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小説(転載) 弱者の妖光 4/6(未完)

官能小説
05 /16 2015


 ボタンは全て外され、ブラを持ち上げたその隙間から、弾力のある胸が5本
の指に弄ばれている。そして片方の腕は、ホックを外されたスカートの腰部分
の中へ滑り込まされており、スカートの中で動く指が、異様な興奮を煽った。
それだけでは物足りない七瀬の身体は、やがてベッドへ移動すると、一枚一枚
素肌を覆っている衣を脱いでいくのであった。

「おおっ、ついに課長が服を脱ぎ始めたぞ…」

 暗闇の中の獣は、ベッドの横姿の獲物を見て、息を荒げ興奮を増していた。

 七瀬は、スカートの中の気持ち良い部分を片手で擦りながら、もう一方の手
でブラウスとブラを器用に外していった。そしてその手は、スカートへと移り
その布を足首から抜き取ったのである。
ベッドの上で、ショーツ一枚で悶え、そのショーツの中で踊り狂う熟女の指。
 
 その姿に、獣の肉棒も血管を激しく活動し始めた。

 悶える姿を覗かれているとは知らない七瀬は、もう一つの腕もショーツの中
へ潜らせたのである。
ベッドの上で膝を固定し、腰を浮き上がらせると、激しく二本の腕を下着の中
で絡めて、交差させいる。既に、ショーツは下腹部を覆う布の役目は果たせず
二本の腕により引き伸ばされているのだ。

「あんっ、あんっ、ああん…」

 初めて聞き取れた、課長七瀬の喘ぐ声。まるで幼い少女が喘いでいる声のよ
うであった。

「やった、やったぞ! ついに、ついにあの課長が、喘ぎ声をあげてオナニー
をしている現場を目撃したぞ、 さあさあ、残りは一枚、その下着を脱いで早
く素っ裸になって悶えるんだ」

 熟女の行為に願いを託し、肉棒を握る手に力をこめると擦る速さを増してい
く。 すると、その願いが通じたのか、七瀬は、両手を下着から抜き取ると、
ショーツに手を掛けたのである。

 ごくっ…生唾を飲み込む山田。肉棒を擦る手が止まった。

 七瀬は、白くて細い手でショーツをするすると足首から抜き取ると、その下
着を思わず投げ捨て、そのまま再び自慰行為にふけるのであった。
その脱ぎ捨てられた下着が、山田の手の届く範囲に転がったのである。

「……課長の下着が目の前に…おお、手を伸ばせば届きそうな距離だ…しかし
もし課長に見つかったら…いや、その時は課長も条件は一緒だ、俺に全裸を見
られるのだから。よ、よし、取ってやる」

 山田は意を決して、暗闇の中から明るい部屋へ手を差し伸べたのであった。




 ベッドの上では、七瀬が夢中で膣口を擦り続けている。

 机の上のノートパソコンは、女性がロープに縛られ鞭で打ち続けられて絶叫
をあげている映像を流している。

 その一室で、山田は身体を乗り出し手を伸ばしていた。おそらく乗り出して
いる身体はレースの仕切りからはっきりと浮かび上がっているだろう。だが、
七瀬は、その影さえも気付く事無く、自分の世界へ没頭しているのである。

 指先が脱ぎ捨てられた下着に届いた。その瞬間、七瀬の身体が横を向いたの
である。

「や!! やばい!!」

 山田が暗闇の中に手を隠したと同時に、七瀬の顔が横になり、クロゼットを
向いた。が、彼女は、その変化に気付く事も無く、身体を反転させて今度は四
つん這いの体勢で悶え始めた。

「た、助かった…見つかったと思ったよ…あっ!? こ、これが課長が穿いて
いた下着なのか…で、ここに課長の、課長のまんこが隠されていたんだ。クン
クン…臭いな、想像以上に臭い匂いだ、でも、でもいい匂いだ…」

 手にした下着のクロッチを鼻で嗅いでいる山田。そして、その下着を肉棒へ
絡めて擦りはじめたのである。

「あっ、あっ、あぁ」

 二人の、熱い吐息が漏れた。
一方は、明るい部屋のベッドの上で、片一方は暗闇の密室の中で…

 四つん這いの七瀬は顔を布団に伏せ、その顔は、目を閉じたまま山田の方へ
向いている。そして、腰は綺麗な曲線を描かせ、尻を突上げている。更に、指
をVの字で陰唇を開かせ、片方の指で小刻みに膣口を擦るのであった。

 ぴちゃぴちゃ…部屋中に七瀬の溢れた汁の恥かしい音が響いている。

 目を閉じて顔を伏せる七瀬。その先、1メートル20センチでは変態が潜ん
でいるとも知らないで… だが、その横顔は淫婦を想像させ、髪を乱し、頬を
赤く染め小さな汗が額へ浮かんでいる。口は半開きにさせて、熱い息が荒々し
く吐き出している表情は、潜む山田を絶頂へと一気に覆い立たせるのであった。

「ぐおっ! 課長の、いや、七瀬耀子の善がる顔を見ていると、凄く気持ちい
いぜ! もう限界だ、耀子、耀子も早く感じてくれ!」

 くしゃくしゃになった七瀬の下着を、肉棒へ絡めて擦りつけて念じる山田。
すると、暗示を掛けられたように、七瀬の腰が大きく揺れ始めた。指の動きも
加速しているようだ。

