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小説(転載)  ついてる少年 5/5

官能小説
01 /07 2019
あれから何ヶ月が過ぎただろうか。
僕はどうにか高校を卒業することができ、今度の春から予備校に通うことになった。
大学へ・・・といけば最高だったけど、まぁいいよ。残念だけど必死に頑張った結果だもん。
・・・ん?
必死に頑張って落ちたなんて・・・能力がないって事?余計悪いのかな?


武藤の母親との経験後何日か経って、僕は叔父のところへ出向いた。
あの、あまりにも恵まれた環境の生活を返上するためだ。
今思えば、あまりに衝動的な、後先の考えない決断だったように思うけど、その場その時にしかできない決断がある。
叔父はいつも通り、ニコリともせず感情の読みにくい表情で、僕の説明を聞いていた。
「・・・それでどうするんだ。」
「どうするって?」
「生活だ。お前はまだ高校生、一人で生きていけるわけがない。」
「それは・・・確かに。」
「・・・何を、して欲しい?」
「何を・・・。ゴメン、それは考えてなかった。」
不思議だった。
こんなに緊張してるのに、こんなに堂々と自分の意見を言えるなんて。
「何も考えてない、そんなことでは一人にするわけにはいかない。お前は私の大切な甥だ。」
くさい言葉を真顔で言われ、多分赤面したであろう僕を見ながら、叔父さんがふとピンと伸びた背筋をゆるめた。
「フ・・・。そうか、判った。とりあえず生活費、それに下宿代などは私が面倒見てやる。だが、身の回りの世話はお前が自分でやれ、それでいいな?」
突然の豹変と、あまりの物分かりの良さに呆然としながらも、僕は素直に頷いた。
「わがまま言って、ごめんなさい。」
「いいさ。」
叔父さんはそう言って背広の中から煙草をとりだし火をつけた。
高級な服とは全く似合わない、古くさい銘柄・・・。
「フー・・・。・・・やっぱりお前は兄さんの子だな。」
「え?」
「金や権力は嫌い。そんなものに頼った幸せなんてイヤだ。そう言うんだろう?」
「いや・・・そうでもないよ。ただ、僕には似合わないかな。そう思っただけ。」
「世の中は金だよ、はじめ。金が権力――力を生みだし、その力が新しく金を呼び込む。だが・・・そうか、似合わないか。フフフ・・・そうだな。そうかも知れないな。」
その時の叔父の笑みは、僕をあざけると言うよりも、自嘲しているように感じた。
「・・・安心したよ、はじめ。」
「え?」
「誰にだって、それがどんなに無駄で小さな事であっても、譲れない物や考えがある。それをお前が持っていたって事に、だよ。」
・・・?
譲れない考え?
そんな深く考えていたわけではない僕は、その叔父の言葉に少し抵抗を感じた。
叔父さん。ちょっと僕を買い被りすぎてるよ?
そう言おうかとも思ったが、やめておいた。
だって、その時の叔父さんの顔は、今まで見たこともないくらい穏やかで、そして・・・そして・・・。僕の親父に、とても似ているような気がしたから。



「よーし、ガスもOK。ストーブも・・・OK。あ、そうだ。コンセント抜いておこう。」
いつも通りのあわただしい朝。
僕は戸締まりを済ませると、愛車に飛び乗った。
前乗っていたのとは違う、三段切り替え付きの高級車だ。(僕にしてはだけど。)
人並みをスイ~っとかき分けながら街路樹の歩道をゆくと、新緑と同じくらい、通り過ぎるミニスカートの女子高生が眩しく見える。
「あ~~、やりたいよぉ。」
人並みが途切れたのを確認して僕は呟いた。
「前のままの生活だったら、いくらでも出来ただろうに・・・。」
そう、武藤の母親とだって、もっと若い人とだって・・・。
「あぁ、ばかばかバカバカ!」
まだ頭の中には武藤の母親の肌触り、暖かさをリアルに甦らせることが出来る。
一体、それで何度オナニーしたことか・・・。
武藤の母親との経験以来、武藤は一切僕にちょっかいをかけてこなくなった。
まぁそれは、セックスしたからではなく、取り引きしてやったからだけど。
でも、僕の中では明らかに武藤との地位が入れ替わっていた。
そりゃそうだ。
母親とセックスしてやったんだから。
セックスって簡単に出来るもんじゃない。それをしちゃったんだから。
地位、なんてよくない考えとも思うけど、平等に見る事なんてとても出来ないし、それはそれでいいんではないかとも思う。
「あーぁ・・。もう一度させてくれないかなぁ・・・。またナマでズコズコと・・・なんて。」
・・・。
あ~あ。いつも下半身が元気になると、こんなこと思っちゃうなぁ。
もう納得したはずなのに・・・。



そりゃ確かに前の生活のままだったら楽だったに違いない。
どでかいマンションに、美人なお姉さん作のご飯、お小遣いもたくさん。
でも、そんな生活してたら努力することを忘れてしまう。
そうはなりたくないよね。
そう思えただけでも、前より自分のことを好きになることが出来たんだ。



「そうだ、そうだった。よし、もう過去のことは忘れるぞ!」
でもまだズボンの中でお元気な自分。
・・・。
ま、しょうがないか。こればっかりは・・・。



そんなある日。
僕が予備校を終え買い物をして帰ると、アパートの部屋の前に誰かが立っているのが見えた。
「ん?誰だろう。」
女性みたいだから自分には関係ない人だろうな、と思いつつドアの前に行くと・・・。
「し、静香さん!!」
「・・・お帰りなさい、はじめくん。」
「え?な、なんで・・・。」
「・・・探したんですよ?何も言わないで引っ越しちゃうんだから。」
長い髪、透き通った瞳、すらっと伸びた足・・・。どこからどう見てもあの静香さんだ。
「ど、どうして。」
「どうして・・・?それはこっちの言葉です。なんで一言もなかったんですか?冷たいですよ・・・。」
俯き加減で寂しそうに言う静香さん。
「イ、イヤ、ほら、それはさ。あのまま静香さんに甘えてるわけにもいかないと思ったから・・・。」
「それにしたって、一言くらいあってもいいと思います。」
う、それは確かに・・・。
「いや、うん、そうだね、そうだよね。でもさ、その・・・静香さんにもう迷惑とかかけたくな・・・。」
「・・・はじめくん、私のことが嫌いなんですか?」
いきなり上目遣いでそう言われ、僕はたじろいだ。
嫌い・・・そんなわけない。
イヤ、逆に好きだから。すごく好きになっちゃったから、武藤の母親との体験の後、すぐに叔父さんに申し出たんだ。
こんな僕と合うような人じゃないから・・・。
僕は言葉に詰まったまま、何も言えなかった。
静香さんもまた俯き、薄暗くなりかけている部屋の前で僕たちはしばらく立ち尽くした。
・・・一体静香さんは何を言いたいのだろう。
「はじめくん。」
「は、はい?」
「今日からあなたのお世話をする『川合 静香』です。よろしくお願いします。」
「え。・・・え!?」
「ほら、それ貸してください。あっ・・・もぅ、ラーメンばっかり。そんな事じゃ大学受験なんて言ってられませんよ。」
「ちょ、ちょっと。静香さん!」
・・・。
そうして訳も分からずまま、また静香さんに家事をしてもらう事になった。
最初はやっぱり戸惑ったけど・・・正直に言ってすごく嬉しかったのも確かだ。
でも、どうしてそうまでして僕に尽くしてくれるんだろう。
好意なのか、それとも裏があるのか。もしかして・・・僕のことが好きとか?・・・それはないか。
静香さんの真意は全く分からない。でも・・・これだけは思う。

僕はこの人が好きだ。
そして、この人に似合うような人間になりたい。
たとえ無駄な努力だとは分かっていても―――。



そうそう。
容姿の面ではやっぱ生まれつきってモンがあるから、まぁ、それはしょうがないとしよう。
そ・れ・と。
やっぱオナニーは具体的なオカズが欲しいから、武藤のおばさんとかでイッてもいいよね?
だって、静香さんは汚したくないんだもん。
いいよね?ね?ね?


END

小説(転載)  ついてる少年 4/5

官能小説
01 /07 2019
翌朝目が覚めると、僕はすぐに支度をすませ学校に向かった。
足取りは軽やか。朝のさわやかな陽射しが体に染み渡る。
・・・なぜだろう。昨日のあのブルーな気分が嘘みたいだ。
理由はすぐにわかった。
「おう吉沢。昨日はありがとな。」
顔を合わせるなり、武藤がにやけた顔で昨日のお礼を言ってきた。
ありがとうなんて言葉が信じられるわけがない。
でも嫌いな奴からでもそんな言葉をかけられるのは嬉しかった。
それに・・・。
僕はこいつの母親にフェラチオさせた。そして初体験の約束までも。
劣等感から完全に優越感へ。
それがこう・・・僕に自信をあふれさせる原因なんだろう。
静香さんとかのことを思うとちょっと引っかかるものがあるけど。


それからしばらく、期待と自己嫌悪の入り交じった複雑な気分で日々を過ごした。
そしてとうとう約束の日――。
今日学校が終わると、僕はセックスをするんだ。それもあの武藤の母親と・・・。
信じられない。
本当に信じられない・・・。
もう今は性に対する欲求だけが、身体の奥底からこみ上げてきている。
やりたい、早くやりたい・・・。
やっと学校が終わり、僕は一度家に帰り身支度をした。
そして薄暗くなりかけた頃、はやる気持ちを抑えながら待ち合わせ場所のレストランの前へ。
そこには前よりも幾分色っぽく見える武藤の母親が待っていた。
前とは違う色合いのスーツ。
これを脱がして、それでそれで・・・。
僕はおばさんに誘導されながらレストランのドアをくぐった。

