勉強はしなかったけど、前日は一応学校が休みで、一日中かけて
妹と一緒に勉強に没頭していたし、「お守り」的なキスをもらった。
そのおかげで、そこそこしのぐことが出来た。
まぁこの辺は対したイベントではない。
問題なのは、ここからさらに1週間後。
両親と俺は、リビングのソファーに座っていた。
そろそろ転校手続きとかもあって、妹には、話しておかなければならないから。
事務所の倒産。両親の離婚。そしてこの家はなくなり、俺と父、妹と母。
別々に暮らしていくこと。
最近の明るい妹を見て、両親は話す覚悟ができたという。
「ちょっと、あやかを呼んで来てくれ。」
父に言われて、妹の部屋へ。
妹を連れ出して、リビングのソファーに座らせた。
「たかひろ、お前も一緒にいなさい。」
冗談じゃない。とても俺はそんな空気に耐えられない。
「あ、ちょっと、俺、コンビニ行ってくる!」
妹をソファーに沈めたあと、すかさず俺は玄関へ逃げ出した。
「待て、たかひろ! たかひろ!」
父の言葉を無視して、ダッシュで。
本当にコンビニに向かっていた。
適当に立ち読みして、いちごオレを買って、
そのまま近くの公園のベンチで夜空を眺めていた。
つめたいいちごオレなんて買うんじゃなかった。寒い。
・・・・・・
結局、引越したのは2月の中ごろ。
業者のトラックは荷物を載せて先に出て行った。
俺は父といっしょに、駅のホームで見送り。
妹は母といっしょに、電車に乗り、そのまま行ってしまった。
あの両親の告白の夜。
妹がどんな気持ちだったかはわからない。
俺はただ、いちごオレを飲んでいただけだから。
結局あの夜は、夜中に帰ってきた。
妹は、泣きながら大反対したらしい。
高校生にもなって、大粒の涙で泣きわめいたらしい。
そしてそのまま、俺を探しに家を出て行ってしまったらしい。
母があわてて後を追ったから、事なきを得たらしい。
コンビニに俺がいなかったから、妹は探してまわると言い張って聞かなかったらしい。
俺は父にこっぴどく怒られたらしい。
そして、もう寝てしまっただろうと思っていたら
やっぱり妹は起きていて、
大泣きされた。
何度も「うそつき」とか「もう絶好だ」とか言われた。
俺はただ抱きしめることしか出来なかった。
気持ちを落ち着かせるのに大変だった。妹も俺も。
引越すまでの間はできるだけ妹と一緒にすごした。
もちろん、登下校、毎休み時間、お昼は屋上の踊り場、夜は一緒に眠った。
駅のホームで、最後の会話をした。
「新しい学校では、ちゃんと友達作って、楽しく暮らせるよね?」
「うん・・・」
「約束だよ。」
「うん・・・」
「今度会うときは、新しく出来た友達を紹介してな。」
「うん・・・」
両親が見てる前で抱きしめあってキスをした。
両親は、クリスマス前から俺たちのことは気づいていたらしい。
だからこそ、俺と妹、いっしょに打ち明けられなかったんだろう。
電車が行ってしまった後、父と一緒に家へ帰った。
「お前には本当に迷惑かけたな。
父親らしいことしてやれないばかりか、好きな女との恋路まで邪魔してな。
自分で本当になさけないと思ってる。
勘弁してくれ。」
帰る途中、そんな父の言葉を聞いた。
あんたはよくやったと思う。そんな言葉はむしろ聞きたくなかった。
昔の明るい父に早く戻って欲しかった。
妙に広くなった家、ガランとした妹の部屋を見て、一気に涙がこみ上げてきた。
そして今。
俺はあれから無事、バカ大学だけど国立大学に合格し、
家庭の事情から授業料も免除してもらって大学に入学している。
バイトをしながら、親戚が大家をやってるアパートで一人暮らし。
妹とは、あれから連絡を取っていない。
新しい住所を教えていないし、あの頃は携帯も持っていなかったからね。
妹もどこに住んでいるのかなんて、分からない。
でも、逢いたいけど、お互い新しい生活が始まって、
それはそれで、また、今のままでも、いいんじゃないかな。
昔の写真1枚さえあれば、
いつだって、あの頃に帰れるんだし。
結局何を得たのかって言えば・・・・・・・・・
いい思い出。とでも言っておきます。
家へ帰ってきて、
俺は妹の部屋のドアを、初めてノックした。
向こうから声は掛からなかったけど
「入るよ?」
って言ってからドアを開けた。
クリスマス以来、久しぶりに面と向かって妹と話した。
「明日、ヒマ?」
それを聞いて妹はちょっとびっくりした表情。
こういうシチュエーションは想定していなかっただろう、
「う、うん、ヒマ・・・だけど・・」
なんてすごくあたふたして答えた。
「クリスマスの時は・・ごめんね。 それでさ、
その埋め合わせっていうか・・・」
俺も結構どもってたけど、なんとか言葉に出して言った。
「ともかく、明日、・・・、そうだ、映画見に行こう。エーガ。」
妹はちょっと間を空けてから
「う、うん。いいよ。」
とかわいくうなずいた。
「じゃあ、明日。な。」
と言い残して、部屋を後にした。
出るときにちらっとテーブルに目をやった。
クリスマスの夜、俺が置いていったプレゼントの袋・・・、そこにはなかった。
捨ててしまったのだろうか?
