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小説(転載) 「隣の奥さん 風邪ならわたしが治してあげる」

官能小説
04 /24 2015
 「隣の奥さん 風邪ならわたしが治してあげる」

「ちょっと待っててくださいねぇ、今、お素麺作りますからぁ」 
 台所に立って奥さんは言った。
「気を使わないでください」
「いいから、お隣同士なんだから」
 夏だというのに風邪を引いた。当然会社は休んだものの、共稼ぎの妻は出社した。無理して買った新築マンション。ローンのことを考えるとそれも仕方ない。
「でもねぇ、病気のダンナ様一人おいて、お仕事なんて」
 彼女は僕の部屋の隣に住む若妻だ。年の離れたダンナは出張がちで、一人さみしく留守宅を守っていると愚痴ていた。
「はい、お待たせぇ」
「す、すいません」 
「気になさらないで」
 回覧板をもって来て僕が寝込んでいることを知った。食事もままならないと自嘲ぎみに言うと大慌てでエプロンを持ち込み、昼食を作ってくれた。
「どうですか?」
「お、おいしいです」
「キャッ、うれしい」
 喉越しのいい素麺を一口すすり、僕は言う。その言葉に対する彼女のリアクションは幼い少女のように愛らしい。事実、二十半ばだという年齢にもかかわらず、その容姿は女子高生のようだ。低い背丈に切れ長の目、白い肌。そして、エプロンの胸元を盛り上げる乳房の膨らみ。
「お料理、あまり得意じゃないんです。でもよかった、おいしいって言ってくれて」
 前かがみになり、ほほ笑みを浮かべて僕をのぞき込む。フリルの施されたエプロンの下には薄い布地のキャミソール。そして、小さなヒップの形とムッチリした太ももがあらわになるミニスカート。
 バテマラと言うのか。熱があって意識が朦朧としそうなのに、僕の下半身はムクムクと頭をもたげ始めるのだった。
「あら」
 そんな僕の視線と穏やかでない下半身の状態に気づいたのか、彼女は驚きの表情を浮かべた。
「す、すいません…、なんだか…」
 照れる僕を見て、彼女は艶っぽい笑みを浮かべ、自分の唇をなめる。
「風邪のときは汗をかくのがいいんですよね」「は、はぁ…」
「いい汗かく方法知ってます。任せといてください」
 彼女はそういうといきなり下半身を覆っていたタオルケットを取った。
「あ…」
「こんなに大きくなってる。わたしってそんなに魅力的?」
 悪戯にそう言うと、彼女は風呂にも入っていない僕のペニスを取り出し、口に含み始める。
「あ…、そんな…」
「我慢しないでいいですよ。だって、こんなに固いオチンチン、久しぶりなんだから」
 舌をからませ、唾液をしたたらせ、彼女はサオを探り、くびれをなぞる。顔立ちが幼く可憐なだけに妙な興奮が沸き起こる。
「ああ…、ああ…」
「ううん、我慢できない。わたしも欲しくなっちゃった」
 言うが早いか、エプロンを取り、キャミソールとスカートを脱ぐ。下着姿の彼女を見て僕は思わず息を呑んでしまった。
「す、すごい…」
「いや、あんまりジロジロ見ないで」
 DやEでは収まらないカップのサイズ。支えるベージュのブラジャーから、乳肉が今にもこぼれ落ちそうだ。そんな自慢の胸乳を誇示するように、彼女はストラップを取り、両手で隠しながら下着を外す。
「ふふふ、オッパイで挟んであげる。気持ちいいのよね、こうすると」
 両手で寄せて間に僕を挟む。桜色した小さな乳首は、既に堅く尖っている。暖かで柔らかな感触が僕を包む。その弾力に僕の理性は瞬時にはじけ飛んでしまう。
「ああ、もう…」
 僕は思わず彼女を押し倒した。
「やん、乱暴にしないで」
 けれど僕は激しい勢いでショーツを取り、彼女の股間に顔を埋める。
「いやんいやん、ああん…!」
 吸い付き舐る僕の行為に彼女はかん高く甘い声を上げる。嬌声に呼応して、甘ダレのような淫蜜が滲み出てくる。
「ううん、もう、入れて、欲しい…」
 ねだる彼女に答えるように、僕はギンギンに屹立した肉棒を挿入した。
「ああ、ん!」
 狭い膣壁に僕は覆われる。ぢゅくぢゅくと淫猥に響く蜜汁の音。無数の肉粒が僕に刺激を与えてくれる。
「ああん、いい、ううん」
 抽送を繰り返すたび、彼女の体躯は微妙に縮む。水を張ったゴム風船のような乳房がゆらゆら揺れる。夏だというのに透き通るような肌は、次第にピンクに染まっていく。
「いやん、ううん、やんやん」
「イキそうですよ、奥さん」
「わたしもイク、ああん、イッちゃう」
「イッていいですか、いいんですか」
「来て、いっぱい来て」
「このままでいいんですか、なかで」
「うん、中でいい、ああん、イッちゃう、イッちゃうよぉ!」
 僕はそのまま彼女の中に吐き出した。彼女は眉根に皺を寄せて、最後の一滴まで受け止めてくれる。
「あん、来てる、いっぱい来てる…」
「奥さん…」
「よかったね、いい汗かいたね」
「はい」
 僕はうっとりとほほ笑む彼女に唇を重ねる。ペニスは挿入を果たしたまま。互いの舌をからませる長いキスの後、僕は赤ん坊のように乳房をまさぐる。
「あら…」
「あ…」
「また…」
 彼女の中で僕は再び勃起し始めた。
「ふふふ、もっといい汗かけるわね」
「はい」
「来て…」
 僕はゆっくり出し入れを始めた。今度は存分に彼女のすべてを味わうように。
  

小説(転載) 「夏の思い出 妹との秘密」

近親相姦小説
04 /24 2015
 「夏の思い出 妹との秘密」

 ヒロミの身体は肉感的だ。それに気づいたのは僕が大学一年、ヒロミが小学校六年の夏だった。
 十歳年の離れた妹は中学受験のために休みの間も机に向かっていた。三流とはいえ一応現役私立大生の僕は帰省を利用して家庭教師をかって出たのであった。
「エアコンくらいつけろよ、暑いだろ」
「平気、それより夏風邪でも引いたらどうするの」
 開け放たれた窓からは真夏の青空が広がっている。軒下には風鈴がぶら下げられ、時々チリンと揺れる。音もなく首を振る扇風機。僕はウチワで扇ぎながらヒロミの後ろ姿を見た。
  兄だということで油断していたのだろうか。それとも、普段から無頓着なのか、ヒロミは真っ白なタンクトップにピンクのショートパンツといういで立ちだっ た。剥き出しになった真っ白な太もも、じっとりと椅子に押し付けられた丸い尻。少しだけ屈められた背中に、浮かび上がるはずのブラジャーの影はない。つま り、ヒロミはノーブラで算数の問題集に向かっていることになる。
 僕は座り込んでいた位置を変えて横からヒロミの姿を見た。
 ショートなボブに切り揃えられた髪の毛の間から幼いながらも真剣な顔立ちが伺える。長い首の下に浮き上がる鎖骨。そして、剥き出しの肩から伸びる二の腕が豊満な乳房を腋から押し付けている。
 僕は思わずツバを飲んだ。海にもプールにも行かず、透き通るような肌にうっすらと朱を含んだ素肌が僕に思わず幻惑を与えてしまう。
 僕はしばらく茫然と妹の肢体を注視してしまった。
「お兄ちゃん、ここ、分かる?」
 妹はそんな僕にいきなり質問を与える。
「え、ああ、どれ…」
 僕は我に返り、妹の傍らに立つ。
「ここか、これはだなぁ…」
 間近によると一層ヒロミの色香に圧倒されてしまう。暑さのために滲み出た汗が蒸発し、少女特有の甘酸っぱい芳香が沸き出している。
「こ、これはだな、方程式…、ああ、小学生は使っちゃいけないのか」
 僕は何とか自制心を保ちながら、解き方を教えた。
「こう?」
「そう、それで…」
「こうか…、やった!できた!」
 ヒロミは嬉しそうに僕を見上げた。僕はそれより以前に襟元を覗き込み、くっきりと浮かび上がる乳房の谷間に視線が釘付けになっていた。
「ヤだ、お兄ちゃん、何見てんの」
 僕の視線に気づいたのか、ヒロミは慌てて襟元を隠した。しかし、両手で押さえ付けられた乳房は一層盛り上がりを増し、乳首がはっきりと浮かび上がる。
 僕の精神はこの瞬間に常軌を逸してしまった。母親は外出、父親は仕事。この家には今、妹と僕の二人しかいない。町は通り過ぎる車の音もなく、人の声も聞こえない。表は狂ったように太陽がきらめいていることだろう。
 この世の中に今、二人しか存在しない。そんな気分になってもおかしくない空気が、僕を狂気の世界に引きずり込んで行ったのであった。