「ふふ・・。緊張しちゃってるのね。」
料理を落としまくる僕をみながら武藤の母親が微笑んだ。
そりゃ緊張もするよ。
目の前には今からエッチする女性、それも知り合いの母親。プラスこんな高級レストラン、さらに見たことのない料理・・・。
とても味わうどころじゃない。
「いいのよ、もっとリラックスして。」
テーブルに落とした料理を拭いてくれながら、おばさんが優しく言った。
リラックス・・・。
何か深い意味が込められているのだろうか?
僕は思い切ってずっと気になっている事を改めて聞いてみた。
「・・・あ、あの!ホントに今日、その・・・いいんですか?」
「・・・いいって?」
笑みを浮かべられながらそう聞かれた。
「その・・・。」
「セックスの事?」
おばさんはどうということはないという表情で言った。
「だってしたいんでしょ?それだったらおばさんはOKよ。そりゃ商売に身体を使うってのは卑怯な感じもするけど。」
僕は少し申し訳ない気になって下を向いた。
「ふふふ、いいのよ。別におばさん、セックスの一回や二回どうって事ないから。ふふっ。」
ん~~。
確かにそんな感じする。
スケベそうって言うか・・・。
「あ。今このスケベ女って思ってんでしょう。・・・その通りだけど。」
よし。
これでもう大丈夫だ。
気兼ねなくこの女性とセックスできる。それでアレも実行してやる・・・。
僕は急いで料理をたいらげると、すでに食べ終わっていたおばさんと席を立った。
精算に向かっていくおばさんの後ろ姿を後ろから眺める。
身長は150半ばだろうか、僕よりも頭一つ小さいがすごく肉付きのいい身体をしてる。
こう、なんと言うか、柔らかそうで、それでいて中身が詰まってそうで・・・。
そう、中身。
身体的に言えば単なる一人の女性でしかないけど、僕よりもずっと長く生きて、様々な経験をしていて、自分の家族がある。
その「中身」をセックスすることで自分のものにすることが出来る。
ような気がする。
おばさんの家族を、あの武藤を、自分より下に見ることが出来る。
ような気がする。だって、おま○こ・・・アイツの生まれたとこにチン○突っ込むんだもん・・・。
僕はお金を払っているおばさんの丸いお尻を見ながら、すでにイキそうになっている自分を必死で抑えた。



「吉沢君、エッチは初めて?」
初めて入るラブホテルをきょろきょろ見ていると、おばさんが振り返って聞いてきた。
「は、はい。」
見栄を張ってもしょうがないので正直に答えると、おばさんは「そう」とだけ言ってエレベーターに乗り込んだ。
頻繁に来ているのだろうか。堂々としている。
僕はラブホテルのシステムだって解ってないというのに。
エレベーターが止まると、しんみりとしたフロアに出ていく。
そして静かに「502」と書かれたドアの前へ・・・。
とうとう・・・そう思うと、心臓が口から飛び出そうなほど高鳴ってくる。
とうとう、とうとう、見知らぬ世界へ・・・。
しかし部屋に入ると意外にも、と言うか、わりとアットホームな部屋で驚いた。
大きなベッドにテレビとテーブルと椅子。
想像してたもっとケバケバしい感じの部屋とは全然違う。
「ふふふ・・・。さあ、どうしましょう?とりあえずテレビでも見ましょうか。」
そう言っておばさんは小さな椅子に腰掛ける。
僕もはやる気持ちを抑えて向かいの席に座った。
「何かやってるかしらね。」
おばさんが手を伸ばしテレビを点ける。
僕は、腕を伸ばす、その何でもない動作でさえも刺激的に見えた。
プチ、プチ・・・。
おばさんがチャンネルを変えていくが僕は全然興味がわかない。
「・・・。すぐ始めましょうか?」
おばさんがテレビから目を離し、僕を見つめて言った。
僕はゆっくりと頷いた。
きっとおばさんも僕みたいな子供が相手で、どうすればいいのか戸惑っているのだろう。
「分かったわ。じゃまずシャワー、浴びましょう。」
そう言って席を立つと、ふいに僕を見つめてスカートの横をまくり上げた。
「・・・!!」
白いストッキングに包まれた太股、そして腰あたりまでが露わになる。
見たくてたまらなかったスカートの中身・・・い、いきなり!堪らない!
「ふふ・・・。後から来てね。」
おばさんは超色っぽく微笑みかけると、バスルームに消えていった。


おそるおそるバスルームのドアを開けると、水の流れる音がやけに大きく聞こえた。
シャワーを浴びてる・・・ってことは素っ裸って事か・・・。
素っ裸・・・。
あーんなとこや、こーんなとこも丸出しか・・・。
へぇ・・・。
・・・・・・。
入れないよぉっ!
「吉沢君?何してるの、早くおいで。」
「は、はい!」
くそっ、もうこうなったら行くしかない。
僕は何も考えないようにしようと服を一気に脱ぎ捨てた。
あっ、でもちゃんとたたんでおかないと。・・・ん?これは・・・。
床の上におばさんが脱いだ服が置かれていた。
「・・・・・・。」
なぜだかものすごく興味をそそられ、僕は上にあるスーツをめくってみた。
下には白いシャツ、さらにその下には・・・黒色の下着があった。
女物の下着・・・。
今までそれ自体には興味なかったけど、状況が状況のせいかものすごく興奮する。
僕はパンティを手に取り、目の前にかざしてみた。
全体がレース状になっていて割と高級感を感じさせる。
透けちゃうんじゃないか?と思ったけど、黒だからいいのかな?
「まだぁ?」
「は、はい!今入ります!」
僕は大急ぎで下着を片づけると、震える手を押さえながら浴室のノブを握った。


「いいわ。私が洗ってあげる。ジッとしてて。」
浴室に入ってはみたものの、何をすればいいのか分からず、おまけにどこを見ていいのかも分からずにはにわ状態だった僕に、おばさんが囁いた。
おばさんはもちろん裸だ。
何も身につけていない肩や足、局部は見れないけど、むき出しの皮膚の色がこんなに刺激的だなんて思わなかった。
「吉沢君、吉沢君。」
「は、はい?」
いつのまにかおばさんは僕の前でしゃがんでいた。
下を見ると、二つの大きなおっぱいが・・・。
「ウッ。」
「手どけて。洗ってあげるから。」
内心抵抗があったけど、僕は言われるまま手をどけた。
びんびんに起っているけど構わない。恥ずかしい事じゃないんだ、そうなんだ、きっと。
ニュルニュルニュル・・・。
何かそこに関する論評があるかと思ったが、おばさんは何も言わずにペ○スに石鹸を塗りたくり、しごき始めた。
イヤ、しごいてるんじゃないんだろうけど、刺激が強すぎる。
僕は上を向きおばさんの身体が目に入らないようにした。
じゃないとイッてしまう・・・。
「ふふ、これでいいわ。さっ、じゃあ先に出といてね。私は後から行くから。」
あっけないと思いながら、僕はおばさんを残し浴室を出た。
でも出る間際に、おばさんの下腹部を見ることが出来た。
何のふくらみもないのっぺりとした斜面に、濃い茂み。あれが、あそこが、あそこに・・・。
僕はバスタオルで体を拭いている間、ずっと震えを止めることが出来なかった。


「んっ・・・ン、ン、・・・。」
裸のまま出てきたおばさんに僕はいきなり抱きしめられ、キスされた。
あぁ、これがファーストキス・・・なんて思う暇もないほど唐突な、そして濃厚なものだった。
「ンっ・・・ふふっ。ん・・・。」
おばさんは一度口を離し間近で微笑みかけた後、また唇を合わせてきた。
半開きの口から侵入してくる生暖かい舌。
最初はされるがままにしていたが、だんだん僕も舌を絡め合わせていく。

ふたりっきりのホテルの部屋。
その静かな部屋に二人の唇を合わす音が響いてる。
キスなんて別にしたいとも思わなかったし、男女関係では全然大した事ないものだと思っていた。
でもそんなことないんだ。
僕はあまりに激しい接吻に、頭がとろけそうになっていた。
「ふふ・・・さぁ、ベッドに乗って・・・。」
おばさんはようやく唇を離すと、僕をベッドの方に誘った。
何も言わずに従う。
大丈夫だ。このおばさんにすべて任しておけば大丈夫。すべて良くしてくれる・・・。
ベッドに寝転がらされた僕の身体をおばさんの唇がなぞっていく。
肩を、乳首を、おへそを、太股を・・・。
そしてとうとうおばさんは僕のペ○スをもそのぽってりした唇で舐め始めた。
あまりにも自然な流れだったけど、これはフェラの始まり・・・。
舌と唇を交互に使い勃起をなぞっていく。そしてさんざん焦らした後、ようやくその唇を開きその中へ迎え入れてくれる・・・。
僕は現実と幻想の区別が付かないような世界を彷徨っている気分だった。
すごい・・・女ってこんなすごい生き物だったんだ・・・。
女。
ふいに静香さんのことが頭に浮かぶ。
静香さんもこんな事するんだろうか。好きな男とこんなエッチなことを・・・。
そして出ていった母のことも・・・。
もし母さんが若い男にこんな事をしていたら・・・。
・・・。
ダメだダメだ!そんなこと考えちゃ!
今はとにかくこの女性とセックスを楽しむことに集中しなくちゃ。
母さんのことなんか関係ない。
とにかくこの女性を征服してやるんだ。家族もろとも・・・。
僕はおばさんの茶色に染められている髪を手で掴んだ。


