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小説(転載) 母心 10/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 10

 

峰子は知っていた。
断言することはできないまでも、以前から薄々ではあるが気が付いていたのである。

由加利と買い物に出掛ける前に、峰子は一通りの家事を済ませてきていた。
休日であろうとなかろうと、峰子の日課に変りがない。
忙しいからといって、家の中での自分の仕事をないがしろにするということは一度たりともなかった。
(しっかりとした母親)と言えば聞こえはいいが、悪く言えば、(完璧主義)
自分の役目というものを、きっちりとこなさなければ自分自身、納得がいかないような融通のきかない所が峰子にはあった。

その日の峰子も変りがなかった。
学校のない日の真一は、いつも昼過ぎに起床する。
その真一の為に食事もテーブルの上に用意してきた。
ざっとではあるが、家の掃除も済ませてきている。
毎朝、そうしているように玄関先にあるプランターに植えられた花々にも水を与えてきた。
もちろん洗濯も・・・。

その洗濯をしている時にふと気が付いたことがある。
峰子は衣服を洗濯機の中に入れる時に、いつもひとつひとつの衣類をバラバラにさせる。
丸まった靴下はしっかりと元の状態に戻し、絡まったシャツの袖やズボンも一枚一枚ほどいた状態にさせてから入れる。
脱水をかけた時に絡まってしまうのは頭では分かっているものの、峰子の性格上、そうせずにはいられない。
いつものように腰をかがめ、床に置かれた脱衣カゴの中身を洗濯機の中に入れようとした時、峰子は不思議に思った。

(・・・あらっ・・・)

脱衣カゴの前で腰をかがめたままの峰子。

(・・・どうして、私の下着が・・・)

前夜、一番最後に入浴したのは真一のはずである。
その真一の着ていた衣服は脱衣カゴの一番底の方にあった。
順番からいえば当然、峰子の衣類の上に真一のものが重ねられているはずである。
しかし峰子の見下ろしている脱衣カゴの中には、前日、自分が身に付けていた黒いパンストと薄紫のショーツが
なぜか一番上に存在していたのだ。

(・・・・・・・・)

峰子は目の前にあるカゴの中から、クチャクチャに縮まった薄紫のショーツをゆっくりと取り出してみた。
洗濯機の前。
峰子は恐る恐るではあるが、その自分の下着を少しだけ開いてチェックしてみた。

・・・変化はない

あるのは気恥ずかしくなるような自分の下着の汚れだけだった。
峰子は釈然としない気持ちのまま、そのショーツを洗濯機の中へポトンと落とした。
そしていつものように脱衣カゴの中身を一枚ずつ取り出しては次々と放り込んでいった。

以前にもこういった事は何度かあった。
洗濯をしようと峰子がそのカゴに手を伸ばした時、なぜかそのカゴの中が何者かの手で荒らされているように感じることが・・・。
その度、峰子の頭に浮かぶのは17歳の息子、真一の顔だった。
もちろんそうという確定などない。
真一が自分の下着をイタズラしている現場を見たわけでもない。

でも・・・

もしそうだとしても峰子にそれを注意することなどできるはずもない。
だいいち、なんて言って真一に注意すればいいのか。
峰子にはその言葉すら浮かばなかった。
その赤い脱衣カゴの中身を荒らされているように感じる事が、峰子が気がついているだけでも週に1、2回はある。
それはこの家の主であった剛志がいなくなってからというもの、以前にも増して頻繁に起こっていたのだ。

峰子はグルグルと渦を巻く洗濯機の中に空ろな眼差しを落としながら、しばらくその場に立ち尽くしていた。

 

「おかあさんっ、まだ選んでるの?」

「えっ・・・」

「こっちに来てよ。このスカートどう思う?」

「あらっ、かわいいわね・・・」

ハンガーに掛かった一枚のスカートを腰にあてるようにしている由加利。
峰子は屈託のない笑顔を見せている由加利のそばへと歩み寄った。

「これ、いいじゃない。とってもかわいいし、由加利に似合ってるわ」

「うん」

満足そうな表情を浮かべている由加利。
その表情を見て、峰子も優しく微笑んだ。

しばらくして、二人はレジの方へと歩いていった。
先ほど見かけた数人の高校生。
峰子は真一と同年代であろう彼らを見て、思った。

(・・・あの子達も、女性の下着とかにイタズラしたいとか思うのかしら・・・)
そんなことを思った。

(・・・きっとそうよ・・・真一だけじゃないはずだわ・・・高校生なんて一番多感な年頃なんだし・・・)

(べつに下着に興味があったって変なことじゃないんだわ・・・変なことじゃ・・・)

峰子はそう自分に言い聞かせていた。

 

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小説(転載) 母心 9/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 9

 

翌日、峰子と由加利は峰子の運転する車で隣街の繁華街へと向かっていった。
由加利の通学用のカバンを買いにいくためである。
月に一回ほどではあるが、よく由加利とはこうして買い物に出掛ける事があった。
以前ならば夫であった剛志の運転でこの繁華街へと訪れていたが、今となってはその剛志も家にはいない。
二人っきりで乗るにはあまりにも贅沢なそのミニバン。
小柄な女性二人が乗っているのだから、廻りから見ればなおさら大きな印象を与える。
その車は釣りやゴルフといったアウトドア志向の剛志が去年、購入したばかりの車だった。
この大きな車も主をなくし、後ろの座席は滑稽なほどにガランとした空間を残してしまっている。

こういった買い物に、息子の真一が付いていく事はこれまで一度もなかった。
女性の買い物に付き合わされるほど迷惑なものはない。
峰子も由加利もそれを知ってか、その日も真一を誘う事はなかった。
しかし娘の由加利からすると、母の峰子と出掛けるのは、とても楽しみなイベントの一つであった。
娘とはいえ、同じ同性として見ても峰子はとても魅力的な女性に見えた。