ちょっと不安になった。
その夜はこんな夢をみた。
朝、二人で出かけようとするところへ妹に電話が。
楽しそうにしゃべる妹。受話器から聞こえるのは男の声。
そして妹は満面の笑みで俺に向かって、
「ごめーん、遊ぶ約束しちゃったから、お留守番よろしくねー」
といって、突然姿を消してしまう。
目が覚めたときは、しばらくボー然としていた。
時計を見たら9時、よいこはまだ寝ている時間。
そうか、クリスマスの日、あの時の妹はこんな感じだったのか・・・
そういえばこの夢、初めて妹とチューした時みたのと寂しさ具合が非常にそっくり。
こんなときは、早く誰かの顔がみたい。
自分ひとりでは生きていけない。
廊下に出ると、洗面所で妹が歯を磨いていた。
こっちを向いて目が合う。
そこに妹がいることに何故か心の底から安心感がわいてきた。
「おはよう」って一言、その安心感をぶつけるようにかけた。
妹は歯磨きの途中だと言うのに、口をもごもごさせながら
なんとか必死におはようを言おうとしていた。
下へ降りると、両親はまだ寝ていた。
夕べもかなり遅かったようだし、いろいろあって疲れているんだろう。
なにがあったのか詳しく聞けるほど、勇気は持ち合わせていない。
どんなに重いものを背負っているのか、想像もしたくない。
ちょっとして後から妹もパジャマのまま降りてきた。
「お父さんとお母さん、まだ寝てるんだね。 あ、朝ごはん、作るね。」
「いや、コーンフレークあるから俺これでいいや。 あやは?」
「私もそれでいい。」
ということで
すこし肌寒い1月の日曜日の朝、二人食卓に並んでコーンフレークに牛乳かけていた。
俺から話しかけてみた。
「何見たい?」
「えっ、何が?」
「えーが。」
「あっ、えっとね、あの、『恋愛小説家』・・・」
「恋愛小説家? ふーん、あれってけっこうエロい話らしいよ?