「あん、あん、気持ち…いい…」
「耀子、気持ちいいだろ、俺がお前の下着でまんこの部分を擦ってあげている
から尚更、気持ちがいいはずだぜ」
「ああー、だめ…もう、もう…」
「感じるのか?もう、感じるんだな! よし、耀子、俺と一緒に感じるんだ!
一緒に、ひっ、ひっ、気持ちいい! こんなに気持ちいいオナニー初めてだ」

 七瀬の尻が2度、3度と大きく振れた。そして背中を逆海老に反らして大き
な身震いを始めた。

「あっ! いい…い、いくっ…いく! いくわ!! あっ! あああ!!」

「耀子! 俺も一緒にいくぞ!! うおっー!! うっうっ、くっ!!」

 ベッドの上で七瀬が何度も、何度も、何度も尻を振って果てた。

 山田は暗闇の中で、大量のエキスを放出させていた。

──数分が経った。

 それぞれの場所で余韻に浸る二人。

 山田は、手にしていた七瀬の下着を目にして驚いた。クロッチに大量の精液
が附着しているのである。

「ああー、しまった! 拭かなければ…早く、拭いて返さなければ…あっ? 
あー、いかん!!」

 慌ててテッシュを探す山田を、再び衝撃が走った。それは、目の前の七瀬が
起き上がり、身体の後始末をしているのである。おそらく身体を拭き終ったら
下着を探すであろう。そうなると一貫の終わりである。
仕方なく山田は、急いで精液着きの下着をレースの隙間から放り投げた。

「ど、どうしよう…もし、ショーツを穿く時に、精液が着いているのに気が付
いたら…ああ…神様、お願いします。見つからないようにお願いします」

 両手を合わせて願う山田に、課長七瀬の自慰行為を覗き、快感を味わった余
韻など打ち消されていた。ただただ、自分が犯した罪を後悔し祈り続けるしか
なかった。
やがて、罪の判決を言い渡される時が来た。七瀬が下着を探し始め、床に落ち
ている事に気がつき、それを手にした。

 七瀬の視線が、精液に向けられるのではないかという恐怖に慄く山田。とこ
ろが七瀬は何も気付く事無く、精液着きショーツをそのまま穿いてしまったの
である。

「あっ、俺の、俺の精液が…ごくっ、俺の精液が課長のあそこに附着した?
何て事だ! 俺の精液を、課長のまんこが味わっている! 凄い!!」

 再び、興奮の渦が彼を包み始めた。だが、それもほんの一時であった。

「あら? 何か冷たいわね、何かしら…」

 七瀬は、股間の違和感に気がつくと、手を下着の中へ滑り込ませたのである。

「うおーー! 最悪だ、最悪の事態だ!! 神様っ、貴方って人は!!」

 一瞬で窮地に追い込まれた弱者の山田。さすがの彼も半分諦めかけている。
襲うか…それとも土下座して誤るか…頭の中で繰り返されているのだ。

 七瀬は、その冷たい液体を中指と人差し指にすくいとって眺めていた。

「これは? いやだ、私ってこんなに濡らしていたのかしら…」

 何を思ったのか、七瀬は指に附着している山田の精液を、自分の体内から放
流されたものと勘違いしてしまったのである。
暫くそれを眺めていると、驚いた事にそれを口の中に含み舐めたのである。し
かも、もう一度、ショーツの中に手を突っ込み精液を掬い取ると、再び舐めて
しまったのである。

 目を丸くして驚く山田。この場で歓喜すると、神様の天罰がくだりそうなの
で、脱出してから大はしゃぎしたのは言うまでも無い…。


(5)へつづく・・・

小説(転載) 弱者の妖光 3/6(未完)

官能小説
05 /16 2015
第2話

-熟女を陥れる野望-



 何者かが、弱者の心に宿し、時折悪魔の囁きを投掛けていた。
二度と犯さないと誓った罪は、その囁きによりもろくも崩壊されていくのであ
る。

 職場での山田次郎の視線は、美人上司で有名な七瀬課長の後姿を毎日追って
いた。

「課長…俺はあんたの私生活を全て知っているんだぜ。帰宅したら下着姿で食
事、風呂上りは全裸でTV観賞…何よりもあくどいのは、家族と暮らしている
というのが、まったくの嘘であること…」

 今回で止めよう…そう自分に言い聞かせては、七瀬の帰宅前に、あの暗闇の
クロゼットに忍び込み、七瀬の生活を覗いている山田であった。
 
 その時の彼は、まるで悪魔が取り付いたように別人格に変っていた。

他人の家に、許可無く上がりこんでいるのを悪いとわかっている。だが、見つ
かりそうでみつからない、このスリルは何ものにも替えがたいのである。

「ねえねえ…課長を見る山田の目付き、気味悪くない?」
「あら? 今、気が付いたの。以前から気味悪かったわよ。くすっ」
「違うのよ。最近、特に…ひやー課長、狙われてるんじゃないの?」

 と、彼女らの会話は、最近この話しで賑わっている。

 全部、聞こえているよ…自分でもわかっている。だが、七瀬の大きな尻が目
の前で動くたびに、裸のことが甦って山田の口元は緩むのである。
しかし、彼女らの噂が課長の耳に入ったら大変なことになる。
そう思うと、気の弱い山田は不安にかられた。そして一つの決心をして終わり
にしようと考えた。
それは、七瀬の自慰行為を見る事で、自分に取り付いている悪魔を葬りさせよ
うという計画である。
浸入する事数回。一度も七瀬の淫らな行いを目にしたことがないのである。