涼しげな目元。
少し垂れ気味のその目が、より峰子を優しげな印象にさせる。
穏やかな表情をしたときに出来る目尻のシワに、なんとも言えぬ(色気)を感じさせる。
ヒップは少し大きめだか、年齢の割にはバストにハリがあるせいで豊かに見え、女性として十分な肉体をしている。
小柄ではあるが、背筋がピンと伸びて姿勢がよい為、そのたたずまいに品が感じられ、(清楚)(教養)というイメージが感じる。

由加利はそんな美しい峰子の隣で一緒に歩いているだけでも、娘としてなにか誇らしげな気分になれた。
すれ違う人々がチラッと峰子を見ただけでも、なぜか自分が見られているかのような錯覚をおぼえ、うれしかった。
そんな由加利は自分の洋服一つ選ぶのにも、ことあるごとに峰子に意見を求め、そしてその意見を全面的に受け入れていた。
峰子が選ぶものなのだから、間違いがないはず。
娘である由加利からしても、自分の母親とはいえ峰子は憧れにも近い理想の女性像でもあった。

二人がデパートで服を選んでいる途中、ちょうど真一と同年代くらいの男の子達数人とでくわした。
何やら楽しそうに笑いながら、その数人の高校生たちは服を選んでいた。
彼らを見て、峰子はふと真一の事を思い起こした。

(・・・あっ・・・真一の靴下でも買っておかなくちゃ・・・)

由加利をその場に残し、峰子は男性用の靴下売り場の方に歩いていった。
ワゴンの上に雑然と置かれている色とりどりの靴下。
その靴下を何度となく指先で転がしながら、峰子はある事を思い返していた。

 

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小説(転載) 母心 8/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 8

 

真一は履いていたパジャマのズボンとパンツをおもむろに脱ぎ捨てた。
そして着ていたTシャツまでも脱ぎ捨てると、真一は素っ裸の状態になった。
自慰行為をするだけだというのに、なぜ裸になったのか。
普段はせいぜいズボンとトランクスを膝の所まで下ろし、サッサと処理してしまうところだが、その夜に限っては違っていた。
その夜の真一は、まるで何かの儀式でも行うかのような意気込みであったのだろう。
それだけ真一はこの瞬間を心待ちにしていた。

真一は部屋の電気を消した。
パソコンのモニターの光だけがぼんやりと明かりを放っている。
裸のまま、椅子に座っている17歳の高校生。
目の前にはクチャクチャになった母親の下着が転がっている。
青白い光に照らされて、股間ばかりが上を向いている真一のその姿は無気味というよりほかはない。
その肉棒は、まだ何も刺激を与えていないというのに、天井に向かって真っすぐにそそり立っていた。

真一はモニターに浮かぶ峰子をチラリと見た後、いよいよキーボードの上に乗せられていたブラジャーをつまみ上げた。
真一の自慰行為の始まりである。
白いブラジャー。
脱衣カゴからダラリとはみ出てしまっていた、あのブラジャーである。
峰子はその細身の体つきにしては、胸はわりと豊かなほうであった。
決して巨乳とまではいかないが、そのブラジャーからは十分な乳房の大きさを実感できるものだった。
カップのフチをなぞるようにして触れる真一。
細かいレース模様がカップのフチを飾っている。
このブラジャーに触れるのは始めてではなかった。
以前にも何度かこのブラジャーをオカズにしたことがある。
真一はいつもそうしているように、一気に自分の鼻を押し当てた。

(すぅ~・・・はぁぁぁぁ~・・・)

深く息を吸い込む。
まるでブラジャーのカップでマスクをしているかのようなその姿。
何度も何度も呼吸を繰り返す真一。
甘い、そしてなんとも言えぬ女の匂いがそのブラジャーからは発散されている。
次に真一は顔からそのブラジャーを離すと、今度は峰子の乳首が当たっていたであろう場所に人さし指をゆっくりと馳せた。
かつて自分の吸っていた乳首。
その部分にツッーっと優しく触れると、真一はもう一方の手で自分の亀頭のあたりを刺激し始めた。
時折、切ない表情をあげる真一。
真一の頭の中では、乳房を揺らしながら必死に廊下に雑巾がけをしている峰子の姿がある。
ピクン、ピクンと脈打っている真一の肉棒。
そしてもう一度、そのブラジャーから放つ母親の匂いを丹念に嗅いだ。
しばらくそんな行為を繰り返した後、真一はその手に持っていた白いブラジャーを机の端の方に置いた。

じらしにじらした挙げ句、とうとうこの時がきた。
真一のもっとも楽しみにしていたモノ。
クチャクチャに萎んだ黒いパンスト。
目の前にあるそのモノにいよいよ真一は手を伸ばした。
真一の股間はもう爆発寸前の所まできていた。

そのパンストに絡まった状態で、紫色のパンティが少しだけ見えかくれしている。
真一はそのパンストのつま先部分を人さし指と親指でつまみ上げた。
まるで汚いモノでもつまみ上げるかのようなそのしぐさ。
パンストにはパンティが収まったままである。
しばらくそのままの状態を保ち、真一はあらゆる角度から眺め廻した。
そしてしばらくすると、もう一方の手で紫色のパンティの収まっているお尻の部分のナイロンを手の平の上に乗せた。
真一はまるでか弱い小鳥でも乗せているかのように、そっと両手で包み込んだ。
重さが感じられない。
手のひらにそのパンストの質感はかすかに感じる事ができるが、ブラジャーの時のようなずっしりとした重さがまるで感じない。
真一はそのあまりにも果敢ない薄布に、これまで感じた事のないような異常な興奮を感じていた。