それにまだやってんのかな? 上映してたの去年の夏くらいじゃなかったっけ?」
「あ、でも、なんでもいいよ。 その、お兄ちゃんは何見たいの?」
「・・・考えてないや。 行った先にあった面白そうなやつでいいかな。」
こんな感じで淡々と会話していた。
やっぱり、最近はそっけなかったからまだちょっとギクシャクしてたな。
それでも俺は少しだけ、浮かれていたかもしれない。 あ、ちょっとだけ。うん。
コーンフレーク食べ終わって、俺は歯みがきと顔を洗いに行き、妹は着替えに行って
なんだかんだで出かける頃には10時を回っていた。
出かける間際、母に5000円渡されてこれで夕食も済ませて来いといわれた。
やっぱり今日も二人して遅くなるのか。
5000円も要らないって言ったのに
「いいから、あやかのことよろしくね。」
だって。
駅に行くまではちょっと離れて歩いていたけど、
電車に乗って降りるときから、手を繋ぎだした。
人がたくさん歩いている中で、まわりのにぎやかな雰囲気のよさに
二人ともだんだんテンションを高くしていった。
「そういえばお兄ちゃんと二人で出かけるのって久しぶりだよね。」
妹はいつの間にか笑顔になっていて、そんなことを言い出す。
「うん。・・なんか、いい感じ。」
俺もはにかんで答える。
センター試験は来週。 経済事情から私立には入りづらい俺にとって
とっても大事な追い込み時期だけど、そんなことはどうでもよかった。
いや、どうでもいいことはないけど。
ららぽーとの映画館では、まだタイタニックがやってた。恋愛小説家は上映してなかった。
結局、どれも面白そうなのが無くて、「オースティンパワーズデラックス」を見た。
その時感じた映画の面白さはほとんど覚えていないけど、
妹と一緒に映画を見ている時間ははっきり覚えている。
映画館を出たあとはやっぱり映画の話で盛り上がるんだけど、
妹の方がペラペラ勢いよくしゃべりまくる。
前作見ていない人にとってはちょっとつらかったと思うが・・・
「でさ、これからどうする?」
「もっといろんなところ行きたいな。 久しぶりなんだし。」
「どこがいい?」
「お兄ちゃんはどこがいい?」
「お前はどこに行きたいんだよ?」
「えー、お兄ちゃんが行きたいところでいいよ・・・」
「じゃあこの時計台の周りをぐるっと一周。」
「それでもいいよ。」
「・・・・。」
で、もちろんちゃんと二人で手つないで直径10mくらいの時計台をぐるっと一周きめた。
元の位置に戻ってきて、「はい、終了。」って言ったら、「もっと、、、その、どこかへ、、」って。
だから俺は言ってやったよ。「じゃあ今度はあやの番。 あやがどうするか決めるんだ。」
妹は、真剣な表情でなやんでいた。
俺はそれを映画館の近くの広場にある時計台のベンチで、
ずーっと眺めていた。 奇妙な絵だけど、なんかいい感じだったよ。
いい感じっていうか・・デジャブ?
30分くらい悩んで、やっと声を出した。
「・・・ディズニーランド。」
「ディズニーランドねぇ・・」
とりあえず舞浜駅までは遠くなかったから行ってみた。
すごい人、人、人、お昼どきなのに駅はすごく混んでいた。
この大切なシーズンなのに、お前ら家に帰って勉強しろよと言ってやりたかった。
「なんか混んでそうだね。 どうするあや?」
「だね。 もう午後だから、あまり乗り物乗れなさそうだね。」
「あ、もうちょっと行けば水族館あるぞ? 葛西臨海公園。」
「水族館か・・ うん、それで行こ!」
で、結局電車乗りなおして、水族館に。
いい年こいた高校生が水族館ってのも、なかなかオシャレでいいんじゃないか?
と気軽に思っていたが、残酷なまでにつまらなかった。
でも妹は終始楽しそうだった。
深海魚コーナでは係員に大声出さないでくださいと注意される始末・・・
近くにいたファミリーづれの小さい子供にまで、
「おねぇいちゃん、おおきなこえだしちゃだめだよ」
と怒られていた。
そんな絵を遠目から見ていてかなりほのぼのだった。そしてちょっと幸せな気分だった。
その時は、一緒にいるのが恥ずかしかったから遠目から見ていたんだけど。
その後はあたりを一緒に散歩して、
また電車で移動して戻ってきて、あとは思いつかなかったから
普段のように適当に駅前のにぎやかなところで過ごした。
