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小説(転載)  飲み会での想い出

官能小説
12 /31 2018
十二月はじめの頃の話だ。
僕がバイトしている料理屋の仲間で忘年会を開く事になった。
まぁ、仲間といってもバイトは僕ただ一人で、ほかの人とはずっと歳が離れてるけど。
正直、行きたくはなかった。話とか合う訳がない。
でもここの人達には普段からよくしてもらっているし、しょうがなく行く事にした。
できればすぐに抜けさせてもらうつもりで。

「えっ?忘年会って他のとこでするんじゃないんですか?」
バイトしている店に連れて行かれて僕は少し驚いた。
「あー、うちは毎年ここよ。今日店休みだから俺らの貸切みたいなもんだ。もちろん、ただ。食べ放題。」
「へー、いいですね。」
「だろ?でも俺達が自分で料理しなきゃなんねーけどな。」
そういって安野先輩が手で包丁の真似をする。
二十五歳の安野先輩とは一番歳が近い。僕が通っている高校の出身なので先輩と呼んでいる。
後の人はみんなさんづけだ。
「おう、テルくんは酒もう飲めんだろぉ。」
ギャンブル好きの田村さんが話し掛けてくる。
田村さんはまだ四十過ぎたばかりの人のハズだがとてもそうは見えない。
髪の毛がほとんどなくなっているのだ。
「うーん。ちょっとだけ。」
といいつつ、結構自信あるんだよね。
「そうなん?テルくん、もうお酒飲むの。」
ここの料理屋唯一の女性、牧田さんだ。
詳しくは知らないが四十前後で子供ももう大きいらしい。
彼女は僕と一緒の、まあ、雑用係なのでいろいろとお世話になっている。
「へへ。少しだけですよ。」
「そう。フフ。」
そういいながら僕達は二階の座敷へ入った。
そこは二つある個室の広いほうの部屋だ。
「あ、前田さんもう来てたんですか。」
そこには安野の少し先輩である前田さんがいた。
僕、この人苦手なんだよなぁ。口数少ないし、怖そうだし。
「・・・。おぅ。」
もうすでにビールを飲んでいる。
「あれ?オーナーさんはこないんですか?」
「ああ、オーナーは来ないよ。とにかく今日だけは好きにやってくれって事。」
へぇ、そうなんだ。
えらい人がいないってのは結構気楽だな。
「よし、じゃぁ今日は俺が全部料理をしてやるよ。ちょっと前田さんにも俺の上達した腕前をみせとかないとな。」
そういって早速安野が下へ降りた。
えっ?そんな・・・。安野先輩としか僕、うまく話しできないのに・・・。
そう思いつつも、僕はざぶとんに座った。前田さんと離れて。


「だからよー、あのレースでのまくりはすごかったぜー。」
二時間くらいたっただろうか。
もうすでにみんなできあがってしまっていた。
料理を作っていた安野先輩は今はカラオケで熱唱。
競輪好きの田村さんは誰にしゃべっているのか競輪か何かの昔話をしている。
前田さんは相変わらず一人でビールを飲んでいる。さっきまでは安野先輩の料理をあーだこーだ言っていたけど。
僕はしょうがなくという訳ではないけど、横にいた牧田さんとおしゃべりしていた。
「へぇー・・・、そうなん。テルくん野球してんの・・・。」
牧田さんは酒に弱いらしくもうだいぶ酔いが回っているようだ。
断ってはいたのだが、田村さんに強引に飲まされていたのだ。
「大丈夫ですか?もうそうとうきてますね。」
「だいじょうぶよー・・・。それにしてもテルくん、お酒つよいわねー。」
「ええ・・・まあ。」
さっきから思っていたけど牧田さんて結構話しやすい人だ。
普段は仕事意外の事はあまり話さないのでそんな事思わなかった。
それに歳の割には結構美人だしね。歳の割には、だけど。
「んー、なんかもう眠いわ。また寝ちゃうかも・・・。」
牧田さんはジーンズに白のセーターというごく普通の服装。
でも、酒が入ってるせいかこんなおばさんなのについつい胸に目がいってしまうんだよな。
・・・けっこうありそうだぞ。セーターって胸の膨らみがよく分かる。
あーあ、僕も酔ってるな。
「さぁて、じゃわしはそろそろ帰るかの。明日に備えて。」
田村さんがそういうと、みんなあまり引きとめもせずにいた。
明日の”ギャンブルに”備えてというのを分かっていたので。
一応、僕と前田さんが入り口まで見送っていった。
部屋に戻ると、牧田さんは畳に寝ていた。
顔を覗いてみると本当に眠ってしまったようだ。
「しかし、この音でよく寝れますね。」
先輩のカラオケはまだ続いている。
お気に入りの曲ばかり繰り返し歌っているのだ。
「ああ。牧田さんはいつもだよ。・・・・・・安野も。」
ふーん。
その時やっと満足したのか安野がマイクを離した。
「あー、気持ち良かった!これだけ歌ってやりャもういいだろ。よーし、勘弁してやる。」
誰に言ってるんだろう・・・。
いままでうるさかった分、急に部屋が静かになった気がする。
「おい、テル。今度はおまえ歌えよ。」
「いや、僕はいいですよ。もう、牧田さん寝ちゃってるし。」
「お?あれ、ほんとだ。」
先輩は牧田さんを見るとしょうがないなという顔をした。
「じゃ、残った俺の料理でも食ってくれ。なんならまだまだ作ってやるぞ。」
「あ、はい。それじゃ、いただきます。」
その後、しばらく三人で話した。
前田さんとも結構話せるようになった。



「しっかし、蓉子ちゃん、熟睡してるなぁ。」
先輩が牧田さんを見ながら言った。
「蓉子ちゃん?牧田さんの事ですか?」
「そう!ハハハハ。」
へぇ。蓉子さんか・・・。なんか名前で呼ぶとピーンと来ないな。
「いつも酔うとこうなんだよ。それで俺達がつれて帰らないとならなくなるんだ。」
前田さんがビールをのみながら言う。
「えへへ。テル。ちょっと胸でも触ってみなよ。蓉子ちゃんこうなるとなんにも感じなくなるから。」
「なっ、なに言ってんスか。」
「ほんとだって。そいで次の日には昨日あった事なんて全然覚えてないんだからさ。」
じゃあこの人、いつも触ったりしているのだろうか。
「そうなんだよ。俺達が苦労して送ってやった事なんかも全て忘れてんのさ・・。」
「へぇ・・・。なんか危ないですね。」
牧田さんを見た。だんなさんも子供もいるのにこんなに無防備でいいのかな。
でもここの店長いし、田村さん以外とは十以上歳離れてるから気にならないのか。
気がつくと二人も牧田さんを見ていた。
なんか危ない香りがする。
「もう、やだなぁ先輩。それセクハラですよ、セクハラ。」
「・・・。」
先輩は前田さんを見た。
「ねぇ、前田さん。いっちょヤッちゃいませんか?俺、なんか溜まっちゃってて。」
「ちょ、ちょっと!なにいってんスか。それってレイプでしょ!」
「・・・・・・。確かに俺も女抱きたいと思ってた。」
なっなんなんだ・・・。
ヤバいよこの二人。マジなの?犯罪だって・・・。
「ね。蓉子ちゃんのことだから明日には絶対忘れてますって。それどころかヤッてる最中ももしかして起きないかも。」
「ああ・・・。よし、抱いてやるか・・・。」
僕はもうどうしていいか分からなかった。
こんなおばさんを相手にほんとセックスするつもりか・・・?
それに完全に犯罪じゃないか。
すると前田さんがこっちを見ていった。
「テル。お前ももちろんするだろ。」
「えっ・・・。いや、でも・・・。」
「だーいじょうぶだって。絶対覚えてやしないし、逆に喜ばれるぜ。蓉子ちゃんスケベそうだからな。」
牧田さんを見た。僕らの緊張をまったく感じもせずに眠っている。
そりゃ、確かにセックスはしたい。
でも、ホントにいいのか?
いままで僕は牧田さんがセックスをするなんて思いもしなかった。物理的にできないと思ってた。
全然、そんな対象ではなかったから。
こんなおばさんでもセックスできるのか・・・?
「テル、童貞だろ。」
先輩が聞く。
「はっ・・・はい。」
「じゃあ、やっとけって。いいぞ、おま○こは。」
・・・つい頷いただけなのだが、二人の行動は速かった。



まず、前田さんが押入れの中から布団を出してくる。
いちおう一組用意してあるのだ。
そして先輩が牧野さんを抱えて布団の上へ寝かした。
そしてすぐにジーンズのベルトへ手をかける。
カチャカチャとはずす音が僕を妙に興奮させた。
そして先輩はもう一気にジーンズを引きおろして足から抜いた。
「やっぱりおばさんだよな。」
牧田さんは腰から太ももまでが隠れるようなブラウンのショーツをはいていた。
しかし僕には、なぜだかものすごく卑猥なものに見えた。
その間にも前田さんがセーターを脱がして、手や頭から抜こうとしている。
ブラジャーも同色の幅広く隠すタイプのものだ。ふくらみもまあまあある。
下着姿にされても牧田さんは全然起きる気配が無い。
うっ、水着みたいだけど興奮する・・・。
「一気に脱がせるぞ。」
そういうと先輩がショーツに手をかけめくっていった。
うわっ、でたっ!ヘアだ。わー、ほんとにだしちゃったよ。
でも、結構毛深いんだな・・・。
ついそこに見とれていると、前田さんの方もブラジャーを取り終わっていた。
乳首は黒ずんでいるが、あきらかなそのふくらみが僕を興奮させる。
ほらよと先輩が僕にショーツを手渡した。
どうしようかと思ったがやっぱりアソコの部分をじっと見てしまう。
レースの生地がやけに興奮させる。
でも、ぜんぶ脱がしちゃったんだ・・・。
これだけでイッちゃいそうだ。
もう前田さんは胸を揉み始めている。
「テル。ここ見たことないだろ?」
ふいに声をかけられびくっとした。
「は、はい!」
「なにそんなに緊張してんだよ。じゃ、こっち来てみてみな。」
・・・。そこはまさにデンジャラスな場所だった。
うーん。どういえばいいのだろう。
横から先輩がいろいろ説明してくれてたけどほとんど頭に入らなかった。
ただ、いままでの牧田さんの、というか女性のイメージが崩れてしまった事だけは確かだ。その時・・・
「う・・・うん・・・。」
ビクッ。
いま牧田さんがしゃべった。
しゃべったよ・・・!?
「・・・大丈夫だ。起きちゃいない。」
前田さんが焦りもしないで言った。
先輩は牧田さんのま○こに指を入れたり舐めまわしたりしている。
うわっ、あんな大胆に指突っ込んでるっ。
ほんと入るんだぁ。
しかしこの二人はセックスになれている感じがする。
舐め方や手の使い方などとても真似できそうに無い。
ずっと年上の牧田さんが完全に二人のおもちゃにされている気がした。
「よぉし、テル。最初はお前からだ。もうびちょびちょだぜ。いいでしょ?前田さん。」
「ああ。テル始めてだからな・・・。」
「えー!?そんなー・・・。」
二人はもう自分の服を脱ぎ始めている。
仕方なく僕も服を脱いだ。パンツを脱ぐ時はものすごく恥ずかしかった。
二人のを先に見てしまったから特に。
「よし、じゃいけよ。」
もうやけくそだ。
よし、ここだな。
牧田さん、ごめんなさい!
「うっ!」
一気にずっぽり入ってしまってつい声を上げてしまった。
あっ温かくて気持ちいい・・・。
「テル、中に出すなよ。」
それくらい分かってますって。
僕はゆっくりと味わいたくて静かに腰を動かした。
これが、これがそう・・・なのか。
牧田さんの上に乗りながら胸もいじってみたりする。柔らかい。温かい。
しばらくすると下半身からぬちゅぬちゅっという音がし始めた。
うっすごい。でも牧田さんはまだ気がつかないのか・・・。
「やばい!」
その時急に射精感が襲って来た。
もう少し入れていたかったが僕は一気にペ○スを引き抜いた。
「・・・っ!」
ヘアの上にペ○スを乗せ、牧田さんのお腹に向かって射精した。
すさまじい快感の中で僕は童貞を捨てた事を実感した。(早かったけど・・・)