真一は無意識のうちに、その丸まったパンストに顔面を擦り当てていた。
今日一日、峰子の下半身に密着しつづけていたはずの、この黒いパンティストッキング。
ヨレヨレに萎んで、情けないほどに不格好になってはいるが、そのパンストからは汗とも言えぬ、湿気を帯びた匂いが香る。
峰子のパンストのあらゆる部分をなで回し、そして匂いを嗅いだ。
決してイイ香りというわけではないが、真一にはたまらない香りではあった。
すこしでも刺激を与えれば、すぐにでも射精をもよおしてしまうのではないかというほどに、真一の股間は堅くなっていた。

峰子はパンストを履いたままパンティを一緒に脱いだ。
パンストとパンティはセットで存在している。
もちろん峰子が脱ぎ捨てたままの状態で、真一の手の中にそれは収まっている。

0時40分。

真一はその黒いパンストの中から紫色のパンティをソッと取り出した。
かさぶたを剥がすかのようにやさしく、ストッキングからパンティを分離させてゆく。
夕食時に見た、あの峰子のパンティは、真一の手のひらの上に乗せられた。
そして恐る恐るパンティの両端の部分を両手てつまみ、そして広げた。
小刻みに震える真一の手。
自分はなんというはしたない事をしているのだと自問自答を繰り返すほどに、その興奮は真一の全身を包み込む。

(・・・はあああ~・・・)

汚れている。
峰子のパンティにシミが付いている。
そのシミは峰子の一番デリケートなところが当たる部分にだ円形を描くようにしみ込んでしまっている。
紫色の華麗なパンティ。
いかにも大人の女、そんなイメージの湧くその下着。
その艶やかさとは似つかわしくないほどの恥ずかしいシミ、汚れが付いていた。
母、峰子のシミ付きパンティ。
息子、真一はそのクロッチ部分をまじまじと見つめていた。
時折、まるであやとりでもしているかのように真一は峰子のパンティを両手でいじくり廻していた。
真一は(いけない、いけない)と思いつつも、その汚れた紫色のパンティに顔を近付けてしまっていた。
パンティと真一の顔との距離が次第に縮まる。
汚れ部分にそっと鼻が接近する。

(ふっふぁ・・・ははあああ~・・・に、におうっ・・・変なニオイがするっ・・・)

峰子の美しい外見とその清楚な雰囲気からは、到底想像も出来ないほどのその匂い。
とうの峰子もまさかこんなにも恥ずかしいモノを息子である真一に見られ、
そして匂いまで嗅がれてしまっているなどとは思ってもいないであろう。
峰子だけではない。
女性ならだれでも自分の汚れモノをマジマジと見られるなど、屈辱以外の何ものでもないはずである。
真一はあまりの匂いに一旦、鼻を背けながらも、もう一度その染付きパンティを愛おしげな眼差しで見つめると、執拗に鼻を押し当てた。

(清潔好きなくせして、なんてシミをつけてんだよぉぉぉ・・・お母さんっ、お母さんのマンコ臭いじゃねえかぁ・・・)

あまりのギャップ。
峰子は清潔感漂う品の良い女である。
なのにその峰子の下着にはシミがついているのである。
しかも肛門の触れていたであろう部分には、少しではあるが茶色い汚れさえ付着してしまっているのである。
しかし、真一はそのヨゴレを見て、がっかりした訳ではない。
むしろ、そのあまりの峰子とのギャップにより一層の興奮を覚えていたのである。

(・・・ムレてる・・・ムレムレじゃねえかよっ。あんなに澄ました顔してこんなにスケベな汁付けてやがって・・・)

心の中で乱暴に母親を侮辱し続けている真一。
ムチムチと擦れ動く峰子のヒップを思い返し、そしてモニターに映る峰子を眺める。
モニターの中の峰子は目の前の真一に大きく股を広げ、恥ずかしげもなく女性器を露出しているのである。
真一はたまらず、机の上に置いてあったあの黒いパンストを自分の勃起したモノに巻き付けてしまっていた。
なんとも言えぬその質感。
激しく上下させる。

(あああああっ)

もう訳が分からなくなるほどに真一の脳内にはアドレナリンが分泌され続けてしまっている。
モニターから放たれる淡い光の前で、真一は素っ裸のまま、峰子のレースのパンティを鼻に押し当てて、
そしてもう一方の手でパンストを使い肉棒をしごき上げているのである。
異常な光景。
あまりにも屈折している真一の性。
実の母親のパンティである。
その匂いを必死に嗅ぎながら自慰行為を行っているのである。

(はあっ、はあっ、お母さんっ、お母さん、おかあさんっ)

今日一日、パンティストッキングにピタッと密着されていたであろう峰子のパンティ。
喫茶店で働いてる時も、そしてその帰りに買い物をしていた時も、夕食の支度をしていた時も、
その峰子の熟れたお尻に密着し続けていたパンティ。
その蒸れきった峰子のシミ付きパンティに、執拗なほどに鼻を擦り付ける息子、真一。

(・・・オレ、匂い嗅いでるんだよぉぉ~・・・、お母さんのマンコの匂い、嗅いじゃってるんだよぉぉ~・・・)

真一は射精する間際にその肉棒からパンストを離した。
そして鼻に押し付けていた紫色のレースのパンティを床に放り投げた。
もうイク寸前の真一。
その床に捨てられたパンティはクチャクチャになった状態で転がっている。
椅子に腰掛けている真一の位置からはシミが見えている。
真一はその捨てられた下着をジッと見下ろしながら自分の乳首を摘んで刺激した。
もう今夜の自慰行為のクライマックスである。