日も暮れて、もう空ではオリオン座がはっきりと見えるようになった頃
二人してぐったりして、ゲートボール大会終了後の老人のようにベンチにもたれかかっていた。
「そろそろ帰ろうか?」って言ったら
「まだ、もう少し・・遊んでいこうよ。」
って、腕にしがみついてそういった。
「でも疲れただろ?」
「うん、少し。」
「そういえば、夕飯、母さんがお金くれたんだ。 何食べようか?」
「お兄ちゃんは何が食べたい?」
「お前は何が食べたいんだよ?」
「えー、お兄ちゃんが食べたいのでいいよ・・・」
「じゃあカップラーメン。」
「それでもいいよ。」
「・・・さっきもこんなやり取りあったな・・・。」
というかこの文、さっきのコピペです。
さっきの文も前スレからのコピペです。
「えへへ・・だって、・・・え~っと・・
・・そうだ! お家でなべやろうよ。」
「なべ?」
「うん。なべ。」
「それ、いいかもね。」
「じゃあ、材料買いに行こう!」
「今度は、何なべがいい?とかで悩みそうだな・・」
「あはは・・」
ベンチから立ち上がる妹、本当に純粋な笑顔・・・
透きとおっているような感じ・・・
手を差し伸べて、俺をベンチから立ちあがらせようとさせる。
なんとなく、今なら言えるって思った。
「あのさ、あや・・・」
「ん?」
「その、最近さ、なんか俺・・、冷たくしてたみたいで・・・
クリスマスの時も、その・・・ごめん。」
「え・・」
「なんかあれ?謝るのも変かな? あ~、でも、なんか、ごめんね。」
「・・ふふふ、なんかそういわれると、照れる・・」
「照れる?」
「うん。」
「ごめんね。」
「・・許さないって言ったら?」
「えっ?」
「うっそ~。」
「ウソかよ!」
「これからも、こうして、一緒に遊びに連れてってくれるなら、許してあげるよ。」
「・・・・・うん。約束する。」
「絶対だからね。 今度約束破ったら、もう絶好だからね。」
「うん。」
心の中で、ごめんってもう一回あやまった。
たぶんその約束は、守れないから・・・
そして、家に帰ってきて、買って来た野菜だの肉だの魚だのお菓子だのジュースだので
適当にナベを作って、二人で食べた。
いろんなものがごったがえしているナベ。
二人で食べるのはちょっと寂しいくらいだったけど、
終始、おいしいねとかいいながらにぎやかに食べた。
食べ終わって、食器を洗って、
テレビ見ながらくつろいで
今日の反省会もどきなのをやって・・・
「ごめんちょっと旅行帰りのオカンみたいなこと言っていい?」
「え?いいけど・・」
「あ~、やっぱ家でくつろぐのが一番だ~・・つかれた・・」
「あははは、お兄ちゃん・・」
「ん?」
「なんだかんだで、今日は久しぶりに楽しかったよ。」
「こうしてあやと長い時間いっしょにいるのって、本当に久しぶりだもんね。」
「うん。 最近お兄ちゃん冷たかったから・・ふふふ」
「だからゴメンて。」
「もういいよ。」
そうして、俺の左腕に抱きついてもたれかかってきた。
「どうして今日は突然・・・、誘ってくれたの?」
「いや、別に、特に理由はないけど」
「そう。」
「たださ、」
「何?」
「今まで、自分の中でさ、・・・・、その気づいてはいたんだけどさ・・」
「うん?」
「やっぱり俺・・・あやのことが好きなんだなぁって、思って。」
「え・・」
「あ、その、変な意味じゃなくて・・・、いや、その、変な意味なんだけどね。
あははは・・何言ってんだ俺。」
「・・・私は・・・ずっと前から・・・」
「・・・」
「お兄ちゃんのことが好きだったよ。」
「・・・」
「ずっと前から・・・」
「・・・どのくらい前から?」
「・・覚えてない。そのくらい前から。」
「それは・・兄妹として?」
「・・・そういう好きじゃなくて、その・・・違う好きの方。」
「あ、そう。」
「お兄ちゃんは?」
「えっ、俺・・・?」
「・・・」
「・・・俺は・・『愛してる』の意味で、あやのことが好きだよ。」
「・・・本当に?」
「本当。」
「・・・・」
「・・・・」
いつの間にか、抱き合ってた。
そしていつの間にか、キスしていた。
俺はつい興奮して、つよく唇を吸いすぎた。
それで唇を離すときに、糸が引いた。
それ見て、二人で笑ってた。
全身の力が抜けて、俺の肩からあやの腕がずれ落ちたとき