「イヤ!やめて!」
 ノートが飛び散り、シャープペンシルが宙に舞う。整然と並べられていた参考書、教科書、問題集が重なり合いながら落ちていく。
 僕はいきなりヒロミの肩を抱き締め唇を重ねようとした。妹は僕から逃れようと椅子からずり落ち、尻餅をつく。
「な、何するの…」
 豹変した兄に対してヒロミは脅えた視線を向ける。僕はそんなヒロミを床の上に押し倒した。
「どうしたの!やめてよ、お兄ちゃん!」
 悲鳴にも似た妹の拒絶の言葉を僕は聞き入れようともしない。そのままタンクトップをまくり上げ、あらわになった乳房にしゃぶりついた。
「ヤだ!ヤだ、ヤだぁ!」
 どんなに長身でふくよかな肉体をしているといっても十二歳の小学生だ、男の力にかなうわけはない。手足をバタつかせ、必死になってもうつぶせにのしかかった僕から逃れることなどできない。
 僕はそのまま妹の乳首をかんだ。
「痛い!」
 ヒロミは絶叫した。僕は歯をきつく立てたわけではない。しかし、いまだ固さの残る思春期の乳房はちょっとした刺激でも鋭く反応を示すのだろう。脇から揉み上げ、唇を這わせるとそのたびに苦痛の声を上げる。
 そんなヒロミの態度に僕は苛虐的な興奮を覚える。
「ヤだよぉ、イヤだよぉ、やめてよ、お兄ちゃん」
 ヒロミの訴えはいつしか涙声に変わっていた。
「大丈夫だよ、大丈夫」
 何が大丈夫なのか。もしも、法廷で証明しろと言われても、僕のこの時の心情をうまく言葉に変えることはできない。だれにもバレないから、痛くしないから、僕が後悔しないから…。そんなものじゃない、それ以上の何かが僕にそんな言葉を口走らせる。
 ヒロミの盛り上がった乳房からは搾りたてのレモンのような匂いが立ちのぼっていた。それが、ねっとりとした温気と交わり、僕の鼻孔に刺激を与える。嗅覚は瞬時にして脳神経をマヒさせ、僕はもはや妹を凌辱してしまうという行為になんら悪意を抱くことはない。
  つつけば裂けてしまいそうな張り詰めた肌。油紙のように僕の汗を玉にして転がしてしまう素肌の味は舌腹に甘露な味わいを与えてくれる。幼さ一杯の下腹は プックリと膨らんでいて、一本の筋が横に通っている。決して醜悪ではない。それどころか、その名のとおり、ヒロミの下腹部を覆う脂肪は贅沢な存在だ。
 僕はそんなヒロミのパンツに手をかけた。
「いや、そこだけはやめて!」
  博美は再び猛然と拒絶を示す。しかし、そんなことで躊躇するような神経を僕はもはや持ち合わせてはいない。ピンクに眩しいショートパンツをずり降ろすと色 気のないショーツが目に飛び込んで来た。水色の横縞が入ったショーツはヒロミの少女の部分をしっかりと覆い尽くしている。その布切れの向こうに、禁断の果 実が青いままに存在しているのかと思うと僕の劣情はもう、留まることを知らない。
「いやー!」
 僕がショーツに手をかけるとヒロミは渾身の力を込めて阻止しようとする。しかし、僕は冷徹にその手を振り払うと、もぎ取るように一気にずり降ろした。
「ヤだ!見ないで!」
 ヒロミは両手で自分を隠そうとする。
「手をどけろ」
 僕は冷たく言い放つ。
「いやだ、嫌いだ、こんなお兄ちゃん、ヤだ」
「言うこと聞くんだよ」
 僕はヒロミの手をつかんで両側に広げた。
 ヒロミは恥ずかしさの余り、唇をかみ、瞳を閉じて顔を背ける。
 僕はヒロミの部分をじっと見つめた。
 産毛のような陰毛が茂る恥丘にくっきりと筋が通っている。何物も拒絶するような幼いクレパスに既に固くそそり立った僕の肉柱はヒクヒクと反応を示す。
 ヒロミは両腿をぴったりと合わせ、僕の視線から逃れようとしている。呼吸が荒く、仰向けになっても偏平になることのない両の乳房が激しく上下する。
 これから何人の男がこの肉体を味わい尽くすのか。そして、最後の一人と決めた男がこの体の中に自分の邪精をぶちまけるのだろう。数億の精子がヒロミの体の中を泳ぎ回る。毎日、毎晩。
 大人になる、女になるということはそういうことだ。その、花開く前の神々しいほどの肢体が今、僕の前に存在する。それが妹であれ赤の他人であれ関係ない。僕は目の前にある高貴なオブジェを味わい尽くすのだ。その権利を手に入れたのだ。
 僕は狂った思考でそう確信すると無理やり脚をこじ開け、挿入はもちろん、だれも触れたことのないであろう部分にむしゃぶりついた。
「いやあん…」
 刹那、ヒロミは女の声を上げた。それは男を誘う扇情的な声色だった。
「やめて、ねぇ、もう、いいでしょ」
 僕は何も答えず、きっちりと閉じた肉裂に舌を這わせる。
「いやん、やん…」
 ヒロミも少しは感じ始めているのか、それまでの刺々しい声ではなく、言葉に丸みが帯びてくる。
 僕は湿るはずもないと思っていた。ヒロミは少女だ。少女は何をしても許される、たとえ、人を殺めても笑って許される存在だと思っていた。だからこそ、何物よりも崇高で貴い存在だと思っていた。忌まわしい男の愛撫などで自我を淫欲の渦の中に沈めるはずがないと思っていた。
 僕はそんな神にも近い存在を破壊する暴虐者だと自覚していた。潤わぬ部分に無理やりねじ込み、犯し、少女を人間へ堕落させてしまう悪魔だと考えていた。
 しかし、ヒロミは濡れた。それはしたたり落ちるような多量の分泌液ではなかったが、アンモニアと欧州製のチーズのような発酵臭を帯びた愛汁だった。
「ヒロミ…」
 僕は股の間からヒロミを見上げた。ヒロミは羞恥と屈辱から涙を流している。しかし、眉根によった皺と、時折ピクリと反応する筋肉が淫らな歓喜を表している。
「ヒロミ、お前…」
「お兄ちゃん、もういい、もういいよ…」
「何がいいんだよ、やめていいのかよ」
「もう、やだよ、いやだよ」
「何がいやなんだよ」
「そんなお兄ちゃん、嫌いだよ。こんなの、いやだよ」
 心地よさを知ってしまう自分を恨んでいるのか。それが、自分の兄であるのを悔やんでいるのか。拒絶の言葉を吐いてみても、ヒロミの体は確実に緩み始めている。
「そうか、そうなんだ」
 かすかな落胆を覚えながら僕はヒロミを見た。
 力を緩めてももはや逃げ出そうとはせずに、それよりも、既に何かを待ち受けている。興奮と恥ずかしさと、暑さにしっとりと潤った肉体は、昇華を始め桃色のオーラを発している。
「ヒロミ…」
 僕は全裸で横たわるヒロミを見下ろした。
「一緒に行こうな、ヒロミ」

 僕は再びヒロミの乳房を含んだ。ヒロミはもう、拒絶しなかった。僕は乳房をねぶりながらクレパスに手を伸ばした。ヒロミは敏感に反応し、僕に抱きついてきた。
「お兄ちゃん、ヒロミ、変だよ、変」
「感じるのか?」
 ヒロミは黙ってうなずく。
「お兄ちゃんのこと、嫌いか?」
 ヒロミは首を横に振る。
 僕はそのままヒロミの両脚を広げ、身体を割り入れた。
「入れるぞ」
「ヤだ、恐い」
「恐くない」
 僕はそのままヒロミの部分にあてがい、力を込める。
「!!!!!!!!!!!」
 僕の頭が半分入ったころ、ヒロミは大きく目を見開き、言葉にならない悲鳴を上げる。
「痛い!イタイ、イタイ、イタイ!」
 僕はそれでも根元まで挿入する。ゆっくり、ずりゅりずりゅりと収めていく。
「痛い!もう、やめて!」
 ヒロミは固く瞳を閉じて僕を押し返そうとした。しかし、僕は全部を納めたままヒロミの反応を伺う。
「動くよ」
「やだ、もう、抜いて」
「動くよ」
「お願い、許して」
 僕はゆっくり抽送を始めた。ヒロミの内部はさすがに狭く、そして、握り締めるような圧力で僕を包んでくれる。突き入れれば苦痛を示し、抜き出そうとすると安堵を浮かべる。それを繰り返し、僕の速度は早まる。
「…、んんん、んん」
「どうだヒロミ、ちょっとは気持ちよくなってきたか」
  ヒロミは目を閉じたまま首を横に振る。僕はそんなヒロミの仕草が愛しく、唇を重ねる。ヒロミは固く閉じたまま、僕の舌の侵入を受け入れようとはしない。け れど、僕が腰を振り、彼女の内部をかきまぜ始めると、力が抜けたの薄く唇を開く。僕はその、海棠の花びらのような唇をしゃぶる。そして、舌をからませ、唾 液を注ぎ込む。ヒロミの白い歯、ピンクの歯茎、ねっとりとした裏頬を味わう。味わいながら、張り詰めた乳房を揉み、まとわりつく膣肉を感じる。
  ヒロミは律動に合わせて筋肉を硬直させる。ビクンビクンと何度も痙攣し、伝わる痛みをこらえている。肌が色濃く染まり、髪の毛までもが汗に濡れる。苦痛に 歪む表情は征服感を与え、僕は自分のペニスでヒロミを破壊してしまうであろう想像をする。それは、より巨大に、長大になったペニスがヒロミの子宮を突き破 り、腸や胃までも到達する。やがて、多量にあふれ出たスペルマがヒロミの喉からあふれ出し、鮮血と精液にまみれてヒロミは絶命する。
 僕はそんな想像をしながらほくそ笑んでしまった。僕はもはや、人間じゃない領域まで達している。実の妹を犯しながら。
「もういいよぉ、もういい、もうやめて…」
 ヒロミは泣きながら哀願を始めた。
「何だ、気持ちよくないのか」
「気持ちよくなんかない、痛いだけだよぉ」
「俺はこんなに…」
 僕は想像どおり、突き破るような勢いで腰を打ち付ける。
「アアアア!ヤだ、やめて!」
「これはどうだ、これなら…」
 僕は緩急を加え、グラインドする。
「もういいよぉ、早く終わってよぉ」
 ヒロミの声はより切なさを増す。
「くそ、こうだ」
 僕はそんなヒロミを抱き上げた。ヒロミの体躯は僕のひざの上に乗り、一層深く挿入が果たされる。ヒロミは唇をかみしめ、眉をしかめる。僕は下からヒロミを持ち上げるように抽送する。ヒロミの乳房が揺れる。僕に乗っかったまま体を反らせ、その歪んだ顔面を見せつける。
「いいぞ、その顔、ヒロミ、かわいいぞ」
「もういいよぉ、もういい…」
「ヒロミ、大好きだ、ヒロミ」
 僕は限界を覚えていた。ゆっくりとせり上がってくる精虫の塊を堪えるのに必死だった。
「ヒロミ、ヒロミ」
 僕は妹の名を呼び、再び仰向けにした。そして、性急に出し入れを繰り返すと、頂点を迎えようとした。
「ああ、ヒロミ、出すぞ」
「え、中は…、ダメ」
「ヒロミ、出すぞ!」
「やめて!出さないで!赤ちゃんできちゃう!」
  ヒロミの訴えも聞き入れず僕はそのまま射精した。ヒロミは僕を受け入れながら注ぎ込まれている精液を感じ取っているようだった。僕は最後の一滴までヒロミ の中に放った。ヒロミの子宮は突然の闖入者たちに驚いていることだろう。それは、抜き取る寸前のヒロミの表情で分かった。

