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小説(転載)  甥は中学生 1/9

近親相姦小説
11 /29 2018
甥は中学生 第1章 はじまり

第1章 はじまり
8月の上旬、夏休みで賑わう空港の海外線ロビーで二つの家族がつかの間の再会を
行っていた。
「じゃあ、響子、面倒をかけるけど良夫の事、よろしく頼むわね」
淡いページュのスーツを身に纏った女性が頭を下げた。
年の頃は40歳前後だろうか、それにしてもスリムな体である。
「大丈夫よ、安心して行ってきて、春美姉さん」
GパンにTシャツとかなりラフな格好をしている女性が、笑顔で答えた。
年齢的には30代半ばであろう。
なぜならその横には彼女とそっくりの顔をした娘らしき少女が、手をしっかり握って
立っているからである。
「良夫、ちゃんと響子叔母さんの言うことを聞くのよ」
そう言うと彼女は少し涙ぐみながら、隣に立っている少年に抱き着いた。
息子らしき少年は、人前で抱き着かれたのもあり逃げ出そうと必死でもがいている。
「わかっているから離せよ! 人が見てるだろ!」
少年は母の腕から何とか離れ、Gパン姿の女性の背に逃げ隠れた。
「響子、お願いするわね」
妹にお願いする彼女の目は真っ赤であった。
「うん、いってらっしゃい、春美姉さん」
そう答えた妹の目も少し潤んでいた。
「いってらっしゃい、春美叔母ちゃん!」
少女が元気に手を振ると、淡いページュのスーツ姿の女性は階段を降りていった。
何度も何度も振り返りながら。


閑静な住宅地の一角にその家は建っていた。
2階建てのその家には、小さいながらも庭があり、乗用車一台分の駐車スペースも
備えていた。
響子は、玄関の鍵を外しドアを開けた。
彼女は、今年で33歳を迎えるごく普通の専業主婦であった。
家族は、一流商社に勤める夫と小学校5年生の娘の3人である。
その容貌は、若い頃に雑誌のモデルをしていただけあり目をみはるものがある。
いまだに体のラインは、全く崩れていなかった。

この夏、突然に姉夫婦が仕事の関係でアメリカに永住することになってしまった。
しかし、まだ中学に通う一人息子を連れてまでは行けなかった。
そこで、息子が中学を卒業するまでの間、妹の響子に預けることになったのだ。
妹の響子もイヤな顔をせずに、快く引き受けた。
なぜなら、一流商社に勤める夫は海外への出張が多く、ほとんど家にいないのである。
響子は、女二人で暮らすのにどうしても不安がありまた、娘の香奈も結構寂しい思いを
していたからだ。
そこに、姉の息子の良夫の居候の話しが舞い込んできたのだ。
彼女は、夫と電話で相談し、喜んで彼を引き取ることにしたのである。


「何しているの、早く上がって!」
長い髪の響子が、玄関の外で躊躇している良夫に声をかけた。
「は、はい・・・お邪魔します」
良夫は、ペコペコと頭を下げながら玄関に入ってきた。
響子の娘の香奈が玄関のドアを閉め、鍵をかけた。
「お邪魔しますじゃないよ、ただいまだよ、お兄ちゃん!」
香奈が良夫の背中を叩き、靴を脱ぎ始めた。
「そうよ、今日から中学を卒業するまでは、ここがあなたの家よ」
響子も前かがみになり靴を脱ぎ始めている。
胸とゆったり目のTシャツの隙間から、胸の谷間がチラリと見えた。
「じゃあ・・・ただいま」
良夫は、響子の胸の谷間をチラ、チラと盗み見しながら弱々しい声で言った。
「おかえりなさい!」
香奈が元気な声で、良夫に答える。
少女は、すでに靴を脱いで玄関の廊下に上がっていた。
「さあ、お兄ちゃん、早く、早く、こっち、こっち!」
少女が階段の上り口で手招きをしている。
「香奈、そんなに急がなくっても大丈夫よ」
「だぁ~って!」
靴を脱ぎ終わった響子が、玄関の廊下に上がった。
ストッキングに包まれた細い足首が、魅力的である。
良夫も響子に続き廊下へ上がった。