「いくら待っても、始めないんだよな…そんな卑猥な行いは嫌いなのかな?
後、何日待てばいいのだろ………いや、待って無理なら、やらせればいい…そ
うだよ!! やりたくなるように、設定してあげればいいんだ! よし!!」

「いやだー!! 見て見て、山田、ニヤついてるわよ!!」

 女性の悲鳴などよそに、密かに計画を練る山田であった。

──数日後

 山田は、七瀬より早めに退出した。
向かう先は七瀬の自宅である。鞄の中には若者が使用する袋が閉まってあり、
そして、その袋を七瀬の家のポストに放り込むと、七瀬の寝室に上がり込み、
クロゼットに身を隠すのであった。

 待つこと数十分。
暗闇の寝室部屋に明りが灯された。

「帰って来たぞ…さて、計画通り上手くいくかな…」

 心臓の音が激しくなり、生唾を何度も飲み込む山田。

 七瀬の姿が、クロゼットの前にあらわれると、手には山田がポストに入れて
いた袋を持っていた。
彼女はその袋を不思議そうに外見を見渡し、封を開いた。

 袋の中を覗いた後、手を差し伸べて中の品物を取り出す七瀬。
手紙一枚とCDを三本手にしている。そして、手にしているCDケースを見る
と、驚いて机の上に放り投げたのだった。




 机の上に散らばったCD。それは山田が準備したものである。
二本は女優と男優の絡みのシーン、そして一本はSMものである。SMのCD
は山田が、間違って購入してしまい処分に困っていたのを入れたのだ。

「だ、誰よ、こんな物を間違って置いていくなんて…」

 迷惑そうな顔で、手紙を開く七瀬。何処となく頬が染まっていた。

「えぇと…俺俺…って、あんた誰よ? まったくとんでもない間違いだわ…」

 七瀬は口を膨らませて、山田が作成した手紙を読み始めた。

 その手紙の内容とは。

『俺俺、元気している? 久し振りに、お前の家を訪ねてみたけど留守だった
ので、記念品を置いていきます。 実は今から、突然ヨーロッパに旅立つ事に
なって片づけをしてたらこのCDの処分に困ってしまってさ。処分を頼みます。
ヨーロッパだから連絡もとれないし、しません。帰ってくるのは10年後だか
らその時まで会えません。多分、一生会えないでしょう。だから、このCD見
て下さい。お願いします。絶対見て下さい。 太郎』

「……下手くそな文章…」

 確かに…だが、CDの処分を七瀬に託す内容になるようにと、必死に考えた
山田の浅はかな知恵であった。

「困るわ。こんな間違いをされては…」

 陰謀計画は一瞬で消え去った。七瀬はCDと手紙を袋に詰め直すと、それを
手にして部屋から出て行ったのである。

「あぁ…くそっ、失敗か…喜んでくれると思ったのにな」

 肩を落す山田。暫くすると七瀬が部屋へ帰って来た。 なんと、手には袋を
しっかり持っていたのである。

「や、や、やったー!!袋を持ち帰ってきてるぞ。よしよし、オナニーをする
確率は充分にあるぞ。課長の、乱れる姿が見れるかもしれない」

 山田は、準備している愛用のテッシュを取り出した。彼の下半身は既に、覆
う物は剥ぎ取られ、剥き出しの状態である。

「よく考えたら…これをポストに入れなおしておいても、誰も取りにこないの
よね。太郎くんも外国に行っちゃったし…私が、処分…したら、いいって事?」
「うんうん、課長、やっと気付きましたね。貴女が処分する事になっているの
ですよ。その前に、映像を見て下さいね、そして…くっ、早く見てくれないか
な。楽しみだ」

 慣れ親しんだ暗闇の一室。息を殺して潜む気弱な獣は、念願である、その時が
訪れるのをただ、待ち望んでいた。

 七瀬はノートパソコンを開き、準備をしている。自分の意志ではなく、弱者山
田の企みによって、動かされているとも知らないで…




 七瀬が、CDをセットしている様子を覗き込む山田。
アダルトCDを見ようとしている、彼女の行動だけでも、興奮を隠せない。
だが、意外だったのは、最初にSMの映像を見始めたことであった。

「あ、あれ? 課長って、そんな趣味があったのかな」

 SMの趣向がある者には、肉付きのよい七瀬を縛るのに魅力を感じるであろ
う。だが、縛る事に興味のない山田は、到底理解しがたい行為なのである。
今は、まだ…

 机の上のPCに流れる映像を、椅子に腰掛けて眺める七瀬。その画面には綺
麗な顔をした30歳前後の女性が、ロープで縛られた身体を吊られ、鞭で胸や
腹部を叩かれたり、ベッドに固定され、蝋燭を垂らされて身体を真っ赤に染め
ているのである。

 食い入るように目を輝かせて、時々生唾を飲み込んでいる七瀬の異様で色っ
ぽい横顔に、引き込まれそうな感触を何処となく感じる山田であった。そして
職場での力強い七瀬と違い、今にも崩れそうで気弱い目の前の熟女を、映像と
同じ赤い紐で拘束するのも良いのでは、と、興奮するのであった。