 僕は下半身を剥き出しにしたままタバコに火をつけた。ヒロミは全裸のまま、突っ伏し、泣いていた。
「パンツくらいはけよ」 
 僕は、ついさっきまで僕のペニスが納まっていたヴァギナをあからさまにしているヒロミにいった。しかし、ヒロミは嗚咽を上げ続け、体を起こそうとはしない。
「まったく」
 ヒロミの部分からは僕の精液とバージンの証しである血が交ざって流れ落ちていた。
 僕は窓の外から夏の空を見た。
 風鈴が何かを思い出したかのようにチリンと鳴った。

小説(転載) 「夏の思い出 姉との秘密」

近親相姦小説
04 /24 2015

  「夏の思い出 姉との秘密」

 昭和47年夏。僕たち姉弟は父親と伯父に連れられてとある海辺の民宿にやって来た。小さな漁村の小さな海水浴場。狭い砂浜に人影はまばらで、十歳の僕と五つ年上の姉は到着すると同時に水着に着替え、海に飛び込んだ。 その夜。僕は突然発作を起こしてしまった。
 元来病弱で小児ゼンソクの持病を抱えていた僕の体は環境の変化に弱い。それでもここ数年は大した発作も起きることがなく、数年ぶりの旅行に心弾ませていた。
 そんな矢先だった。
「あーあ、来るんじゃなかった」
 民宿の部屋でタオルケットにくるまり、床に付していた僕のとなりで姉は言った。
「僕なんてほっといて泳ぎに行けばいいのに」
「そうしたいわよ。でも、こんな田舎のちんけな海で、一人ぱちゃぱちゃ水遊びしたって、なーんにもおもしろくないじゃない」
  中学三年の姉は体格がよく、背丈も顔付きも、そして胸の膨らみや腰つきも、大人と言って十分通じるほど実っていた。未だ精通はなかったものの、性的な衝動 をそろそろ覚え始めていた僕は、姉の肢体を目の当たりにするたびに誤った感情を抱いてしまう。いけないことだと知りつつも体の一部が敏感に反応してしま い、悶々とした気分を味あわざるを得ない。
 そんな姉が二人きりの部屋で、しかも薄いTシャツにショートパンツ姿でひざを抱えて壁にもたれている。太ももは剥き出しになり、仰向けに寝る僕の目には、股の間の部分からかすかに覗く下着の白い影が写る。
「カッコイイ男の子でもいれば別だけど、子供とオジさんばかりじゃなぁ」
  本当は友人同士で旅行に出掛けるつもりだったらしい。しかし、今とは違い、校則も厳しく、もちろん、どこの親も中学生同士の旅行など許可しない。渋る姉を 見兼ねたのか、それとも自分自身が楽しむための免罪符にしたかったのか、痴呆の祖母の看病で家を空けることのできない母親を一人残し、父親は僕たちを連れ 出した。
「あーあ、ホント、つまんない」
 姉は両手を頭の後ろに回し、胸を反らす。盛り上がった両の乳房をまじまじと見つめてしまったとき、僕は突然咳き込んでしまった。
「大丈夫」
 姉はあわてて擦り寄り、四つん這いで僕を見る。
「だ、大丈夫」
 僕はそんな姉の顔を見、シャツの襟元からかいま見えるブラジャーと乳房の谷間を見てしまう。
「タッちゃん、苦しそうよ。背中さすって上げようか」
「大丈夫、ほんと大丈夫だから」
 固辞するにもかかわらず、姉は僕の体を抱え手を伸ばす。甘く儚い姉の香り。
「ケホ、ケホケホ…」
「ホント大丈夫?お薬飲む?」
「ううん、今飲んだばかりだし」
「横になった方がいいのかな。なれる?」
「うん、静かにしてれば大丈夫」
 僕は再び仰向けになる。姉は心配そうに僕の顔を見つめる。
 しばらくすると咳は止んだ。それでも呼吸は苦しく音の出ない笛のように喉は鳴る。
「少しは楽になった?」
「うん」
「胸の方はどう?」
 姉はそう言うと僕の狭くて薄い胸板に顔を乗せ耳を当てる。
「ヒューヒュー、言ってる。苦しくない?」
 姉の髪がバサリと体躯に降りかかる。体温が直に伝わってくる。頭の重さと頬の感触に僕の心臓は激しく鼓動を叩く。
「あら」
 呼吸が苦しいながらもパジャマのあの部分が盛り上がりを見せ始めていた。僕は姉の感触に勃起してしまったのだ。
「苦しいなんて言っちゃって、タッちゃん、Hなんだから」
 そんな僕の変化を知った姉は責める訳でもなく、笑みを浮かべて言った。
「見てもいい?」
「え?」
「見てみたいの、オチンチン」
「だ、だめだよ」
「どうして?」
「どうしてって…」
「姉弟だから恥ずかしくないでしょ。一緒にお風呂に入ったこともあるのに」
  姉は好奇心の強い性格だった。だから、冒険と称し草深い山道に迷い込んだり、奇妙な形の地虫をつかんだり、父親が隠していたいやらしい本を見つけだした り、男の僕がはらはらすることを平気でやってのける。そういえば、僕がまだ幼いころ、一緒に風呂に入った姉にペニスを引っ張られ、あまりの痛さに泣き出し たこともある。
「あのころと、どう変わっているのかなぁ。楽しみ」
 僕が必死に抵抗するにもかかわらず、姉はパジャマを降ろし、ブリーフをずらす。
「やめて、やめてよ、お姉ちゃん」
「へえ、大きくなってる。小学生なのにこんなになるんだ」
 姉は珍しそうに僕のペニスを眺めていた。僕は既に抵抗の意志を失っていた。なぜ?もしかすると、姉にこうやって弄ばれるのを心のどこかで期待していたのかもしれない。もちろん、それ以上の行為にエスカレートしていくことも。
「大人みたいに固くなってるけど、タッちゃん、かわいい」
「も、もういいだろ」
「触っていい?」
「え…」
「いいでしょ」
 姉は僕の返答を待たずに指でつまむ。
「ピクピクしてるよ。気持ちいいの?」
「気持ちいいことなんてない」
「触るだけじゃだめなのかなぁ。ね、なめていい?」
  僕はもはや何を言葉にすることもできなかった。去年の冬。姉が父親の部屋から盗んで来たH本を二人で見たことがある。ヘアヌードが常識となった現在でも規 制を受けるに値するほどの内容で、全裸の男と女が重なり合い、陰部に性器を挿入している様がはっきりと映し出されていた。そして、女性がそそり立つペニス をほお張っている写真も掲載されていて、子供がどうすればできるのかまだ知らなかった僕はかなりのショックを受けた。
 でも、姉はすべてを知って いたのだろう。眼を輝かせて食い入るように見つめ、顔を上げると僕の顔を見てニヤリと笑う。その妖しい笑顔を見たとき、僕は姉が別の世界の人間であるよう に思った。僕の知らない、混沌としてどろりとした、大人の世界に行ってしまったような気がした。
「いいでしょ、気持ちいいよ、きっと」
 姉はそう言って僕を唇の中に吸い込む。
「あ…」
 僕はその瞬間、体中がしびれるような感慨を知る。纏わり付く舌の滑らかさ、あふれる唾液の粘っこさ、そして口内の暖かさ。
 姉は咥えながらチロチロと舌を動かす。吸い付き、口蓋で挟み込む。
「ああ、ああ…」
 僕は訳の分からない気持ち良さの果てに、とうとう生まれて初めての射精をしてしまう。それも、同じ母親から生まれた姉の口の中に。
「ふぅーん、ん…」
 姉は僕を抜き取りそう唸ると、口の中にたまっていたザーメンを飲み干した。
「おいしいもんじゃないね。それに、わたしは全然気持ちよくない」
 僕は何も答えなかった。答える事のできる気力は残っていなかった。
「やっぱり、ちゃんとしないとダメねぇ。ねえ、タッちゃん」
「え…」
「お姉ちゃんが入れてあげようか」
 僕は姉の言った言葉の意味が分からない。
「お姉ちゃんの中に入れてみる」
「何を」
「タッちゃんのオチンチン」
「……!」
「お姉ちゃんも初めてだけど、タッちゃんの、まだちっちゃいから痛くないよね」
「だ、だめだよ」
「どうして?」
「どうしてって…、赤ちゃんできちゃうよ」
「タッちゃん、まだ子供だから大丈夫」
「そんな…」
 たしかに、小学生の僕に生殖能力はなかったかもしれない。けれど、姉弟のセックスが許されないことくらい知っている。
「だめだよ、やめようよ」
「そんなこと言って、ほら、もうこんなになってるよ」
 姉はしぼんだ僕をずっといじくり続けていた。その感触に、一度射精した後だというのに僕のペニスは復活を遂げている。
「お姉ちゃんも裸になるからね」
 姉はそう言うと座ったままでシャツを脱ぐ。 僕はしだいにあらわになっていく姉の素肌を見て声を失っていた。
 少し灼けた肌に白い水着の跡。固く豊かに膨らんだ乳房にはピンクの乳首。立ち上がりパンツを脱ぐと、真っ白な下腹に微かな陰影。
「どう?お姉ちゃんの裸」
  今から思えば姉の肉体には幼さが十分残されていた。くびれの少ない腰といい、プックリ膨らんだ下腹部といい、外見は大人のようではあっても、いったん身に つけていたものを剥ぎ取ると、そこに現れたのは一五歳の少女の裸体でしかない。しかし、十歳の僕にとって姉は完璧すぎた。光沢を放つキメ細やかな素肌。見 事なハリを見せつける乳房。質素な民宿の部屋にあって姉の姿は空間と僕の理性を簡単に超越させる。
「さ、タッちゃんは寝ていていいから。お姉ちゃんが全部してあげる」
 どこでそんな言葉を覚えて来たのだろう。姉は熟女のような口ぶりで僕を誘惑する。僕は運命に従う決心をする。初めての女性が実の姉。これからの人生に支障が生ずると言われてもかまわない。
「ほら、お姉ちゃんのココ、ココにタッちゃんが入るの」
 姉は薄く開いた部分を見せつけ僕にまたがる。そして、既に固くとがった僕のペニスに手を添えると自分の中に誘った。
「ん…、痛い…」
 どんなに僕が細く幼くてもそれ相応の痛みは走るのだろう。姉はあてがい、先端を潜り込ませると、苦痛に顔を歪ませる。
「いいよ、お姉ちゃん、もういい…」
「ダ、メ、よ。まだこれから」
 姉は歯を食いしばり、ゆっくり僕を収めていく。
「ん、んん、あん、ほら、全部入った」
 僕は姉の内部の感触に陶酔していた。暖かで、滑らかで、窮屈な感慨はまさに夢見心地だった。
「う、動くね、痛かったら、言ってね」
 姉は痛みに耐えながらゆっくり、ゆっくり律動を始める。
「どう?痛くない?」
「気持ちいい」
「いいの、気持ちいいの?」
「すごく気持ちいいよ、お姉ちゃん」
 姉は安心したようにほほ笑むと、大きく腰を振り始めた。しだいに、僕を呑み込む部分から温かくて、ぬるりとした液があふれ始める。姉の肌はピンクに染まり、唇からせつない声が漏れ始める。
「いい?気持ちいい?」
「いいよ、お姉ちゃん」
「お姉ちゃんも…、なんだか変、ああん、変な気持ち」
 小さい僕が幸をせいしたのか、姉の痛みはすぐに和らいでいったようだ。その代わり、大人なら快感として伝わるであろう感触に、中学3年の姉は戸惑っているようだった。
「ああん、変、何か、ダメ…」
「ああ、お姉ちゃん、お姉ちゃん」
「どうしたの?痛いの?」
「ううん、何か、出る、出ちゃう」
「出ちゃうの?ああん、いいよ、出していいよ」
「お姉ちゃん、もうだめ」
「ああん、タッちゃん、タッちゃん!」
 僕はそのまま姉の膣内に吐き出した。姉はそれを一滴のこらず受け止め、僕の上にどさりと崩れ落ちるのだった。