その次に始めた前田さんの時だ。
「ん・・・?もぅ、なぁに・・・?」
ヤバイ!!!起きちゃった!牧田さん起きちゃったよ!?
しかし、心配したのもつかの間牧田さんは前田さんの行為をみると手を背中に絡ませ、甘い声をあげ始めた。
「・・・やっぱりスケベだったな。」
僕はいままで続いていた緊張がやっとほぐれたような気がした。



よぉーし。
もう一回だ。
先輩と前田さんのを見た後じゃちょっと気が引けるけど。
バックでやってやる。
「おぉ、テル、乗ってきてるな。」
張り切っているのが分かったのか先輩が言う。
しかし、二人のセックスはすごかった。
なんというか・・・。もう何度も体位を変え、牧田さんを攻め立ててた。
牧田さんもすんごいスケベな感じで相手してたけど、ちょっと負けてたなぁ。
先輩なんか名前呼び捨てにしながら顔射してるし・・・。
「じゃぁ・・・後ろから・・・。」
僕が膝立ちになって近寄ると牧田さんはやさしい微笑を浮かべて四つんばいになってくれた。
よし・・・。
僕はヒップをがっしりつかんでペ○スを挿入した。
ち○こ拭いてないけど大丈夫だよな・・・。
僕はさっきとは違い、大胆に腰を動かした。
それに答えて牧田さんが声を上げてくれる。
「あん・・・ん、ん、ん・・・。」
僕と牧田さんの身体がぶつかってパンパンと音を立てる。それがまた心地よかった。
二度目だったので結構もったんだけど、またすぐに射精感が迫ってきた。
今度はギリギリまで我慢して引きぬくと牧田さんの白いお尻にかけてやった。
できるだけ全体にかかるように。
ふと牧田さんの顔を見るとこちらを振り返り微笑みながらそれを見ていた。




「でも、あんときはすごかったなぁ。」
その時の事を思い出しながらつぶやいてみる。
つい働いている牧田さんのお尻を見るたびに思い出すのだ。
あの後も僕達は牧田さんに欲望をぶつけつづけた。
しかし、ホッとしたというかなんというか、牧田さんは何も覚えていないようだ。
あの時以来牧田さんとはすごく仲良く話せるようになった。
前田さんとも。
ふと思う。あーぁ、もう一度飲み会しないかなぁ・・・。なんて、ね。
「ねえ、テルくん。」
「はい?」
牧田さんがそっと近くによって来ていた。
「・・・今度、わたしと二人っきりでさ。どっか飲みに行こう。」
「えっ!?」
その時の牧田さんの顔はすごくエッチに見えたんだ。



END

小説(転載)  明美先生と生徒

官能小説
12 /31 2018
1.

 夏休み、と言えば中学生女子が変身する時、のようによく言われるが、中学三年生の達也にとっても今年の夏は変わる予感があった。いや、変わらなくちゃいけない、という義務を感じていたという方が正しい。
 順を追って話すと、達也が中学二年の冬。剣道部に入っていた彼は、仲間内である賭けをした。当時引退間近だった三年の主将と勝負をし、もし勝てたらある女性に告白をする、というものだった。達也は当時でも部内で最強ではと噂されており、ちょっとした下克上感覚に女性への告白という思春期スパイスをまぶした、中学生らしいアソビといえた。
 そして見事に達也は先輩に勝った。だから、みんなに囃し立てられながら放課後に告白した。
 だが、にべも無く断られた。
 当然だった。
 相手は剣道部顧問の教師、相沢明美だったからだ。
 相沢明美は三十三歳。性格は明るくはつらつ、気軽に話しかけられるフレンドリーな英語教師として一般生徒達の人気も高く、一方で、質素な服装という教師の決まりからはみ出たスタイルから滲む大人の魅力に迷い、夜のオカズに使う生徒もチラホラという中堅教師だ。
 達也はその生徒達の憧れを出し抜くつもりで告白した。だが、中学生の告白が三十路の教師に通じるはずもない。「フラれた」と仲間に報告したとき、皆やっぱりなと笑って慰める反面、心の隅でホッと胸を撫で下ろしたものだ。
 だが、実際には違った。
 教室での達也の告白が「気持ちは嬉しいんだけど…付き合えるわけないじゃん」と軽くすかされたのは確かだった。そして、教師に対してそんな告白をすることを注意されたのも事実。だが、予想通りの返答に笑いながらしょげ返った達也に、相沢先生は意味ありげな表情で質問をしたのだった。

「どうして先生なの? 周りの子じゃなくって」
「そりゃあ先生きれいだし、喋ってて楽しいし」
「でも達也ってD組の斉藤さん好きなんじゃないの? そんな噂聞いたゾ」
 達也は大きく首を振って否定した。
「でも私、もう三十過ぎ……はっきり言うともう三十三歳よ。キミ達みたいな中学生から興味持ってもらえる歳じゃないと思うけどなぁ。まだ若い山岡先生とかなら分かるけど」
 呆れるように言いながらもどこか楽しそうな明美先生に、達也は再び首を振った。
「いや、先生のその…大人の魅力って言うか、俺、ずっと憧れてたから」
「大人の魅力、ある?」
 明美先生は言いながら胸の下で腕を組み、足も組み直した。すると長袖のブラウス越しに、中学生には決してでない大人のバストが浮き上がり、膝上10?のタイトスカートの奥も覗けそうになった。
 達也は股間が盛り上がるのを必死に隠した。そんな中学生の願望を見透かしたように、明美先生は言ってのけたのだった。
「要するに『初体験』したいんだろ」
 ウッとうめいて達也は固まった。明美は面白がるように達也の顔を上目遣いで見た。すぐ否定すれば良かったのだろうが、達也はそれも白々しい気がして出来なかった。
 その通り。SEXをしたい。そんな思いが強くなったとき、思い浮かんだのは小便臭い女子ではなく、まだ子供みたいな新任教師でもなく、綺麗でアブナい雰囲気を持つ顧問教師だった。SEX=大人の証なんだから、相手は成熟した大人がいい。そうすれば大人の世界に殴り込みをかけられる気がした。それに、みんなに慕われる存在を自分のモノに出来たらなんとオイしいか。もしかしたら明美先生なら…と。
 しかし、中学生の妄想が叶うほど現実は甘くない。
「今が一番そんなコトに興味ある年頃だとは思うけどね」
 そう言った顧問教師の化粧顔は余裕に満ち、ノリと勢いと勘違いだけで来た中学生を居たたまれなくした。十四歳と三十三歳女教師。冷静に見れば、あまりに離れすぎているのだ。
 しかし、慌てて出て行こうとする達也に、思いも寄らぬ言葉がかけられた。
「達也くん。そっちだったら先生、考えてあげなくもないよ」
「……え?」
 驚いて振り返ると、女教師の顔にはまるで挑発するような笑みが浮かんでいた。
「そっちだったらって?」
 裏返りそうな声で達也は聞いた。
「だから、そっち」
 明美先生は艶めかしい白い足をこれ見よがしに組み直し、付け加えた。
「付き合うってんじゃなく、性教育の一環としてならねってこと。恋愛は無理でも、そっちだったら先生でも何とかしてアゲれるかもよ。達也が望むなら」
 達也は興奮で飛び上がりそうになった。願ってもないことではないか。
「マジ? ホント!? でも、なんで!?」
 しつこいくらい「ホント!?」を繰り返す中学生に、もう若年とは呼べない美人教師は色っぽい声を低くして言った。
「だって先生、初めてだから、そんな告白されたの。中学校だから、いつかはあるかなって期待してたんだけど」
 最後の方は冗談っぽく言い、妖しく笑った。セミロングレイヤーの髪が頬にかかり、歳のためかちょっとケバめな雰囲気が、達也を淫靡な世界に誘い込む。
(ヤバい、三十三歳、ヤバい。先生、スゲェエロく見える…)
 達也は顧問教師の変貌ぶりに驚き、そして、乱舞せんばかりに喜んだ。
「で、どうなの。SEXしたいの」
「う、うん。ハイ! したい!! SEXがしたい!!」
「オッケー」
 悪戯に同意するような返事をすると、明美先生は口元に人差し指を立て、内緒の仕草をした。
「私がもっと若い頃こんなこと言われてたら多分断ってたんだろうな。でも、年取ったせいかな……。可愛い教え子のお願い断りたくないし」
 まるで自分に言い聞かせるように言い、明美先生は自分の身体を見た。
 そのどこか寂しげな物言いがちょっと引っ掛かった達也だったが、欲情の前にすぐに掻き消されてしまった。
「イケない先生かな。気持ち悪かったりする? でも、ホント可愛くて、みんな」
「いいや、全然! 明美ちゃん最高じゃん!!」
「あはは。じゃそういうコトね。でもちょっと待って。すぐって訳にはいかないから、またそういう時に。だからそれまで剣道、頑張って」
 そういう時とはどういう時なのだろうと思ったが、達也は取り敢えずSEXの約束を交わしたことに舞い上がった。そして先取りとばかり明美のタイトスカートを凝視すると、明美は組んでいた足を解いてくれた。達也は逞しい太股とスカートの隙間に目を凝らした。が、見えたのは白い太股の付け根付近までだった。
 フレンドリーな女教師はもう一度内緒のポーズをした。

 そこまではありがちな話だった。
 その夜、達也はこれでもかというくらいペニスを洗い立てた。
 ありとあらゆる想像と妄想がが入り交じって、何度も何度もオナニーをしてしまった。
 だが、それから幾日たっても明美先生からサインは出なかったのだ。
 春を迎え、三年生になり、剣道部主将にもなった達也は、以前と変わらずフレンドリーな性格で生徒に人気がある顧問教師を、一日千秋の思いで待ち続けた。
 しかし何度となく催促したにもかかわらず、あれよあれよと時は過ぎ、一学期の終わりの終業式で、達也は思い掛けない事実を告げられたのだった。
「え~、相沢明美先生はご結婚のため、この夏休みをもって当校を去ることになりました」
 禿げた校長の言葉に生徒はどよめき、その中でも達也は叫びに近い声を上げた。
(結婚!? あの約束はウソだったのかよ、明美ちゃん!?)
 あの時の約束は、その場しのぎの嘘だったのか。時が経ちすぎて気が変わったのか。達也は泣きそうになりながら、式後に誰よりも早く明美に取り付き、人気のない所にさらった。思い切って今この時、初体験を済ませてもらうとの覚悟で。
 しかし明美先生は今にも襲い掛からんと抱き付く剣道部主将の耳元で囁いた。
「待たせてごめん、達也。あと、黙っててごめん。一学期は結婚とかでいろいろ忙しくて……。でもね、剣道部の夏休みの合宿。そこでチャンスみて、ね」
 うるさいだけの中学生女子のそれとは違い、落ち着いた艶っぽい声。終業式に相応しいグレーのスーツに包まれた、三十三歳の身体は思いのほか華奢で、でも中身が詰まっていて、香水の匂いと共に達也をとてもいい気持ちにさせる。
 達也は、たちまち待たされていた時間のことなど忘れ、舞い上がってしまった。
 160ちょっとの明美先生の身長を越したのは何時だったか。三年の今では、達也の身長は頭一つ上だ。
「先生、最後だから。約束する、達也を男にしてあげる」
 結婚前だという明美先生は頼り甲斐がある口調で言った。
 その言葉を聞いて達也は思った。もしかしたら明美先生はこの最後の時を待っていたのかも知れない、と。後腐れがないように。そして、だからこそ、達也の頼みにOKを出したのではないか。
 だが、そんな猜疑心もすぐに吹き飛んだ。どうでもいいことだと思った。とうとう女を知る事が出来るのだ、それも権威のある教師という存在で。加えて、結婚して人妻になると言うリミットが、なおさら早く済ませねばならないという焦りと興奮を生んだ。
「私、この学校が、剣道部が好きなの。だから、楽しい思い出、合宿でつくろ」
 明美先生は寂しげに言った。
 達也はグレーの上着越しに教師の胸を触った。サイズ85の、何に例えれば良いのか解らないような初めての弾力が、手に伝わった。

 そして八月某日、剣道部は合宿に向かったのだった。

 

2.