そでがまくれてあやの細い肌が見えた。
俺のクリスマスプレゼントの腕輪が、そこにあった。捨てられていなかったんだ・・・
「これ、しててくれてたんだ。」
「あ、うん。えへへ、ありがとうね。お兄ちゃん。」
「すごく高かったよ?これ。 プレミアもんだよ?」
「え、そうなの・・?」
「2000円な。」
「・・・私があげたTシャツだって、すごく高かったんだよ。」
「え?いくら?」
「1500円・・・」
「・・・ダメダメだな、俺ら。」
「ふふふ。・・でもすごくうれしいよ。ありがとう。」
「こちらこそ。」
そして再び唇が重なりあう。
離れたあとは、おでことおでこをくっつけたまま、一緒にソファーにもたれかかった。
結構長い時間。
ずっとこうしていたかった。
散々歩き回って疲れた足も、肩も、腕も、
一気にきれいな水が全身を流れていく感じで、癒された。
二人ともうつろに目を開けて見つめあってる。
「ねぇ、お兄ちゃん・・・・・よく考えたら、チューするのも久しぶりだね。」
「うん。 久しぶりっていうか、やっと初めてキスできた気がする。」
「え?どうして?」
「なんとなく・・・」
「じゃあ、もう一回。」
「ん・・」
「・・」
「・・・あや」
「何?」
「久しぶりついでに、一緒にお風呂はいろか?」
「え、・・・うん。 いいよ。」
「一人じゃ怖くて入れないだろ?」
「うん、怖くて入れない。」
で、一緒にお風呂に入った。
一緒に服を脱いで、向かい合いながらお互いの体をスポンジでこすりあって
その間はずっと唇もこすりあってて、よだれがたれても風呂場だから気にしなくて
背中を洗うときなんかは、体をぴったりと抱きつけあって背中を洗いあった。
でも、何故かその体勢のままから離れられなかった。
肩や首や耳とか二の腕とか、キスできるところは全部した。
こっちがしたところに、後を追うように妹も真似してキスをしてくる。
ジャックはすでに臨戦態勢。 デフコン2ってやつです大統領。
「お兄ちゃん・・」
「あや、顔真っ赤だ。」
「お兄ちゃんだって・・」
「これは、ちょっとのぼせてるだけだよ。」
「湯船に入っていないのに?んふふ・・」
「あやの体がすごく熱いから」
「お兄ちゃんだってすごく熱いよ。」
「あやの体、やわらかくてすごく好きだ。」
「なんか照れちゃうな。」
湯船につかるときも抱き合ったまま。
お湯の温度と、妹の体から伝わってくる体温と、唇から伝わってくる体温がまざって
本当にのぼせそうになった。
目はもともとうつろな状態だったから、
意識がもうろうとしてくるまで気づかなかったのはやばかった。
お風呂からあがった後、俺の部屋で窓を開けて、夜風に一緒にあたっていた。
いい湯冷ましになるんだ。これが。
でもちょっと寒くなってきたから、窓を閉めて、抱きしめあった。
さっきまであたたかかった妹の体はもう、冷たくなりかけてた。
「湯冷めしちゃうかもね。」
「お兄ちゃんがあたためてよ。」
「うん。」
・・・・・
布がこすれあう音、妙に興奮した。
妹は必死に俺にしがみついて、俺の口の中で舌をくるくる回している。
そんな姿が健気に見えて、俺もぎゅっと抱きしめる。
背中と後ろ髪を何度もさすって、妹を好きだという気持ちを確かめる。
「お兄ちゃんに、こうやってなでてもらうの大好き・・・」
ちょっと涙目で言う妹、唇と唇が1mmくらいしか離れていないから
ぶつかり合って、上手くしゃべれていないのがすごくかわいい。
アゴの先から、そのまま首筋を通って、みぞおちのところまで
俺は鼻の頭をなぞらせた。 ポイントを通過するたびにピクンと体を振るわせた。
「んふふ・・くすぐっ・・・たい・・よ・・」
「あったかくなってきた?」
「・・うん。・・すごく、なんか・・・ドキドキしてる・・・」
「俺も。 あやのことが大好きでたまらない。」
「私もお兄ちゃんのこと、大好き・・・」
あやの息遣いが俺の首筋をくすぐる。
パジャマを着たままだけど、肌の感じがすごく伝わってくる。
だから別にパジャマは邪魔にならなかった。むしろパジャマごと、妹を愛した。
妹を横すわりにさせたまま、全身をなでている。
「・・・ん、・・」
やっぱり胸とか、足の間とかを触ると、多少反応があった。
やわらかい胸をもっとやわらかくさせる感じでぐにぐに、回す。