 あれから四半世紀以上の月日が流れた。僕は人並みに結婚し、子供も二人いる。姉との行為が人生にどんな影響を及ぼすのか危惧していたが、これといって奇妙な性癖を抱くこともなくここまでやって来た。
 姉とはあの後、一度も身を重ねることはなかった。しかし、好奇心、特に性的なことに対して旺盛な姉は、大学入学とともに数ある男性遍歴を綴った小説でデビューを果たした。二度の結婚に失敗し、今もこつこつと売文で口を糊している。
「熟女ブームだし、AVデビューでもしようかなぁ」と、こっちがハラハラするようなことを言いながら。

小説(転載) 「僕から妹へ」

近親相姦小説
04 /24 2015
   「僕から妹へ」

 妹の涼子が実家に戻って来ました。彼女は三十一歳。三年前に結婚し、それなりに幸せな生活を送っているはずでした。
「もう、いや、もう、我慢できない」
 離婚も辞さない覚悟で涼子は帰ってきたといいます。理由をたずねれば、三年も経つのに子供ができないことを嫁ぎ先の両親がねちねちと責め立てるというのでした。
「病院に行っても異常なし。けれど、彼はいこうとしないのよ」
「どうして?」
「お義母さんが言うの。ウチの息子は子供も作れないような欠陥品じゃない。それじゃあ、
まるでわたしだけの責任みたいじゃない」
 妹のダンナはサラリーマンだけれど、家は田舎の大地主。長男でボンボン育ちのその男は、僕が見ても頼りなさげで、親の言いなりになりそうな雰囲気をもっていました。
「だから言っただろ。おまえには無理だって」
「でも、わたしを絶対幸せにしてくれるって。お金には不自由させないって」
 確かに金に不自由は無いでしょう。けれど、近所の付き合いに冠婚葬祭。父親が早くに死に、都会の短大を出てOLをしていた涼子とは住む世界が違います。
「けど、まあ、人はいいんだから」
 母親はおろおろしながら、涼子を宥めすかしました。
「そんな家、いることないよ。さっさと別れて帰って来ればいいんだ」
 僕は言います。
「そんなこと言わないで。あちらさんにはわたしから電話入れとくから。今夜一晩、よく考えてみなさい」
 母親の言葉に涼子は渋々従います。僕は憤然としながらも、母親の今までを知っているだけに何を言うこともできませんでした。

「母さんには悪いことしちゃったかなぁ」
 リビングで僕たち二人はビールを飲んでいました。母親は自分の部屋で寝ています。
「なんだか見ていて辛かった」
 平身低頭。電話の前でペコペコ頭を下げる母親を見た涼子は言いました。
「母さんは弱気になり過ぎだ」
「でも、わたしの結婚が決まったとき、一番喜んでくれたのは母さんだった」
 父が死に、母親はそれこそ夜昼関係なく働き、僕たち二人を育ててくれました。僕は父親のように妹に接し、それだから、あんな男と結婚することには反対しました。
「お兄ちゃんはいつもわたしのめんどう見てくれたね。中学、高校の卒業式も来てくれた」
「母さん、仕事だし、暇だったからな。それに」
「それに?」
「おまえの行ってた学校、カワイイ子が多かったから」
「やだ、それが目当てだったの?」
 屈託のない笑顔で涼子は笑います。昔そのままの。だから、そんな涼子をイジメぬくダンナと舅、姑に憤りを感じるのは当たり前でした。
「母さん、あんなふうに言ったけど、いつでも帰って来ていいんだぞ」
「うん、でも…」
「なんだ、未練でもあるのか?」
「ううん、でも、母さんに心配かけたくない」
「このまま戻っても、もっと心配するだけだろ」
「彼は優しいのよ。お金だっていっぱいあるし」
「金なんて…」
「でも、お金で苦労したのはお兄ちゃんも一緒でしょ」
 妹は自分でアルバイトをし、高校と短大の授業料を払っていました。僕も、仕事をしながら学校に通っていました。
「話変えよ。お兄ちゃん、結婚は?」
「え…、いや、それがなかなか」
「好きな人は?」
「今はいない」
「変だね、お兄ちゃん、カッコイイって評判だったのに」
「ホントかよ」
「ホント。わたしね、だから、お兄ちゃんが卒業式に来てくれたの、すっごく嬉しかった」
 酔いが回ったのか妹の目はうつろになり、頬が赤く染まっています。
「ま、いいか。今日は寝ろ。あした目が覚めてから考えよう」
「もう、寝ちゃうの?」
「オレは大丈夫だけど」
「わたし、もう少しお兄ちゃんといたい」
「え?」
「覚えてる?お兄ちゃんが結婚寸前までいったのにわたしが反対して別れさせたの」
「そう、だっけ」
「あの人嫌い!なんていって。本当はね、あの人が嫌いじゃなかったの、本当はね…」
 妹はそう言って僕の目をじっと見ました。僕は動揺を覚え、立ち上がります。
「寝ろ。酔ってるよ」
「酔ってなんかいない。わたしはお兄ちゃんが好きだった。ううん、今でも大好き。結婚して、家を離れてそれがよく分かった」
「やめろよ、涼子」
「赤ちゃんができないのはお兄ちゃんのことが忘れられないから。だって、一番好きでもない人の子供なんて欲しくない」
「涼子…」
 妹はいきなり抱きついてきました。僕はどうすることもできず、肩に手を回します。
「一回だけ、一度だけでいいの。そうすれば我慢できる。全部忘れられる。だから、だから…」
 涼子はそう言って僕を見つめました。
「わたしをお兄ちゃんのものにして」