 十名の部員と部長である男性教諭、それに相沢顧問を乗せるバスが着いたのは、山奥の湖畔にある古旅館だった。
 避暑地などと言うのもおこがましいその場所は、少ない予算に見合った陳腐さを隠しもせず放っていた。夏休みだというのに観光客の姿もまばらで、まるで貸し切りのような静けさだ。もっとも、合宿を行えるだけ剣道部は感謝しなくてはいけなかった。
 剣道のことよりも初体験のことで頭がいっぱいな達也を先頭に、三年生三人、二年生二人、一年生三人がバスを降り立った。女子部員全てを含む不参加組が多数居るとはいえ、こんなに仲間がいてほんとに初体験が出来るのだろうか。そんな達也の心配を吹き飛ばすような、おあつらえ向きな事件が、その時に起こった。
 バスを降りた途端、一人の生徒がいきなり呻きだし、口を押さえながら派手にトイレに駆けだしたのだ。なんだアイツと笑う達也主将の横を、一人二人…。中年の男性教諭までもがトイレに猛然と駆け込んでいった。
 食中毒だった。バスに乗ってすぐに食べた仕出し弁当にあたったのだ。
 結局チェックインする前に皆が救急車で運ばれ、検査の結果五人が入院することとなってしまった。当然合宿も中止になると思われたが、バスの手配や旅館のキャンセルが利かないなどの問題のため、二日だけ陰性の生徒だけで合宿を敢行することとなった。
 残ったのは達也を含めた三年生三人、一年生一人、そして相沢明美教諭。
 食べた弁当の種類が違ったから助かったのか。達也は自分と明美先生が陰性だったことに胸を撫で下ろすと同時に、邪魔者を消してくれたことを神に感謝した。
 明美先生は、生徒との最後の触れ合いがこんな事態になってしまい、本当に悲しそうだった。しかし、責任感溢れる力強い声で、達也たちに言った。
「大変なことになったけど…みんな、帰るまで頑張りましょう」
 三年生は嬉々とした声を上げた。ダルい合宿もフレンドリーな先生のもと、楽なものに変わるに違いない。
 病院から戻り、あらためて通された部屋は二十畳はある大広間で、ここに生徒四人は広すぎる気がした。明美先生だけは別室だ。聞けば、今この旅館には、他の中学の柔道部が一組、合宿に来ているだけだそうだ。
 達也はありえないような幸運に興奮し、悶々とした夜を過ごした。
 翌朝、達也たち三年生三名と一年生一名は、さっそく防具を持って旅館を出た。

「みんな、おはよう」
 旅館の裏手にある山のふもとで明美先生は待っていた。
 紺色のジャージに白のTシャツという体育教師さながらの色気のない格好だが、ライトブラウンの髪が朝日に輝き、服の素っ気なさが逆に妖しい魅力を浮き立たせるようだった。ボリュームのあるヘアが大胆なカールで襟足をなぞり、奥様寸前の女性のエレガントさを演出する。Tシャツには透けたブラジャーと確かな胸が浮かび、ジャージは腰から見事な曲線を描いて外に張り出す。いずれも中学生には出せないラインだ。そんな色っぽいお姉様なのに、引率教師の威厳のようなものは自然と放たれ、中学生達は頭を下げて引き寄せられていく。
 達也はニヤけながら明美の前に並んだ。
「じゃあ、達也に勝彦に俊輔。それに誠クン。まずはこの山道をランニング。二kmあるからしっかりね。別れ道がいっぱいあるから、看板をよく見てここに戻ってくること」
 明美は剣道部の教え子のことを下の名前で呼ぶ。一年生の誠は、まだ中学に入ったばかりなのでクン付けだ。お返しに部員達は先生のことを明美ちゃんと呼ぶ。愛称のようで、年の離れた女性をからかう意味も含まれている。
 達也たちは早速、山道のランニングに入った。瞬く間に汗が噴き出す。どうやらこの山ではオリエンテーリングも行えるらしく、途中何度も道に迷いそうになりながら、達也たちは二kmを走りきった。一年の誠のペースに合わせたのと、剣道の防具で暑さには慣れっこだったため、それ程きつくは感じられなかった。
「どう、山道で足くじいたりしなかった?」
「楽勝、先生!」
「あと五周は行ってこれるよ!」
「おお、行ける行ける」
 三年の勝彦と俊輔、それに達也が汗ダクダクの顔で元気よく言った。
 達也と勝彦、俊輔は仲のよい仲間だ。達也は二人が張り切るのが分かる気がした。初体験の約束がある自分と違い、勝彦と俊輔はこの合宿が明美先生との最後の思い出なのだから。
 気の毒なのは、後輩で一人残された、一年生の誠である。
「頼もしいけどダメ。あんまり最初から飛ばすと誠クンがついていけなくなるでしょ」
 部のコーチらしくない優しさで明美先生は言った。男性教諭がいたらこうはいかなかっただろう。
「明美ちゃん、ここってオリエンテーリングできんの?」
「できるよ」
「おっ、しようしよう。先生、なんか賞品は?」「賞品! いいな!!」「賞金だって!?」
 勝手に騒ぎ出す達也たちに、明美先生は小首をかしげて「う~ん」と考えこんだ。冗談なのだが、達也たちからすれば優しいおネエさまに物をねだる感じで、気分が良い。
「賞品か。考えてもいいな」
 女教師はそう言い、妖しい笑顔を浮かべた(そう見えたのは達也だけかも知れないが)。
 誠も含めた四人は声を上げて喜んだ。
「まあ、それはそれとして。……達也主将。前に出て」
「はーい!」
「一分以内に腕立て十五回ね。出来なかったらさっきのランニング三周」
「はーい。軽い軽い」
「あら達也。防具忘れてるゾ。置きっぱなしだから熱くなってるけど頑張って。さあみんなも。せっかく残ったんだから、みっちりいくよ。ハイ、始め!」
「ええ~~っ!!」
 達也はつい先ほど明美先生が中年教師より甘いと思ったことを取り消した。

 昼食を挟んで昼からは武道館で剣道練習をし、結局五時までみっちり鍛えられた達也、勝彦、俊輔、それに一年の誠は、部屋で夕食を取った。
 まず風呂に入って汗を流したかったのだが、それよりもまず空腹を癒したかった。
 食中毒騒動があったから、というわけでもないだろうが、旅館の食事はとても豪華で、分量も申し分なかった。
「しっかし、明美ちゃん、やってくれるよなあ」
 食べ終わり、一息吐いた四人は、汗くさい身体を畳の上に横たえた。
「誠。お前大丈夫か? 途中から死にそうだったぞ」
 達也が問うと誠は力なく笑った。さすがに小学校を出たばかりの誠に炎天下の練習はこたえたらしく、しばらくすると軽い寝息を立て始めた。
「よし、風呂行くか」
「おお、行こう行こう」
「誠はどうする?」
「寝かしといてやれよ」
 達也の言葉に頷き、三年生達は風呂場へと向かった。
「明美ちゃん、もう入ったかな」
「もう上がってるだろな」
 明美と聞き、達也はまた興奮が高まるのを感じる。
 明美先生は練習が終わると食事より先に風呂へ行くと言った。中学生なら風呂という言葉には捨て置けない響きがあるが、それほど残念に思わないのは、風呂が混浴ではないと知っていたからだ。
 脱衣所に着くと、年格好が同じくらいの四人の男が服を着て風呂から出るところだった。これが他中学の柔道部の人間なのだろうか。達也たちは途端に緊張し、無口になってしまった。
 柔道部員とおぼしき男たちは、そんな達也たちを見て、なにやらコソコソと話して吹き出し笑いを漏らした。達也は強烈な嫌悪感を覚えてそいつらを睨んだ。
「なんだよ」
「え? いや、なんでもねーよ」
 ニヤけながら出て行く四人に達也は舌打ちした。
「やめとけ達也。ケンカになったらヤベーぞ」
「……まーな」
 三人は服を脱ぎ捨て風呂場のドアを開けた。この旅館の風呂は屋根と囲い付きの露天風呂で、屋外の空気と湯気が達也たちの疲れを取ってくれた。
「なあ、もしかしてあっち、女風呂かな」
 熱めの湯に浸かりながら勝彦が囲いの一辺を指さした。当然中学生、考えることは同じ。三人は誰も来ないことを確認して、覗いてみることにした。
「達也。フラれた明美ちゃんが入ってるかもよ」
「うるせえ!」
 ジャンケンで勝った達也が俊輔に肩車され囲いの向こうを見ると、確かにそこは女性露天風呂だった。だが、あいにくと誰の姿も見えない。
「誰もいねぇ……」
「でも、誰か入ってたら覗けるって事だな!?」
「おい達也、頭にチンポ当たって気持ち悪い。もういいだろ?」
 残念がった三人だったが、よいオカズを発見したという高揚感で風呂を出た。
 達也にしてみれば、見るだけの裸よりセックスの約束の方が大きいのだが、のぞきには別の興奮がある。
 もし我が教師の入浴シーンを覗けたら……。三人はお互い勃起した股間を隠そうともせず、やれ胸の大きさだ、ヘアの形だと、顧問教師に対するエロい妄想を語りながら風呂場を出た。
 出たところでちょうどその明美先生とばったり顔を合わせた。
「あら、今出たの? いいお湯だったでしょ」
 三人は妙に緊張しながら明美先生のことをジロジロと見た。
 風呂上がりの明美先生の格好は、黒のTシャツに何枚も布を重ねたベージュのフレアスカートで、清楚で綺麗な若奥様といった佇まいだった。学校でのファッショナブルな格好とは違う、リラックスした姿だ。洗い立てでアップにされた髪もたまらなく色っぽく、達也は感動して「早くこんな綺麗な人とヤリたい」と強く焦がれた。
「先生、今から学校と連絡とったりしなくちゃいけないのよ。旅館で変なイタズラとかしないこと」
 明美先生はそう言い残して部屋の方へ行った。
「明美ちゃん辞めちゃうんだなあ……。明日で最後か……」
 残り香を名残惜しみながら勝彦がふいに漏らすと、俊輔も腕を組んでうんうんと何度も頷く。部屋に戻ると、ちょうど居眠りから起きた誠が目をこすっているところだった。
「誠も風呂行ってこいよ」
「え、先輩達もう行ったんですか?」
「おう。他の学校の奴らがいるから気をつけろよ。今なら誰も居ないぞ」
「は、はーい!」
「女湯は覗けねーぞ」
「は、はーい!」
 誠は笑いながら急いで風呂場に向かった。しかし、帰ってきたときには、どんよりと曇った顔をしていた。
「どーした誠。他の学校いたか?」
「はい……」
「なんかされたのかっ!?」
「いや、されたって言うか……。その……」
 誠の話はこうだった。
 脱衣所に着くと、体の大きな奴らがなにやら騒ぎながら服を脱いでいた。誠は後にしようかと思ったが、入った以上すぐ出るのもシャクでそのまま風呂に入ることにした。隠れるように服を脱いでいると奴らは「ノゾける、ノゾける!」と盛んに言っているようだった。
 男たちに遅れて風呂場に入ると、四、五人が桶を重ねて囲いの向こうを覗いているところだった。中にはペニスを立てている輩もいる。一年生でまだ陰毛も生えていない誠は、大人になりかけのその体が気持ち悪く、早く体を洗って出ようと思った。すると、覗きを諦めたらしい一団が誠に照準を合わせた。
「オマエさ、どこの中学??」
 興奮したのか息の荒い奴が誠に根掘り葉掘り聞いたあと、「なあ、髪がこれ位の長さでちょっと茶髪の女、オマエらの先生か?」と聞いた。
「多分」と答えた誠へ、「何歳?」「何の教師?」と矢継ぎ早に質問する奴らは股間を隠しもせず、剥きあがった亀頭がとにかく気持ち悪かった。
 明美先生の年齢を言うと「オバサンじゃん!」と笑った奴らの話によると、先に入った部員が女湯を覗いたら、そこに全裸の淑女を見たのだという。女性は一人で、成熟した肉体が「エロエロ」だったらしい。
「マン毛も見たんだってよ」奴らは確かにそう言った。
 きっと先生に違いないと思った誠は、その柔道部員達に明美先生を汚されたようでとても気分が悪かった。中にはペニスをしごき立て、これ見よがしに一年生の誠に見せつけた奴もいたという。
 その話を聞いて、達也たちは怒り狂った。
「先生の部屋教えろ、っても言ってきましたよ……」
「アイツら、許せねえ!」
 愛しの愛しの先生である。よりにもよって得体の知れない他校の奴らに裸を見られたとは。明美先生を自分のモノに出来る達也からすればなおさらショックだった。
 ケンカを仕掛けに行くかと相談した四人は無謀さに思い留まり、悔しさを押し殺してあれこれ思案した。そしてとりあえずこの事を明美先生に話し、対処、警戒してもらうことにした。
 その任には主将である達也が手を挙げた。
「フラれた達也くん、だいじょうぶですかぁ?」
 勝彦と俊輔の冷やかしも気にせず、達也は明美先生の部屋のドアを叩いた。すると中から「はぁい」と言う声がして、明美先生が顔を出した。
 明美は何か考え事でもしていたのか、目をうっすらと充血させ、少し疲れた顔をしていた。達也はうなじに見とれながら中に入った。
「……明美ちゃん、何かしてた?」
「うん、ちょっと色んなこと思い出したりしてた。これでみんなともお別れかぁと思って……」
 ツンとスカートの中で立つ尻を向け、テーブルの上を片付けながら明美先生は寂しそうに言った。ノゾキ話より先に筆下ろしをお願いしようか……そう思っていた達也は出鼻を挫かれた格好となった。
 仕方なく達也は「実は……」と、他校の生徒が明美の入浴を覗いていたことを明かした。
「えッ、のぞき!?」
 明美先生は当然驚いた。
「のぞけたって言ったの? その子たちは。私の裸を」
「うん、らしい」
「生意気そうな子たちとは思ったけど……」
 我らが顧問教師は怒りの表情を浮かべて何事かを考え始めた。きっとあっち側の教師に言って対処してもらうに違いない。そう思っていると、しばらくして「ちょっと達也。聞かせてよ」と口を開いた。
「……達也は覗かなかった? ううん、達也たちは」
 なぜ自分たちのことを聞くのだろう。不思議に思った達也は最初軽く否定したが、初体験を約束している相手だけに、すぐ、みんなで覗いたことを白状した。
「そっか。でも、みんなは先生を見てないと」
 怒るかと思われたが、意外にも明美先生は達也たちを怒らなかった。それどころか、怒りの表情がだんだんと挑発的な笑みに変わっていき、瞳の中には妖しい影が揺らめいた。
 達也は短時間での明美の変貌に驚いた。交際を申し込んだとき見せた、あの表情だ。
「許せないな、そ・れ・は」
 そう言って明美先生はドアの方に向かって「入っておいで」と声を掛けた。驚いて振り向くと、ドアから勝彦、俊輔、それに誠までもが顔を出すではないか。
「エヘヘ、失礼しまーす」
 白々しく入ってくる三人を見ながら、達也は初体験の話を出さなくて良かったと胸を撫で下ろした。
「いやあ、ムカツクよな! アイツら!」
 入ってきた途端あれこれ悪口を言い出す中学生に、明美先生は先程と同じ質問をした。
「ね、キミ達は先生を見てないの」
「のぞいたけど見てませーん」
 達也に白状したことを聞かされていたから、勝彦と俊輔は堂々と答えた。明美先生は苦笑して、もうひとつ質問をした。
「先生の裸、見たかった? こんなオバチャンのなのに」
 四人は暫し固まり、思わず息をのんだ。
 答えにくい質問をされたこともあるが、今の明美は、誠にも判るくらい淫靡な顔をしていたからだ。
 達也が真っ先に頷いた。しばらく後に勝彦、俊輔が真似をして頷く。誠はただオロオロするばかりだった。
「分かった」
 吹っ切れた、という感じで明美先生はアップにしていた髪を解いた。途端に部屋の中は華やかなリンスの香りで満たされ、ボリュームある髪が肩口に下がる。
「先生はみんなが好き。学校も、剣道部も。だから、最後に何をしてあげれるか考えてた。後悔しないように……」
 そこで一区切りして明美先生は続けた。
「だから、明日からは、あんな子たちには受けられないような、先生の生徒だけの授業を……受けさせたげる」
 明美先生は生徒を勇気づけるように言った。付け加えて「あの子たちはほっとけばいいよ。今度のぞいたら、お尻ペンペンしてやるから」とうそぶいた。
 先生の生徒だけの授業。
 その意味は分からなかったが、先生の裸を見たいと言った直後であること、そして、それを言うのが結婚前の美人教師であるということで、少年たちの心は激しく揺り動かされた。
「それって先生……スケベなこと?」
 勝彦の希望を込めた問いに、明美先生は自信に満ちた、色っぽい笑みを返すだけだった。何かが起こりそうな予感を抑えきれないで部屋を出ていく四人を見ながら、明美先生は達也だけを呼び止めた。
「……ごめん、達也。初体験なかなかさせてあげられないね。でも私、みんな可愛いの。みんな私の教え子だから」
 達也は頷いた。それは先程も、初体験をお願いしたときにも聞いた言葉だ。
「でも、最後には必ず。だから、もう少し待って」
「うん、絶対な」
「絶対。だから達也ね……」
 そう言って明美先生は達也に何事かを囁いた。達也は驚いて顧問教諭を見、つい前にも思った言葉を口にしてしまった。
「ヤバイ、三十三歳、ヤバイ!」
「気付かせてくれたのは達也」
 九月には花嫁になるという明美先生は甘えるように微笑んだ。それは、明美先生からの授業協力のお願いだった。
「……分かった、協力する。絶対楽しめる、それ!」
 達也はそう言って、力強く頷いた。
 チンポがこの女体に辿り着くまではもう少し時間がかかりそうだった。だが今は先生の最後の授業の方に興味をそそられた。もしかしたら先生は始めから、こんな合宿になればと期待していたのかも知れない……。
 そう思う中学生に、結婚前の教師から、囁かれてはならない言葉が囁かれた。
「あとね、達也」
「……ん?」
「先生、ナマでも別にオッケーだから」
 とびきりの微笑み。
 まだナマの重みも分からない少年だったが、大人の奥深さに触れた気がした。