──数十分が過ぎた。

 念願である、七瀬が乱れるその時が、近づきつつあることを背筋に走る震え
で感じる山田である。

「ん? 課長の様子がおかしいぞ…始まるのか?」

 七瀬の口から漏れる熱い吐息、揺れる身体、足を組む回数が増え、太腿を擦
りつけ何かを我慢している姿が愛しく感じるのである。

「さあ、課長。遠慮しないで、全てを曝け出すんだ、そして俺の前で喘いでい
る姿を見せるんだ…さあ、さあ…」

 まるで山田の催眠術に掛かったように、七瀬の手が胸へ動いた。そして両手
で、己の突き出した胸を鷲掴みにして揉み始めたのである。
ゆっくりと、服の上から両手の指が、圧縮運動を繰り返しているのだ。

 それは、山田の野望が叶った瞬間であり、そして、七瀬が山田の企みにおち
た瞬間であった。

「や、や、やったぞ!! ついにあの課長がオナニーを始めたぞ! 信じられ
ない、俺の目の前でやり始めるなんて…ああ、俺のペニスも爆発寸前だ、やば
い…ここで出しては勿体無い。課長と、課長と一緒に感じるんだ」

 右手に握られた男の勲章。例え、気は弱くとも、その勲章は別格である。い
や、彼は今までそれを利用してこなかったのでまだ知らないだけで、そのいち
もつは、後に課長七瀬でさえも、求めてしまう程の魅力あるペニスを装置して
いるのである。

 七瀬は、感じる身体を包むように、自分の世界へと没頭している。
だから、山田がいちもつを擦ると同時に、床がぎしぎしと鳴り響く音に、全く
気が付かないのであった。


(4)へつづく・・・

小説(転載) 弱者の妖光 2/6(未完)

官能小説
05 /16 2015


 寝室とクロゼットの仕切りは、0.2ミリのレースのみである。
山田は膝を抱えて、口を手で覆っているが、そこ数秒の間で体内の水分が汗腺
から全て噴出してしまい、大粒の汗が次から次へと流れ落ちている。

 予想していた最悪の事態が彼を襲い、気を狂わせた。
それは、寝室の照明が光光と灯され、七瀬が入室してきたからだ。

 レースの向うに七瀬の姿が表れた。風呂上りで素っ裸である。
だが、山田には淫楽を愉しむ余裕など何処にも無かった。この時ばかりは自分
が犯した罪を呪った。
不法侵入。それも上司の部屋にである。
明くる日の紙面に、変態男逮捕と見出しに載り、手錠を掛けられた自分の姿が
写し出されている様子が頭を過った。

 七瀬の体が反転して山田の正面に立った。一瞬、目と目が合った。

「か! 課長!! 違うんです。あの、これには、あの、訳があって、あの…」

 心の中で必死に弁解をする山田であるが、七瀬はそんな山田の心境など知ら
ぬといった態度で、鏡台へ向かい髪を乾かし始めたのだった。

「はぁ、はぁ…どうしてだ? どうして課長は俺の姿に気付かなかったのだ?」

 山田にはまだツキがあった。
幸いにも、レースの薄い壁が光を遮断してくれていたのだ。七瀬の目には白い
レースが映るだけでクロゼットの中は見えていないのである。
しかし、これで安全が確保された訳ではない、もし七瀬がレースを開けたら…
その時は、何の言い訳も立たない状況になるであろう。

 後悔ばかりが山田の体を覆っている。

「何故、外へ逃げなかったのだろう…外へ出てさえいれば…いや、欲を出して
浸入したことが元々の間違いだった…」

 弱気なままであれば、こんな非常事態を引き出す事はなかった。
やはり自分は、弱い生き方をしなければいけない人間なんだと改めて痛感して
いるのであった。

──クロゼットの中で30分が経過した。

 七瀬は、髪を乾かした後、一旦部屋を出たが直ぐに帰ってきている。
手には、山田が捜し求めている書類の束があった。
椅子に座ると、くるっと回転をして山田の正面に体を向けたのだ。勿論、全裸
のままである。

 再び、山田の前に七瀬の裸が目に映った。
姿を見られていないことに、心なしか余裕が浮かぶ山田は七瀬の身体を眺める
勇気が沸いていた。

「こ、これが…課長の裸なんだ、す、凄い、課長の身体って、こうなっていた
のか…」

 背広姿と裸体を比べ、その違いを愉しむ山田である。いつしか下半身の肉棒
は、ズボンからはみ出しそうなくらい突き出し、反応していた。

 いつも厳しい眼差しの職場と違い、目の前の七瀬課長は、一人の女の姿であ
る。毎日アップにしている髪を、肩までおろし寛いでいる姿は優しいお姉さん
を印象つけさせる。
そして書類の隙間から、ふくよかな胸が見え隠れし、その左右の中心部には丸
く、つんと突き出た乳房が照明の光に眩しく並んでいた。

 肌も、綺麗に輝き、若さと違った熟年の張りがありそうだ。そして何と言っ
ても、脂ののった肉付きのよい身体は、山田を獣化させるには、充分な魅力を
放しているのである。