「お兄・・ちゃん・・・なんか、・・へんな感じに、なってきたよ・・・」
「俺ちょっと、なんか恥ずかしくなってきちゃったな。」
「私も・・でも、もっとお兄ちゃんに触ってもらいたい・・・」
「じゃああやも、俺のこと触れよ。」
「・・・うん・・」
俺の両方のほっぺたを両手で包み込んで、妹はやっぱり必死にキスをする。
でそのまま妹も俺と同じルートで唇を移動させていった。
なんども俺の頭や耳元をなでてくれる妹。
さすがにそんな妹にじかに触りたくなってきて、
舌と舌をを絡めながら、パジャマのボタンをゆっくりはずす。
妹は腕をバタバタさせながらパジャマを脱ごうとしていた。
あわてなくてもゆっくり脱げばいいのに。 なかなか脱げない様子が妙にかわいかった。
その間、パジャマの下を脱がす。
恥ずかしかったから一気にスパッと。パンツと一緒に。
Aタイプか・・・パンツ職人の大技、「二枚いっぺん」ですな。
妹はよりいっそうあわてて、手で隠した。
「ま、まってよ・・私だけ恥ずかしいよ。 お兄ちゃんも一緒に脱いで・・」
「じゃあやも手伝って。」
ということで妹にボタンをはずしてもらう。
ボーッとした表情と脱ぎかけのパジャマの間から見える妹の胸と素肌。
一生懸命ボタンをはずしてくれるその姿。 上目づかい。
ありとあらゆる要素が集約されてジャック大佐のストライクゾーンに。
デフコン1が発令されました。
そこからは加速度的に、妹を抱きしめた。 いろんな場所にキスをした。
「ん・・・ふうっ・・く・・・」
「んん・・んくっ、・・」
「お兄・・ちゃん・・・はぁ・・」
息も絶え絶えに、妹は何を言ってるのか分からないけど、頑張って何かを言っていた。
胸のてっぺん辺りと足の付け根から中心にむかって、利き腕とは逆の腕の薬指で
やさしくすべらせると、妹の言葉はさらに混乱してきた。
俺の胸で荒い呼吸をする妹。
「俺の顔、見てて。」
というと、妹は顔を上げて俺の目を見つめてくれる。
口のまわりがべとべとになるくらい、吸い付きあって
「好きだよ」
って言ってあげると「私も好き。」って返事をする。
その言葉をいうタイミングと呼吸のタイミングが合わずに、途切れ途切れになる。
それがまた妹の健気さを強調していてたまらない。
だから俺はわざと、へんなタイミングで声をかけた。
でもだんだん、返事をするのがつらくなってきたのか、
妹はただうなずくだけでぎゅっと抱きついてくるのがやっとになった。
かろうじて「お兄ちゃん」という言葉が聞こえてくる。
交代にさわりあいをして、
同時にさわりあいもして、
二人とも汗びっしょりになって
妹のすべての場所に俺のキスのスタンプを押し終わって
俺のすべての場所に妹のキスのスタンプが押されて
愛のスタンプラリーってか、何言ってんだオメー。
真鍋の時と同じように、体育すわりの状態で、妹と一つになった。
寝かせた状態だと、なんかあらたまった感じで恥ずかしいからね。
あと、ちゃんとゴムもつけた。
さっきからの「代わりばんこ」のノリで妹につけさせた。
できれば口でつけてもらいたいが、あとスライム10匹くらい殺さないと
そんな必殺技覚えさせられないな。
妹とするのは、これで6回目。 さすがに妹も痛がらない。
と思ったけど、久しぶりだからかな? ちょっと最初は痛そうだった。
でもすぐに慣れてきたのか、緊張していた体はもとのやわらかい体に戻った。
表情は痛そうなままだったけど。
あと何言ってるのか、完全に理解不能になった。
かろうじて「お兄」という言葉は分かる。ちゃんがうまく言えていないな。
ただ単に呼吸のリズムが合わないだけなんだろうけど、
なんどもなんども同じ単語を繰り返し言っていた。
体を揺らしあっている最中
俺はふと考えていた
ひょっとしたら俺は残酷なことしたかな
だってもうすぐ離ればなれになるというのに
あのまま、きまずい仲のままでいればよかったのに
また妹とこうなって
そしてまた心もろとも離ればなれになって
悲しませる
そのまま倒れていればいいのに
なんども起き上がって、また打ちのめされて倒されて
苦痛ばかり受ける
「お兄ちゃん・・・ずっと一緒に・・いてくれるよね?」
終わったあと、抱き合ったまま、妹がつぶやく。
うん。
とだけ答えておいた。