 

3.

 翌朝、悶々とした夜を過ごした四人が朝食を取りロビーへ下りると、明美先生が中年の太った男となにやら話をしていた。
 今日の明美の格好は、大きく胸元の開いた花柄のキャミソールに、脚のラインを映したジーンズ。夏らしくはあるが教師らしくはないという華やかさだ。覗けそうなDカップの胸元が余程気になるのか、太った男は盛んに目を泳がせながら何事かを得意げに話し、外へ出て行った。
 すぐに明美先生は達也たちに気付いて笑顔を向ける。
「おはよう、みんな」
 達也が今の男は誰か聞くと、明美は他校柔道部のコーチだと言った。別館へ朝のトレーニングに行くらしい。
 アレが、か。達也たちは腹立たしさより先に、同じ引率として明美先生とのあまりの違いに笑いが漏れてしまった。
 その時だ。
 ガタイの大きな柔道着の少年達が十七、八人、階段から下りてきたと思うと、その中の一人が明美先生の姿を認め、「おう!」と嬉しそうな声を上げた。途端に周りの奴らも口笛を吹き、奇声を上げる。まるで女神のような扱いだ。
 怒りが込み上げる達也たちに、裸を見られた明美先生はツンとした顔で「ほっときなさい」と言った。
 柔道部員が出て行くと、四人と明美先生は揃って後ろ姿に舌を出し、少し時間を置いて外に出た。
「今日はオリエンテーリングをしようと思います」
 明美先生のその言葉に四人は「賞品、賞品」と口々に言った。
「賞品ではないんだけど、先生面白いこと考えたから、みんな楽しんでやって」
 細身のジーンズに無理矢理詰め込んだ、桃のようなヒップに連れられ、達也たちはスタート場所に向かった。まだ朝の時間帯だというのに日差しは熱く、まぶしい。オリエンテーリングのスタート地点には、当然のように誰の姿も見えなかった。
「じゃあ、ここがスタート、ゴール地点ね。ルールとしては、今から一時間後の十時までに指定された地点を通って、ここに戻ってくること。いい?」
 四人は頷いた。
「でも、それだけじゃ面白くないから、ちょっと趣向を変えて。今から先生、山の何処かに隠れるから、それを一緒に探してみて。ちょっとした隠れんぼみたいなもの。もし先生を見付けられたら……」
 明美先生は達也にだけ判るように目配せした。
「その証拠に、先生が着てる服を一枚あげる」
 中学生達はキョトンとした顔をし、続いて驚きの声を上げた。勝彦が裏返った声で質問する。
「そ、それって、脱いでってこと?」
「そう」
「一枚一枚!?」
「そう。いい証拠になるでしょ?」
 明美先生は自信に満ちた表情で言った。そのタイミングに合わせて、達也が合いの手を入れる。
「それ楽しそう、先生! やろう!」
 そして、大きく口笛を吹いた。
 突拍子もない提案だったが、勝彦、俊輔も次第に、これが昨夜明美先生が言っていた授業なんだと察し、顔を真っ赤にして歓声を上げた。誠は訳も分からず戸惑うばかりである。
「でも先生、一枚一枚って最後……」
「先生、ムかれるんじゃない?」
 達也が確信的な口調で問うと、結婚前の教師は「日焼け止めはバッチリ」と答えた。
 中学生達の目は女教師の肢体に吸い付けられる。どこかのオシャレなOLのような、均整のとれた体には、キャミにジーパン、サンダル、あと……。
「……ノゾキよりずっとスゲエよ! 先生、こんなの最高じゃん!」
「素っ裸にしてやろう!」
「みんな、先生見つけろよ、誠も!」
 三年生達は、ジャージを突き上げる己も隠さず欲望を口にした。そんな生徒達を見て本当に嬉しそうな顔をした明美先生は、一人オドオドする誠に言った。
「誠クンは早くゴールすることだけ考えればいいゾ」
 だが顔を真っ赤にさせた誠は、「い、一緒に頑張ります!」と叫んだ。幼い性欲の発露に、皆大きな笑いをこぼしてしまう。
 そこで勝彦が思い出したように言った。
「でも、明美ちゃん、一番にゴールした奴の賞品は!?」
「え、賞品まで求めるの」
「そりゃあご褒美がないと。早く先生見つけて早くゴールした奴が一番ソンになるじゃん!」
「……パンツ!」
 いきなり俊輔が叫んだ。
「俺、パンツ欲しい」
「ギャハハ、なんだよオマエ!」
「うるせえ!」
 本気で怒る俊輔を笑いながらも、中学生達は明美先生のたっぷりした腰回りを凝視し、大人の下着をあれこれ想像してしまう。学校でも比較的露出の多い明美先生だが、いざ手を伸ばせる位置に来ると、とてもミステリアスだ。
「分かった。じゃあ一番になったら、ご褒美に先生のパンツあげる」
 特別よと言って、もうすぐ学校を去ってしまう女教師は妖しく笑った。
「先生の教え子だけのオリエンテーリングだから」
 太陽もかなり上がった九時。達也、勝彦、俊輔、それに誠の四人は、脱兎の如くの勢いで山道を駆け上がっていった。

 

4.