(・・・はあっ、はあっ、あああああっ、おかあさんっ、おかあさんっ・・・)

呟くようにそう言った。
そして握りしめていたその手が一瞬止まると、亀頭の先から一気に白く濁った液が噴出された。
握りしめたままのその手の甲に精液がダラリとまとわりついて垂れている。
真一のたまりにたまった精液はあたり一面に散らばってしまっていた。

 

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小説(転載) 母心 7/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 7

 

真一が入浴してから2時間あまりが過ぎようとしている。
暗闇の中、洗面所のドアの前に立つ真一。
真一の心臓は張り裂けんばかりに激しく脈打っている。
そしてその血液の大半は、早くも股間部分に集中してしまっているかのように、パジャマのズボンを盛り上げている。
興奮のあまり、真一のドアノブを握る手が震えている。
待ちに待ったこの瞬間。
真一は深く息を吸うと、洗面所のドアに掛かっている「入浴中」と書かれたプレートが揺れないようにゆっくりとそのドアを開けた。
ライトを付ける。
真っ先に真一の目に飛び込んできたあの赤い脱衣カゴは、真一が最後に見た時と寸分変わらぬ状態でそこに存在していた。
だらしなく、赤い脱衣カゴからはみ出した峰子のブラジャー。
真一はそのブラジャーに目をやると、すぐに隣にある洗面台の蛇口をひねった。
峰子の寝室は真一達と同じ2階にある。
寝室というと聞こえはいいが、その峰子の寝ている部屋は半年前まで、
この家の主であった剛志のゴルフ道具やタンスの置かれている、言わば物置き替わりのような部屋だ。
その部屋で寝ているはずの峰子。
万が一、もし峰子がまだ起きていた時の為に、怪しまれないようにと、わざわざ真一は蛇口をひねり、水の音を出したのだ。
洗面台の蛇口の音が2階にある峰子の寝ている部屋まで聞こえているのかどうかは定かではないが、そこまで用心深くするのには、
自分のしようとしている行為を絶対に峰子には知られたくないという、罪悪感、後ろめたさが想像以上にあったからだろう。
これから行おうとしている行為は別として、真一のその心配はまともと言えばまとも過ぎる。
しかしそんな真一の気の弱さからは想像がつかないほど、その夜の真一は突飛な行動にでる。
いつもならそこでカゴの中から目的である峰子の衣類だけをつまみ出し、部屋にこっそりと持ち帰るところだか、
その夜の真一はどういうわけかその脱衣カゴごとを抱え込むと、洗面台の蛇口を閉めライトを消したのだ。
いつにも増してその夜の真一は興奮が激しかったのだろう。
もちろん夕食時にみた峰子のパンチラにその原因があったのだろうが、それにも増して、
ついさっきまで時間が経つのも忘れて創作した峰子の刺激的なコラージュ写真がそうさせてしまっていた。
峰子のブラジャーが垂れ下がったままの状態でそのカゴを片手に持ち、真一はまたゆっくりと階段を上り、自分の部屋の中へと戻った。

部屋に入るなり、真一はそのカゴの中身を床の上にぶちまけた。
真一の呼吸は、まるでぜんそくの発作でも起こったかのように、激しく肩を揺らしている。
青いカーペットの上に引っくり返された衣類の中には、もちろん峰子のものだけでなく、真一や妹である由加利のものも混じっている。
床に散らばった色とりどりの衣類たち。
真一はその光景を悠然と見下ろすと、手に持っていた脱衣カゴを床に置いた。
そしてその場にあぐらをかいて座り込むと、まるで神経衰弱でも行うかのように一枚一枚、目的以外のモノを手に取り、
そして手元にあるカゴの中へと放り込んでいった。
目的以外のモノとは、もちろんオカズにならないモノという意味である。
自分の着ていたシャツや靴下、由加利のスカートやシャツ。
次第に床の上は片付いていき、真一の目は異常なほどにギラツキ始めていった。

真一は峰子の着ていた一枚のシャツを床からつまみ上げた。
そして紺色のタイトスカート。
その日、一日峰子が着ていた服である。
真一はその2枚の衣服をベットの上に並べて置いた。
途中、そのホワイトのシャツに顔を埋め、スッーと息を吸うと、峰子の香水の匂いが微かではあるが感じる事が出来た。
ぶちまけられている床の上の衣類は、あと数枚の小さなモノばかりである。
その中に真一のもっとも楽しみにしている宝物がある。
真一は床で団子状態になっている衣類に目を戻した。
まずそこから峰子のブラジャーを手に取ると、自分の膝元へと置いた。
そして由加利の小さなブラジャーを取り、そのままカゴの中へと入れた。
「2年3組 黒木由加利」と名札の付いた体操服をカゴの中へと放り込むと、
その体操服の下に隠れていたあの峰子の黒いストッキングがとうとう真一の目に飛び込んできた。

(・・・ハア、ハア、ハア・・・)

クチャクチャになって小さくなっている峰子のパンティストッキング。
しかも、そのストッキングには峰子のパンティが絡まったままの状態である。

(・・・ハア、ハア、ハア・・・)

夕食の時に真一が偶然見てしまった、あのパンティ。
峰子はストッキングと一緒に下着ごと一気に脱いだのだろう。
峰子が身につけていた時と同じ状態のまま、それは存在していたのだ。
真一は興奮の絶頂にいた。
その峰子の下着の横に由加利の可愛らしいパンツがあり、そのパンツがより一層峰子の下着を引き立たせてしまっていた。
隣にある由加利の下着がかわいそうになるほどのコントラスト。
それが真一にはたまらなかった。
熟女・峰子の紫色のパンティ。
サイドにはレースが施されている。
真一はつまみ上げたその峰子のパンストとパンティ、そしてブラジャーを手に取ると、
机の上にあるパソコンのキーボードの上に雑然と置いた。