3人は、1列に並んで階段を上り始めた。
しかし少女は、何を待ちきれなかったのか、階段を一気に駆け上った。
良夫は、響子の後ろに続いて、階段をゆっくりと上がった。
良夫は、少しの間、目を楽しませていた。
階段の一段ごとに、響子の丸く大きな臀部は左右に揺れた。
さらにピッタリと彼女を包むGパンの下には、薄っすらとパンティのラインが浮き
上がっている。
そして、彼女の少し汗ばんでいる背中には、細いブラのラインがクッキリと見えた。
「じゃ~ん! ココがお兄ちゃんの部屋だよ」
香奈が、階段を上がって右側のドアを開けた。
その部屋は、日当たりの良い8畳ほどの洋間であった。
すでに、今まで使っていた荷物は、部屋の中央に積んであった。
「へぇ~! 広い部屋だね」
「気に入った?」
「うん、気に入ったよ、香奈ちゃん」
良夫は、ニッコリと微笑みながら香奈に答えた。
「ごめんね良夫君、荷物はそのまま部屋に置いてあるから自分で整理してくれる?」
「はい、もちろんです、響子叔母さん」
良夫は、薄いTシャツの下にたわわに息づく響子の胸をチラリと見て答えた。
「ちょっと冷たいものでも入れてくるから、後でリビングに降りてきてね」
「はい!」
「香奈ちゃん、お母さんを手伝ってくれる?」
「は~い! お兄ちゃん、ちょっと待っててね」
二人が自分の新しい部屋から出て行くと良夫は、運び込まれた荷物を一通りチェックした。
そして、運び忘れが無いことを確認すると、ひとまずお茶を飲むために階下へと降りた。


良夫は、お茶を飲み終えるとさっそく荷物の整理に取り掛かった。
良夫は、少ない荷物を小一時間ほどできれいに片付け、香奈の宿題の面倒を見てあげた。
小さい頃から香奈は、良夫を本当の兄のように慕っていた。
年に数回、顔を合わせる度にベタベタと良夫に甘えてくるのであった。
3人で響子の手作りの豪華な料理を囲み、良夫が小さかった頃の話しや、香奈の学校での
話しなどで盛り上がった。
良夫は、食後のアイス・コーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
これと言って面白い番組でもなかったが、ソファーに横になりながらただなんとなく
見ていた。
響子は、娘の香奈と食事の後片付けを始めていた。
「香奈ちゃ~ん、先にお風呂に入っててくれる?」
響子が、流しの方からテーブルでお皿を重ねている香奈に声をかけた。
「やだよ、香奈、お兄ちゃんと一緒にテレビを見るの」
「そんな事言わないで、早く入りなさい!」
響子は、お皿を持ってきた香奈に言った。
「ん~、お兄ちゃんと一緒ならすぐに入ってあげる」
「駄目よ、香奈、良夫お兄ちゃんは、疲れているのよ、一人で入りなさい」
「やだもんね~、お兄ちゃんと一緒じゃないと入らないもんね~!!」
香奈は、ソファーで横になっている良夫の所へと走り出した。
そして、良夫の体に乗りしがみついた。
響子は、一瞬、悩んだ。
思春期を迎えている良夫とまだ幼いとは言え小学生の女の子と、一緒にお風呂に入れて
良いものかどうかを。
しかし、ソファーの上で本当の兄妹のように一緒に遊ぶ良夫の姿を見て、彼を信じた。
「良夫君、悪いけど香奈と一緒にお風呂入ってもらえるかな?」
「別にいいですよ、響子叔母さん」
良夫は、子供の顔でごく普通に答えてくる。
響子は、ちょっと考えすきたかな?、と思った。
響子の言葉を聞いた香奈は、喜びを体全体で表現している。
「やったー!! じゃ、行こ、行こ!!」
「はいはい、よいしょっと」
良夫は、香奈を抱きかかえたままソファーから立ち上がった。
「ごめんね、良夫君・・・」
「いえいえ、それじゃ先に入らせてもらいま~す!」
香奈は、良夫に抱き上げられキャッキャと喜んでいる。
二人を姿を見た響子は、洗い物を再開した。
「お兄ちゃん、こっちよ、こっち!!」
良夫に抱き上げられている香奈が、バスルームの方を指差して彼に言った。