 途中まで一緒に山を上がった四人は、最初の三叉路で別れることにした。
 勝彦と俊輔を一組にし、達也が一人で左手を、可哀想に誠は一人で右手を。
「お前ら、先生早く見つけろよ!」
「任しとけっ!」
 現実的なエロが懸かっているから、皆の鼻息は荒い。本当に裸になってくれるのか、期待と興奮を口に出し、山道を駆けていく。
 一人になった達也は、周りに誰も居ないことを確かめて足を止めた。一番に明美先生を見つけてしまっても面白くないからだ。先生が何枚服を着ているのか判らないが、見つけるのは最後……。そう決めて達也はスタート地点前に戻った。
 しかし大胆な明美先生の提案だ。
 達也は女教師が抱いていた願望の一端を知った気になりながら、その時を待った。太陽がどんどん眩しくなり、皮膚から汗を搾り取っていく。
「おろ!? 達也?」
 三十分ほどが経過した頃。
 上から声がしたので振り向くと、足を挫きそうな勢いで俊輔が一人で山道から下りてくるところだった。手には水色の生地に鮮やかな花柄のキャミソールを持っている。何処かで明美先生を見つけ、大急ぎで下りてきたのだ。
「お前……もうゴールしたのか!?」
 目をむいて聞く俊輔に「いや、迷って何も見つけてねー」と嘘を吐くと、興奮した俊輔は、しっとり温かいキャミソールを自慢げに達也に手渡した。
「じゃあ俺が一番!? やった、聞いたよな、達也、賞品!」
「すげえな、明美ちゃんのパンツだろ!」
「マジかな、マジよな!?」
 興奮する俊輔に達也は明美がどこに居たかを聞いた。
「屋根とちっちゃい椅子がある休憩所みたいな所にいた。これ脱いだらピンクのブラだった!」
 得意げな俊輔に大まかな位置を聞き、達也はその場所に行くと言って別れた。残りはまだ二十五分ほどある。高まる興奮を抑えて、達也は山道を登った。
 すると五分ほど歩いて、今度は誠と出くわした。
「あ、先輩!」
 一年生の誠も手に何かを持っていた。達也は、大きなメガネのような形をした、そのピンクの物体がなんなのか、すぐに気付いた。
「お前、それ……!」
 誠は息も絶え絶えに、顔を真っ赤にさせて答えた。
「そう! 先生、これを、証拠にって、これを……!」
 中学一年生、まだブラジャーなどとは言いにくいのか、誠は更に顔を赤くする。
「しかも、僕に取ってって……! 取ったら、先生の胸がボーンって、目の前に! ぼよんって! すいません先輩!」
 なぜか謝り始める誠に達也は聞いた。
「誠、胸触らせてもらったのか?」
「あ、はい! 触ってみなよ、って言われて、怖かったけど……」
「触ったのか!?」
「あ、はい! すいません、先輩! その、ムニュムニュして……柔くて……ブラブラして……先っぽは、怖くて触らなかったです」
 達也は後輩に強烈な嫉妬を覚えた。初体験の約束をした達也でさえ、まだ明美先生のたわわに実ったバストを目にしていないのだから。
「……誠、ズボンは? 明美ちゃんの」
「え、まだ履いてました。僕が会ったときはこの……コレ着けたカッコで。ほんとに脱ぐなんて先生……」
 ということは、まだ勝彦は明美を見つけていない。達也は誠と別れ、教えてもらった方角の道を選んで進んだ。
 残るはジーンズ、そして……。
(俺らの先生、山ん中でおっぱい丸出しかよ!)
 達也は一刻も早く明美を見つけたい衝動に駆られながら、時間が過ぎるのを待った。
 残り十五分。
 達也はとうとう明美先生がいるという小さな休憩所を遠目に見つけ、身を潜ませた。休憩所には明美の姿も勝彦の姿も見えない。明美先生は隠れているのだとしても、勝彦はまだなのか、もう見つけて行ったのか。それとも休憩所とはここの事ではないのか。
 五分待っても変化がないのを見て、達也は待ちきれずに休憩所へダッシュした。そして木造の椅子の後ろにある囲いの影に、女教師の姿を見つけたのだった。
「明美ちゃん!」
「遅いゾ、達也」
 達也は明美の姿を見て感動し、同時に複雑な気分にもなった。
 上半身。陶器のような白い肌が全て白日の下に晒され、腕を組むようにして隠された胸の谷間が深く、目に突き刺さる。しかし、下半身はまだジーンズ姿のままだった。窪んだヘソの下にあるベルトのバックルが嫌みったらしく光る。
 勝彦はまだ来ていなかったのか。最後の下着を、顧問教師の秘密を守る最後のガードを自分の手で剥ぎたかったのに。
 達也は残念を顔に出しながら一応聞いてみた。
「明美ちゃん……勝彦は?」
「ついさっき来たよ」
「へ?」
 驚く達也の前で女教師は組んでいた腕を解いた。途端、垂れ下がる双球。男には当然、中学生にも絶対表現できない造形だ。
 達也は初めて見る、好意のある女性の乳房に圧倒された。
 やや外よりの中央には、ほんの少しくたびれた乳首がツンと立ち、周りを薄ピンク色の乳輪がほんのりと囲っている。達也は鷲掴みにしたい衝動を抑えて聞いた。
「勝彦は何持っていった? 服。もうみんな来たんじゃ?」
 すると明美先生は歳に似合わぬ、小悪魔的な笑みを浮かべて答えた。
「サンダル」
 達也は足元を見た。気付かなかったが地面にシートが敷かれ、その上には確かに剥き出しの素足が乗っていた。
「……ひでぇ!!」
「そうしなきゃ先生、素っ裸になっちゃうじゃん」
 乳房丸出しで笑う明美先生に釣られ、達也も笑った。
「じゃ先生、俺はジーパン?」
「そう。最後に来た達也には、これ脱いであげる」
 挑発的に腰をくねらせ、前屈みになって、明美先生はベルトに手を掛けた。その姿があまりに堂に入っているように見え、また一つ明美先生の本性を垣間見た気になる。
 ベルトが外されチャックが下ろされると、鮮やかなピンクの下着が覗いた。そして乳房を揺らした明美先生は「いい?」と一言確認すると、ジーパンの両脇に親指を突っ込み、その乳房がブルンと揺れるのが合図のように、詰まったジーンズを一気にズリ下ろした。
 一気に視野が広がったような錯覚を達也は覚えた。
 締め付けから解かれた足はスラッと伸び、ムッチリとした肉付きで百六十の身体を支える。そして当然、何より目を惹き付けられるのはデルタを覆う下着。そのピンクの薄布は見事にV字型に切れ上がり、フリフリのレースをあしらわれた横紐は細く、我らが女教師の股間を頼りなく守っていた。透けないかと目を凝らせば、案の定、股間の光沢部にはうっすらとした翳りが見える。
「先生……エロッ!」
「なにがぁ? 当たり前よ、今どき」
 明美先生はそう言って、見せつけるように背中を向けた。すると重量感溢れるヒップがあからさまになり、その深い割れ目に食い込むようにして、申し訳程度の布がウエスト部に繋がっていた。いわゆるTバックだ。
 崩れ始める一歩手前のヒップラインを確かめるように、明美先生は腰に手を当て、「どう?」と振り返った。
 肉体と触れ合ったことのない中学生は、今度はその尻の迫力に圧倒された。
「……はい、じゃあコレ。先生、こんな格好にされちゃった」
 夏の日差しの中、誰が見ているか分からない屋外でTバック一枚になった女教師は、楽しげに、達也に人肌のするジーパンを渡そうとした。
 達也はもう、我慢がきかなかった。
「先生ッ!」
 タックルのように突進して、達也は顧問教師に抱き付いた。少し汗ばんだ肌に触れ、熟れた乳房の柔らかさを知った瞬間、それだけで絶頂に達しそうになった。
「先生ッ、ど、童貞、童貞もらってくれッ!」
 叫んで、達也は訳も分からず、ただ股間を明美先生に擦り付けた。
 半裸の明美先生はそんな達也の行動に驚くような嬉しいような、そんな顔をして、威圧感のある胸を押し付けながら囁いた。
「先生はここでもいいよ。でもみんな待ってるでしょ……どれ」
 明美先生は、教え子のペニスをなぞった。その瞬間、達也の身体に鋭い電気が走った。
「出してごらん、達也」
 そう言うが早いか、明美は達也の前にひざまずき、一気にジャージをづり下げてしまった。達也のまだ未使用のピンク色のペニスが、まるで、しなった竿が戻るように明美先生の前へ躍り出る。
 明美先生が息をのむ音が聞こえた。
「立派じゃない……」
 勃起を触られると、それだけで尿道から熱い樹液が噴き出しそうだ。眼下には日差しに輝く髪が、その下にはペニスを見つめる二重の瞳が、さらに下には、もうすぐ誰かの物になる三十三歳の乳房があった。ピンク色の乳首の上部、陶磁器のような肌には、青白い血管が脈打っているのまで見える。
 明美先生はしばらくペニスを見つめた後、上気した顔で「オクチ童貞もらったげる」と宣言すると、ギュッと寄せた唇が捲り返るくらいの勢いで亀頭に口付けをした。言うなれば不細工なディープキスだ。
「これで、もうちょっと我慢して」
 全身にナメクジが這ったような感覚が走り、ペニスが明美先生の口に頬張られた。
 のど奥に達するまで銜えると、動揺する達也の顔を上目遣いに確認して、そして、いやらしく唇を窄めながら亀頭を口から出し、もう一度尿道口にキスをする。
 達也は、己のモノが初めて他人に入ったことに激しく興奮して、明美先生の頭をしっかりと掴んでしまった。
「オッケー」
 頭を固定された明美先生は妖しく微笑むと、犬のように舌を這わせ、再度とろけるような唇を少年に重ねた。
「スゲェ……スゲエ!!」
 達也は思わず叫んだ。唇同士のキスなんて可愛らしくてしょうがなく思えるような接触衝撃。顧問教師は子供のチューのように唇を突き出し、口内で舌のお出迎えをさせ、カリをきつく撫であげて、また奥にくわえ込む。その唇になぞられた表面には唾液が残り、小刻みな動作の合間には上目遣いの視線。ガッシリと頭を掴まれた女先生の、流暢な英語を喋る口が大開きになる様子に、達也は支配欲というものを強く感じた。
「せ、先……明美ちゃん、もうッ!」
 未経験ながらにも判る上手く激しいフェラチオで、思わず小便を漏らしてしまったかのような感覚に陥った達也は、限界を口にした。
 上目遣いに瞳を見据えて頷いた明美先生は、名残惜しそうに口を離し、もうそこまで噴出が迫っているペニスにキスをした。そしてなんと「いらっしゃい」とでも言うかのように大きく口を開け、だらりと舌を出してその上に亀頭を添えたのだ。
 我慢しきれず、達也は射精を始めた。
 一撃目に放たれた精液は濃さに堪えかねて舌の上に重く落ち、勢いをつけられた二撃目、三撃目はまるで鉄砲の弾のように口内へ吸い込まれていく。四撃目、五撃目……。中学生の大量な射精量を予想していなかったのか、いつまでも続く射出に明美先生は途中小首をかしげながらも、ずっと達也の目を見たまま口をあんぐりと開け続けた。
「……すごいわ、達也」
 珍しく女っぽい喋り方をした明美先生は、呆れると言うより満足げな笑みを浮かべて一息吐いた。
「の、飲んだよ、先生……」
「達也の、美味しかった」
「スゲかった、口。フェラチオすげぇ、フェラチオすげえ!」
「また、してあげる」
 口を拭って笑う明美の顔はとても淫靡で好色に見え、垂れ下がる胸を見ながら達也は(この女、エロいわ……)と思ってしまった。そうして、しばらく余韻に浸っていた達也はふとむず痒さを感じ、今何時だろうかと時計を見た。もうゴール時間は過ぎている。
「明美ちゃん、ヤベぇ、もう時間過ぎてる」
「あ。あの子たち、ほっといたまま……」
 達也は慌ててズボンを履き、明美を残して山を下りた。賞品の一つである明美を、人が居そうな場所に連れてはいけないからだ。
 スタート地点に戻ると、勝彦、俊輔、誠の三人が先生の衣類を持ち、まだかまだかと待ち兼ねていた。
「遅いぞ達也! で、明美ちゃんは!?」
 達也がニヤリとしてジーパンを掲げると、皆すぐに「行こう!」と叫んで山を駆け上がった。
 そして休憩所に着くと、我らが顧問教師は後ろ手に組み、乳房を露出させたあられもない姿で待ち構えていた。
「先生、みんなにムかれちゃった」
 下着一枚を残しての裸体、しかもその一枚がTバックのショーツと見るや否や、三人は慌てて前屈みになって股間を押さえ、周りの様子を窺った。学校では絶対に見られない教師の格好なのである。
「うわっ、ヤベェ、ヤベェよ明美ちゃん!!」
「アダルト過ぎ、先生それッ!!」
 達也と明美先生は密かに目を合わせ、笑みを交わした。
「一番になったのは俊輔? じゃあ賞品として、後でこのパンツあげる。みんなの前では、まだ脱いであげられないから」
 意味深に言うと、明美先生はたっぷりとした腰に手の甲を乗せ、まるで悪戯を果たした子供のように笑った。それに釣られ、四人の少年達も笑う。合宿に残された剣道部五人は、顧問教師の下、強い一体感に包まれた。
「みんなよく頑張ったね。オリエンテーリング合格よ。……チェックポイント無視した達也クン以外は。さあ、一度旅館に帰って、午後からは剣道でもしようか!」
「え~~~!」
 剣道部の連中は、青空に不満の声を上げた。

 

5.