 口では敵わなくても、体力では勝る筈だ…無防備な獲物は、弱者の山田を錯
覚させてしまっていたのだ。




 隣の空間で、獣が潜んでいるとも知らない七瀬は、書類を一枚一枚読みつづ
けている。

 山田の目が、まるで餓えた獣のように輝いた。

「相手は裸の女だ。今、飛び出し、襲った所で、全裸で外へ逃げるわけにはい
くまい…俺の前で、裸でいるあんたが悪いんだ…」

 呪文を唱えるように、己に勇気と野望を叩き込む、餓えた男。
力が漲り、すくっと、立ち上がった。

 その時。

「あら? おかしいわね。最後の一枚が無いわ…もお!! 金額の合計を出し
た肝心な一枚が無いじゃないの!! あのバカ!!」

 ドンッ!! と、書類を机に投げ出す七瀬。
 
 天を向いて反り立っていた山田の肉棒が、一瞬にして萎えた…

「し、しまった!! 書類の事を忘れていた!! 凄い剣幕だ…」

 七瀬の裸を見る以上に、心臓が高鳴っている。目の前の七瀬は七瀬課長の顔
に変っていたからだ。

 携帯を手にする七瀬。

「携帯?……ああっ!? まさか…俺に? た、た、た、大変だ!! 携帯は
ポケットの中だ、今、連絡されると、ここで着信音が鳴ってしまう!」

 七瀬が携帯のボタンを押している。

 山田はポケットから慌てて携帯を出した。震える手、いや、震えるのではな
く、揺れているといった方が適切かもしれない。
電源を切ろうとするが、動揺のあまり、携帯を持つ手が左右に揺れて切れない
のである。

 七瀬が携帯を耳に当てた。

「最悪だ!! 最悪の事態だ!! ここに居る事が知れてしまう!!」

「…………? あのバカ! 電源を切ってるわ!!」

「た…助かったぁ…」

 間一髪、間に合った。

 全身の力が抜け、放心状態の山田。水をかぶったようにシャツはびっしょり
濡らして、おそらく体内に水分は残っておらず、口の中はカラカラになり、唇
は乾ききっていた。

──真っ暗な闇を駆け出した。

 七瀬がトイレに入っている間に、書類一枚を鞄の中に詰め込み、山田は部屋
から抜け出したのだ。

「ごめんだ!! こんな体験は二度とごめんだ!!」

 後悔しながら、己の罪を懺悔した。一歩間違えれば犯罪者になりかねないの
である。だが、一歩間違えなかった事が、女に餓えた男に火を灯してしまった
事を、彼はまだ知らない。

──結局、弱者。

 山田は、途中で七瀬に連絡をいれた。勿論、無かった書類が有るのだという
証を教えるためにだ。

「山田君!! 最後の書類忘れてるわよ!!」
「そんなはず無いですよ。ちゃんと渡してますから、課長の探し方が悪いので
はないですか?…例えば、鞄の中とか」

 自身満々の受け答えをする山田に、少し戸惑う七瀬。
無いはずはないのだ。今先、この手で鞄の中に届けたのだからね。受話器の向
う側で山田は勝ち誇っていた。

「ちょ、ちょっと待ってよ…それじゃもう一度、鞄を探してみるから…だけど
何度も見たのよね……ぶつぶつ……あっ!!」

 受話器の向う側で、七瀬の驚く声に優越感を覚える山田。

「ほうら課長、あったでしょ? 迷惑だな、自分の失態をいちいち連絡されて
は…」
「バカッー!! これは社内旅行の案内状じゃないのよ!! こんなのつけて
どうする気なの! 本当にあんたはー!!」
「あ、あれ? いえ、そ、それは…お、おかしいな、間違ったかな、あの…」
「明日、憶えてらっしゃい!!」

 弱者は、やはり弱者…。


(3)へつづく・・・

小説(転載) 弱者の妖光 1/6(未完)

官能小説
05 /16 2015
素敵な上司に出会えたらそれが天職だと思うようにしている。


第1話

-熟女部屋への侵入-



 弱い者が、強い者に楯突く事はできない。
例え相手が女であっても、屈してしまうものである。

 山田次郎。彼もその一人である。
生れて24年間、弱気な性格の元、強い相手に一度もはむかった経験がないの
だ。
勤め先の会社に運良く受かったのも彼のその性格がものをいったのである。

「山田!! これ頼む」
「山田!! 今朝、頼んだ資料はまだか?」
「山田君、ゴミ捨てまだ行ってないの? 早くしてよ!!」

 彼の名前は朝から夕方まで引っ切り無しに呼ばれ続けている。
決して仕事をこなす能力があるわけではないが、雑用係として社員には欠かせ
ない人材であるのだ。
頼られているのではない、ただ利用されているだけでモノ扱いされる山田。
山田は、そんな自分が嫌で仕方なかった。毎日10時過ぎに退出して、途中の
橋の上から濁った都会のドブ川を眺めると、自分の生い立ちと将来を重ねるの
であった。

──或る日

「山田君、昨日頼んだ見積書、出来ている?」

 課長、七瀬耀子36歳。彼女も山田を利用している一人である。

「いえ、あの、まだ…で、今…」
「終わっていないの? まったく、明日朝一番にお客様に提出しなければいけ
ないのよ!! 夕方には揃えておきなさい。いいわね!」

 彼の机の上には、社員の依頼による山積みの書類が重なったままである。そ
れを眺めながら山田は深い溜息をつくのであった。
そんな二人の遣り取りを社員の女子達はヒソヒソと話をしている。

「七瀬課長って、あんな綺麗な顔をしてるのに、山田には鬼の形相で怒るのよ
ね…」
「そうそう、でもあまり怒らないで欲しいわ。嫌になって山田が退社したら誰
がゴミ捨てに行くのよ? ねぇー」
「彼が居ないと、雑用がこっちに回ってくるのよね」