「大丈夫、吉沢君。まだいい?」
おばさんが唇からペ○スを離し僕に尋ねてきた。
「う、うん。まだ大丈夫です。」
「そう。」
今日はなぜか不思議に長持ちしている。
興奮は最高にしているのだけど・・・あまりに緊張していて感覚が麻痺しているのかもしれない。
こんなに気持ちいいのに。
「ちょっと待っててね。」
おばさんはそれからしばらくペ○スを舐めあげると、ベッドを降り、バスルームの方へ向かっていった。
もしかして・・・コンドームを取りに行ったとか?
そうかもしれない。
「お待たせ。」
おばさんは僕にチュッと口づけすると下腹部の方へ向いた。
そして手に持っていた四角い包みを破り、僕のペ○スへ・・・。
やっぱりコンドームだ。
「ふふ。これはマナーだから、ね。」
おばさんもこんな子供相手に避妊するなんてちょっと恥ずかしかったのか、言い訳みたいに言った。
でも・・・コンドームをするって事は中に出されちゃまずいって事・・・。
「それじゃ・・・するわね。」
まだ性器も見せてもらってない。
今言えばまだ間に合う・・・でも僕は違うことをおばさんに聞いた。
「ね、おばさんの名前教えてくれますか。」
「多恵子よ。いいわよ、名前で呼んでも。」
おばさんが股間にまたがっていくのを見ながら、僕はいままでの武藤からの仕打ちを思い出していた。
辛かった。でもこれで・・・。
今からあいつが生まれたとこにちん○突っ込んでやるんだ。
おばさんは僕のペ○スの位置を確かめると、一気に腰を落とし、そして僕と武藤のおばさんは一つになった。



「ん・・・ね、おばさん。後ろからさせて。」
しばらくの間、上から激しい攻めを受けた後、僕はおばさんに言った。
「え?・・・いいわよ。」
やさしく微笑みながらおばさんは僕の身体を離れる。
股間を見ると、何かよく分からない体液でテカっているペ○ス。
よく見えなかったけど・・・確かに僕はおばさんの中に入っていたんだ。
残念ながらおま○この感触を味わえるほど緊張は抜けきれない。
「さぁ、来て。」
ベッドの中央で四つん這いになったおばさんの後ろに僕は膝立ちになった。
まん丸いお尻が真下に。そしてあまりにも無防備に晒される最も見たかった場所・・・。
そこは僕を包むコンドームと同じように、ぬるぬるとテカり、ぬめっていた。
・・・ア○ルはともかくとして、女ってこうなっていたのか。
もうすでに侵入してしまった後だが、初めて見る女性器は死ぬほど刺激的だった。
それがあの武藤の母親のものなのだから尚更だ。
まさに陰と陽、と言うか男と対になるもの、という感じがする。
「わかるかしら?入れてあげようか?」
おばさんが振り返り言った。
性器を丸出しにして下から見上げる姿は、僕にすごく優越感を感じさせた。
「い、いや。分かります。でも、もうちょっとアソコ・・・見せてください。」
「そう、分かったわ。いいわよ。」
優しく微笑んでそう言うと、おばさんは少し上体を下げ前を向いた。
よし、やるなら今だ。急げ・・・!
僕は自分のいきり立ったペ○スを押さえると、コンドームを根元まで思い切り引っ張り、そして亀頭を包む部分を爪でひっかいた。
コンドームに穴を開けてやる。そして僕の精液をこの女の中にぶちまけてやる。
それはセックスの約束を取り付けたときから考えていたことだった。
ナマじゃないとやった気にならない。
それは子供の考えかもしれないけど、とにかく。
憎らしい武藤の母親を、あいつが誕生した場所を汚しきってやりたいんだ。
でも無理にナマでは出来ないので、偶然穴が開いたということで・・・。
しかし焦る気持ちとは裏腹に、いくら爪でひっかいてみてもなかなか穴は開かなかった。
くそっ。なんて頑丈にできてやがんだ・・・。
「・・・んっ・・・!」
何度も繰り返し亀裂を入れようと頑張るが、うまくいかない。
あまりにも長いので不審に思ったのか、おばさんが振り返ろうとした時―――。
ようやく爪が肉棒に届いた感触がした。
「なに?そんなに変わってる。」
同じように微笑みかけながらおばさんが聞く。
「あ、は、はい。そ、そりゃぁ・・・。」
僕はバレないようにおばさんのお尻に接近してペ○スを隠すと、そのままコンドームを思い切り根元に引っ張った。
にゅる、という感覚と一緒に亀頭が剥き出る。
幹の部分は包まれているのに、先っぽが剥き出しという格好は、妙な卑猥さを感じさせた。
これで、射出部はナマだ。
このまま絶頂を迎えれば・・・武藤のおばさんに仕込んでしまえるんだ。
僕はものすごい興奮とほんの少しの不安を感じながら、おばさんの性器へペ○スの照準を合わせた。
一発で撃墜・・・してやるぞ。
そして大きく柔らかなお尻に手を当て、そのまま合体。
「あ、あん!」
雄の侵入に敏感に反応して声を上げるおばさん。
僕は沸き上がってくる本能に逆らえず、不格好なのは判りつつ、大袈裟に腰を動かした。
「あ、あん、あん、・・・ああっ!!」
グチュ、グチュ、グチュ・・・。
武藤にはとても聞かせられないような声と卑猥な音が部屋に響く。
すごい。
人間が繋がるとこんな音がするんだ。
僕はさらに力を込め、おばさんを叩きのめす感じで身体ごとお尻にぶつかっていった。
部屋にはさらにパンパンと乾いた音が追加され、響き渡る。
「ああぁ・・す、すごいっ。すごいわ、吉沢君!」
あまりに本能的に言われ僕は腰の動きを止めた。
一気に絶頂を迎えそうになったのだ。
「あぁん・・・なんで?」
まるで子供が拗ねるような声を出すおばさん。
それに答えてすぐに腰を動かしてやりたいところだが、もう少しフィニッシュは我慢したい。
僕は心を落ち着かせると同時に、はまったままのペ○スでおばさんの内部を味わった。
にゅるっとしてて、それで優しく締め付けてきて・・・。
下を向くと完全におばさんの中へお邪魔している自分。
そして、その上部には、恥ずかしげもなく開ききり晒されているア○ル・・・。
「多恵子、僕もうイクよっ!!」
僕は我慢できなくなり、堂々とおばさんを呼び捨てにすると、えぐるように、えぐるように、腰を前後させた。
イヤ、前後じゃない。前へ!さらに前へ!だ。
「あぁんっ!吉沢君!いいわ、イッて。イッて!」
ドスン、ドスン、と打ち付けるペ○ス。
壊せ。壊しちまえ!
頭の中にふと武藤の顔が浮かんでくる。
壊せ!壊せっ!!
「あああっ!!すごい、すごい、すご・・・いゃ~ん、あ、あ、あ!」
その時、僕の身体の中を抑えきれない洪水のような奔流が走った。
「うわぁっ!イクっ!!」
フィニッシュに備えて、足を広く開き、お尻を強く僕に押しつけてくるおばさん。
いいの?いいのか?
「・・・多恵子ぉ!!!」
全身からすべての血液が飛び出すように、もの凄い勢いでペ○スから精液が射出された。
「あぁ・・・。・・・えっ?ちょ、ちょっと、なにっ!?」
僕とおばさんが繋がっている場所は1ミリだって離れていない。
あぁ・・・頭が真っ白になる・・・。気持ちいい・・・。
「ちょ、よ、吉沢君っ!ウ、ウソ・・・えぇ~!?」
お尻を離そうとするおばさんを渾身の力で僕の身体に押し戻した。
まだだよ・・・まだ出し終わってないんだから。
「や・・・やぁん!・・・ダメ、出てる。出てるわ!」
頭が飛んじゃいそうになりながらも、まだ射出を続けるペ○ス。
おばさんは抵抗を続けているが、この格好じゃもうどうしようもなく受け入れるしかない。
しかし格好といい、ナマといい・・・これが交尾なんだなぁ・・・。
「あぁぁ・・・。ウソ・・・。」
ようやく射精が終わり僕が力を抜くと、おばさんは急いで僕から離れ、そして自分の性器を確認した。
僕の前で大股開きで座りながら。
その部分からは確かに真っ白の、そしてどろっとした液体が流れ出てきていた。
「イヤッ、出てるっ・・・。」
激しく動揺する武藤の母親とは逆に、僕の方は一仕事終えたような気分になっていた。
初体験・・・。
すごく良い初体験だった・・・。
「わぁ・・・コンドーム破れてるわ。それで、ね。・・・どうしましょう。」
一悶着あるかと思ったけど、おばさんは僕の仕業だとは全く思っていないらしい。
ハハ・・・。
こんなにもうまくいくとは。
こんな時になんだが、本当に自分はツイているんだ、と感じずにはいられなかった。
でも・・・?
ツイてる、って事はおばさんとのセックスの結果はどうなのだろう。
やっぱり・・・おめでた。って事になるんだろうか?
そう思うと、さらに武藤に対して復讐を果たした気になったが、なぜだろう、興奮が冷めたからだろうか。心の片隅に少し罪悪感が芽生えてきているのも感じていた。



続く

小説(転載)  ついてる少年 3/5

官能小説
01 /07 2019
それから僕にとっては満たされた日々が続いた。

最初の取引もうまくいったみたいだ。
自分が決めた物(一応)が本当に納入されたのか気になって、なんども天海屋に出かけたけど、ちゃんとTシャツは売られていた。
それとなく店の人に聞いても、まぁ売れているみたいだ。
それから3度業者に会い2社からは仕入れ、1社は断った。
ちょっと自分の好みとは違ったし、何でもかんでも入れるわけにはいかない。
怒るのではないかという心配はあったが、相手は何度もお願いしてきた後ようやくあきらめ、ちゃんと挨拶をして帰っていった。
自分は偉いんだ・・・という、優越感を強く感じた。
学校でも自信がついたせいか、前よりも堂々と行動できるようになった。
前は僕の事なんて誰も見向きもしなかったのに、今ではみんな僕のことをちゃんと一人の人間として扱ってくれる。
それは「天海屋の息子」としてのものかも知れないが、それでも嬉しかった。
僕はツイてる。
やっぱり運なんてもんはこの世に存在したんだ。
今の僕なら何をやっても成功する気がする。いや、成功する。
例えば誰か女の子に声をかけて、自分の物にするって事だって・・・。
・・・・・・。
いや、やっぱそれは無理か。
自分から女性に声をかけるなんてできないもん。