 昼食を済ませた達也たちは、明美先生の指示で武道館に出向いた。
 武道館は本館から百メートルほど歩いたところにあり、百畳は超える広さの二階建て構造になっていた。
 達也たちが入ると、一階の畳の上では柔道部が練習をしていた。強面の教師が指導しているためか部員は達也たちに目もくれず、気合いのこもった声が広い体育館にこだまする。達也たちは込み上げる得意笑いを我慢しながら二階に上がり、鼻息荒く明美先生が来るのを待った。
「……お待たせ」
 数分もせずに姿を現した明美先生は服を着替えていて、バストラインを浮き立たせた黒のTシャツにベージュのフレアスカートという、昨夜旅館で見た格好そのままだった。
 若いOLさんから若奥様へ。
 先程、炎天下でキワドイ下着姿になった女性とは思えないような淑やかさだ。
「おーぅ、なんかいいよ、先生」
 勝彦が下劣に言うと、明美先生はフフッと笑って流し目をくれた。手には、なにやら小さなピンクの布を持っている。
「はい、俊輔。さっきのごほうびよ。なにかに使えるかな」
 それを渡された俊輔は途端に色めき立った。明美先生直々の、下着プレゼントだ。
「つ、つ、使う使う! 使いまくるっ!!」
 恥ずかしい自慰の欲情を隠さず叫ぶ生徒に、教師は照れると言うよりは嬉しそうな顔で「じゃあ、使ったら自分で洗うこと」と指導して、皆の方に向き直った。
「じゃあ、みんな防具を着けて。練習のやり方はみんなに任せるから」
 四人は苦笑した。
 顧問教師をしているが、明美先生は剣道の技術や知識においてはほとんど素人同然なのだ。
 四人は、主将である達也の指示で、二人一組になって打ち合いの練習をすることにした。
 達也は指導の意味を含めて一年生の誠と。勝彦は俊輔と。すぐに武道館二階には竹刀と防具が弾け合う甲高い音が響き始めた。
「みんな頑張って」
 達也は傍らに立つ明美先生を意識しながら誠と打ち合った。
 先程ヌいてもらったばかりだというのに、こんな事をしてる場合じゃないという欲求というか焦りが高まって、剣になど集中できるはずがない。それは皆も同じのようで、常に視線が泳いだ、気迫の籠もらない稽古だ。
 欲求不満に任せて何度か誠を一本に追い込んだ頃、突然「やりぃ!」という叫びを放った勝彦が明美先生に近づいた。
「先生、勝った!」
 そして右手で、鎖骨の浮いた明美先生の肩に触った。
「おめでとう」
 触られた先生は特に何も言わず、柔らかい笑みで勝彦を褒めた。
 何気なく見えたその様子に、しばらく目を瞬かせた達也、俊輔、誠の三人は、突然顔を輝かせて竹刀を持つ手に力を込めた。
「オラッ!」
 達也の剣が誠の面を容赦なく捕らえた。
「よしっ!」
 達也はガッツポーズを取ると、明美先生に駆け寄り、Tシャツを盛り上げるバストにポンッと触れた。クッションのようなブラジャーの感触が手に広がる。
「もう」
 明美先生はそう言うだけで、怒る素振りなど見せない。達也はニヤッと笑って、再び竹刀を握った。
「ウシッ!」
「オラッ!」
「エイッ!」
 ガランとした二階に、先程とは比べものにならない集中力で、気合いのこもった掛け声が響き出した。
 どちらかが勝つと、勝った方は歓喜して明美先生に近寄り、三十三の熟した身体にタッチする。大胆に髪をカールさせた中堅教師は、中学生のそんな遠慮のない行為を拒もうとせず、妖しい笑みで受け止めた。
「おっしゃ!」
 段々と大胆な気分になっていく中学生達。
 勝彦がまた俊輔に勝ち、明美先生の前に仁王立ちになって、両手で胸を鷲掴みにした。そして「だって朝、サンダルだし。俺」と愚痴るようにいいながら、パン生地を捏ねるように女体の極上の柔らかさを味わった。
「先生の胸、そんなに気持ちいい?」
 されるがままの明美先生から問われ、勝彦は何度も頷いた。残された三人からは嫉妬混じりのため息が漏れる。
 次に勝った達也は同じように教師の胸を撫で上げた。明美先生は達也のために、肘を締め胸を寄せ上げてボリュームを増そうとしてくれた。
 可哀想なのは達也相手に一度も勝てない誠である。
「……勝ったッ!」
 繰り返し行われる短時間の勝負で、何度目かの勝利を収めた俊輔が、思い詰めたような顔で明美先生に近づいた。そして突然、手を巻き付けるようにしてフレアスカートを抱きしめた。どうやら尻を触っているらしかった。
「……エヘヘ」
 さすがに驚いたのか、明美先生は「ビックリするじゃない」と俊輔の胸を小突いた。
「先生、ケツも柔らけえ!」
 ダムが決壊したように、中学生達の意識は飛び出していく。
 先を越されて悔しくなった達也は、誠からあっと言う間に一本取ると、大胆にも明美先生の下腹部へと手を差し込んだ。
 初めて触る女の陰部。なだらかで温かいそこは、紛れもなく明美教師の最大の秘密地帯だ。まだ実物とお目にかかったことのない達也は、ここと重なり合う事を想像して、興奮で身が震う。
「おお~~!」
 達也の行動に歓声を上げた誠を除く二人は、また直ぐさま試合を始めた。その様子を見て、もうすぐ結婚する明美先生は、
「しょうがない子たちね」
 と呟くが、満更でもない表情だ。
 汗でビッショリになった道着を掻き上げ、剣道部主将も再び竹刀を握ると、息を切らせた誠が泣きべそをかきながら言った。
「せ、先輩、ひどいです……」
「あ? ……悪ぃ悪ぃ!」
 ようやく相手が一年生であることに思い至った達也は、誠の道着のズレを直してやり、そしてあることを思いついた。
「じゃあ、次はわざと負けてやる。やるから……」
 誠に囁くと、まだあどけなさの残る顔は面越しにでも判るくらいに赤面した。
「いいな! 来いっ」
 二人は弾かれたように離れ、すぐに剣を交えた。明美先生には俊輔が取り付き、ベージュのスカートの上から度の超えたタッチをしている。無防備な達也から一本を取った誠は小走りに明美先生へ近づき、深呼吸した。
「あら誠クン、がんばったね」
 小さい子に言うような口振りの明美先生の前で、誠はオドオドと中指を一本突き立てた。いわゆるFuckのポーズだ。そして誠は眉をひそめる女教師のスカートをいきなりたくし上げ、下着を露わにした。
 パンストに包まれた、たっぷりとしたヒップ周りと、先程のTバックとは違う至って清楚な白レースのショーツが中学生の目に留まる。
 想定していたのか、そんないきなりの行動にもそれほど驚かない明美先生。そんな先生の股間に、中指を立てた誠の手が伸ばされた。そして、中学生になったばかりの指は、なんと下着のど真ん中を、太股の付け根を下から上へ、真っ直ぐになぞったのだった。女のスジを皆に意識させるように。
「……スイマセン!」
「もう、可愛い顔して」
 仕掛けた達也は、明美先生がさぞや面食らうだろうと思って意地悪してみたのだが、当の先生は笑うだけで、さしたる驚きも焦りも浮かべないことに、逆に面食らってしまった。
(スゲェや、明美ちゃん。誠の奴、マンコ触ったのに! こんなにエロいとは思わなかった……)
 初体験も待ち遠しい達也は、そんな大人をメチャクチャにしてやりたいという感情も湧いた。先程のフェラチオで、支配欲が芽生えたのだ。
 明美先生といえば、リンゴのように赤くなった誠の頭を撫で、スカートを直して向き直るところだった。
「みんな、飛ばし過ぎ。ちょっと休むゾ」
 その言葉に四人は残念なような気の抜けたような返事をし、マットの上に寝ころんだ。掛け声が無くなると、五人だけの二階は急激に静まりかえる。息も荒い四人の防具からは湯気が立ち上るかのような勢いだ。
 達也は、明美先生が妖しい瞳で自分を見ているのに気付いた。
「剣道では、みんなが先生ね」
「……まーね。じゃ俺らが先生になって教えてやろ? 剣道でも、剣道以外のことでも」
 視線に誘われる様に達也が言うと、明美先生は静かな体育館に気兼ねするような、コソコソ声で囁いた。
「じゃあ、本当に先生になってもらおうかな。先生、教えて欲しいこととか、調べて欲しいこととかあるから」
 途端に色めき立つ三年生。
「なになに? 聞いて聞いて!」
「俺らが教えてやるよ!」
 若妻風の明美先生は嬉しそうに生徒に言った。
「先生、結婚するでしょう。でもまだ奥様としてやってけるかどうか不安で」
「そうなの?」
「明美ちゃんなら大丈夫っしょ。相手の男はどんな人か知らないけど」
「そう言ってくれると嬉しいな。でも、先生もう若くないから不安。……子供が産めるかどうかとか」
 四人はハッとして息をのんだ。
「だから、みんなと別れちゃう前に確かめて欲しいの。先生は女として正常かどうか。例えばこんな物で、ね」
 結婚前の教師は僅かに上気した顔で、そこに置かれていた誠の竹刀を手に取り、大きさを測った。小中学生用の小振りなものだ。
 達也はニヤリと笑った。
「明美ちゃん……それヤバそう」
「フフ、キミ達だからお願いできるんだゾ」
 マットに寝転がっていた四人は瞬時に起きあがり、先生を囲むように座った。まるで新しいおもちゃを前にするような、そんな期待が顔に浮かぶ。
「暑いでしょ、とりあえず防具脱いじゃいなよ。先生も脱いじゃうから」
 言われて四人は慌てて防具を脱いだ。目の前では、スカートを左右からたくし上げて太股からストッキングを下ろす、艶めかしい明美先生の姿。端から見れば不思議な、生徒と先生の光景だろう。
 パンストを脱いだ明美先生は、一足先に防具を脱ぎ終わった生徒達の期待に応えるように、ショーツも脱いだ。清潔感のある鮮やかな薄布が手に持たれると、四人は明美先生のスカートの奥へ羨望の眼差しを向けた。
「じゃあカワイイ先生たち、明美を診察してください」
 色っぽく言って、明美先生は正座になり、フレアスカートを腰まで一気に上げた。何にも包まれていない、無防備な下半身が、へその辺りまで露わにされる。下腹部には当然、陰毛の繁みつきだ。
「うわっ!」
 誰かが思わず叫んだ。とうとう学校教諭の秘部を目の当たりにしてしまったのだ。
「じゃ、達也、来て」
 呼ばれるまま、達也は明美先生の前に正座した。すると明美先生は達也の手を取り、キツク閉まった自分の太股の間に持って行く。
「まず触って調べて」
「分かった」
 余裕の明美先生に負けないような、不敵な笑いを浮かべて達也が言うと、顧問教師は逞しい太股をゆっくりと開け、その手をいざなった。唇のような柔らかさ、温かさ、そしてぬめり。
「すげっ……!」
 触覚で初めて知るオンナに、達也は思わず手に力を込めて叫んだ。指を動かすと、吸い込まれるように肉が包んでくる。まるでその先に、遙かな世界が広がっているような感覚だ。
「どう。先生は」
「女……女! 女だ!!」
 興奮を抑えられなくなった達也は、思わず身を乗り出した。しかし、そんな達也に明美先生はお預けを食らわせる。
「興奮し過ぎちゃダメ、達也クン」
 次は勝彦の番だった。
「先生、ちょっとシメらせ過ぎちゃってるかも」
 言うとおり、女陰に触れた勝彦の手は淫液で濡れそぼっている。生理現象に触れられた中学生達は口笛を吹いて喜んだ。
「じゃ次は俊輔。どう、先生は子供産めそう?」
「わ、分かんねえよ……」
 照れながら、俊輔もとろけるような柔らかさを味わう。残るは目を白黒させている一年生の誠だ。
「誠クンも……ほら」
 明美先生が皆と同じように誠の手を股間に挟み込むと、明美先生より身体の小さな誠は全身を硬くさせて顔を上気させた。
「まだ知らないでしょ。これが女よ」
「エヘヘ、誠、お前射精したことあんのかよ」
 下卑た口調で横から勝彦が聞くと、誠は慌てて首を振った。
「ホントかあ?」