モニターには裸体の母、峰子のコラージュが待っていた。

 

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小説(転載) 母心 6/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 6

 

風呂からあがった真一は、自分の部屋に戻ると、その場に籠るようにして一歩も部屋の外に出る事はなかった。
今すぐにでもあの脱衣カゴの中身を部屋に持ち込み、自分の肉棒を擦り上げる事も出来ない訳ではなかったが、
我慢を重ねることで、より一層の快感が得られる事を知っていた真一は、その時間がくるまでジッと時が過ぎるのを待った。

真一がなぜそこまで今夜の自慰行為に特別な思い入れを抱いているのかというと、夕食時に見た峰子に原因があった。
その日の峰子は、珍しく薄手の黒いストッキングを身に付けていた。
黒いストッキングを履いている峰子の姿を見るのは、真一には初めてだった。
その薄さは、少しでも爪を立てればピリピリと裂けてしまいそうなほど頼りなく、
そのナイロンは峰子の足にこれでもかと言わんばかりに密着していた。
スカートから伸びるその2本の足は、例えるならまるでハ虫類のような皮膚感であり、
キッチンに立つ峰子の後ろ姿を見ている真一には、なぜかそれがとても艶かしく映っていた。
そのうえ、食事中に峰子がテーブルから転がり落ちた箸を拾おうとした瞬間に、
真一の位置からはそのしゃがみこんだ峰子の股間の三角地帯がわずかな時間ではあったが丸見えになっていたのだ。
黒いストッキングに覆われているため、その色までははっきりと確認する事は出来なかったが、
ムチッとした太もものスキマから見えた峰子のパンティに真一はなんとも言えず淫媚な印象を受けていた。
ほんの一瞬のハプニングではあったが、真一の目に焼き付いたその光景は何ものにも変えがたい格好の材料だった。

『・・・おかあさんのあの足に密着しているストッキングと、その中で蒸れてしまっているパンティに早く触りたい・・・』

真一は食事を取っている間も、そんな事で頭を一杯にしていたのだ。
食事を終えた後も、真一はなぜ母、峰子がそんな刺激的なストッキングをわざわざ身に付けるようになったのか、
あれこれ考えざるを得なかった。

確かに峰子は剛志との離婚をきっかけにして、少しずつではあるが変わっていった。
剛志がこの家にいる頃よりも、断然化粧も濃くなり、着るものも若々しくなっていった。
今まで専業主婦しか知らなかった女性が(家の中の世界)とは違う(外の世界)と接点を持つようになって、
何一つ変わらない方が不自然かもしれない。
ましてや、峰子は二人の大きな子供がいるとしても独身なのだ。
(家族以外の人の目)、もっと言うならば、(男の視線)というものを意識するようになっていたとしても不思議ではない。

(・・・お母さんもあんな澄ました顔しているくせに・・・)

品のいい峰子にとっては、あの黒いストッキングは精一杯のガンバリなのかもしれない。
そう思うと真一は峰子の中にある(女の部分)を垣間見たような気がしてならなかった。
性とは全く無縁という潔白なイメージが峰子にはあっただけに、その(男の視線)を意識しているという部分が
峰子の中に少しでも存在しているというだけでも、とてもイヤラシく感じて仕方がなかった。

(親子なのにどこか他人)
そんな距離感があった真一と峰子。
あくまでも心の中だけの距離感ではあったが、そのズレが真一の歪んだ性癖を刺激する。

『一人の離婚したばかりの女性』

『高校生と中学生の子供のいる母親』

『喫茶店でパートをしている主婦』

真一には(母・峰子)は(熟女・峰子)でもあった。
涼しげで、どこか知的な雰囲気の漂う美しい熟女である。

真一はまた引き出しからタバコを取り出すと、火を付けた。
そしてパソコンの電源を入れると、その引き出しの中から一枚の写真を取り出した。
高校の入学式の時に撮った写真。
家の前でつまらなそうな表情を浮かべている真一。
その横で薄いグリーンのワンピースを着ている峰子が写っている。
真一はその一枚の写真をスキャナーで取り込むと、パソコンの画像編集ソフトを立ち上げた。
時間も忘れて黙々とモニターを見つめる真一。
しばらくして出来上がったものは、一枚のコラージュ写真だった。
いうまでもなく、それは峰子の裸体を映し出しており、目の前に座る真一に大きく股を広げ誘惑している。
体型も峰子に近いものを選んだだけあって、一見しただけではコラージュだとは思えないような出来映えだった。
乳輪ばかりがなぜかアンバランスに肥大しており、それは真一の好みなのだろう。
モニターの中の峰子は、真一ばかりを見つめたまま、足首に黒いパンティを絡ませ、片方の手で乳房を持ち上げている。

パソコンを触りはじめる前までは、廊下を挟んで向かいにある由加利の部屋からは、CDの音が響いていた。
しかしその音もいつの間にか聞こえなくなっていた。
静まり返った金曜の深夜。
真一は壁掛け時計の方に視線を向けた。

0時10分

換気の為に開けておいた窓のスキマからは、時折、吹く緩やかな風にと共に、木の葉の擦れる音が入ってくる。
真一はもう一度モニターに写った裸体の峰子を見つめ、そしてパジャマの上からコリコリと指先だけで亀頭部分を摘むようにして
刺激を与えると、座っていた椅子からいよいよ腰を上げた。

『・・・ボシカテイ・・・ボシカテイ・・・ボシカテイ・・・』

呟くようにそう言うと、真一はあの(母の下着)のある洗面所へと暗い階段を下りていった。

 