響子が、全ての洗い物を片づけて、テーブルの上を拭いていたときだった。
「お母さ~ん!」
バス・ルームの方から彼女の娘の香奈が大きな声で自分を呼んでいた。
「はいはい、何なの香奈?」
響子は、いつものように答えた。
「お母さんも一緒に入ろうよ!!」
「駄目よ、香奈」
響子は、換気扇を止め、ガスの元栓のチェックなどいつものように最後の後片付けを
行いながら普通に答えている。
「何で~!! いつも一緒に入ってるじゃないの~!!」
香奈は、しつこく大声で響子を呼んでいる。
響子は、その声を無視し、新聞の番組欄に目を通している。
「お母さ~ん! 早く~!」
香奈は、諦めずにしつこく大声で響子を呼んでいる。
響子は、悩んでいた。
それは、良夫の事である。
さすがに一緒には、お風呂に入ることはできないと思っている。
でも、昔は一緒によく入ったし・・・
そう考えるとついに彼女は、思い腰を上げた。
「お母さ~ん!!」
香奈は、さらに大きな声で叫ぶように響子を呼んでいた。
響子は、このままでは隣近所に迷惑だと思い娘の声に返事をした。
「分かりましたから、静かにしなさい」
「は~い!」
響子は、良夫に自分の裸さえ見せなければ・・・と考えた。
自分が入ったらすぐに二人を追い出してしまおう、そうすれば香奈も満足すると
彼女は思った。


響子は、バスルームに入るとすぐに来ていた服を脱ぎ出した。
Tシャツのみを洗濯機に入れると、折りたたんだGパンを洗濯機の蓋の上に置いた。
ブラジャー、パンスト、パンティは、良夫の目に付かないようにハンド・タオルで包み
別においてある洗濯カゴの中にそっと置いた。
響子は、美しい体を隠すようにバスタオルをきつく巻いた。
そして、スリガラスのドアを開け浴室の中へと入った。
「二人ともちゃんと洗ったの?」
「うん、洗ったよ」
二人は、狭い浴槽の中に向かいあわせの格好で入っていた。
香奈は、浴槽から立ち上がると響子の側へと行った。
その体は、ほとんどの部分が少女そのものである。
彼女の股間には全く発毛の兆しはまだ見られず、股間の下の方に一本のスリットが
見えるだけである。
ただし、胸は少し盛り上がりを見せ始めつつあった。
特に乳首の周りは、顕著に変化が現われ始めているのである。
「香奈ねぇ、お兄ちゃんの体もあらってあげたんだよ」
香奈は、スリガラスのドアを締めている響子に抱き着きながら言った。
「ふ~ん、そうなの、偉いね、香奈ちゃんは」
「へへへ・・・」
響子に誉められた香奈が、得意そうな笑顔を浮かべた。
「それにね、お兄ちゃんて凄いのよ」
「何が凄かったの? お母さんにも教えてよ、香奈ちゃん」
「ど~しようかな・・・お兄ちゃんとの秘密だし・・・」
香奈は、良夫の方と響子の顔を何度も見比べた。
響子は、良夫の顔をそれとなく観察し始めた。
特に、彼の目つきや視線を。
しかし、特に変わったところはなかった。
良夫は、香奈の方を見ながら声を出さずに口だけで会話をしているようである。
響子は、そんな昔と変わらない良夫の姿をみて安心した。
やはり、自分の思い過ごしであったと。
「あ~、お母さんだけ仲間はずれにするんだ・・・」
響子は、その場で跪き、娘の香奈と目の高さを揃えて言った。
「そんな事ないよ」
「それじゃ教えてよ、香奈ちゃん」
香奈は、良夫の方をチラチラと見ている。
良夫は、浴槽の中で人差し指を自分の口の前に立ててる。
それは、無言で「言わないで」と香奈に伝えているのだ。
しかし香奈は、響子の方を選んだ。
「うん、お母さんにだけ教えてあげる、いいよねお兄ちゃん」
「仕方ないなぁ~! でも他の人には絶対内緒だよ!」
良夫が、ようやく口を開き香奈に言った。
「うん!! 分かっているって!!」
香奈は、ニッコリ笑って大きくうなずき、響子に話し始めた。
「あのね、お兄ちゃんね」
「はいはい」
響子は、ニコニコしながら香奈の話しを聞いている。
「お兄ちゃんのおちんちん、パパのと違うんだよ」
響子の表情が一瞬、固くなった。
しかし、香奈に悟られてはまずいと思い平静を装って尋ね返した。
「どう違うの?」
「パパのはフニャフニャだったけど、お兄ちゃんのは凄く固いの」
香奈は、ニコニコと当たり前のように話している。
響子は、自分の血が逆流するようなショックを受けた。
それでも、喜んで話しをしている香奈を止めずに、いつもの様に接するよう努力した。
「でね、香奈ね、お兄ちゃんのおちんちんもしっかり洗ってあげたの」
香奈の話しを聞いていた響子の顔からは、血の気が引いて行った。
「そしたら、お兄ちゃんが洗い方が上手だからって、気持ちいいって誉めてくれたの」
響子の頭の中が真っ白になって行く。
「凄いでしょう、お母さん!」
響子は、呆然としてしまった。
「・・・ん、凄いね、香奈ちゃん・・・」
響子は、不安そうに自分の顔を覗き込んでいる香奈に気が付き慌てて答えた。
「じゃあ先に上がるね、お母さん、お兄ちゃんも早く、早く!」
香奈は、スリガラスのドアを開けて良夫を手招きして呼んでいた。
響子は、なんとか笑顔を作り香奈に普通に言った。
「香奈ちゃん・・・お兄ちゃんは、お母さんとちょっとお話があるから先に着替えて」
「え~!!」
「すぐに終わるから、ねっ!」
香奈は、脱衣所のスペースの事を考えると響子の言葉を素直に聞き入れた。
「うん、早くしてよお兄ちゃん!」
「OK!」
良夫が明るく返事をすると、香奈はスリガラスのドアを静かに閉めた。