「なぁ、吉沢。ちょっと話があんだけどよ。」
そんなある日の放課後、教室で武藤に声をかけられた。
最近、なぜだかは分からないがコイツは僕にちょっかいをかけてこなかった。
話って・・・なんだろう。
僕らは二人で屋上に向かった。
以前までなら、二人だけでどこかへ行くなんて、暴力ごと以外で考えられなかった。
でも今日は違うだろう、という気がする。
なんとなく武藤の言い方や表情で分かる。
「あのさぁ・・・ちょっとお願いがあるんだ。」
強い風が吹き抜ける屋上で、武藤はなれなれしく、調子のいい笑顔で話し始めた。


「ただいま。」
「おかえりなさい、はじめくん。」
マンションに帰ると、いつも通りに静香さんが迎えてくれた。
「今日はお仕事だったんですか?」
「ううん。今日はお休み。ちょっと学校で話してて・・・。」
台所からいい香りが漂ってくる。これは紛れもなくカレーだな。
静香さんのカレーか・・・。
僕は急に空腹感を感じ、すぐに夕食をとることにした。

「ふふ。どうしたんです?チラチラ私の方見て。」
「イ、イヤ・・・。」
静香さんの作ったカレーはやっぱり美味しかった。
まぁそれは当たり前なんだけど、一番驚いたのは・・・。
小さなお鍋に、少ししか作られていないって事。前ならカレーなんて一週間くらい保たせたのに。
「・・・。」
「あっ、また。」
今日の静香さんはいつもと髪型が違う。
長い髪を上で束ねて、まるででんでん虫みたい。でもそれがすごく大人っぽく見えて似合ってる。
それに白い肌に一際引き立つ赤のルージュ。
食べてるのがカレーなのがちょっと似合わないけど・・・すごく綺麗だ。
しかし・・・。
「んもぅ。なんか私の顔についてるんですか?」
「ご飯粒が・・・。」
「えっ?あっ、ホント!やぁだ。」
静香さんはティッシュでほっぺを拭くと、真っ赤な顔をしてチラッと僕を見、俯いた。
僕の方も何だか恥ずかしくなり下を向く。
「・・・・・・・・・。」
なんか喋らないと・・・。
んーと、あ、そーだ。
「あ、あのさ。今日学校で知り合いからさ・・・。」
「え?あ、はい。」
僕は今日武藤から持ちかけられた相談のことを話し始めた。
別に静香さんに話すようなことでもないが、この人はどんな話でも興味深そうに聞いてくれる。
「・・・そいつん家、服とか作ってるらしいんだけど、天海屋にも入れてくれるよう頼んでくれって言うんだ。」
「へぇ。そうなんですか。」
「でね、どうしようかと・・・。」
「仲のいいお友達なんですか?それだったら断りにくいですね。」
「いや・・・。どちらかと言えば、僕としては入れたくないんだけどね。」
下を向いて笑った僕を見て、静香さんはだいたい察してくれたようだった。
「困りましたね。」
「どうしようかなぁ。」
武藤には嫌な思い出しかない。
アイツは調子よくお願いなんかしてきたけど、図々しいにも程があると思う。
いままで僕に対してしてきたことを忘れたとでも言うのか?
堂々と断っちまえ・・・。
それでアイツが怒ったって関係ない。どうせ今までと何も変わらないんだ。
いいさ、断っちまえ。
今の僕はツイてるんだから。そんなに悪いようには・・・。
「・・・そうだ。」
「はい?」
「あ、いや、何でもない。」
そうだ。
これはいい復讐の機会じゃないか?
武藤も僕が取引の責任者だと知って驚いていたが、交渉では僕の方が絶対的に強い。
入れて欲しかったらこうしろとかって、無理なこととか言ったら・・・。
アイツは会社のことは母親が仕切っていると言っていた。
その母親に、前の取引先の人みたいに口でさせたりとか・・・。
「ゴクリ・・・。」
「どうしたんです?はじめくん。」
「ううん、なんでもない・・・。」
そうしよう。
今の僕はツイてる。
きっとうまくいくハズだ。
「・・・あ、はじめくん。カレー全部食べたんですね。」
「え?あ、うん。ご馳走様でした。」
「ふふっ、知ってました?人参とかキャベツとかたくさん入ってたんですよ。」
「へぇ、そうだったの。」
カレーにキャベツ?
気づかなかったけど結構合うんだね?
「ふふっ。偉い偉い。」
「・・・・・・・・・。」
とびっきりの笑顔の静香さんに、僕はちょっぴり心が痛んだ。



翌々日。
天海屋の第三応接室で僕は武藤親子と向かい合っていた。
武藤は学生服のまま。
柔らかいソファに偉そうに深く腰掛け、ヘラヘラと笑いを浮かべている。
僕がお前のことをどれほど嫌っているか。それなのに関係者ヅラしやがって・・・。
僕は心から虫酸が走るのを感じていた。
「なぁ吉沢。うちの服、買ってくれんだろ?」
「それは話してみないと分からない。」
「なにぃ?」
一瞬怯んだが構わない。
ぼ、僕の方が偉いんだから・・・。
「こらっ、やめなさい!」
立ち上がりかけた武藤を母親がおさえた。
「ごめんなさいね、吉沢くん。この子ったら小さい頃から乱暴で・・・。」
武藤の母親は、武藤とは似ても似つかないような容姿をしていた。
茶色に染まったセミロングの髪に、ピンクに近い派手めなスーツという出で立ち。
化粧も濃く、ど派手なおばちゃんという感じだが、全体から受ける印象は確実に「美人」だ。
武藤の母親ならどんな不細工でも性的な要求をしてやろうという覚悟で来ていたので、さらに興奮が高まった。
ちょっとふくよかなところも、中身が詰まっていそうな感じがして刺激的だ。
「さぁ。それじゃ早速商品、見ていただけるかしら?」
「はい。」
武藤の母親は商品をテーブルに並べ、色々と説明し始めた。
でも今はそんな事どうでもよかった。
僕は武藤の母親の話を聞き流しながら、スーツから出た足、そして足とスーツとの三角地帯を見つめ続けていた。
こ、こんな人相手に・・・僕、ホントにスケベな命令とか出来んのか?
「どう?なかなかいい服よ。素材もしっかりしているし。」
「そ、そうですか?」
「ふふふ・・・。おばさんの説明じゃ、よく分からなかった?」
お、落ち着けはじめ。
落ち着かなきゃなにもできないぞ。
「おい、吉沢。ちゃんと聞いてるのかよ。」
「も、もちろんだよ。」
「待ってね。まだあるから・・・。」
そう言って、武藤のおばさんはバックから新しい服を取り出す。
その動作のせいで下半身を包むスカートのかなり奥までが覗けた。
・・・下着は見えない。
しかしその豊満な太股に僕の本能は限りなく反応した。
もう我慢できない、言っちまえ!!
「あ、あの!」
「はい?」
「ちょ、ちょっと、奥の部屋で細かい契約の話なんかをしたいんですが。」
「契約?え、取引してくれるの?」
「ん、それは・・・話してみてからで・・・。」
話が核心に近づいてきて、手が震えるのを抑えることが出来なかった。
「分かったわ。じゃ、二人だけがいい?」
「ハ、ハイ。」
「そう。じゃ、和成。ここで待ってなさい。」
芯の強そうなおばさんの声にちょっと心が揺らいだが、僕はおばさんと二人で奥のドアをくぐった。
「おい、吉沢。ちゃんと契約しろよ!」
ドスのきいた武藤の声にビクッとしながら、素早く後ろ手で鍵をかける。
これで密室・・・。一気に緊張が高まっていく。
「ふぅん。奥にこんな部屋もあるのね。」
おばさんが僕の方を向いてニッコリと笑った。
その笑顔に僕の背筋を電気が通ったような感覚が走る。
「いいかしら、座って。細かい契約って・・・どんなの?」
まったく緊張していない大きな声と、まっすぐに見据えてくる瞳。
気圧される前に言ってしまおう・・・。
大丈夫、きっと言うこと聞いてくれる。
なんたって僕は今、無茶苦茶ツイてるんだから・・・。
「あ、あの、契約の前に……うちに商品入れて欲しいんなら、聞いて欲しいことがあるんだけど。」
そう言った途端に僕の心の中でいい訳の嵐が吹き荒んだ。
ええい、黙れ!!
いいんだよ、これはいままで武藤にいじめられてきた仕返しなんだから!!
僕は勇気を振り絞って、武藤の母親の顔を見据えた。
「なぁに?条件があるの?いいわ、言ってみて。」
意外にも武藤の母親は挑発的に僕の顔を見つめ返してくる。
・・・くそっ。負けるもんか。
何度もリハーサル繰り返してきたんだ!
「あの、服を入れ、入れて欲しかったら・・・その・・・しゃぶって!」
し、しまったぁ!
もっと順序よく持っていくつもりが、いきなり核心を言ってしまったぁ!!
ヤヤヤ、ヤバイって!
「ふふ、しゃぶれって?一体何をしゃぶるの?」
しかし武藤の母親は落ち着いた声で返答した。
分からなかったのだろうか。
だが、言い訳しようにも想定していなかった展開だけに、頭が混乱して何も言えない。
「ねぇ、わたしが何かをしゃぶれば取り引きしてくれるの?」
「あ、イヤ・・・。」
武藤の母親はゆっくりと僕の方に近寄ってきた。
きつい香水の香りが僕のまわりを包み始める。
「ねーぇ。アイスでもしゃぶればいいの?それとも・・・ここ?」
極限まで接近して、武藤の母親は僕の耳元で囁いた。
女の声色、そしてそっと股間を撫でた手に僕は金縛りにあったように身を固めた。
「ふふ吉沢くん、同級生の母親にそんな事させるのね。なぁに、あの子に恨みでもあるの?」
耳元での色っぽい声と香りが頭をボーッとさせる。
ど、どうすれば・・・。
武藤の母親は下を向く僕の顔を見上げ、ゆっくり囁いた。
「いいわ。しゃぶったげる。ふふっ、別に私はファックでもいいのよ。」
その言葉に一気に頭に血がのぼるのを感じた。
ホ、ホントにいいの!?
武藤が隣の部屋にいるのにファック・・・でもだって!?
まさかこんな風に話が進むとは。
嫌がるおばさんに無理矢理させるって思ってたのに。
「そんな事で取り引きしてくれるんだったら、私何でもするわよ。」
挑発的に武藤の母親は微笑むと、目の前で屈み、僕のズボンに手をかけた。
「お、おばさん。武藤くんにバレてもいいの?」
「いいわよ。あんな子の事なんて。」
その言葉に急に元気が沸いてくる感じがした。
ざまぁみろ武藤!
今からお前のお母さん、いや、ババァにフェラチオさせてやるっ!!
こんな事手慣れているのか、武藤の母親は手際よく僕のペ○スを丸出しにした。
相手が熟女、というせいかあまり恥ずかしさは感じない。
「じゃ、しゃぶるわね。」
そう言って、武藤の母親はペ○スを口に含んだ。
二度目とはいえ、あまりに衝撃的な光景に一気に爆発しそうになってしまう。
「ん・・・!」
「チュパ・・・ジュル・・・」
想像できないような快感。
憎き武藤の母親と言うことが、快感をさらに増幅させる。
「あぁ、気持ちいい・・・。」
そんなこと言う気はなかったけど、つい口から感想が漏れる。
ちょっとケバイけど、立派な母親がチン○口に入れて味わってる・・・。
あんな大きく口を開けて。
このおばさん、無茶苦茶スケベだよ。
ハハッ、武藤のおばさんってすっごいスケベ女なんだ!
僕は調子に乗って、腰を前後に動かしてみた。
そう、まるでいつも想像してたセックスみたいに。
「んっ、ジュル、ジュル・・・。」
武藤の母親はそんな行動にも別に驚きもせず、どっしりと受け止めてくれた。
肉棒と唾の擦れあう音が部屋に響く。
このすぐ隣の部屋には、この女性の息子がいるというのに。
「ふぅ・・・アッ!イク!」
長く楽しみたかったのに、突然の絶頂感を抑えることが出来なかった。
すぐにチン○の先から、大量の精子が放出されるのを実感した。
「ん!」
僕の言葉で瞬時に口を離そうとしたおばさんだったが、間に合わないと知るとそのまま諦めて射精を受け止めてくれた。
ほんの短い絶頂の時間だったが、武藤に対して、そしてこの女性に対して、強く優越感を感じた。
武藤のおばさんにメスとしてくわえさせてやった!
やっぱり僕はツイてる。
何だって出来る。
このおばさんとセックスだって!