「毎晩シコってんだろお!?」
 先輩達にからかわれるほど、誠の顔は真っ赤に熟れていく。そんな誠をかばうように熟女教師は言った。
「いいの。誠クンはまだ小さいんだから。でも、早く知っててもイイコトだよ」
 そして明美先生は、タップリとした下腹部の奥へ、誠の手をさらに引き込んだ。八の字に開かれた太股の付け根を、震える中学一年生の手がしっかりと蓋をする。
「誠、明美ちゃんに初射精させてもらえば良いんだよ。当然だろ、先生なんだから」
「えっ!?」
 いきなり達也が放った言葉に、中学生たち、それに明美先生までも目を見開いた。
「……なんてな。冗談だよ、冗談」
 ニヤリと笑った達也に、誠はホッと安堵するような笑みを浮かべたが、しかし、明美先生は淫靡かつ妖しい笑みで達也をジッと見つめた。
 四人の触診が終わり、次はいよいよ視診だ。
 荒い鼻息以外に聞こえるものといえば、わずかに柔道部の掛け声と蝉の声。別世界のような空間に、達也は、明美先生の生徒達は、たまらない優越感を覚えた。と同時に、心臓がどうにかなってしまうのではないかというくらい興奮して、明美先生の行動を待った。
「じゃ、センセ、診察お願いします」
 笑って言って、たおやかな白い足を開く明美先生。
 目をつくような黒いヘアの下部に、少年が一番知りたくてたまらない器官がお目見えした。しかも、それは、お世話になった教師のものなのだ。
 少年達はそこを食い入るように見つめる。その時、達也が口を開いた。
「明美ちゃん、それじゃよく見えねえよ。もっとよく見せて」
 指示され、一瞬驚いた顔を見せた明美先生は、初体験を済ませてやる予定の生徒に「どうすればいい」と尋ねた。
 達也は暫し考え、「こうすればいいよ」と言って強引に前から明美先生の足を持ち、そのまま立ち上がって逆さ吊りにした。そして、マットに頭を押し付け、足を左右に大きく開かせて蛙のような格好をさせた。いわゆる、まんぐり返しの体勢だ。達也は大胆な自分の行動に驚いたが、明美先生の顔を見ていると、なぜか荒く扱いたい衝動が浮かび上がってくるのだ。
「いやあん……」
 中学生に海老固めにされ、明美先生はやや苦しげな声を漏らす。
 傍らで見ていた勝彦、俊輔、誠もそんな達也の行動に驚いたが、それよりも驚いたのは、完全にオープンにされた尊敬する女教師の股間だった。少し横開きな女性器に、恥ずかしい肛門までもが露わにされた、プライベートもなにもない情景だ。
「うわっ、モロッ、モロッ!」
「スゲェ……!」
「せ、先輩っ……」
 耐性のない中学生が叫んでしまうのもしようがない。
(これが大人か……!)
 同じ気持ちの達也は、さらに太股の裏の肉を持ち、思いっきり左右に拡げて、明美先生の胎内を暴き出した。
「……どう? 赤ちゃんは出てこれそう?」
 強引な行動にもかかわらず、明美先生は太股を自分で支え、大胆ポーズに協力してくれた。切り裂いたようなクレヴァスには確かに、お腹の中へ続く洞穴が見える。そこから湧き出る体液で、周囲はいやらしく湿り気を帯びていた。その現象さえもが少年達には成熟の証しに見えた。
「そ、そっから出てくんの? だ、だよな……」
 怯えたような声で勝彦が言うと、明美先生は逆さのまま頷いた。
「あ、あか、赤ちゃんてデカいんですよっ。うち離れた妹が居るから」
 誠が真剣な表情で先輩達に教授すると、勝彦と俊輔も真面目な眼差しで膣を窺った。
「そうなのよね、だから心配なんだ。ちょっと試してみてくれる……ソレで。出てこれるかを」
 生徒に逆さ大股開きにされたままの明美先生は、誠の竹刀に視線を走らせた。ゾクッとした危険な空気が五人の間に広がる。
 竹刀を受け取った達也は、それを明美先生の股間にあてがった。竹刀に先を越されるのはシャクだが、それよりもこの女性器に早く何かを入れてみたいという衝動の方が強かった。
 何度も先革に愛液を塗せ、達也は力を込めた。
「入った……」「入った……」「入った……」「入った……」
 四人は同じ呻きを漏らした。
 剣道の象徴たる竹刀は、恐るべき肉の柔軟さをもって、三十三歳の陰部に飲み込まれた。
「ん……なんか切ない感じ。みんな見てる?」
 うわずった声の明美先生に、四人は沈黙で返した。まん丸に開いた膣が本当の口のようで、とても卑猥だ。
 達也は竹刀を一度抜きかけ、また奥深く差し込んだ。それを何度も繰り返す。その度にめくれ上がるピンクの壁が、中学生の網膜にはっきりと焼き付けられる。
 達也が竹刀を抜いた頃には、明美先生だけでなく中学生達も疲れた荒い息を吐いていた。
「ウフフ、すごい……。激しくするから」
 やっとまんぐり返しの体勢を解かれた明美先生は、感動しきった声で達也に言った。そして、乱れたスカートも気にせずみんなに向き直ると、
「先生、子供産めると思う、みんな」
 そう聞いた。
 圧倒され、なにやら判らぬまま頷く生徒達。しかし、興奮冷めやらぬ達也は、明美先生を見下ろして言った。
「でもさ、先生。産む方はいいけど、作る方はどうなの。そっちの方も重要じゃん」
 すると明美先生はこれ以上ないくらい妖しい笑みを浮かべて答えた。
「そうね。そっちも試してみる?」
 達也はニヤリと笑った。
 ギャラリーが三人もいる状態で、明美先生と達也はセックスに同意したのだ。
「お、おい達也……」「マ、マジかよ……」「せせせせせせ、せんぱ……」
 競り合ってきても良いはずの勝彦と俊輔は、雰囲気に飲まれたのか口をパクパクさせるのが精一杯だった。達也は袴を脱ぎ捨て、先程口淫を受けたばかりのペニスを一気に引きずり出した。
「わぁ、立派よ達也。これなら試せる、子供作り」
 三十三歳の明美先生はそう言って、しどけなく足を開いて仰向けになった。そしてスカートをたくし上げて達也を誘った。達也にはその幾重にも重なった生地のスカートが煩わしく、しかし、それを脱がず身に着けていることが、大人のくだらない言い訳のようにも感じた。
 いきなり始まったセックスショー。
 吸い付けられるように二人のすぐ側には、勝彦、俊輔、それに誠が集まる。
「見てろ」
 達也はそう言って一呼吸置くと、顧問教師の花びらへ己を近づけ、そして大人を突き破るように一気に貫いた。
「ああんッ!」「おおッ!」
 マットの上の剣道部は一斉に叫んだ。目の前で陰と陽の関係が結ばれたのだ。根本まで侵入して戻った達也のペニスはすぐに熟れた体液で輝かされ、精悍さを増していく。
「て……ゆーか明美ちゃん、お、俺、これで合ってんのかっ!?」
 律動を始めた達也が聞くと、明美先生はうんうんと何度も頷き、感極まったように「達也!」と叫んだ。
 体育館に、泥水に足を突っ込んだようないやらしい音が響いていく。
 もちろん初体験の達也は、自分のペニスが、オシッコを出す穴が、他人の身体の中に向けられている事実に痺れるような感動を覚えた。
(スゲェ、俺、明美にぶち込んでる!)
 生身の中学生の男性器官は、野性味溢れるパワーで何度も教師の胎内に打ち込まれ、二人の身体からは見る見る間に汗が吹き出た。
 周りの三人もその様子を食い入るように見つめた。学校の教師の成熟した肉体に、仲間のチンポが入って、こねくり回しているのだ。
 そんな下克上のような情景を見せつけながら、密壺の心地よさをずっと味わっていたかった達也だったが、思わぬ速さでその時は訪れた。
「あ、俺、イクわ……!」
「いいよ、イッて、イッて!」
 普段の教室では決して出さない、心から望む女の声で明美先生は叫んだ。
 中に出してやろうかとギリギリまで思った達也は、突然の決断でペニスを引き抜き、明美の陰毛へ向かって発射を始めた。
「ああん……」
 名残惜しそうな喘ぎを漏らす教師の上で、達也は「明美、明美」と何度も叫びながら精を放った。
 広大な体育館を一瞬にして栗の花の匂いで満たすような、そんな多量の射精だった。セックスの果てを見せつけることが出来た達也は、最後の射出の時、唸るような声で「明美!」ともう一度呼び捨てにすると、明美を、そして三人を見た。
 下半身だけを露出し、他は着たままの明美先生は、口を半開きにして上気した満足げな顔をしている。一方、教師を見下ろすような達也を固唾をのんで見守っていた仲間は、やがてふぅ~と大きなため息を漏らして、小さく口笛を吹いた。
「すっげえ、セックスだよ、セックス……」
「すげえ……」
「……これがタネよ、人間の」
 息も絶え絶えの明美先生が指で達也の精液をすくって腹の上に垂らすと、三人はその液体をマジマジと見つめた。
「……中に出してたらヤバかったんじゃね!?」
 いつの間にか白のショーツを手にした俊輔が問うと、明美先生は妖しく「そうね」と流し目を返した。
 初体験を済ませたばかりの達也はそんな明美先生に、「出してやりゃ良かった、明美の中に」と偉ぶった。剣道部員達はもうしばらくの間、我らが主将が残した白濁液と、まだ入り口も露わな教師の女体から目が離せなかった。
「みんな。先生、作る方も大丈夫よね」
 幾分落ち着いた頃、明美先生に問われて、もう笑うしかないといった表情の三人は頷いた。そもそも疑問など持っていないから当然だ。
 そして次第に衝撃にも慣れた勝彦や俊輔からは、下卑た笑いや「俺も俺も」といった声も飛び出してくる。しかし、誠だけは未だに口をパクパクさせ、受けた衝撃を消化しきれないようだった。
「大丈夫、誠クン。血の気失せてるけど」
「え!? あ……はい……でも今日は……」
 目の前で痴態を繰り広げた教師に気を掛けられ、誠は焦りきって言った。
「今日は?」
「ご飯食べれないかも……です」
 三年生達は「アハハ、確かにな!」「分かる分かる!」と口々に言って笑った。
 その時、二階に上る階段の方に、なにやら人の気配を感じた。
 明美は慌ててスカートを下ろし、達也も焦って袴を手繰り寄せる。顔を出したのは、朝に明美と話していた、他校の柔道部コーチだった。
「いやあ、練習されてたんですな。てっきりウチの生徒が上がり込んで遊んでるのかと思いましたワ」
「もう練習は終わったのですか?」
 明美先生が教師モードで問うと、太った中年教師は嬉しそうに頷き、
「エエ。いやあ、大所帯だと大変ですワ、色々と。そちらは良いですな、少人数だと目も行き届きやすいでしょう。……じゃあ」
 そう言って、いやらしい視線を明美先生に這わせ、そしてふと部員の一人の手にある物に目を留め、首をかしげながら帰って行った。
 安堵のため息を吐いた剣道部員達からは、知らず知らずのうちに笑みがこぼれてしまう。
「バーカ、何してたのかも知らないで。エヘヘヘ」
「明美ちゃんのパンツ持ったままだった。イヒヒ」
「……さあ、明美、次は? 俺だけじゃ、可哀想だろ?」
 達也はマットの上に体育座りをする明美先生に聞いた。精神的に優位になったような、大人になったような、そんな気分だ。
「ウフフ……」
 結婚前の女性は淫靡さを含んだ笑みを浮かべ、期待で鼻息が荒くなる勝彦、俊輔を見つめた。
「そうね。みんな私の教え子だもんね。キミ達とも試してあげたい」
 二人は武道館が揺れるくらいの叫びを上げた。
「誠は? 明美ちゃん、誠も試してやらねーと。誠の場合は、誠が子供を作れるかどうかを、さ」
 明美先生は瞳を一瞬輝かせ、そして少し笑って、意地悪な顔をする達也に頷いた。
「でも、もうここではまずいから、一度旅館に帰りましょ。で、夜にね、先生の特別授業受けてもらいます」
「特別授業?」
「みんなが大好きな、性・教・育」
 三十三の肉体を前に、達也だけではなく、勝彦、俊輔、それに誠までもが、ニヤリと笑ったのだった。