 僕は確かに拒絶しました。許されないことだと諭したと思います。けれど、いつの間にか僕のズボンとトランクスはずり下ろされ、妹の舌がそそり立つペニスの周りをはいずり回っていました。
「ん、あうん、んん…」
「涼子…」
「いいの、何も言わなくていいの。好きなようにさせて」
 口に含み、茎の周りに巻き付く舌の感触に僕は思わず嗚咽を漏らしてしまいます。
「ああん、お兄ちゃんのすてき、大きい」
「涼子…」
「ずっと思ってた、ずっと考えてた。お兄ちゃんのこと」
 そう言うと涼子は立ち上がり、自分で服を脱ぎ始めました。
「ちゃんと見てね、もう子供じゃない、大人になった涼子を見てね」
 するすると脱ぎ落とされる衣装の向こうから涼子の裸身が姿を現します。子供のころ、風呂に入れ、洗ってやった滑らかな肌があらわになってきます。もちろ ん、そのころとは違い、乳房は大きく膨らみ、腰はくびれ、太ももはむっちりと実っています。ただ、肌の白さと光沢は幼いころそのままでした。
「涼子…」
「こんなこと、こんないやらしい涼子は嫌い?」
「いや…」
「好き?」
「ああ」
「ちゃんと言葉で言って」
 僕は一度ツバを飲み込み、不安そうに佇む涼子を見つめて言いました。
「好きだよ、大好きだ、涼子」
 その言葉に妹は満面の笑みをたたえ胸に飛び込んで来ました。
「お兄ちゃん、大好き。お兄ちゃん…」
 僕は涼子の頬を手に取り、唇を重ねました。舌がねじ込まれ、唾液が注がれます。僕はそれを受け止め、飲み込みました。
「お兄ちゃん、涼子のココ、もうこんなになってる」
 涼子は僕の手を取り自分の部分に誘います。「ほら、分かる?」
「うん」
 涼子のヴァギナはしっとり潤い、ねっとりとした感触が指に伝わって来ます。
「入れてね、ココにお兄ちゃんの、入れて」
「いいのか?」
「お願い」
 僕は急いで服を脱ぎ、自分も真っ裸になりました。そして、涼子を床に仰向けにすると顔を見ながら肉裂に指を挿入します。
「あうん…、あん」
「涼子」
「お兄ちゃん、もっと、うん、もっとぉ」
 僕は激しく指を出し入れしました。涼子の肢体は弓反りになります。
「うん、早く、早くぅ、お兄ちゃん」
「涼子、入れるぞ」
 僕は涼子の脚を広げ自分の体躯を割り込ませました。そして、十分に堅くなった自分に手を添えると充血した肉ビラの奥へと…。
「あうん」
 僕を迎えた妹は再び背を反らせます。
「入ったね、お兄ちゃんがわたしの中に入ってる」
「涼子」
「好き、お兄ちゃん大好き」
 僕たちは再び唇を重ね、そして、密着させた腰をグラインドさせます。抽送が始まると涼子はだらし無く口を空け、眉根にしわを寄せます。
「ああん、お兄ちゃん、お兄ちゃん」
「涼子、いいよ、涼子」
「いい、気持ちいい、ああん、お兄ちゃん」
 涼子の乳房を吸い、片足を抱え、僕は激しく腰を振り続けます。涼子の肌がピンクに染まり、愛蜜があふれ出て来ます。僕を咥え、離そうとはしない膣筒の締まりが、僕を頂点へと導いていきます。
「ああん、お兄ちゃん、涼子、ダメ」
「いいぞ、涼子」
「イク、イクイク、きて、一緒に来て」
「イッていいのか」
「いい、ああん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
 僕はそのまま涼子の膣中に吐き出しました。実の兄貴の精液を受け止めながら、涼子は身を震わせ、全身の力を抜いていくのでした。

 次の日、涼子は母親の勧めもあって嫁ぎ先へと戻って行きました。その後しばらくしてから涼子が妊娠したという知らせが入りました。
「よかったね、あの子も肩の荷が降りるね」
 母親はうれしそうでした。けれど、僕は、僕に瓜二つかもしれない甥の顔を見るのが怖くて仕方のない今日このごろです。

小説(転載)  「風俗銀行○○支店」

官能小説
04 /24 2015
保存してあったフォルダ名で検索したところ「過去に発表した作品集 Yhoo!のブログが削除されたので、新たな形で再スタートしました!」と作品を紹介しているサイトを見つけた。しかしアップされている作品には保存してある作品がない。同一人物のものではないのか不明のままだ。


 「風俗銀行○○支店」

「いらっしゃいませぇ」
 自動ドアをくぐり、一歩足を踏み入れた途端、わたしは呆然としてしまった。
「いらっしゃいませ、本日はご入金ですか?」
 スーツに身を包んだ初老の男が近づいてくる。
「え、ええ」
「では、こちらのカウンターへ」
 わたしは案内されるまま、一人の窓口嬢の前に立つ。
「いらっしゃいませ」
 窓口嬢はにこやかな笑みを浮かべる。
「本日は?」
「あ、あの、新規で通帳を…」
「まあ、ご新規ですか」
 彼女は派手に喜びを示し、両手を組む。
「で、ご入金はいかほど」
「とりあえず、千円」
「え~、千円ですか?お客様、一万円以上ですと特別サービスが、五万円以上ですとスペシャルサービスがつきますけど」
「は、はあ」
「さらに、長期定期預金ですと特別オプションが、さらに、積立預金ですと毎月のお積立金に応じてスペシャルサービス、フルオプションという…」
 わたしは周囲を見まわした。明るい照明に清潔な店内。並ぶ窓口嬢に机にへばりついている事務職員。高い天井、長椅子ソファーに積み重ねられた雑誌類。ど こをどう見ても普通の銀行だ。ただ違うことといえば現在の時間が午後十時。そして、行員OLの透けたブラウスの胸元には全員ピンクの豆粒模様が浮かんでい る。しかし、それは服地のアクセントでも何でもない。つまり、OLたちは誰一人として下着を着けていない。浮かんでいるのは彼女たちの乳首が透けて見えて いるのだ。

「いやあ、うちもね、例外なくバブルの乱脈融資がたたって破綻寸前なんですよ。しかも、小さな地銀でしょ、受け入れてくれるところもない」
 取材に応じてくれた頭取がいった。
「そこでね、考えたんですよ。なにも利率を上げ下げするだけが銀行のサービスじゃない。大蔵省、今の財務省ですか、は金融自由化で銀行も勝手にやっておくれという。それなら、そうさせてもらおうじゃないか。というわけで、始めたんです」
 風俗業の申請もし、認可される。職にあぶれた女の子をかき集め、日本初、いや多分世界初の風俗銀行がスタートしたわけだ。
「おかげさまで預金率はうなぎ上り。引き出し率はゼロに近い」
 頭取は禿げ上がった頭を撫ぜ、恰幅のいい腹を震わせて大笑いするのであった。

 というわけで、わたしは取材もかねてこの銀行を訪れたわけだ。
「じゃ、じゃあ、一万円」
 わたしは窓口嬢に告げる。
「ありがとうございます。総合通帳でよろしいですね?」
「はい」
「ハイ、ニューお通帳のお客様ご案内でーす!」
 彼女は大きな声で叫ぶ。途端にさっきの男子行員が慇懃に頭を下げて近寄ってくる。
「ありがとうございます。受けうけましたのは当行のナンバー1、サユリです」
 わたしは窓口嬢、サユリを見る。彼女はにっこり微笑み、ブラウスのボタンに手をかける。
「では、こちらへ」
 行員はわたしをカウンターの中へと案内した。
「はい、どうぞ」
 カウンターの中は狭い区切りで覆われていて、案内の行員はカーテンを閉じる。背後にたったわたしに対し、サユリはイスを回して向き合う。そして、ブラウスのボタンを全部外し、乳房を剥き出しにしてわたしに示す。
「触っていいのよ」
 小悪魔的な笑みを浮かべるサユリ。わたしは震える手を差し出し、形のいい乳房に触れる。
「いやん…」
 甘酸っぱい声を上げるサユリ。わたしは手のひらに力を込め、揉み上げる。
「あん、優しくして」
 その声に頷き、わたしはゆっくり、小さな乳首の感触を楽しむように指を蠢かせる。
「うん、お上手、あん、いい気持ち」
 わたしは次第に興奮を覚え、顔を近づけようとした。
「はい、そこまで!」
 行員のはっきりした声が響き、カーテンが開く。
「本日のご預金、ありがとうございました!」
 その声に追い出されるようにわたしはカウンターから出る。
「また来てネ」という、サユリの声を背中で聞きながら。

「金額の割りにサービスが寂しいように思いますが」
 わたしは頭取に訊ねてみた。
「ま、そうですな。けれどね、金はあくまでもお客様のものだ。本行のものじゃない。普通預金ならいつでも引き出しに応じなければならない」
「その分サービスが…」
「ま、そういうことですな。しかしですな。オプションやなんかで、本物の銀行で本物の銀行OLとナニができるわけですから」
「好きな人にはたまらない、と」
「まあ、あれですよ。今までも、新規に通帳を作るとラップやティッシュを配っていた。あれと同じ事ですよ」

 日を改め、わたしは月々五万円、十年積み立て預金を申し込んだ。
「十年積立、五万円コース、ごあんなーい!」
 サユリが叫ぶ。スーツ姿の案内行員がすぐにやってきて、深々と頭を下げる。
「このたびは長期積立五万円コースの新規お申し込み、ありがとうございます。ご案内いたします。こちらへ」
 行員はわたしを導く。わたしは店の奥まで案内され、とある個室に通された。
「こちらでお待ちを、ご指名はサユリで?」
「あ、はい」
「かしこまりました」
 行員はパチンと指を鳴らす。すると、同じように薄手のブラウスにノーブラのOLが水割りを持って現われた。
「おタバコは?」
 床に膝を付き、テーブルにグラスを置いたOLは言う。
「あ、はい」
 彼女はスカートの間からタバコを取りだし、わたしに手渡すと、火をつけた。
「それでは、ごゆっくり」
 OLはそのまま立ち去る。サユリとタイプは違うが、なかなかそそられる体つきをしている。
 わたしは水割りを口に運び、周りを見回した。豪華な調度品にふかふかのソファー。風俗の待合室というより、企業の応接室といった感じだ。
「お待たせしました、用意が整いました」
 案内役の行員が訪れわたしに言う。
「また別の部屋?」
「申し訳ございません。しかし、こちらの方が…」
 行員は卑屈な笑みを浮かべる。
「そう…」
 酔いが手伝っていたのだろう。わたしは少し横柄な態度で立ち上がる。男はやはり慇懃な姿勢でわたしを別の部屋へ案内するのだった。