「・・・ただいま。」
「お帰りなさい、はじめくん。」
家に帰ると僕は静香さんの顔も見ないまま、自分の部屋に引きこもった。
あれから・・・僕はまだ興奮も覚めやらぬまま、武藤の母親に対してセックスの要求をした。
もちろんすぐに、ではなく後日時間を取って、だ。
「ふふ、いいわよ。じゃあ吉沢くんがハンコで、私が契約書ってわけね。」
精子の臭いが残る口でおばさんは言った。
「でも直接中に押しちゃダメよ。マナー守ってくれるなら、ね。」
最初そのおばさんの言う意味が分からなかったが、生殖的なことを言っているのだと悟り、激しく興奮したりした。
でも・・・。
それから一人になり、家に帰るまでの間ちょっと自己嫌悪に陥っていた。
・・・僕は最低の人間じゃないか?
いくら仕返しとは言っても、おばさんの身体を取引の、復讐の材料にするなんて・・・。
でもおばさんとセックスしたい、という気持ちは強くあるけど。
「・・・・・・。」
あれから武藤とおばさんは仲良く帰っていった。
「吉沢っ、よろしくなっ!」
と明るく言ってた武藤・・・。
武藤はおばさんの精子臭さに気づいたりしないだろうか?
コンコン・・・
「はじめくん。ご飯、一緒に食べましょ?」
「う、うん。僕いいや。置いといて。」
「・・・。そうですか。ちゃんと食べないとダメですよ?」
理由を聞かない、沈んだ静香さんの声が一段とブルーな気持ちにさせる。
いまとにかく静香さんの顔は見たくない。
いや、静香さんに顔を見られたくない。
やっぱり・・・所詮、僕と静香さんとは違う人種なんだ。
絶対好きになったりしちゃいけない相手なんだ。
当たり前のことなのにそう思うこと自体がすでに、静香さんを好きになってるって事だって自分でも気づいてた。


続く

小説(転載)  ついてる少年 2/5

官能小説
01 /07 2019
それからしばらくは慌ただしい日々が続いた。

住まいは隣町の叔父のマンションに移り(こんな近くに住んでいたなんて)、
学校は変わらなくても良かったが、電車で通うことになった。
叔父のマンションは外観も中身も豪華で、いままでのボロアパートとは天と地ほどの違いがあった。
それよりも驚いたのが、叔父の職業だ。
叔父はこの地方でいくつもの店舗を持つ百貨店『天海屋』の社長だ、と言うのだ。
天海屋でいつもごはんの材料を買っていたのに、まさかそこが親戚の店だったなんて・・・。
「・・・なんでいままで連絡とかしてくれなかったの?」
そう聞くと叔父は、
「・・・いろいろあったんだよ、兄貴たちとは。」
と、ニコリともせずに言い、それ以上は答えたくないようだった。
・・・まぁ構わない。これからの生活が保障されただけでも良かった。
「ところで叔父さん。家族の人とかは・・・?」
「家族はいない。私一人だ。」
叔父は独身らしかった。ずっとなのか、別れたのかは聞かないことにした。
「この家は自由に使っていい。食事や金のことは心配しなくていい。」
叔父はここにはあまり帰ってこないらしい。
となると、身の回りの世話はまた自分でやらなくちゃいけない。・・・当たり前か。
「これを渡しとく。なにか困ったことがあったらすぐに電話してこい。」
叔父は僕に携帯電話を渡すと、会社に向かった。
会話もあまりなく、なんとなく恐い印象が残る叔父だったが、やはりどこか信頼感を感じる。
これが血筋か・・・?


学校へ行くともう親父が死んだことは知れ渡っているようだった。人の不幸話は伝わるのが早い。
「おい、吉沢。お前の親父死んだんだって?」
「天海屋の社長に引き取られたんだってな!?」
「なんかおごれよ!」
肉親が死んだ人間に向かって、なんだろうこいつらは。
やはり僕の扱いなんてそんなものか・・・。
「いいよな~。何もしないで貧乏から一気に金持ちだもんな。」
僕はその言葉にはカチンときた。まるで汚いことをして得たようなその言い方!
その声の方を向くと・・・やっぱり武藤だ。
「・・・何見てんだよ。なんか文句あるのかよ。あ?」
「・・・・・・。」
「なぁみんな。知ってるか。こいつ、小学生の時給食の金払えなくて止められた事あんだぜ。ハハッ。」
その下品な笑い声に一緒になって笑うヤツはいなかったが・・・!
その後、昼休みにパンを食べていると、ふと窓の外の天気が気になった。
どんよりした雲行き。今日僕は傘を持ってきていない・・・。
いつもならここで出てくる結論はひとつ。今日の放課後は”雨”だ。
しかし帰り際になっても雨が降ってくるような気配はなかった。
全くどうでもいい、大したことのないこと。
でも、やっぱり・・・ほんの少し運が向いてきているような気がする。