 

6.

「オイ、オメーらの先生、スゲエな!」
「なにが」
「知らねえのかよ。ココ、風呂覗けんだぞ! さっきオメーらの先生が入ってんの見たんだよ。エロかった~」
「へえ。で、何がスゲエんだ」
「胸丸出し、マン毛丸出し、でかケツ向けまくりでタマんねかった! 三十三歳だろ? にしちゃ美人だよな! でさ、でさ……」
「離れろよ、ちょっと」
「俺らの方に背中向けてさ、ケツ開いて自分で叩いたんだぜ! 覗かれてんの分かってて覗かせてんじゃねーのか、オメーらの先生!」
「さあな~」
「ワリーな、今日たっぷり抜かしてもらうわ。ウヘヘ、ウヘヘ」
「勝手に頑張れよ」
 剣道部四人は、図体だけはデカイ他校の奴らの背中に、思いっきりアカンベーをした。


 達也たちの部屋に、白いブラウスと黒のミニスカートを合わせた明美先生が姿を現した。
 これに眼鏡を掛けて指示棒でも持てば、あからさまにデキる教師という雰囲気を持ちそうな出で立ちだ。
 座布団に座った達也たち四人は、歓声をもって迎えた。
「はい、じゃあこれから授業を始めます。勝彦クン」
「はい?」
「今日の授業は?」
「性教育!」
「はい、そうです。今日は、先生の最後の授業として、性教育を受けてもらいますからね。いいですか?」
 つい先程、性交を果たしたばかりの女教師はキビキビと言った。
「先生! 教科書は?」
 明美先生は、スカートから伸びるナマ足を色っぽくくねらせ、胸の下辺りを指さして言った。
「教科書は、これよ」
 おおぅ、という予定調和のどよめきが起こる。
「じゃあ最初に。なぜ人間には男と女があるのでしょう。はい、俊輔クン」
「愛し合うため?」
「はい。まあ、それをもうちょっと詳しく言うと、生殖するため、です。生殖とは新しい生命を作り出すこと。では、具体的にどうやって男女は種を残すのでしょう? ……それは、さっきみんなも知ったかな」
 明美先生がそう言うと、中学生達はお互いを見て笑った。
「そう、セックスね。具体的には、男性のアソコを女性のアソコに入れて、精子を送り込むこと。そうすることで、女性はその男性の子供を身籠もることになります。さっきの例で言うと、達也と先生がセックスして、その結果、達也の子供が先生にデキるわけ。じゃあ、もっと具体的に、男女の身体の差は……」
 四人はまた下卑た笑いを漏らした。
 達也は笑いながらも強い口調で明美先生を促す。
「先生、そういう説明は実際に見ながらやった方がよく解ると思う」
 明美先生は「そうね」と言って、まずブラウスを脱いだ。ノーブラだったため、八十五の乳房がすぐに剥き出される。次にスカートに手を伸ばしてホックを外すと、ストンという具合に黒のタイトスカートが畳の上に落ちた。下も下着を身に着けていなかったため、あっと言う間に、英語教師は生徒の前で全裸になった。
「おおぅっ、ノーパンッ!!」
「明美ちゃーん!」
 ナマナマしい肌の色は中学生の目に眩しく、スタイルの良いラインはまだ幼い性器をも刺激する。
 期待に応えられて嬉しいのか、明美先生は邪魔者のように服を投げ捨て、再び生徒達の前に立った。
「色々あるけど、女性が男性と違うのはまず胸ね。これは男性にはないものよ。ほら、先生にもあるでしょう?」
「触らせて、先生!」
 勝彦が言うと、明美はすぐに中腰になって胸を差し出した。勝彦が手を伸ばし、俊輔も、そして既に顔を真っ赤にさせた誠も。最後の達也は、痛みが出るくらいに教師の乳房を揉みしぼってやった。
「……で、それよりも大きく違うのが、ココ」
 次に全裸の明美先生は、陰毛の中にうっすらと見える縦筋をなぞった。そして、期待に応える女神のように、妖しい笑みで言った。
「今、詳しく教えてあげる」
 紫の座布団の上に座った明美先生の足が開かれ、また再び大人の性器が中学生達の前に現れた。
 明美先生はそこに右手を差し込み、V字型に開いて見せた。目を突くような、鮮やかな粘膜の世界。そして明美先生は、一年生の誠を手招きした。
「まず一番小さい誠クン、おいで」
 誘われた誠は弾かれたように立ち上がり、そのままフラフラと明美先生の前に座った。そして言われるままに教師の股間へ顔を近づけた。
「ここがクリトリス。知ってる? 一応覚えておいて。それでこっちが……」
 それは信じられないような現実なのだろう。まだ小さな誠の全身は震え、緊張で一言も口をきかない。しかし、そんな誠にもしっかりとした欲情があることは、盛り上がるジャージが示している。
「誠クンも、あとで先生と合体させてあげるからね」
 誠はコクコクと張り子の虎のように何度も頷いてみせた。
 次に誘われた勝彦はクリトリスを摘み、俊輔は涎を垂らす膣に中指を挿入させた。
 そんな女教師と生徒の関係を、達也は薄ら笑いを浮かべて眺めた。
「先生、俺もう我慢できねえ!」
「……いいよ、来て」
 痺れを切らしたようにジャージを脱ごうとした勝彦を抑えたのは、意外にもその達也だった。
「先生、ここじゃ面白くねえよ。場所変えねえ?」
「どこに?」
「いい場所あるじゃん」
 達也が提案した場所に最初みんなは戸惑い、しかしすぐに内緒な笑みを浮かべ、そして顔を見合わせて頷いた。


 剣道部一行が辿り着いたのは、誰も居ない男風呂だった。
 時間はまだ七時過ぎ。本来なら誰が入ってきてもおかしくない時間、場所だ。しかし、柔道部が入浴を果たしている今、おそらく誰も来ないだろうと踏んだのだ。
「女風呂と一緒なのね、造りは」
 中学生と一緒に脱衣所で服を脱ぎ捨てた教師は、四方を見回して言った。対する中学生達も全裸だ。
「あそこから奴ら、明美ちゃんを覗いてたんだぞ」
「ウフフ。ちゃんとお尻ペンペンしてやったから」
 得意げに言うと、明美先生は一人一人の男をジッと見つめた。まるで見定めるような、完全に教師の眼差しだ。まだ産毛も生えていない誠も含め、四人のペニスは元気良く天を突いている。
「はい、よろしい」
 心から嬉しそうに言った明美先生は周りを見渡すと、柔らかいマットが置かれている洗い場の前を指さし、全裸の生徒達を誘導した。
 身長百六十の明美先生と、それより頭一つ大きい中学三年生三人に、頭一つ小さい一年生一人。そんな五人の裸に生温かい風が吹きつけ、ここは外なんだと認識させる。性的なだけではない緊張感と一体感が、先生と生徒の間をさらに密にさせた。
「ここだと痛くないから」
 マットの上で皆を迎える明美先生に、いきなり感傷的になった勝彦が呟いた。
「……俺、俺、唐揚げ弁当選んで良かった。明美ちゃんと最後に過ごせて……」
 思わず笑う四人だが、その気持ちは一緒だった。
 先生と生徒達の一体感はマックスになり、今にも中学生を順番に誘い込もうとする明美先生。しかし、その横から、達也が不意に手を挙げた。
「先生、質問!」
「なに、達也クン」
「女はどこから小便すんの」
 明美先生は笑って、そして排出口の近くを見つけてしゃがんだ。
「見てて、出すから」
 そう言って結婚前の教師は放尿を始める。神秘的とでも言うべき光景が、少年達の前で披露された。
「シッコあんな所から出るんだな!」
「女が拭くわけが分かった!」
「あ、僕、妹ので知ってました!」
 口々に感想を漏らす仲間の横で、また達也が手を挙げた。
「今度はなあに?」
「ウンコはどこから出すの?」
「……それは知ってるでしょ」
 明美先生は嫌な顔一つせずに背を向け、そしてたっぷりとした尻を突き出すようにして自分の肛門を見せた。皺だらけの恥ずかしい穴が、中学生の目にしっかりと焼き付けられる。
「そこ、先生の旦那さんになる人はヤッたの」
「……バカ」
 中学生とは思えない発言に、流石の明美先生も戸惑った表情を見せた。しかし、触れられて嫌な話題でもないことは仕草で伝わってくる。
 達也はまたもニヤリと笑った。
「せ、先生、もう……!」
 勝彦が極まった顔で明美先生に勃起を近づけた。明美先生は頷いて肉体をマットの上に寝そべらす。それを止めたのは、またしても達也だった。
「勝彦、どうせなら明美先生に上に乗ってもらえよ。精子出すとき抜かなくていいぞ」
「そうだ先生! お、俺、どこに射精すればいいんだ?」
「ウフフ。……知らないことにしてあげる、みんな」
 それが何を意味する答えなのかすぐ判らなかった少年達は、すぐにハッと顔を見合わせた。
「……知ーらね」
「……俺も知ーらね!」
「……あ、あのどういう……」
 そうして入れ替わりにマットへ寝そべった勝彦の上へ、明美先生の成熟した肉体が重なっていく。
 生徒と教師の、二度目の性交が始まった。
「せ、先生っ! 明美ちゃんっ!!」
「あうん、勝彦っ」
 まるで軟体動物のように艶めかしく揺れ動き、三十路のテクニックを見せつける明美先生の腰。
 それを武者震いしながら放心したように見つめる、俊輔と誠。
 達也はその俊輔に向かって、明美先生にも聞こえる声で言った。
「俊輔、待ちきれないなら、ちょっと明美先生に舐めてもらえよ」
 驚いて目をむく俊輔。
 だが達也がしきりに駆り立てると、願望はあるらしい俊輔は明美先生の顔を覗き込んだ。
 セックス最中の明美先生は「いいよ」と受け、顔の前にペニスを持ってくることを許可した。
「俊輔も、私の生徒だから」
 中腰になってペニスを差し出すと、明美先生はそれをすぐに口へ含んだ。愛情タップリに、しかし本番前に刺激しすぎないように、微妙な唇使いで。
「ううっ、先生っ!」
 旅館の風呂場で、上の口と下の口で童貞ペニスを味わう女教師。達也はその痴態を見下ろしながら、その背後へ誠を手招きした。
 そこには真ん丸と拡がって突き出された女尻があった。
 太股の間にはガッチリと勝彦のペニスが食い込み、ゴムのような陰唇がそれを優しくしっかりと包み込む。その交わる上部には、明瞭に露出した排泄器官。達也はそこを誠に触るよう指示した。
「で、でも!」
「いいから触れよ」
「は、はい!」
 先輩に言われ、誠はキュッと口を窄めた肛門に触れた。
 明美先生はちょっと驚き、背後を振り向いた。だが、咎める様子はない。
 達也はニヤリと笑って、リンスのボトルを手に取り、無防備な明美の肛門に塗り込んだ。
「指、入れてみろよ、誠」
「は、はい」
 誠は言われるまま、圧倒的な迫力を持つ尻の出口へ人差し指を向けた。すぐ真下には、先輩のいきり立った性器が腹を穿っている。
「バカ、中指にしろ。ファック! ってな」
 指を替え、誠は中指で皺の中央を押した。すると少し縦長の穴は、ほんの少しの抵抗だけで、驚くほどスムーズに誠の指を吸い込んでいった。
「どうだ?」
「な、なんか、温かくて、気持ちいいです」
 達也はニヤリと笑って言った。
「入れてみろよ、チンポ」
「えっ!?」
「先生の肛門にチンポ入れてみろよ」
 誠は目を見開いて先輩を見た。
 成り行きを聞いていた明美先生も後ろを振り向いて達也を見て、その瞳に有無を言わさぬ強い光があるのに気づくと、諦めのような表情を浮かべて言った。
「出来るんなら……入れていいよ、誠」
「す、すげえっ、アナルっ!?」
 フェラチオを中断された俊輔が叫んだ。勝彦は明美先生の下で快感に堪えるばかりだ。
 誠は何度も達也を振り返りながらゆっくりと顧問教師の尻に近づき、失礼にもその肛門に、まだ皮も剥けきっていない細身のペニスを合わせた。
 そして、生まれて初めて腰を突き出すという行為をした。
「んんッ!」「ああッ!!」「おおッ!!」
 明美、誠、そして勝彦は同時に叫んだ。
 細身なのが逆に良かったのか、まだ射精もしたこともない誠の幼根が、遥か年の離れた中堅英語教師の処女を奪ったのだ。
「ああ、みんなっ、みんなっ! 私の生徒っ!」
 そう叫ぶ明美先生は俊輔のペニスを口に咥えた。その側へ近寄り、意地悪な声の達也は囁いた。
「明美。明美が望んでたのは、こんなことじゃない?」
「そうよ。ありがとう……達也!」
「まだまだ、これからだよ。俺らが生徒の思い出をいっぱい身体に残してやるから。結婚する前にさ!」
 明美が精一杯の笑みを浮かべたのが合図のように、三人は爆ぜた。四人の人間が互いの身体に体重を置き重なる姿は、まるで体育の時の共同作業……組体操のようだった。

 

END

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。