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小説(転載) 母心 5/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 5

 

夜の10時ともなると、この辺りは無気味なほどに静まり返る。
ただでさえ、人口密度もそう高くはないこの街。
それほど車の往来も多くない道路に面しているこの家の付近は、閑静な住宅街というよりも、
むしろ、どこか時間が止まったような雰囲気をかもしだしている。
道路に街灯らしい街灯も立っていないせいか、家の玄関ポーチのライトだけがぼんやりと目立ち、そしてそのかすかな光に照らされて
「黒木」という表札が寂しく浮かんでいる。

「真一、おかあさんお風呂出たわよ。入っちゃいなさい」
母、峰子の声。
浴室から出てきた峰子はバスタオルを身体に巻いた格好のまま、2階にある真一の部屋まで聞こえるように、そう声を上げた。
真一はその声に返事をするわけでもなく、机の椅子に腰掛けたまま動こうとはしなかった。
机の引き出しに隠しておいたタバコを取り出した真一。
そのタバコを吸う一連の動作も、まだどこかぎこちなく、背伸びしている高校生という感は否めない。
真一の足は小刻みに貧乏揺すりを繰り返している。

一本のタバコを吸い終えた真一は、階段を降り、浴室へと向かった。
その途中、峰子が髪を乾かすドライヤーの音が居間から聞こえていた。

有り余る10代の性欲。
その真っただ中にいる真一は、例外に漏れず、自慰行為でそのほとばしるような性を解放していた。
そしてその材料は、言うまでもなく母、峰子だった。
毎日というわけではないが、数年前から真一は峰子の使用済み下着を道具として使う事が多かった。
峰子自身の肉体にその性をぶつける事が許されない息子という立場。
そんな真一からすれば、峰子の肌に密着していたはずの衣類は峰子の分身、そのものであった。
そして「黒木家」から主である(剛志)がいなくなってからというもの、その真一の変質的な行為も次第に増えていった。

4畳ほどの脱衣所。
脱衣所のドアには、由加利がどこかで買ってきた、「入浴中」と書かれたプレートが吊るされている。
その修学旅行のおみやげのようなプレートは2年くらい前から「入浴中」のままだ。
真一は脱衣所のドアを閉めると、着ていたTシャツを脱いだ。
脱衣所には洗面台と、その横に洗濯機がある。
そしてその向かいにはプラスティック製の安っぽいカラーボックスがあり、
そのボックスにはタオル類などが、いかにも峰子らしくキチッと収められている。
脱衣所で服を脱いだ真一は、洗濯機の横に置かれた赤い(脱衣カゴ)の方にチラリと目をやった。
その赤い脱衣カゴからは峰子の白いブラジャーがダラリとだらしなくはみ出されていた。
その様は、いかにも峰子が(脱ぎ捨てた)という印象で、カゴから垂れ下がっている。
外観からは見つける事は出来なかったが、当然このカゴの中には峰子の『ヨゴレモノ』も放り込まれているはずである。
真一は大きなため息を一つ吐くと、髪の毛を掻き揚げた。

ほとんど毎日、一番最後に入浴する事が多い真一は、そのカゴの中に無造作に放り込まれた衣類を覗き見るのが日課だった。
そこで自慰行為をしないまでも、いつもならそこで、そのカゴの中から峰子の下着を見つけだし、
手に取り、広げ、マジマジと眺めるところだった。
しかし、その夜の真一はそのカゴの中に一切、手を付ける事なく、そのまま大人しく浴室の扉を開けた。
今すぐにでも、射精を起こしてしまいそうなピリピリした緊張状態でありながら、峰子の下着に触れなかったのは、
家族が寝静まった後に、じっくりと峰子を(今夜のおかず)にしたかったからだ。

入浴中の真一の股間は、ずっと勃起状態のままだった。

 

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小説(転載) 母心 4/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 4

 

2階にある真一の部屋。
食事を終え、ゲームやテレビでダラダラと時間を潰した後、真一はゴロリと床に横になった。
口を薄く拡げ、浅い呼吸を繰り返しながら、まるで魂でも抜かれてしまっているかのような表情を浮かべている。
次の日は土曜日。
学校も休みだ。
真一は天井の一点をただぼんやりと眺めていた。

「・・・母子家庭・・・」

「・・・ぼしかてい・・・」

「・・・ボシカテイ・・・」

真一は自分にしか聞こえないようなかすかな声で、そう口に出してみた。

真一にとって母、峰子という存在。
それはこれまで、とても微妙な位置に存在していた。
確かに峰子はどんな時でも精神的な姿勢を崩さない、どこか「凛」としたところがあった。
それは夫、剛志がいなくなってからは顕著だった。
毎日の家庭での色々な雑務に追われ、初めての経験である仕事というものを持ち、
これまで専業主婦しかしらなかった峰子にとっては、精神的にも過酷な毎日であるはずだった。
しかし峰子は二人の子供達の前で、「捨てられた者の弱さ」といったものを微塵も感じさせることはなかった。
娘の由加利とたいして変わらない小柄な峰子の体には、底知れぬ「強さ」のようなものが二人にも感じ取られ、
それは言うまでもなく「親」としての緊張感が背景にはあった。
しかし、峰子にあてはまる「親」としての意識というものは、決して世間一般にいう教育熱心な母親というものとは違っていた。
それよりもむしろ、峰子はどこか二人に一線を置いているような印象の母親であった。
娘の由加利に対しては同じ同性としての連帯意識みたいなものもあってか、そうではなかったが、息子である真一に対しては
どこか突き放したような冷たい印象すらあった。
峰子としてはそんな意識は全くなかったのであろう。
しかしそんな峰子に対して、小さい頃からの真一はいつも不安感のようなものが心のどこかに付きまとっていた。
(・・・もしかしたらお母さんは僕の事を嫌いなのではないか・・・)
そういった漠然とした不安を子供心にいつも抱いていた。