ガチャ
「ふぅ・・・ん?」
マンションに帰ると、玄関に見慣れぬ靴がおいてあった。
ハイヒール。
「あっ、おかえりなさいませ。」
そう言ってパタパタと走ってきたのは紺のスーツ姿の美人・・・。
「?・・・あの・・・どなたですか?」
「初めまして、はじめくん。社長からあなたのお世話を任された、『川合』と申します。」
そう言って彼女はペコリと頭を下げた。
「お世話・・・?」
「あ、お世話は言い過ぎですね。お掃除に洗濯、それに手作りの夕食、などを・・・。」
「はぁ・・・。」
まぁとりあえずそういうことらしい。
聞くとこの川合静香さんは叔父の秘書をしているらしかった。
「でも秘書の仕事をしながらって・・・大丈夫なんですか?」
その静香さんが作った極上の御馳走を食べながら聞いてみた。
ちょっと・・・こんな美人とでは話しにくい。
「はい、ですからここに来られるのは夕方過ぎになってしまいますね。」
「いいんですか?」
「ご心配なく。社長からもはじめくんに精一杯栄養をつけさせてくれって言われています。」
そう言って彼女はクスッと笑った。
・・・・・・。
全く乱れていない綺麗な長い髪と、その黒さと真っ向から反発する白い肌・・・。
それに(失礼だと思ってあまり見なかったけど)高そうなスーツに身を包んだ見事なスタイル・・・。
スカートから伸びる乳白色のストッキングに包まれた足・・・。
いや、待て。あの一際目立つルージュや、それに、う~ん深い色合いの瞳・・・。
まぁ・・・とにかく、今まで、いや今からもきっと”接触”できない人種だろう。(今してるか。)
僕はそんな美女と二人きりで向き合っている空気に耐えられず、大急ぎでご飯をお腹へ入れた。
「はじめくん・・・もっとゆっくり食べないと詰まりますよ?」
「ん・・・ぐふっ・・・大丈夫・・・。」
静香さんの目を見て話せない、早くここから抜け出したい。
それはやはり身分不相応からくる羞恥心なのか?
とりあえず僕は差し出された食事を全てたいらげる事に成功した。
「どうでした?お味の方は。」
「う、うん・・・美味しかったです。ご馳走様でした。」
「いいえ、どういたしまして。」
ものすごくかわいい笑顔で彼女はそう言った。
無意識に僕はデレーッとその笑顔に見入ってしまう。
普段は凛々しい顔をしているのに、喋ると柔和な笑顔に変わる。ただの美人とは違う・・・これが魅力というものだろうか。
「わたしの顔に・・・何か?」
「あっ・・・いえ。」
いかんいかん、何考えてんだ。変な印象もたれちゃったぞ・・・?
静香さんを見ると澄ました顔で僕を見つめている。
・・・何もかもお見通しって目だ。男の事なんて分かり切ってるって目だ。
だいたい人の目をじっと見つめられるなんて、自分に相当の自信を持っているに違いない。
「・・・じゃ、僕は部屋行きます。」
「えっもう、ですか?・・・それじゃわたしも後かたづけしたら帰りますね。」
部屋に入ってしばらくするとドアをノックする音が聞こえた。
「はじめくん、帰ります。おやすみなさい・・・。」
「・・お、おやすみなさい。」
そんな挨拶交わしたこと無いのでちょっと戸惑ったがうまく言えた。
・・・・・・。
25歳くらいだろうか。
きっと彼氏とかいて、男性経験とかも豊富に違いない・・・。
そんな事を思っていると、なぜか少し悔しくなった。


静香さんはそれから毎日夕食を作りに来てくれ、いつしか自然に話せるようにもなった。
このお姉さんは僕のくだらない話やうまく表現できない話なども、まじめに聞いて、返事をしてくれる。
やさしく、やさしく。ときには厳しく。
やっぱり人の扱い、いや男の扱いになれている・・・と思う。
そう思うと、あまり心を開いてはいけない・・・とも思う。
でも、ちゃんとした”普通”の会話もろくにしたことがなかった僕は、次第に静香さんに惹かれるものを感じていた。
素晴らしい容姿、ではなく、性格に惹かれている・・・。
やばいな、そりゃ。マジで彼女のことが好きになったって事じゃないか?
ダメだダメだ!
こんな美人、それも年上の人なんて好きになったって、無駄だ。
僕は小さな頃からつらい目にばかり遭っていたので、傷つきそうなこととかには予防線を張るようにしている。
・・・無駄だぞ・・・無駄・・・あきらめろ!
そんなある日の日曜日。
僕は叔父から呼ばれ『天海屋』の本社に向かった。
その市街地にそびえ立つ建築物は、あの親父の弟が建てたとは思えない代物だった。
び、びるじんぐじゃん・・・これって・・・。
すっごーい。なんじゅっ階もあるぅ・・・。
はたして僕なんかが足を踏み入れていいエリアなのだろうか・・・?
とりあえず受付の女の人に自分の名前を告げてみた。
「はじめさんですね、お待ちしておりました。社長は今、応接室におります。どうぞ、ご案内いたします。」
す、すごい。
スーツ着たお姉さまが僕のために時間を割いて部屋まで案内してくれるって。
「こちらです。どうぞお入りください。」
うぉっ。
真っ赤な絨毯、どでかいソファーがひぃふぅみぃ・・・。なんと。それに奥は一面窓じゃないか・・・!!
・・・疲れる。いちいち驚くのはやめよう。
「良く来たな、はじめ。」
叔父がソファーから立ち上がり、ソファに座るようにジェスチャーした。
「どうだ。新しい生活は。」
叔父と会って話すのは何日ぶりだろう。
初めて会ってからまだ数回しか会話を交わしていない。
「うん・・・満足です・・・。」
「そうか。それは良かった。」
叔父はニコリともせずにそう言った。
しばらく間が空く。
「・・・実ははじめ。今日呼んだのは、お前にしてもらいたい仕事があるんだ。」
「仕事・・・ですか?」
僕はなぜだか背筋が寒くなった。
こんな贅沢な生活をさせておいての頼みなんて・・・悪事!?
「そう緊張しなくてもいい。大した仕事ではない。・・・仕入れを決めて欲しいのだ。」
「仕入れ・・・?」
「そう。商品の仕入れだ。うちに商品を仕入れさせそれを売るかどうか。お前に決めて欲しいのだ。」
「そ、それって・・・重大なことじゃ?」
そこで叔父は煙草を取り出し、火をつけた。
ん・・・なにか叔父さんには似合わない、古びた感じの銘柄だな。
「もちろん、重要なところは任さんよ。衣料品の一部だ。」
「服・・・?」
「うちの店の衣料品はだいたいが店舗を専門店に貸し出しての販売なのだが、多少うちの管理で扱っている物もある。」
「ふぅん・・・。」
「それをやってもらいたい。・・・なぁに簡単だ。ただ、相手先と会って、商品を見、気に入ったなら入れる、気に入らないなら入れない、それだけの事だよ。」
「そ、それだけのことって・・・。」
「気に入らないなら全く入れなくてもいい。・・・全てお前に任せる。」
「そんな・・・いきなり言われても・・・。」
「実を言うと、うちの衣料品は売れ行きが良くない。当然、収支に与える影響も微少だ。だから全面的な見直しを考えているんだが・・・その前に、と思ってな。」
「なぜ僕が?」
「・・・・・・。はじめ。いままで選ばれる側、それも選ばれなかったお前が、勝手に、そして自由に、選んでみるんだ。」
「・・・・・・。」
「やってみろ、大丈夫だ。責任など問うつもりはない。」
相変わらず叔父はニコリともせずに淡々と話す。
僕は叔父の真意が掴めなかった。
こんな大きなデパートの取引。それを高校生の僕が任されるなんて・・・。
確かに話を聞くと簡単そうにも感じるが・・・。
「どうだ?好きにしていいんだ。今までお前が虐げられてきたように。」
選ぶ(選ばれた)側の人間になりたい。
確かにそう思った事はないと言えばウソになる。
だけどいじめられたりした後に思っていたこと。それは・・・。
『あいつらをいつか見返してやる』ではなく、『あいつらのようにはなりたくない』だった・・・。
もし僕が仕入れを任されて好き勝手に、偉そうに決めたら、あいつらと一緒にならないか。
・・・・・・。
どうする・・・はじめ?
でも、これはもしかして、叔父さんの優しさなのか・・・?
「・・・・・・・・・。」
叔父は僕の返事を待って煙草をふかしている。
・・・・・・。
確かに・・・なんだかんだ言っても、僕の意志で自由気ままに決められるなんて・・・とてつもなく魅力的だ。
それに経営に影響があるとかそんなんじゃないみたい。
好き勝手にするんでもない・・・。ちゃんと商品を見て選べばいいんだ。
「・・・やってみたい。」
「そうか。判った。じゃ早速明日からでもやるといい。時間は放課後で構わない。相手がお前に時間を合わせるんだ。」
その後叔父から細かい話を聞き、僕は偉くなったような気分でマンションに帰った。


「ただいま。」
「はじめくん、おかえりなさい。遅かったんですね。」
日曜日にもかかわらず、静香さんは夕食を作りに来てくれていた。
台所の方から美味しそうな香りが漏れてきている。
「うん、叔父さんとの話が長引いちゃって・・・。」
「社長とのお話、ですか?」


「えっ!仕入れを担当・・・ですか?」
僕は一通り今日の叔父との話を聞かせた。
静香さんはその話を叔父から聞いていなかったらしい。
「うん、全部任せるだって。どう思う・・・?」
「・・・そうですねぇ。社長が何を考えているのかは判りませんけど、はじめくんに負担を与えることになりませんか?責任という物がかかってきますよ。」
「それは気にしなくていいって言うんだ。」
「そうは言っても、やっぱり自分が入れた物の売れ行きは気になるでしょう?」
「そりゃあね。」
「それに学生さんですし・・・。相手もまじめに対応してくれるかどうかも・・・。」
「う~ん、そうだよねぇ。・・・・・・。ねぇ静香さん。今まで聞かなかったけど、叔父さんてどんな人なの?」
「はじめくんは社長の事は全然知らないんでしたね。」
「うん。」
「一言で言うと・・・厳しい方ですよ。」
静香さんはそう言ってくすくすと笑った。
「なんかそんな感じするね。笑うことなんかあるのかな。」
「そういえばあまり見たこと無いですね。仕事以外のことを話す事もないですし。」
僕はちょっと嬉しくなった。
叔父さんと静香さんの関係はそんな物なのか。
てっきり愛人か何かなのかなぁとか思ってたから・・・。実はそうかも知れないけど。
「まぁとりあえずやるだけやってみるよ。それでできそうにないならすぐ断って・・・。」
「そうですね。それがいいですよ。・・・あっはじめくん。野菜も食べてくださいね!」
「・・・・・・・・・。」