 通されたのは普通のオフィスだった。スチール製の机が並べられ、書類が乱雑に積み上げられ、コピーにパソコン、片隅にはコーヒーメーカーが所在なげに据え付けられている。
「こんなところ…」
 わたしは男の姿を探した。しかし、役目を終えた男は早々に姿を消している。
「何だよ、いったい」
 わたしは一人愚痴る。そんな時、扉が開き、一人のOLが入ってきた。
「お待たせしました」
 わたしは彼女を見た。それは、ついさっき、カウンターの向こうで大声を張り上げていたサユリだった。
「さ、わたしはこの銀行のOL、あなたは?」
「え…、おれ?」
「そう、同僚の男子行員でもいいし、上司、出入りの業者、そうねぇ、無理難題を押し付けにきたヤッちゃんていうのもあるけど」
 早い話がイメクラである。ただし、どういう形であれ、相手は本物の銀行OLだし、ここは本物のオフィスだ。シチュエーションは完璧。
「そ、そうだな、こんなのはどうだろう」
 出納係のOLが残業をしている。どんなに計算をしてもその日の出金額と入金額が合わないのだ。上司のわたしは確認印を押さないと帰れない。つまり、この銀行に残っているのはわたしと彼女の二人だけと言うことになる。
「そこでさ、業を煮やした上司が自分のポケットマネーを出す替わりに、身体を求めるっていうのは」
「いい、それいいね」
 サユリはそういって微笑んだ。
 わたしは銀行勤めの経験も、サラリーマンの経験もない。そして、毎日毎日、ぴちぴちの制服に身を包んだOLを眺め、心の中で凌辱を犯しているであろうヤツらを羨ましく思っていた。
「じゃあ、あなたはココに座って。わたしはココに…」
 サユリは部屋の中ほどにあるデスクに座って書類の束を取り出した。そして、髪を束ねるとかなりのスピードで電卓を叩き始める。わたしは少し離れた机に座り、その様子を眺めていた。
「へぇ、うまいもんだね」
「だって、銀行員なんだもん」
 サユリは俯き書類に目をやったまま微笑む。わたしはそんなサユリを見つめプレイをスタートさせるのであった。

「ま、まだかね、サユリくん」
 わたしは慣れぬ口調で言う。
「は、はい、まだ…」
「何だねいったい、いくら足りないんだ」
 わたしは席を立ち、サユリの背後に回る。
「三万円」
「三万円とは、また…」
「わかんないんです、原因が」
「わかんないじゃないだろう、君の責任だろ」
 今にも泣き出しそうな声でサユリは言う。演技は真に迫っている。泣きべそを書きながら帳簿に向かうサユリ。束ねられた髪の間から浮かぶ項が艶かしい。
「仕方ないねェ、今日のところは立て替えてあげるから」
「え?」
 サユリは驚きと喜びの混じった複雑な表情でわたしを見上げる。
「そ、その代わり」
「その代わり?」
「いいだろ、分かってるんだろ」
 わたしはいきなり、サユリのブラウスに手を伸ばす。
「い、いけません、やめてください…」
「わたしはいいんだよ、何時間残業しても。誰もいない事務所で君と二人きりなんて、滅多にないことだからな。でも、君は困るだろ」
「……」
「だからな、家に帰してあげようと言うんだ。その代わり、な、分かるだろ」
 わたしはブラウスのボタンを一つ、二つ外し、元より何物にも覆われていないサユリの乳房をまさぐる。
「あん…」
 サユリは、か細いが甲高く甘い声を上げる。
「なんだ、もうこんなに乳首が勃ってるじゃないか。案外こうされるのを…」
 わたしは形のいい乳房を鷲掴みにする。吸いつくような肌触りが指に絡まる。
「ああん、ダメ、やめてください…」
 口では拒絶を示してみても、サユリは確実に興奮を覚えている。肌がうっすらと桃色に色づき始め、体温が上がり、甘酸っぱい芳香が湧き起こる。吐息が切なく小さな鼻腔から漏れる。唇はぬらりと濡れ、ちろちろと舌先が顔を覗かせる。
「さあ、そのままわたしを舐めなさい」
 わたしは去サユリを向き直らせるとズボンのファスナーを下ろした。そして、トランクスの中から半ば力のこもったペニスを取り出す。示されたサユリはわた しを見上げ艶然とした笑みを浮かべる。そして、ずり落ちるようにイスから降り、ひざまづくと指を添えて舌を這わせ始めるのだった。
「おお、いい…」
 わたしは思わず呻き声をあげてしまう。サユリは舌先でわたしの先端を微妙な動きで擽ると、そのままぐるりと頭をなぞる。そして、カリ首をテロテロとなぞり、サオを丹念にしゃぶり尽くす。
「どう、気持ちいい?」
「じょ、上司に対して、その、言葉遣い…」
「あ、すいません…、どうですか、気持ちいいですか?」
 小百合はクスリと笑うとおもむろにわたしを呑み込む。
「あ、いい、上手…」
 わたしはだらしなく声を上げてしまう。それほどにサユリのテクは巧みで細やかで、ツボを心得ている。
「ふんふん、ふふん、ふん、あん、んん…」
 鼻から零れる淫靡な息遣い。そして、チュパチュパ響くいやらしい唾液の音。サユリは激しく首を前後させ、頭を回転させ、わたしの興奮を増幅させていく。 頬の内側で圧迫を込め、時折歯茎で軽い刺激を加えてくる。舌は休むことなく渦を描き、暖かで柔らかく、それでいて強烈な快感がわたしを支配する。
「いいでしょ、サユリ、上手?」
「最高だよ」
 サユリの小さな唇にくすんだわたしの肉棒が埋没していく。可憐で華麗な顔面をわたしの欲望が突き刺さる。
「ふふん、あぅん、どうです、このまま口でイッちゃいますか?それとも、入れちゃいますか?」
「入れていいの?」
「スペシャルサービスですから、何なりと」
 わたしは挿入を希望する。するとサユリは二、三度わたしを弄ぶと、ぬるりと抜き出す。わたしのペニスと彼女の唇が唾液の糸で繋がっている。
「ふふふ…」
 立ち上がり、上目遣いに妖艶な笑みを浮かべるサユリは、そのままブラウスのボタンを外し、タイトなスカートを脱ぐ。ストッキングをずり下ろし、ショーツ一枚だけが彼女の肢体に残されている。
「最後の一枚はあなたが、ネ」
 サユリは言う。わたしはそのまま彼女を机に押し倒し、唇を重ねる。
「あうん…」
 サユリは舌を絡め、唾液を注ぎ込んでくる。わたしはねっとりとした感触を楽しみつつ、乳房を執拗に探る。
「うん、優しく…」
 唇を外し、首筋を舐め、浮き出た鎖骨をなぞり、乳首を含む。
「あ、そこ、イイ…」
 敏感なサユリはすぐに反応を露にする。身を何度も捩り、微かな痙攣を繰り返す。わたしは乳房を口に含んだまま、下腹に手を伸ばした。ショーツの中は産毛のような薄い茂みが存在し、柔軟な肉裂は既に十分潤っている。
「こんなになって、早く欲しかったの?」
「うん」
 少女のようにサユリは頷く。わたしはそのままショーツを下ろし、蛍光灯の下ではっきりと浮かび上がる陰唇を観察する。
「ヤダ、そんなにじろじろ見ないで」
 サユリは脚を組み、隠そうとする。
「広げて、もっと」
「でも…」
「早く」
 わたしの命令に、サユリはゆっくりと両腿を広げる。デスクに尻をつき、ゆっくりゆっくり、焦らすように開脚していく。恥ずかしそうにあごを引き、長い睫に覆われた瞳でわたしを見つめ。
「ほお」
 こんな仕事をしている割に、形も整い色もくすんでいない。サーモンピンクをした、蘭の花びらのような部分はひくひくと待ちわびて疼いている。
「ヤダヤダ、もう、変なの」
 サユリは唇を舐め、自分で胸を揉み始めた。
「こんなの初めて、お願い、もういいでしょ」
「いや、まだまだ」
 わたしはじっと立ち尽くし、サユリを見る。疼く肉欲に我慢できなくなったのか、サユリは自分で部分に手を伸ばした。
「あん、欲しい、欲しいの…、早く、サユリのココに入れて、お願い、いじわるしないで」
 陰核を探り、肉ビラに指を這わせる。そして、自らの指を挿入させ、激しくこねくり回す。
「ああん、イイ、気持ちイイ、見られてるとイイ…」
 わたしの目の前でサユリは激しく悶える。愛蜜がとろりと滴り落ち裂け目と尻穴の境を伝い落ちていく。
「アアンアアン、イイ、だめ、イッちゃいそう、ああん」
「じゃあ、もういいか、入れなくても」
「ヤダ、入れて欲しいの、太いの、大きいの、入れて欲しい」
「俺の何が欲しいんだ?」
「あなたのオチンチン」
「どこへ」
「サユリのココへ」
「どこへ」
「ココ、オマ×コ」
「どこだ?」
「オマ×コ、あん!早くぅ!」
 サユリはあられもなく喘ぐ。わたしは頃合を見計らい、サユリの太腿を抱え上げると、熱く熟した肉壷に挿入を果たすのだった。
「あうん…!」
 サユリは大きく仰け反った。わたしはそのまま内部を味わう。うねうねと蠢き絡まる膣壁。細かい粒が微かな蠕動を繰り返す。とば口がわたしをきっちり咥え込み、窮屈なほどの肉圧が捕らえて離そうとしない。
「早く、早く動いて、サユリを掻き混ぜて!」
「よし」
 わたしは抽送を始めた。するとサユリの圧力が増しわたしのクビレとピッタリフィットする。抜き差しするたびにクリクリと部分が刺激される。
「すごい、いいよ」
「いい?サユリ、いい?すてき?」
「すてきだ、最高だ」
 このままでは余りに早く達してしまう。わたしは緩急を加えつつ、体位を変える。サユリを腹這いにし、バックから貫き通す。
「アアン!すごい、サユリ、狂っちゃう!」
 誰もいないオフィスにサユリの嬌声がこだまする。無機質な仕事場に似つかわしくない湿った響き、そして、行為。
(なるほど、ハマるかもしれないな)
 わたしはサユリの小さな尻タボを抱え、腰を突き入れながら思った。
「イッちゃう、イッちゃう、サユリ、イッちゃう。うん、イカせて…」
「まだまだ、ダメだよ」
 わたしはイスに腰掛けサユリを抱きしめた。サユリはわたしの膝の上に腰を下ろし、自ら誘う。サユリの一番深い部分までわたしは到達する。サユリの子宮口がコリコりと伝わってくる。わたしは乳房を含み、股座に手を伸ばしてクリットを探る。
「アアー!もうダメ、死んじゃう、ヤダ、こんなの、ああん、サユリ、狂っちゃうん!」
 わたしのペニスが折れてしまうのではないかと思うほど、サユリは腰を上下させる。髪が乱れ、眉間に浅い皺を寄せ、大きく口を開けサユリは悶え狂う。
「イクイク、イッちゃう、もう、お願い、許して、イカせて!」
「どこに出して欲しい」
「どこでもいい、どこでも」
「中でもイイのか?」
「中でイイ、あん、熱いの一杯ちょうだい。サユリの中にぶちまけて!」
 わたしは希望通りサユリの内部に迸りを放った。サユリは呼吸を止め、最後の一滴が注がれるまで受け止めている。筋肉が緊張している。やがて、うっすらと瞳を開け、サユリはわたしに跨ったまま、薄い笑みを浮かべるのだった。