響子は、香奈に聞こえないよう小さな声で良夫に尋ね始めた。
「ど、どういう事・・・良夫君?」
「どういう事って、香奈ちゃんの言った通りですよ叔母さん」
響子は、何かに気付き良夫に聞き返した。
「ま、まさか香奈に何か・・・」
「大丈夫ですよ、心配しないで下さい、まだ何もしていませんから」
「まだ何もって・・・まさか、これから・・・」
「これからかどうかは、叔母さん次第ですよ」
「・・・私、次第?・・・」
「そう、叔母さん次第です」
パジャマに着替え終わった香奈が、バスルームから出て行く音が聞こえる。
「ど、どうすればいいの・・・良夫君?」
「う~ん、とりあえず、コレを何とかしてもらいましょうか?」
良夫は、浸かっていた浴槽から立ち上がった。
「キャッ・・・」
響子は、最も恐れていた事を目にしてしまい、思わずソレから目を背けてしまった。
響子が、最も恐れていた事とは、性交可能状態となっていた良夫のペニスである。
浴槽から立ち上がった良夫の股間には、隆々と反り返った勇ましい男根がそそり立って
いたのである。
「もう散々、香奈ちゃんに弄ばれちゃって・・・」
良夫は、浴槽から片足を出し、その足をタイルの床に降ろした。
「何とかしてくださいよ、叔母さん」
続けて残った足を浴槽から出しタイルの床に降ろした。
良夫は、跪いたまま動こうとしない響子の側へとゆっくりと近づいた。
「何とかって言ったって・・・どうすれば・・・」
響子は、良夫から目を反らせたまま尋ねた。
「分からないならいいですよ、今晩は香奈ちゃんと一緒に寝る約束をしましたから」
「や、やめて・・・香奈はまだ小学生よ・・・」
自分の娘の身に危険を感じた響子は、慌てて良夫の方を見た。
そこには、中学2年生の男子のペニスとは思えないようなモノが突き出されていた。
「やだなぁ~、叔母さん、僕だってまだ中学生ですよ」
「でも・・・どうすれば・・・」
響子は、突き出されている良夫の脈打つペニスから目が離せなかった。
それは、自分の夫のモノよりふたまわりほど大きかった。
ペニスの先端に位置する亀頭は、包皮が完全に後退してきれいに露出していた。
大きさもさる事ながら、ペニスの反り具合も凄かった。
弓なりにアーチを描くように反っているのだ。
「それは、叔母さんが一番よく知っているんじゃないんですか?」
良夫は、わざと下腹部に力を入れペニスをビクン、ビクンと響子の目の前で
動かして見せた。
「男がこんな状態になってしまったらどうすればいいか」
良夫のペニスのカリの大きさも目をみはるものがある。
響子は、目の前に差し出された良夫のペニスがどう見ても中学2年生のモノとは
思えなくなってきた。
それは、色さえ除けば完全に大人以上のペニスであるからだ。
「・・・わ、分かったわ・・・でも、香奈には何も・・・」
「分かっていますよ、叔母さん、約束します」
良夫は、さらに自分のペニスを響子の目の前にグイッと突き出した。
「さあ、早くお願いしますよ、そうでないと、香奈ちゃんが戻ってきますよ」