-優越感、そして-

僕は次の日学校が終わると『天海屋』本社ビルに向かった。
受付の人と顔を合わせると、すぐに「第三応接室」と書かれた部屋に案内された。
「どうぞこちらでお待ちください。」
ずっとにこやかな受付嬢の態度が気持ちいい。
「ふ~ん。ここで交渉するのかな・・・。」
その部屋は奥に飾り物のような机がおいてあり、真ん中に7,8人が座れそうなソファそれにテーブルが置かれている。
壁には抽象画が一枚。左奥にドアがひとつあった。
・・・どこか殺風景に感じる部屋だ。
「ここの奥は何だろう。」
僕は部屋の奥にある扉を開けてみた。
10畳ほどの部屋。
奥に大きな机がデーンと置かれてあり、壁には資料が詰まってそうな本棚、それにこちらにもソファとテーブルがある。
「こっちでも商談するのかな?」
僕はその部屋を出ると、ソファに座って誰かが来るのを待った。
「また叔父さんが来るのかな・・・。」
しかし予想は外れ、50過ぎの小太りのおじさんがやってきた。
「契約の進め方などを・・・と言っても簡単な物なのですが・・・。」
僕はしばらくそのおじさんの言うことを聞いていた。
ふんふん・・・。
何だ・・・本当に簡単だ。単なる口約束に近いものじゃないか・・・。
「・・・それでこの紙を事務室に持っていってくだされば終わりです。」
「本当に僕が自由に選んでいいんですね。」
「はい。そういう社長の命令でございます。」
こんなおじさんに丁寧な言葉で喋られると、ちょっと気が引けるな。
「わ、わかりました。」
小太りのおじさんは今日は一件の業者とだけ会っていただきますと言うと、お辞儀をして部屋を出ていった。
きっと地位のある人に違いない。なんでこんなガキに・・・とかって思ってるんじゃないか・・・。
その時ドアをノックする音が聞こえた。


「今日はマネージャーさんおひとりですか?」
横文字の社名の営業を名乗る女性にそう聞かれると、下を向きながらそうですと答えた。
どうもここの会社はマネージャーというのが責任者の肩書きのようなのだ。
僕もそう名乗るように言われていた・・・がやはり戸惑いがあり、相手の顔を見れない。
「はい・・・そ、それではこちらが納入していただきたい商品なのですが・・・。」
ちょっと訝しく思っているのだろうか、相手もちょっと戸惑いぎみの口調だ。
歳は二十七、八くらい。
赤毛のショートヘア、濃い化粧とスーツに身を固めた姿だがどこか垢抜けてない感じがするなぁ。
いつも静香さんを見ているからか?
しかしものすごく魅力を感じる部分。それは。
す、すごいミニだ・・・。座ったら見えるんじゃないか・・・?
僕はその女性がテーブルに商品のTシャツを並べ終わるのを見ると、白々しく座るように言った。
「あ、どうも・・・。」
やはりまだ僕みたいな少年との対応に戸惑っているらしく、かたーい声色だ。
僕も一緒に向かいのソファに座る・・・。
「み、み、・・・。」
「・・・?」
見える見える見える!いや、見えない見えない見えない!
超ミニスカートから伸びるはち切れそうな太股。そしてスカートと太股によって造られた三角地帯・・・。
あんなに間が開いてるのに、真っ暗だ。くそっ、パンツ見えない。
いや、もしかして黒なのか・・・?
彼女が商品の説明をしている間も僕の意識はずっとスカートの奥に向かっていた。
「いかがでしょうか?」
「えっ?あ・・・はい、そうですね・・・。」
やばいっ!今のは完全に覗いてるのばれちゃったぞ?
初めての仕事なのに何やってんだ僕は・・・。
「う、う~ん。どうかなぁ。ハハッ。」
女性はちょっと怒ったような顔で僕を見つめている。
「・・・・・・。いや、その・・・。」
その時ふと彼女が笑い出した。
「マネージャーさんて、今おいくつなの?」
「えっ?・・・あの17ですが・・・。」
「ウソ!?まだ高校生!?」
「あ、はぁ。まぁ・・・。」
「ふぅん・・・。まさか、バカにしてるとか・・・そんなんじゃないですよね・・・?」
「ち、違います!僕はちゃんとここの社長から・・・。」
僕は詳しく経緯を説明した。
「なるほど。叔父さんが社長さん、ですか・・・。」
「そうです!」
「・・・・・・。」
彼女は何か考えている風だった。
お、怒ってるみたいだけど大丈夫さ。
僕の方が偉いんだ。断ったって、ぜ、全然構わないんだから・・・。
「・・・ねぇ?マネージャーさん。お願いしていいかしら?」
「は!?何をですか!?」
つい声がうわずってしまう。
「あのね。もう一つ商品あるんだけど、それとこれをですね・・・。」
彼女はそこで足を組んだ。否応なく視線は太股に走る。
「両方とも入れてくれないかな。気持ちいいことしてあげる・か・ら。」
き、気持ちいいこと・・・?なんだ・・・!?
性的なことを考えたとたんに、目の前の女性がすごく魅力的に見えてきた。
ゴクリ・・・。
安易だけどここはとにかく・・・。
「そ、そりゃ別にいいですよ?」
「ありがとう!」
そう言って彼女は僕の横のソファに移ってきた。
嗅いだこともないような甘ったるい香水の香り。
僕は全く未知の世界が近づいていることを肌で感じていた。
「で、でも気持ちいい事って・・・。」
「フフ・・・。」
彼女が肩をぶつけ、顔を耳元に近づけてくる。
それだけでも、僕の心臓は破れそうに高鳴っていた。
「震えてる・・・。経験とかあまりないんですか?」
経験なんてそんな・・・。
自慢じゃないけどいままで女の子と喋ったことだってあまりなかったんだから!
「ゴクリ・・・。」
「かわいい・・・。」
彼女はそう言って僕のほっぺたをペロリと舐めてきた。それだけのことなのに全身に電流が流れたような感覚に陥る。
な、な、なにをしてくれるんだ!?
カチャ、カチャ・・・。
彼女は僕のベルトに手をまわし外すと、何の抵抗もなくパンツごとズボンをおろした。
「ひっ!」
物心ついてから初めて性器を女性の前にさらす羞恥に耐えられず、僕は両手でそれを隠した。
だってそれに・・・モロ立ってるし!
「恥ずかしがらないで・・・。」
幼い子に諭すように言って、彼女が手をどけた。
僕はしょうがなくそっぽを向き、恥ずかしさに耐える。
「立派なの持ってるじゃないの。」
そう言いながら、女性らしく繊細な手が僕の起立をなで上げる。
「わっ!!」
そのあまりにも刺激的で爆発的な感覚。
「大丈夫。出したくなったら構わず出していいわよ・・・。」
その瞬間。
僕のチン○は彼女の真っ赤に塗られた唇の間に埋まっていった。
「うっ・・・。」
それはあまりにも卑猥な光景だった。
完璧にセットされたヘアスタイル、白い素肌、ちょっとのずれもなく塗られた真紅のルージュ。
そしてその会話のために使われる場所に僕の汚いペ○スが入ってる・・・!
「チュ・・・ん・・・チュプッ。」
絡み合った場所から漏れる音。
こ、これがフェラチオ・・・!き、気持ちいい!
「ん・・ん・・・。」
知らずに喘ぎ声が出てしまう。
彼女が舌を使い、尿道辺りをえぐるように舐めあげると、僕の血液は全てそこに集中するような感覚に襲われた。
わっ、感じすぎる!!
「チュルチュル・・・ングッ・・・。」
オナニーだったらここで止めて様子を見るのだが、身を任せているのでそれは出来ない。
・・・しかし、この人スゴイ。
なんでこんなチン○のこと分かってるんだ!?
「ジュル・・・ジュル・・・ジュルッ・・・。」
というより僕は、女の人のすごさを感じた。
想像してみる。
自分が同じようにチン○をしゃぶれと言われたら・・・出来る訳ない!!!
舐めるのだって出来ないさっ!!!
それなのに、女の人は平気で・・・。同じ生き物?プライドとかないのか!?
「チュプッ・・・チュプッ・・・ふふ。」
その時彼女が僕の目を見て笑った。
まるで挑発するような、それでいて「あなたの物よ」とでも言いたそうなその目つき・・・。
「だ・・・で、出るっ!!」
急に訪れた絶頂を予感してからすぐに僕は大量の精液を噴出させた。
ペ○スはしっかりと真っ赤な唇に食い込んでいる。今、彼女の喉に向かって射精しているんだ・・・。
「あぁ、あぁ・・・。」
あまりに強烈な快感に口から喘ぎが漏れる。
・・・いいのかな?口の中に出して。汚いぞ。
・・・いや、出せ出せ。喉のなかにぶちまけて汚してやれっ!
相反することを考えながら、僕は真っ白な世界へ沈んでいった。



「ただいま・・・。」
「おかえりなさい。お疲れさぁま。」
僕は静香さんの顔を見ずに台所に向かった。
そこにはもろに涎が出そうな料理が置いてあった。
「どうでした?今日は。」
「うん・・・。ちょっと疲れた・・・かな。」
「なんか変なこと言われたり、したんですか?」
僕は静香さんの心配そうな声を聞きながら、行為が終わった後の女性の言葉を思い出していた。
「今不況でしょ。この業界もいろいろ厳しいの。だからって訳じゃないけど・・・もしあなたが望むなら、これぐらいの事きっと、女の人ならしてくれると思うわよ。」
彼女は独特な臭いのする精液を飲み込んだ口でそう言った。
「だって天下の『天海屋』ですもの。身体を使ってでも・・・って、ね。フフ・・・私だけかな?」
・・・・・・・・・。
女ってすごい生き物だ・・・。
そして静香さんも同じ女・・・。
「なんですか?そんなにジッと見て。」
「え?あ、いや・・・。」
僕は無意識にご飯をほおばる静香さんの口を見つめていた。
そう、あそこに僕はチン○を入れていた・・・。静香さんもきっと・・・。
不潔だ、信じられない!という思いと、
もっと女の口の中にぶち込みたい。対等、いや自分以上の女(大多数)にチン○をくわえさせて屈服させたい!という欲望。
う~~~ん。
今はもう、後者の方が強くなっちゃってたりするかな・・・。
「はじめくん・・・?」
「・・・は、はい?」
「野菜も食べなくちゃダメですよ?」
・・・・・・・・・。
完璧キャリアウーマン的なスタイルとは似つかない、庶民的な言葉。
う~ん。やっぱり・・・静香さんは他の女とはちょっと違うような気がするけど・・・?