「サラリーマンの経験がないわたしでもハマりそうになるんですから、常に思い描いている連中には大ウケでしょう」
 わたしは頭取にいう。
「はい、何も金を全部なくしてしまうわけじゃない。あくまでも預金、資産ですからね、損はない」
「けれど、預金した後すぐに解約とか」
「それは解約のお客様に対するマニュアルが存在しまして」
「マニュアル?」
「そう、窓口が個別に説得するんですわ。何せあのカッコで色仕掛け。素直に解約するお客様は少ない」
「男子の外交員もいますよね、彼らの仕事は?」
「逆パターンもあるわけですよ。つまり、資産家の未亡人とか。女性は店に足を運んで、つまり、何をスルのを恥ずかしがるわけですな。ですんで、お宅に伺って」
「なるほど」
「何事もアイデアですな。おかげで、わたしもこうやって頭取を続けていられる。もし、不良債権を処理できず、破綻ということにでもなれば…。考えただけで身の毛がよだちますわ」
 頭取はそのまま大声で笑った。途中秘書らしき女性がお茶を運んでくる。もちろん彼女のブラウスの下はノーブラだった。

小説(転載) 「鬼ごっこ」

官能小説
04 /24 2015
二人の会話はなんだか哲学的な感じもする。


 「鬼ごっこ」

「どうだった?」
 ホテルのベッドに横たわり、わたしは荒い吐息をつきながら訊ねた。
「い、いや…」
 浩一は激しい情事の余韻に浸りながら、それだけ答えるのがやっとのようだ。
「これでも若い女の子の方がよくって?」
「いや、そんなことはない。もう二度とそんなことは言わない」
 わたしは35歳。同い年の浩一とは20年近い付き合いになる。付かず離れず、青い言葉で言えば友達以上、恋人未満。お互い恋愛感情を抱いたこともあったが、決して触れ合うことなくここまで続いてきた。
  わたしは25歳のときに結婚し、浩一は30歳の時にわたしの知らない女と一緒になった。しかし彼は離婚、わたしは死別という形で一人身になる。それでも互 いの心内を打ち明けようとはしない。できない。あまりにも長すぎる関係はいびつな形となって二人を縛り付けてしまったのだろうか。
「とっても長い、鬼ごっこ」
「え?」
「ううん」
 けれどわたしはやっと浩一を捕まえた。今度は浩一が鬼の番。けれど不器用なわたしはすぐに捕まってしまうだろう。それでもいい、それでいい、わたしは永遠に彼を追い求めてやる。
 長い長い鬼ごっこ。

「やっぱり女は若いのがいいね。30過ぎた女なんてさ、見た目はよくても大味でさ。つつけば弾き返すって言うの?ピチピチしたハリのある肌、つるつるのヤツでさ、もう最高だよ」
  クラス、クラブを問わず、気の合った同窓生たちだけで毎年開かれる忘年会。わたしと浩一もメンバーに加わっている。30も半ばになった歳ともなると、当然 各々違った環境で違った生活を送っている。けれど、このときだけは高校時代のまま。日ごろの煩わしさを忘れてたあいのない話に花を咲かせている。
 かっては無口で厳格だった浩一も例外なく、酔いに任せて多弁になっていた。わたしはそんな浩一の横顔をじっと眺めている。
「いけないんだ、浩ちゃん。そうやってバイトの女のこに手、出してるんだ」
 主婦歴十年の真由美が煮えた鍋を手際よく整えながら言う。
「晴れて独身に戻ったんだからな、楽しまなきゃ」
 浩一は真っ赤に染まった目許を細めて言う。
「何言ってんだよ、別れた理由もお前の浮気が原因だろ」
 真由美の夫でもある祐介がいう。二人は高校三年のときから付き合い始め、二十歳過ぎで結婚した。「出来ちゃった結婚だから、仕方ないよ」と、式のとき真由美は少し膨らんだお腹をさすっていた。その時の幸せそうな笑顔をわたしは忘れることが出来ない。
 浩一はファーストフードの店長を経て、今は本部スタッフ、スーパーバイザーとして勤務している。毎日、チェーンの各店舗を回り、経営状況を把握し、指導するのが仕事らしい。立場としては店長より上になり、時にはバイトの教育にも口出しすることがあるという。
「頼りない店長のときは厳しく、逆に厳しい店長のときは優しくアルバイトに接するだろ、一発だよ。悩みの相談にでも乗る振りをして飲みにでも誘えばさ、もうこっちのもの」
「サイテー、軽蔑しちゃいそう」
「でもいいよな、ウチの女っ気て言えばパートのオバチャンくらいだもんなぁ」
「あら、不満なの?」
「あ、いや…」
「あなたはダメよね、お金はないし、お腹は出てるし、頭だってこんなに…」
「関係ないだろ、そんなの」
  学生時代ラグビー部に在籍していた祐介は、背は低いが筋肉質の体格と真っ黒に日焼けした笑顔が印象的だった。真由美はそんな祐介に大胆にアタックした。同 じ勇気があればわたしと浩一の関係も変わっていたのかもしれない。もっと違った何かを手に入れることが出来たかもしれない。そういう風に考えると、少しだ け残念に思ったりもする。
「ねえ、ねえ、裕子はどう思う?」
 真由美は祐介の薄くなった頭を撫ぜながら訊ねて来た。
「そうねぇ」
 髪に白いものが混じり始めているが、昔と全く変わらない、いや、表情が温和になっただけ若返ったように見える浩一から目を離した。
「そうねぇ、そんなに若い子っていいのかしら」
「いいに決まってるよ、な、浩一」
「そりゃ、30前後でもいい女はいるよ。でもさ、基準が厳しくなるって言うのかな。若いっていうだけで甘くなる」
「何が?」
「スタイルにしても、顔にしても、少々難があっても若いっていうだけで」
「ふうん、じゃあ、ちょっと崩れた若い女の子と最高の30女じゃどっちがいいの?」
「うーん」
 知らず知らずのうちにみんながわたしたちのテーブルに集まっていた。そして、わたしの質問に男連中は考え込む。
「具体的にいうわね、モー娘。の誰かと藤原紀香、飯島直子、どれを選ぶ?」
「おれ、ナッチがいい」
「やっぱり紀香だよ」
「松下由紀とかさ」
「鈴木京香がいいな、俺は」
「カゴちゃん」
「ロリコンか、お前は」
 男たちは質問の意図を無視して互いの会話に夢中になる。夫となり、人の親となり、社会的地位や名誉を得て立派なオヤジになっても男の人は子供でいられる。それがとても羨ましい。
「かわいいもんね、男の子って」
「男の子って歳じゃないでしょ」
「裕子はどうなの?」
「何が?」
「そうねえ、例えばスマップなら誰がいい?」
「わたし中居クン」
「えー、慎吾ちゃんがいい」
「やっぱりキムタクよ」
「男前なのは吾郎ちゃんよ」
 こうなってくると男も女も変わらない。妻、母、その他諸々の立場を脱ぎ捨てれば女も途端に少女に逆戻りできる。
 わたしはそんな面々を傍観し、グラスを取って喉を潤した。
「そんなに若い子がいいのかなぁ」
 わたしは未だ、どんなに若い女の子がいいか力説している浩一を見て呟く。
「よし」
 グラスを空にし日本酒を注ぐ。一気に飲んで酔いを増幅させる。そして、大きく溜息をつくと、温気に揺らめく浩一を見据えた。

「裕子がそんなに酔っ払うなんて珍しいな」
 帰りのタクシーの中で浩一はいった。
「いいじゃない、今日は年に一度だけ堂々と浩一に会える日なんだもの」
 わたしは浩一の肩に頭を預けていう。
「車に乗ってこなかったのね」
「飲むからね」
「昔はそうじゃなかった、平気だった」
「若くないからな、危ない橋は渡りたくない」
「失うものなんてないくせに」
「自分はいいけど、事故ったりしちゃあ」
「らしくないなぁ、何だかがっかり」
 師走の町に色とりどりのネオンが瞬いている。わたしは半ば空虚な気持ちでそんなイルミネーションを眺めている。
「…ん」
「どうした」
「ダメ、吐きそう」
「え!」
 その言葉に浩一は狼狽する。
「すいません、運転手さん」
 タクシーは止まる。二人は夜の町に吐き出される。
「大丈夫か?」
「だめ」
「吐いちゃえよ」
「こんなところじゃイヤ」
「まいったなぁ」
 浩一は降り立った街角を見まわしている。暗い空にホテルのネオンがこれ見よがしに煌いている。
「休んでいこ」
 言ったのはわたしの方だった。
「え?」
「30女がどんなにいいものか、教えてあげる」
 浩一はわたしを見つめる。
「お前…」
「さ、恥ずかしいから早く」
 わたしは先に立ってホテルのエントランスをくぐる。背中にうろたえている浩一が残る。
「おい、待てよ」
 道往く人たちが不審な目で、あるいは哄笑を浮かべ浩一を見ていることだろう。逃げ出すか、それとも後を追ってきてくれるか。これは一種の賭けだ。
「まいったなぁ」
 浩一はそう呟いてわたしの後に続いてきた。わたしは立ち止まり、浩一を迎えると、腕を絡ませエレベーターのボタンを押した。