 と、彼女らは、毎回このような話しで時間を潰しているのだ。

──時計は午後5時30分を示していた。

「もっと早くできなかったの? チェックするのに、家に持ち帰ってしなけれ
ばいけないじゃないのよ」
「すみません…途中で、あの、他の仕事を言いつけられて…あの、それで」
「ふー、もういいわよ。貴方の言い訳なんか聞きたくないわ」

 七瀬は山田から書類を受け取るとそのまま帰宅していった。

 何時もの事である。山積みの書類が一日で終わる事は少ない。七瀬の書類も
昨夜帰宅して途中まで終わらせていたのだが、他の仕事を押付けられ、それで
も休憩時間を惜しみながら、何とか終わらせる事ができたのである。
 
 彼は、次の仕事に取り掛かっていた。すると、書類の中に一枚の紙切れが目
に入り、それを目にして驚いた。

「し、しまった!! 課長に渡した見積書の最後の一枚が抜けていた!!」

 時計を見ると、七瀬が会社を出てから30分過ぎていた。

 直ぐに受話器を手にした山田。しかし、思いとどまって受話器を置いた。
連絡しても彼女が戻ってくる可能性は少ない。仮に帰ってこようものなら、怒
りの鉄拳が彼を襲うであろう。

 課長が書類を見る前に届けたら叱られることは無いのでは…。
これが彼の判断であった。そして直ぐに会社を出て七瀬の後を追ったのである。

 この判断が、彼の生きる道の分岐点にさせた、と言っても大袈裟にはならな
いであろう。
女の裸体など見る機会のなかった彼に、予期せぬ事態でそれを可能にさせるの
であるから…




 汗をビッショリかいた山田が、七瀬の自宅へ辿り付いたのは午後7時過ぎで
あった。

 届けると叱られる事は無いと判断したのには、一つの確信があったからだ。
家族と一緒の彼女が、家族の前で自分を叱る姿を見せる事は無いと思ったのだ。
ただ、それは家族の前で会った場合のみである。二人きりになったら何時もの
通り、鬼の形相になるのは確実だ。

 いろいろな構想を考え、暫く玄関に佇む山田。
ふと玄関横の大きな窓に目をやると、カーテンの隙間から明りが漏れている。
彼はその光に惹かれるように場所を移動した。

 カーテンの隙間から見える内部の様子は、ただ蛍光灯が灯されているだけで
人の気配はなかった。
山田は漏れる明りの空間を眺め、疑問の気持ちが湧いていた。

「…誰も、いないのかな…おかしいな、課長の居間からは家庭の臭いがまった
くしてこない…」

 山田には、本能的に体が動く性質を持ち合わせている。これまでも不思議に
思うと体が勝手に働いて、結果とんでもない収穫を手にした経験がある。

 例えば、薄暗い学校の校舎。一台の自転車を見て不思議に思い、その先に足
を踏み入れてみると、その先では学生同士がSEXを愉しんでいたのだ。また
歩道を急ぎ足で歩くOLを見て、後をつけてみると、なんと公園の茂みに身を
隠し放尿をしたのである。その光景をこっそり覗き見した事があるのだ。

 今の山田には、その時と同じ匂いがしているのである。

 山田は気が向くまま、七瀬の庭を移動して裏側へ出た。
そこには明りが灯されている小さな窓が一つ。中から、水しぶきの音がしてい
る。風呂場のようだ。
耳を澄ますと、女性の咳払いが時たま聞こえてくる。七瀬であると山田は確信
した。

 暫く耳を澄ましてみるが、やはり一人で入浴中である。

「やはりおかしいぞ…会社では旦那と子供らと一緒に暮らしていると聞いてい
たのに」

 不思議な思いで、歩いて来た通路を引き返すと、途中の掃出し窓の前で足が
止まった。明りが漏れる居間の隣の部屋である。
窓に手をさし伸ばす山田。

「あっ!? この窓、鍵が掛かっていない」

 早く書類を届けたい。その心境が山田をとんでもない行動にうつさせた。
窓を開けると、部屋の中へ浸入してしまったのである。
とにかく忘れた書類を、七瀬の鞄の中に放り込みさえすれば、数分後には気持
ちよい風に吹かれながら帰宅できるのだから。

 居間の明りが扉の細長い窓から漏れる6帖間の部屋。
ベッドに机、鏡台。どうやら七瀬の寝室らしい。しかし今の山田には部屋を見
渡す余裕など無い。

「か、鞄は? 鞄は何処だ!!」

 薄明るい部屋の中を捜すが鞄は見当たらない。

「居間に置いてあるのかな? しかし、居間には照明がついているから無理だ。
くそっ…仕方無い、正直に手渡しをするか……ん? 足音? しまった!!
課長が風呂から上がってきてるぞ! か、隠れなければ!!」

 足音に気付いた時には、居間に七瀬の影が見えていた。
咄嗟に山田は部屋の隣の、暗闇の空間に移動した。そこは3帖のクロゼットで
洋服が掛けられ、床には小さなダンボール箱が散らばっている。
しかし、山田は一生の不覚を取ったと慌てた。 己の身を隠す扉がその物置き
には無かったのである。仕切りは薄っぺらなレースだけであった。

「神様!! どうか、10分前に時間を戻して下さい。どうか、どうか!!」

 暗闇の中、山田は必死に時間が逆戻りしないものかと、両手を合わせ祈りを
捧げていた。だが、これも彼に対しての仕打ちなのかもしれない。既に七瀬は
寝室の扉を開けて、部屋の中へ入ろうとしているのだから。