続く

小説(転載)  ついてる少年 1/5

官能小説
01 /07 2019
-いつからだろう。自分のことを嫌いだしたのは。-


「・・・ガスは閉めたし、コンセントも・・・。」
一通りチェックが終わると僕は部屋を出た。
建て付けの悪い木のドアを閉めると、ノブに鍵を差し込む。
「・・・よしっと。」
すぐに元気良く駆け出したいところだが、古い建物が軋んだ音を立てないようにとそっと階段を下りる。
ギィ、ギィ・・・。
物心ついたときからずっと住んでいるアパートだが、居心地がいいなどと思ったことはない。
(・・・どうしてなんだろう。)
明らかに周りから浮いているボロアパートを抜け出すと、僕は自転車に飛び乗った。
いつも思うことだが、学校まで15km程の道のり。
自転車での通学はつらいものがある。
「・・・早く行かないと。」
しかしうちは貧しい。
バスの定期を買うお金なんて、ない。
(・・・どうして、なんだろうな。)
まだ完全に起きていなかった身体も、街路樹の歩道を抜けていくうちにだんだん目を覚まし始めた。
軽そうな自転車に乗る他校の生徒や眠そうなOLを追い越すと、いつもの横断歩道までもうすぐだ。
「ここの信号は短いくせにいつも引っかかるんだよな。」
多分今日も・・・いや、そう思ってるから逆に引っかからないか・・・?
キキキーーーッ。
大音響を立ててブレーキをかけると、横断歩道の前で自転車を止めた。
「やっぱり。・・・どうしてなんだろうな。」
(ツイてないんだよ。)
貧乏なのも、まともな親じゃないのも、あんな家に生まれたのも。
もてないのも、友達がいないのも、・・・信号に捕まるのも。
「ツイてない人間なんだよ、僕は。全てそれが原因なんだ。」
いつからだろうか、そう考えるようになったのは。
ちょっとしたことで腹を立てあきらめの感情が浮かぶたび、自分が嫌いになる。
でも、しょうがないじゃないか・・・。
確かに・・・あんな家にさえ生まれてこなければ、他人にとっては普通でも僕にとっては幸せな生活が送れただろうと思う。
・・・運が悪いと思うしかない。
信号が青に変わり、また自転車をこぎ始める。
学校まではまだまだ。
しかし不運なことが起こるのを見越して、早めに家を出てあるんだ。


はっきり言って学校になんか来たくない。
勉強は面白くないし、友達はいないし、それに・・・。
でも高校3年になる今まで、一日だって学校を休んだことなど無い。
風邪をひいても、お腹が痛くても。
ずる休みが出来るほど”裕福”な人種でないことはなんとなく分かってる。
「おはよ~う。」
その時、肩にぽんと手を置かれた。
早朝の教室。
誰もが僕の存在など見えないように、距離を置き、騒いでいる。
そんな僕に近づいてくるのは――。
「おはよっ、ていってんだろ?」
学校に来たくないもう一つの理由、それはこの武藤の存在。
「聞こえねぇのか、あぁ?」
机の周りを一緒に来ていた武藤の”取り巻き”たちが囲む。
僕は圧力に負け、小さな声で挨拶を返した。
「・・・おはよじゃねぇんだよ、コラ。」
大して似合ってもいない言葉を吐き、武藤は僕の顔をのぞき込んでくる。
「あぁ?」
何を聞かれているのかも分からない。答えられるわけがないのを分かっていて、何度もこいつは聞き返してくる。
相手を徹底的に黙らせ、威圧しないと気が済まないタイプなんだ。
「フン。」
バコッと僕の机を蹴ると武藤は自分の席に向かっていった。
大きな音を立てたが、誰も喋るのをやめたりはしない。僕がこいつらに目を付けられ、いじめられているのは知られているのだ。
そっと武藤の方を見ると先ほどとは違うにやけ顔で近くの女子に話しかけている。
が、その女子は露骨にいやな顔をし、話を切り上げたがっているようだった。
・・・・・・・・・。
武藤とは小学生の頃から不思議によく同じクラスになる。
そのたびに貧乏なことを笑いの種にされ、みんなの受けを取る道具にされた。
昔はそんな事考えたことはなくてただ悔しかったけど、今では分かる。
・・・自分のことを言われるよりも、家族や家庭のことを言われる方がつらいって。
たしかにあいつの家は会社をしていて大きな家に住んでいるけど、そんな事は本人とは関係ないじゃないか・・・。
そんなイヤミさに加えて、常に自分が一番でないと気が済まない「自己中」な性格なので、みんなからも嫌われている。
おまけにいい加減で調子がいいとなると・・・。
特に女子からはものすごく受けが悪い。
まぁ、友達も彼女もいない僕も一緒だけど・・・。
もう一度武藤の方を見ると、女子が無視するように武藤から離れていく。
武藤の人の話を全く聞かない会話に嫌気がさしたのかな?
「あぁ・・・。なんであんなヤツといつも一緒なんだ・・・。」
信号と一緒、ついてないからだよ、と思うとよけいに空しくなった。



-これは不運なのか。それとも・・・。-


狭いアパートの中を父の仕事仲間やギャンブル仲間だろう、無骨なオヤジどもが騒いでいる。
母の姿はやはり・・・ない。

突然父が死んだとの知らせを聞いたのは一昨日のことだった。
夜中に酔って帰宅するところを車にはねられたらしい。
最初聞いたときには「へぇ、そう・・・。」としか感じられなかった。
でも、ろくな親じゃなかったとはいえずっと一緒だった人間だ。次第に悲しみがこみ上げてくる。
「母さん・・・来てくれないのかな。」
父のギャンブル、暴力癖などに愛想を尽かして出ていった母はお通夜に姿を現していない。
・・・もしかしたら今頃、父さんが死んで喜んでいるかも知れない。
そう思うと悲しくて、心はもっと沈んでしまう。
・・・あのお婆さん、これから運が向いてくるって言ってたのに・・・。
僕はふと4,5日前に出会った、小さな老婆のことを思いだしていた。


「大丈夫?おばあちゃん。」
高校生の自転車の集団に煽られ道路に転んだ老婆を助けたのは、本当に偶然だった。
最初そのお婆さんは僕のことをとても厳しい眼差しで見つめてきていた。
(多分コカした奴らと一緒の「高校生」としか思えないんだろう・・・。)
そう思って立ち去ろうとすると・・・。
「待ちなされ。」
「?」
「お前さん・・・妙な運気を持っておるの。」
「うんき?」
「・・・今まで相当恵まれない人生を送ってきたじゃろう?」
さすがに初対面の人にいきなりそんな事を言われるとカチンとくるものがある。
が・・・ここはグッと我慢する・・・。
「・・・どうしてそんな事わかるの?」
「わしにはわかるのじゃ。」
そう言いきられても・・・と思ったけど、その半端じゃない皺の数はどこか人を信用させるものがある(気がする)。
僕はしばらくその自称占い師の語るうんちくに耳を傾けていた。
「まぁ・・・要するに僕はツイてないと。」
「そういうことじゃの。」
「ふぅん・・・。分かってはいたけど・・・本当にそうだったのか・・・?」
「こうして知り合ったのも何かの縁。わしが運気を変えてやろうかの。」
「そんな事できるの?」
「・・・・・・。」
老婆は答えずに、巾着の中から妙な置物を取り出した。
位牌のような・・・表札のような・・・。
「フンッ!!」
老婆がそれを両手に持ち力のこもった声でうなると、不意に目の前が真っ暗になった。
あれ・・・?どうした・・・目が回る・・・。
・・・・・・・・・。
「・・・これでお前さんは運に恵まれるようになるじゃろうて。」
おばあさんの声だけが聞こえてくる・・・。
「・・・しかしそれでお前さんが幸せになれるかどうかは別。それぞれの生き方もあるでの・・・。」
・・・しばらくして目の前が明るくなると、老婆の姿は消えていた。
「なんだったんだ、いったい。」


何やらよく分からない出来事だったけど、それから本当にツイてきているような気がしていた。
考えようによってはどっちにもとれるような事ばっかりだったけど。
・・・父さんが死んだのは不運・・・。それとも・・・?
その時ふっと肩を掴まれた。
「はじめ・・・か?」
がっちりとした体つき、少し薄くなりかけた頭、それに・・・父とそっくりな顔・・・。
「お前がはじめ・・・だな?」
「そうですが?」
「俺はお前の父さんの弟・・・つまりお前の叔父の、栄造だ。」
「叔父、さん・・・?」
・・・父さんに兄弟がいたのか?
父さん、勘当になったとかで家族のこととか話したこと無かったから・・・。
「実は・・・今日はお前を引き取りに来たんだ。」
「?」
「これから一人で生きていく訳にもいかないだろう?」

そうして僕は叔父の養子になることになった。
・・・今の生活から抜け出せる。
不謹慎だが、それだけでも父の死はツイている出来事だったと言えるかも知れない・・・。


続く

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。