 シャワーを浴び、わたしはバスローブに身を包んで髪を拭いている。浩一はソファーに座り、俯き加減に手を組んでいる。
「吐きそうなんてウソだろ」
「うん」
 わたしは微笑を浮かべ浩一の向かいに腰掛ける。
「だって我慢できなかったんだもん」
「何が」
「セックス」
 動揺を露にする浩一。そんな彼を見てわたしは笑い声を上げる。
「ウソ、若い子の方がいいっていう浩一の言葉が」
「そんなこと」
 浩一は手を組んだまま頭を横に振る。
「ウソつくの、巧くなったな」
「35年も生きていればウソくらい巧くなるわ」
「年増女のいやなところだ」
「若い子はウソつかないの?」
「つくさ、それでも」
「それでも?」
 沈黙が流れる。わたしは寂しそうな顔で浩一を見る。
「イヤなの?わたしが、やっぱり…」
 浩一は立ち上がった。
「浩一…」
「シャワー浴びてくる」
 そういい残して彼は、バスルームに消えた。

「脱がして」
 ベットの上で向かい合い、わたしは言った。
「いいのか?」
「何が?」
「いや…」
 浩一は緊張している。わたしには分かる。悪ぶってみても浩一は素直でかわいい。昔とちっとも変わっちゃいない。
「若い子にもそんなこと聞くんだ」
「聞かないよ」
「どうして?」
「……」
 わたしはバスローブを着たまま両手をついて顔を近づけた。
「キスして」
 もはやどこにも逃げ場のない浩一はわたしの誘いに応じて唇を重ねてくれる。わたしは自ら彼の唇を割り、舌を入れる。絡め、歯の裏をなぞり、内頬を擽る。
「あ、はあ…」
 顔を放したとき、浩一は驚きをわたしに見せた。
「どうしたの?」
「いや…」
「キスだけで感じちゃったの?」
 悪戯な笑みをわたしは浮かべる。薄いローブに覆われた浩一の下半身は既に盛りあがりを見せている。
「もっと、もっと良くして上げる」
 わたしは四つん這いの姿勢でにじり寄り、既に屹立したペニスをつまむ。
「ふふふ」
 少年を誘惑するときのように、わざと艶美な笑みを浮かべ舌なめずりをする。そして、徐に顔面を近づけると、舌を伸ばしてなぞり始める。
「ん、ああ…」
 浩一は嗚咽を漏らした。彼の歓ぶ声が耳に心地いい。
 頭をなぞり、裏筋を擽った。カリ首を拭い、茎に吸いつく。そのまま袋を弄び、やがて大きく呑み込んでいく。
「ああ、ああ…」
「ふぅん、うんうん、ん、くふぅん…」
 鼻にかかった吐息を漏らしながらわたしは浩一にしゃぶりつく。唾液の粘りを浩一に絡みつける。口蓋の滑らかさ、温度、全てを駆使して浩一を頂点に導いていく。
「ああ、ダメだ…」
「いいのよ、我慢しなくても」
「けど、出したら」
「いいの、飲んであげる、それとも…」
「そう、二回は…、きつい」
「大丈夫よ、大丈夫」
 呟き愛撫に激しさを加える。くちゅくちゅ、ぢゅめぢゅめと淫猥な音が響き始める。
「ああ、ダメだ、出る、出る」
 浩一はそのままわたしの口の中に迸りを放った。わたしはそれを一滴残らず受け止め、飲み干す。浩一が、無数の浩一がわたしの中に流れていく。浩一の温度がわたしと一緒になる。幸福?幸せ?確かに今は、この瞬間だけは絶頂にいるのかもしれない。
「浩一、つかまーえた」
 わたしは大声で叫んでしまいそうになる。今度は自分が逃げる番になるにもかかわらず、確実に浩一がわたしを追いかけてくれるかどうか分からないのに。
 とりあえず、浩一は、浩一の体から放たれた精液はわたしの胃の中で消化される。わたしの血と一緒になっていく。そう考えると何だか涙が零れそうになった。

「どう、きれい?」
 わたしが差し出した手に導かれ、やっと浩一は裸にしてくれた。
「いやん、痛い」
「あ、ごめん」
 浩一は力任せに抱きしめてくる。
「どうしたの?」
「いや、何だか」
「なに?」
「消えてなくなっちゃいそうなんだ」
「誰が?」
「裕子が」
 浩一はわたしから視線をそらす。
「わたしは幽霊じゃないのよ。ちゃんとここにいるわ」
「分かってる、分かってるけど」
「けど?」
「不安なんだ」
「不安?」
「一人でいることに、恐いのかもしれない」
「寂しがり屋さん」
「そうかもしれない。だから、手当たり次第、店の女の子に手をつけてきたのかもしれない」
「前の奥さんは?慰めてくれなかったの?」
「彼女は…」
 浩一は何かいいかけて口篭もる。
「若い子の体は挑発的に自己主張する。それを自分の肉体でこじ開けていく…」
 浩一は決して暴力的で軽い男ではない。それはわたしが一番良く知っている。若いころは不良ぶって世の中を斜めに見つめていた。今は妙に明るく振舞って卑猥な話も平気でする。それは全部寂しさの裏返しだ。本当は一人でいることが恐いんだ。
 それを別れた女は分からなかったのだろう。彼の強がりな外見とウソの行動を理解できず、慰めの言葉一つかけてあげることをしなかった。話を聞くこともなく、黙ってぶら下がっていれば何不自由ない日常を与えてくれると勘違いしていたに違いない。
 「裕子を見ていると、裕子といると、自分が逆戻りしそうで、巧く言えないけど、全てに安心してしまうって言うか」
 浩一はそんな強い男じゃない。泣き虫で気弱で、そのくせ見栄っ張りでうぬぼれや。そして、そんな全部を自分の中に押し込め、ウソを演じ続けているかわいそうな男の子。いつも母親を求めている迷子の少年。
「浩一はかわいい、昔から」
「この歳になって」
「わたしだって…、でも」
「でも?」
「わたしはあなたと同じだけ生きてきた。あなたはちゃんとわたしと一緒になれる」
 わたしは浩一を抱きしめた。それは母親が幼子を抱きしめるように。
「あ…」
「ふふふ」
 浩一はわたしのそんな行為だけで蘇る。触れなくてもわたしのオーラだけで男として機能する。
「さあ、わたしを味わって」
 わたしは再び唇を重ねる。そして、抱き合ったままベッドに横たわる。浩一は唇をずらし、わたしの頬、あご、そして乳房を舐める。
「うん、そう、いい…」
 唇から漏れる微かな喘ぎ声。ベットの軋みにかき消されてしまうようなか細い声。浩一は乳首を噛み、乳房を堪能した後下腹へ顔面をずり下ろしていく。そして、濃い色の茂みに覆われた女の部分に辿りついたとき、わたしは大きく身をよじる。
「あうん、やん…」
 声は女でも言葉が少女に変わっていく。そう、二人が初めて出会ったころのように。わたしは昔のわたしになっていく。浩一が昔の彼に戻っていくように。
「やん、恥ずかしい」
「きれいだよ、裕子」
「うれしい」
「裕子」
「ああ、もういい、早くちょうだい」
「裕子」
「もう、もう、我慢できない」
 十分に濡れそぼったわたしの部分がうねうねと浩一を待ち構えている。わたしは浩一を確かめたい。早く浩一と一つになりたい。
「よし」
 浩一はわたしの入り口に突き当てる。すると、わたしの意思と呼応して部分は吸い込むように浩一を迎え入れる。
「あ…」
  浩一は感嘆する。内部が浩一を締めつけて離さない。そして、奥へ奥へと誘っていく。もちろん、わたしにそんなテクニックは備わっていない。自分の思い通り に女性器を変化させることなど出来はしない。けれど、わたしの一部分である以上、意識が筋肉を支配している。意識通りに動いてくれる。
「うんん、いい、ん…、奥がいい、ああん、入ってるのが分かる。太い、固い…、浩一、すてき…」
  わたしは全身で浩一を光悦の世界へ導いていく。決して淫乱じゃないと思っていた。SEXは嫌いじゃないけど、そのためだけに何かを犠牲にするのは真っ平だ と思っていた。亡くなった夫には悪いけど、あの人と接するときも半分は義務だった。けれど、今は違う。過去も、未来も、もちろん現在の全てを失っていい。 このままの感慨が永遠に続くと約束してくれるのなら、死んでしまっても悔いはない。
「ああ、浩一、浩一…」
「素敵だ、すばらしいよ、裕子」
「どう?わたしはいい、いい?」
「最高だ、最高だよ」
「ちょうだい、浩一をちょうだい、最後まで、全部わたしにちょうだい!」
 浩一はわたしを貫き通すように激しく突き上げると、そのまま内部に吐き出した。わたしは微かに痙攣しながら彼を絞り取る。最後の一滴まで搾り取る。出来ることなら体液全てを、浩一を溶かし、その粘液までも吸い取りたい気持ちになる。
「ああ、熱い。浩一が一杯」
 わたしは乱れた髪を掻き上げながら浩一を見た。うつろな視線を彼に注ぐ。
「浩一」
「うん?」
「ありがとう」
「いや…」
「で?」
「うん?」
「どうだった?」
「い、いや…」
 わたしは浩一を抱きしめキスをする。
「やっと浩一を捕まえた。若い子がいいなんて、二度と言わせない」

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。