(2)へつづく・・・

小説(転載) 母心 12/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 12

 

真一のカラダは『男』になっていた。
細身ではあるが、骨格がしっかりとしているせいで逞しくも見える。
運動らしい運動もしてこなかったにも関わらず、父親に似てか肩幅もある。
峰子は母親である。
実の母親。
その母親であるからこそ、我が子のカラダに驚きを感じる。
幼い頃の我が子のカラダを知っているからである。

ほんの2分ほどの、玄関での脱衣行為。
峰子はそれをジッと見ていた。
廊下でつっ立ったままジッと・・・。
見ている必要など、べつににないのに、である。

(家の中が濡れるから、そこで脱いで、そのまま素早くお風呂に入っちゃいなさいよ)
そう伝えて、自分はさっさと台所に戻ればいいのである。

なのに見ていた・・・。

(見ていた)というよりも、(つい見入ってしまった)と言った方が正確かもしれない。
息子の裸体を(見ている)ということを峰子自身、客観的に自覚することもなく、
ただその場で身動き一つ取ることもできず、(ボッーと見入ってしまった)のだ。
それは峰子に(母親として、久々に見た我が子の体の成長に喜びにも近い驚き)を感じていたのとは少し違う、
(なにか自分でもよく理解できないような複雑な戸惑い)を感じていたからだろう。
娘の由加利が初潮を迎えた時、峰子は(母親として娘が大人の体に成長した)ということをただ単純に喜んだ。
そこまでスクスクと成長してくれた事が親としてとても嬉しかった。
確かに峰子が真一の裸体を見た時に、それと近い感情になったのは事実だ。
ただそれだけではなかったということだ。

一言で言えば、それは(性)
ようするに、真一のカラダに(オトコ)を感じたのだ。
峰子は17歳の真一の裸体に(オトコ)を感じ、そして一瞬ではあるが(発情)したのだ。
自分の息子であるということを忘れて・・・。

峰子の見た真一のその裸体からは(若さ)というオーラが存分に発揮されていた。
真一が濡れたシャツを脱ぎ、ちらりと胸の乳首が見えた時、峰子は一瞬ではあるが「イケナイ」と思った。
つい目を背けてしまっていた。
べつに母親なのだから、我が子の上半身を見る事くらいイケナイということなど、ないはずである。
なのに峰子は反射的にそう思った。

峰子が一番ドキッとした瞬間。
それは真一が乱暴に自分のベルトを外した瞬間である。
上半身裸の真一。
その姿で、慌ただしく自分のベルトに手をかけると、ベルトの先の方を右へ左へと乱暴に振り乱しながら、バサバサとベルトを外したのだ。
たしかにゴツイベルトであった為か、それを見ている峰子には必要以上に乱暴に見えたのだろう。
そして手慣れた感じで素早くズボンを下ろした。
その光景を見ていた峰子には、それが(sex)を連想させた。
これからセックスをしようとしている男。
いや、そのまま真一が自分に襲いかかってくるのではないかというくらいに、峰子にはハッとした瞬間だった。
そのくらい真一のその一連の動作は、これからまるでレイプでもするのではないか、とうくらいに『ガツガツ』していたのだ。

パンツ一枚になった真一のカラダは水滴でシットリと濡れていた。
それを間近で見ている峰子。

(・・・この子、もしかしたら、ココでこのままパンツまで脱いでいくつもりかしら・・・)

そのくらいに真一の服を脱いでいく光景は『ガツガツ』したものだったのだ。
まるで峰子がそこに立って見ているということに、気がついていないのではないか。
いや、見ていようが、いまいが関係ないとすら思っているのではないか。
そんな勢いだったのだ。

当然、真一の履いているパンツもビショビショに濡れている。
トランクスの為、その薄い生地はピタッと肌に張付いた格好になってしまっていた。
玄関の照明が、必要以上に頭上から光を注いでいる。
もちろん股間の輪郭はそのパンツの上からでもはっきりと分かるように、露骨に現れてしまっている。
この自分のドキドキを悟られまいと、不自然な動きをしている峰子。
腰に巻いている花柄の前掛けで、何度も何度も濡れてもいない両手を拭くような仕草をしている。
誰から見ても、その峰子の姿は真一の裸体に動揺してしまっているのであろうことが、ありありと分かるほどだった。
そんな恥じらいを見せる峰子が、なんとなく可愛くも見える光景だった。

真一の股間部分。
モッコリとした膨らみ。
多少、右側に片寄っているのすら、見てとれる。
ドキドキしている峰子。
脈も早まる。
表情ばかりは平静を装っているものの、峰子の視線はいやでも真一のアレにいってしまう。
一瞬、目をそらすものの、気が付くとまた無意識のうちに視線はアレの膨らみへと向かってしまっていた。
峰子の視線はチラチラ、チラチラと落ち着かない。

(・・・この子、恥ずかしくないのかしら・・・)

峰子はそう思っていた。
パンツからは陰毛すらうっすらと外形を現わにしてしまっているのである。
真一はその間、一度たりとも峰子と目を合わす事はなかった。

靴下を脱ぎ、服を抱える真一。
パンツ一枚だけの姿。
真一が玄関から廊下へと上がろうと片足を上げた時だった。
真一のそのモッコリに、またチラリと目を向けた峰子。
上げた足を一段上の上がりがまちに乗せたその瞬間、真一の性器が”プルン”と大きく揺れた。