両親は夜中には帰ってくるだろうけど、かまわずこのまま
裸で抱き合ったまま眠りについた。
それから1週間後、センター試験があった。
ほとんど勉強はしなかったけど、前日は一応学校が休みで、一日中かけて
妹と一緒に勉強に没頭していたし、「お守り」的なキスをもらった。
そのおかげで、そこそこしのぐことが出来た。
まぁこの辺は対したイベントではない。
問題なのは、ここからさらに1週間後。
両親と俺は、リビングのソファーに座っていた。
そろそろ転校手続きとかもあって、妹には、話しておかなければならないから。
事務所の倒産。両親の離婚。そしてこの家はなくなり、俺と父、妹と母。
別々に暮らしていくこと。
最近の明るい妹を見て、両親は話す覚悟ができたという。
「ちょっと、あやかを呼んで来てくれ。」
父に言われて、妹の部屋へ。
妹を連れ出して、リビングのソファーに座らせた。
「たかひろ、お前も一緒にいなさい。」
冗談じゃない。とても俺はそんな空気に耐えられない。
「あ、ちょっと、俺、コンビニ行ってくる!」
妹をソファーに沈めたあと、すかさず俺は玄関へ逃げ出した。
「待て、たかひろ! たかひろ!」
父の言葉を無視して、ダッシュで。
本当にコンビニに向かっていた。
適当に立ち読みして、いちごオレを買って、
そのまま近くの公園のベンチで夜空を眺めていた。
つめたいいちごオレなんて買うんじゃなかった。寒い。
・・・・・・
結局、引越したのは2月の中ごろ。
業者のトラックは荷物を載せて先に出て行った。
俺は父といっしょに、駅のホームで見送り。
妹は母といっしょに、電車に乗り、そのまま行ってしまった。
あの両親の告白の夜。
妹がどんな気持ちだったかはわからない。
俺はただ、いちごオレを飲んでいただけだから。
結局あの夜は、夜中に帰ってきた。
妹は、泣きながら大反対したらしい。
高校生にもなって、大粒の涙で泣きわめいたらしい。
そしてそのまま、俺を探しに家を出て行ってしまったらしい。
母があわてて後を追ったから、事なきを得たらしい。
コンビニに俺がいなかったから、妹は探してまわると言い張って聞かなかったらしい。
俺は父にこっぴどく怒られたらしい。
そして、もう寝てしまっただろうと思っていたら
やっぱり妹は起きていて、
大泣きされた。
何度も「うそつき」とか「もう絶好だ」とか言われた。
俺はただ抱きしめることしか出来なかった。
気持ちを落ち着かせるのに大変だった。妹も俺も。
引越すまでの間はできるだけ妹と一緒にすごした。
もちろん、登下校、毎休み時間、お昼は屋上の踊り場、夜は一緒に眠った。
駅のホームで、最後の会話をした。
「新しい学校では、ちゃんと友達作って、楽しく暮らせるよね?」
「うん・・・」
「約束だよ。」
「うん・・・」
「今度会うときは、新しく出来た友達を紹介してな。」
「うん・・・」
両親が見てる前で抱きしめあってキスをした。
両親は、クリスマス前から俺たちのことは気づいていたらしい。
だからこそ、俺と妹、いっしょに打ち明けられなかったんだろう。
電車が行ってしまった後、父と一緒に家へ帰った。
「お前には本当に迷惑かけたな。
父親らしいことしてやれないばかりか、好きな女との恋路まで邪魔してな。
自分で本当になさけないと思ってる。
勘弁してくれ。」
帰る途中、そんな父の言葉を聞いた。
あんたはよくやったと思う。そんな言葉はむしろ聞きたくなかった。
昔の明るい父に早く戻って欲しかった。
妙に広くなった家、ガランとした妹の部屋を見て、一気に涙がこみ上げてきた。
そして今。
俺はあれから無事、バカ大学だけど国立大学に合格し、
家庭の事情から授業料も免除してもらって大学に入学している。
バイトをしながら、親戚が大家をやってるアパートで一人暮らし。
妹とは、あれから連絡を取っていない。
新しい住所を教えていないし、あの頃は携帯も持っていなかったからね。
妹もどこに住んでいるのかなんて、分からない。
でも、逢いたいけど、お互い新しい生活が始まって、
それはそれで、また、今のままでも、いいんじゃないかな。
昔の写真1枚さえあれば、
いつだって、あの頃に帰れるんだし。
結局何を得たのかって言えば・・・・・・・・・
いい思い出。とでも言っておきます。