(親子といえどもこの範疇には入ってきてはいけない)というような目に見えない線引きのようなものを
無意識の内に敷いていた峰子。
その姿勢を敏感に感じ取ってしまっていた真一は、思春期を迎えるようになると、
しだいにその峰子という存在を(母親)と(女)という二つの存在で意識するようになっていった。
もちろん峰子が女性としても十分な魅力を備えているという事も大きな要素ではあるが、
息子である真一がわざわざ母親である峰子を女として意識するようになったのには、
これまでにあったその二人の精神的な微妙な距離感がそうさせてしまったのだろう。
峰子に対し、母親としてのフィルターを通していた目から、性の目覚めと同時に女としてのフィルターをも持ち得た真一は、
その2枚のフィルターを使い分け、母親としての峰子を性的対象へと膨らませていった。
そしてそれは父親である剛志という存在が、半年前に突然この家から存在感をなくした事でより一層大きく膨らんでいた。
そしてその歪みは急速にねじれていく。
しかし真一は現実として母、峰子との性的交渉を持とうなどと思っている訳ではない。
たとえ、峰子と肉体関係を持ってしまったとしても、それは一時の快楽でしかない。
その後、自分を襲うであろうその背徳的な重荷を背負う覚悟などないことを真一自身よく分っていた。
それよりもむしろ、その「母子家庭」というどこかはかない、暗い箱の中に身を置くこととなった自分達3人を
客観的に意識する事の方が、真一にとってはかっこうの快楽の材料そのものだった。
真一のもっとも興奮する性癖「近親相姦」の世界。
その刺激剤である「母子家庭」というキーワード。

真一は部屋の中心で、だらしなく横になったまま、まるで呪文でも唱えるかのようにその「ボシカテイ」という
言葉を何度となく繰り返している。
そしてその繰り返される呪文の響きに反応するかのように、徐々に真一の股間部分には熱い血がたぎってきていた。
真一のその無気力な表情とは対照的に、盛り上がった股間部分は生々しいほどに動物的な真一の「欲」そのものであった。

 

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小説(転載) 母心 3/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 3

 

食事を半分ほど残し、真一は席を立った。
真一のごちそうさまの声は、隣で話す由加利の声に隠れてしまっていた。

「もういいの?」

「うん」

冷蔵庫を開け、峰子が作った自家製のオレンジジュースをコップに注ぐと、真一は自分の部屋へと戻っていった。

「お兄ちゃん、最近元気ないね」

「そうね・・・」

「学校とかでなにかあったのかもよ」
おどけるような表情を浮かべながら由加利はそういった。

「なにかって?」

「例えばさ、彼女に振られたとか、あと、いじめられてるとか。まあ、いろいろあるじゃない」

「彼女なんかいるのかしら」

「分かんないけどさ。まぁ、学生もいろいろあるのよ、いろいろと」
由加利は口を尖らせて、わざと大人びた口調でそういうと、からかい半分で言った自分の冗談に
予想以上に反応を示してしまっている峰子に申し訳なく思ったのか、うそよ、うそ、と言い残し席から離れた。

誰もいなくなった食卓。
峰子はどこを見る訳でもなく、細い肩を落としながら頬杖をついていた。

 

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小説(転載) 母心 2/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 2

 

夕食は決まって夜の7時だった。
峰子は7時になった時点で食卓に料理を並べる事が出来なければ、夕食のおかず一品を減らすくらいに時間に几帳面な女だった。
7時より前になることもなければ、後になることもない。
子供達二人も、その時間がくると当たり前のようにテーブルに着く。
別にそれが息苦しいなどと感じた事もない。
それがこの家庭での習慣であり、どこの家でもそうであろうとさえ思っていた。

畳2枚ほどのダイニングテーブル。
キッチンの小窓にはピンク色の小さなカーテンが掛かっている。
キッチンを背にして峰子が座り、その向かいに由加利。そしてその隣が真一の席だ。
つい半年ほど前までは峰子の隣の席には夫の剛志がいた。
その椅子には、小さなクッションが敷かれたままポツンと存在している。

剛志は不動産会社を経営している男だった。
けっして大きな会社とは言えないが、地元では少しは名の知れた存在であった。
峰子と違い、軽いほどにお調子者で世渡り上手の剛志は、短い期間で経営を軌道に乗せることに成功していた。
そしてこの不景気でも安定した売り上げを確保するほどの会社を築き上げていた。

世渡り上手の商売人の剛志。神経質なほどに潔癖な峰子。
もともとこの二人の相性も悪かったのだろう。
突然、剛志から一枚の離婚届と手紙の入った封書が家に届けられたのは去年の暮れのことだった。
面と向かって離婚を切り出すのではなく、2、3日家を空けた後、手紙で用を済まそうというのがいかにも剛志らしかった。
それは峰子の性格を知り尽くした上での、一つの戦略でもあったのだろう。
飲む、打つ、買う、3拍子揃った剛志が数日家を空けることなど別に珍しい事でもなかったし、
峰子も別段、気にも留めていなかった。
ただ不意打ちのように送りつけられたその離婚届を目にした時、峰子はやはり動揺を隠す事は出来なかった。
離婚届と共に同封されていた手紙には、今住んでいる土地建物、峰子に対する慰謝料、
そして毎月支払うと記された真一と由加利の養育費を含めた具体的な生活費の額がしたためられていた。
峰子は同封されていたその手紙よりも、離婚届の方を濡れた手でじっと握りしめていた。
峰子はその日のうちにその離婚届に判を押し、そして速達で送り返した。
速達で送り返したのは、せめてもの峰子の意地であり抵抗だった。
(速達)と赤い印が押されている封書を受け取った剛志も、
峰子が手紙の中に記されていた十分な金額に目がくらんだ訳ではない事を十分に承知している。
剛志のシナリオ通りに、この離婚は成立した。