・・・ハッ・・・

真正面にいる峰子。
涼しげな峰子の目には、その膨らみの(揺れ)がはっきりと確認できた。
慌てて視線を外す峰子。
おかまいなしの真一。
その真一が脱衣所へ向かおうと、峰子の横をすり抜けていく時に、なんとも言えぬ(ムワッ)とした匂いが峰子の鼻孔を刺激した。
オトコの匂い
汗・体臭・雨
峰子はその匂いに一瞬、クラッとしてしまった。
畳み込むような刺激の連続。
目眩。

「バタン」と脱衣所のドアを閉めた音がする。

峰子は廊下の壁に、かすかに寄りかかるような姿勢になっていた。

(・・・どうかしているわ・・・)

たった2分ほどの時間の出来事。

土曜日の夜。
母子家庭。
17歳の長男。

・・・峰子は濡れていた・・・

黒木峰子(44歳)はその晩、自慰行為をする。

こっそりと・・・。

 

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小説(転載) 母心 11/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 11

 

(5:00)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

買い物を済ませ、二人が家に戻ったのは5時を少し回った頃だった。
家には真一の姿はなかった。
ダイニングテーブルの上に残された一枚のメモ書き。

『友達のところに行くので夕飯はいらない  真一』

そう書かれていた。
買い物袋をテーブルに置くと、峰子は2階のベランダへと向かった。
外に干しておいた洗濯物を取り込んでいる峰子。
その途中、軽い夕立ちが降り始めてきた。
(ちょうどいい時に帰ってきたわ・・・)
洗濯物を畳みながら、峰子はそう思った。

(7:00)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

峰子と由加利、二人だけの夕食。
その日の夕食はカレーライスだった。
テーブルの小皿にはプチトマトの乗ったかわいらしいサラダが盛られている。
いつもならこの夕食の時間は由加利のおしゃべりの時間でもあったのだが、
その日の由加利は買い物疲れからか、あまり口を開かなかった。
由加利は食事を一通り終えると、疲れた表情を浮かべながら峰子の前で頬杖をついてぼんやりとしていた。

「行儀が悪いわよっ、由加利」
峰子がそう言った。

「だって、疲れちゃったんだもん」

「パパがいたら、もっと叱られちゃうわよ、そんな態度」

「だってパパいないじゃん・・・」

「・・・・・」

沈黙。
言葉に詰まってしまった峰子を見て、由加利は自分の言った言葉の意味を感じた。
峰子に悪く思ったのか、すぐさま由加利は肘をテーブルから外した。
気まずい雰囲気。
由加利は話題を変えようと明るい声で言った。

「お兄ちゃん、自転車で出かけたんでしょ?」

「そうみたいね」

「傘持っていったのかな?」

「さぁ・・・」

夕方から降り始めた雨は、夕立ちから本降りへと変わっていた。
少しだけ開けてある台所の窓からは、緩やかな風と共に雨に濡れる土の匂いが部屋の中に入ってきている。
しばらくして由加利は「ごちそうさま」と言い残し席を立った。
峰子の表情にも少し疲れの色が見える。
台所を出る途中、由加利が言った。

「おかあさんっ、お風呂、沸かしてくれない?。なんか疲れちゃった」

由加利は階段を上っていった。

(9:00)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真一が帰ってきたのは、由加利がお風呂から上がってしばらくしてからだった。
ちょうどその時台所にいた峰子は、真一の鳴らす玄関ベルの音を聞くと、早足でドアを開けに出た。
外の雨は時間が経つにつれ、激しくなっている。
玄関ドアを開けると、まるで頭から水でもかぶったかのように全身ズブ濡れになっている真一が立っていた。

「傘、持っていかなかったのっ?」
峰子は驚いた表情でそう言うと、すぐさま真一を玄関の中に入れ、外から雨が入らないように素早くそのドアを閉めた。

「・・・うん・・・雨降るなんて思ってなかったし・・・」
髪やシャツからは水滴が滴り落ちている。

「なんで傘くらい持っていかなかったのよ」

「そんなこと言ったって、出掛ける時は降ってなかったんだからしょうがないだろうっ」
真一は少し苛立った声を出した。

「そこで脱いじゃいなさい。家の中が水浸しになっちゃうから」

「風呂沸いてるの?」

「沸いてるから、すぐ入っちゃいなさい。風邪引いちゃうから」

真一はそれを聞くと、その場で濡れた服を脱ぎ始めた。
衣服に吸い込んでいた水滴で玄関のタイルは水浸しになっている。
シャツのボタンに手をかける真一。
そしてズボン。
次々と慌ただしく服を脱いでいく真一。
スリッパを履いたまま、廊下でその状況を見ている母、峰子。
玄関で裸になっていく真一。
最後に履いていた靴下を脱ぎ捨てた。
パンツ一枚の姿。
玄関でパンツ一丁である。
いったいどこを見ていたらいいのか分からない様子の峰子。
真一の髪の毛の先からポタポタと落ちる水滴が、その裸体を伝う。
真一は脱ぎ捨てた衣服一式を抱え込み、そのまま峰子の横を通り過ぎると、パタパタと廊下を駆け抜けて脱衣所へと入っていった。

・・・峰子はハッとした・・・

その真一の一連の(動作)、そして(姿)を見ていて・・・。

 

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。