翌月の峰子の通帳には約束の期日通りにお金が入金された。
毎月の生活費も十分な額だった。
峰子が外に働きに出る必要性も特になかったが、峰子はどうしても外で働いてみたかった。
剛志からのこの仕打ちを少しでも紛らわせようと、峰子は必死だった。
これまで専業主婦しか知らない峰子にとって、働くという行為は未知のものである。
離婚して間もなく、そんな峰子の経緯を知った古くからの友人が自分の喫茶店を手伝ってみないかと声をかけてくれた。
もともと几帳面で、ちょっとした洋菓子などを作る事が出来る峰子は苦もなくその仕事に打ち解ける事が出来た。
毎月のお給料は剛志の入れてくる生活費には遠く及ばなかったが、それでも峰子はこれまでに感じた事のない喜びを味わっていた。
そして何より、憂いのある美しい峰子を目当てに来店するお客が、チラホラではあるが現れるようになっている事を
峰子自身なんとなく気がついていた。
(・・・まだまだ自分も女なんだわ・・・)
峰子は少しづつではあるが、剛志と別れた事が自分の人生において正解であったのかもしれないと思いはじめていた。

しかし喫茶店での仕事を終え、家に戻り、こう二人の子供達と夕食のテーブルを囲んでいると、
峰子の心の中にどうしても寂しさと悔しさが込み上げてくる。
目の前に座っている高校2年生の息子、真一。
中学2年生の娘、由加利。
峰子も含めてこの3人は主である剛志に捨てられたのは事実だ。
もともと快活な性格の由加利だけは、その事実を知って知らずか、この暗いテーブルを和やかにする。
今日あった学校での出来事を何度となく話し、そして大きな口を開けて笑う。
由加利は明日、峰子と一緒に買いに行く新しいカバンの事をひっきりなしに話していた。
隣で黙ったまま、黙々と食事をとる真一。
台所の小窓から、ゆるやかに風が流れカーテンを揺らす。
峰子はいつも浮かばない顔をしている真一が気にかかっていた。
自分達の離婚が、この二人の子供達に悪い影響を与えることだけは避けたかった。
由加利とは違い、真一は小さい頃から自分を主張することが少なかった。
学校でも目立った存在ではなく、控えめで大人しいのであろう。
時々、優しげな微笑みがとても悲しく見える青年。
真一はそんな印象だった。

 

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小説(転載) 母心 1/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 1

 

家の軒下に、小さなツバメの巣がある。
朝、親鳥がそこからさっそうと飛び出す姿を真一は何度か目にすることがあった。
その巣の中に、ひな鳥達が何羽いるのかまでは分からない。
ただ真一は、家を出る度にその巣を眺めては、その中で小さくなっているであろうヒナ達を想像して、
一人、ほのぼのとした気持ちになっていた。

その日、真一はいつものように学校から帰宅すると、なにをするわけでもなく、ただテレビをぼんやりと眺めていた。
夕食の時間まで、まだ2時間はある。
学校では一応、吹奏楽部に籍を置いてはいるが、真面目に参加したことはこれまで一度もなかった。
中学校の時からの友人が吹奏楽部に入るからという理由だけで、真一も入部しただけのことだった。
他の部員からすれば、真一が吹奏楽部に籍があることすら知らない者が多いのだろう。
どこかに寄り道するわけでもなく、ただまっすぐと自転車に乗って帰ってくる。
これといった特技があるわけでもない。
人に誇れるものがあるわけでもない。
別にグレるわけでもなく、これといった欲もない。
要するに、時間ばかりを持て余す、どこにでもいる高校生だった。

下では母の峰子が夕食の支度をしていた。
いつもそうしているように、台所には峰子の好きなヒーリング音楽が流れている。
悠々としたその音を聞きながら、峰子は鍋の中に箸を入れていた。
その時、少しだけ開けていた台所の窓からあわただしく風が入ってきて、テーブルの上に広げられていた新聞の折り込み広告が
バサバサと床に散らばった。
峰子は慌てて菜箸をまな板の上に置くと、床に散乱しているチラシを見渡した。
20枚以上のチラシ類が床のあちらこちらに散乱している。
峰子は軽いため息をひとつ吐くと、腰をかがめ散らばったチラシを一枚づつ拾い上げた。
ちょうど学校から帰ってきたばかりの由加利は玄関で靴を脱ぎ捨てるようにして、家の中に入ってきた。
そして廊下まで飛んでしまっていた一枚のチラシを拾い上げると、そのまま峰子の方に歩み寄った。

「ねえ、おかあさん。明日、お店休みでしょ」

「うん」

「カバン買いに行くの付き合ってよ」

「あるじゃないの」

「もう、みんな新しいの買ってるよっ。こんなの持ってるのワタシくらいだよっ」

そう言うと由加利は持っていたカバンをテーブルの椅子に投げ捨てるようにして置いた。
由加利の話では、自分の持っている学校指定のカバンを使っているのは1年生くらいまでで、
2年生ともなると、みんな自分の好きなカバンで登校しているという事だった。

「・・・ねぇ、いいでしょ・・・」

「・・・・・・」

「ねぇ・・・」

「しょうがないわね、じゃあ、明日一緒に行ってあげるわよ」

峰子はため息混じりにそう言うと、手に持っていたチラシを折り畳み、新聞の間に挟み込んだ。

 

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。