良夫は、下腹部に力を入れ、ペニスを躍らせた。
亀頭がピクピクと脈を打つように動く。
「さあ!!」
ついに響子は、自分の娘を守るために良夫のペニスに手をかけてしまった。
そして、やさしく良夫のペニス全体を両手で握り締めた。
「そ、そうですよ叔母さん、後は任せましたから」
響子は、手首にスナップを効かせながらリズミカルに動かし始めた。
いくら大きくても、まだ良夫は子供だわ・・・
きっとすぐにイクはずよ、イッしまえば、きっとおとなしく・・・
響子は、夫に手でする時と同じように、ペニスを握り締める手に強弱をつけながら
男の感じやすい部分、亀頭冠を中心に擦り上げた。
「どうしたんですか、叔母さん、このままじゃ終わりませんよ」
響子は、焦ってきた。
自分の夫ならすでに放出しているからだ。
しかし、良夫のペニスにはその気配が全く感じられないのである。
響子は、さらに早くそして強く良夫のペニスを擦り上げた。
「早くしないと・・・もう寝る時間になっちゃうし・・・」
「お願い、香奈だけは・・・」
「だったら早く何とかしてくださいよ」
良夫が、遠回しに射精を催促している。
しかし、響子の手ではこれ以上の刺激を与えることができなかった。
響子は、諦めて良夫のペニスの先端の亀頭部を、その美しい唇で咥え込んだ。
夫のモノより大きい・・・
そう、響子は感じた。
そして、亀頭の粘膜を削ぎ取るような感じで舌を動かした。
「さすが、結婚している女の人は違うな」
響子は、唇で亀頭冠を締め付ける。
そして、右手でサオの部分を上下に擦り上げた。
「ガキとは比べもんにならないぐらい上手いや」
響子は、懸命に舌を動かした。
頭を前後に動かしては、根元の方まで咥え込んだりもした。
「ちゃんと袋の方もお願いしますよ」
良夫の言葉に従い、左手で睾丸の入っている肉袋を揉み出した。
響子は、驚いた。
その玉の大きさも夫のモノより大きかったのだ。
「そう、そこそこ、そこをもっと刺激してください」
良夫は、自分の二つ玉を揉まれながら、響子の唇が敏感な亀頭冠を擦過して行くのが
一番気持ちよかった。
そして、時々ペニスに当たる響子の歯の感触も心地よかった。
「あ~、気持ちいい、じゃあ、そろそろイキますからちゃんと飲んでくださいよ」
良夫は、響子の頭を押さえると激しく腰を前後に動かした。
良夫のペニスは、響子の口内を付き捲った。
良夫は、ペニスの根元まで響子の口に押し込むと極力小さな声でうめいた。
「うっ、うっ、うっ、うっ、イクッ!!」
良夫のペニスが一気に膨れ上がった。
ドクッ!!
ドクッ!!
ドクッ!!
響子の喉奥に、ネバネバと濃い良夫の白濁液が飛び掛かる。
響子は、むせ返りそうなのを行きを止めて耐えた。
良夫の長く続く精の放出が終わるまで、ひたすら耐えた。
良夫は、射精を響子の口内で終わらせると、すぐさまペニスを引き抜いた。
「は、早く・・・ちゃんと飲んで・・・」
響子は、口の中から溢れそうな良夫の精液をゴクリと飲み込んだ。
そして、見てしまった。
射精が終わっても、いまだいきり立ち脈打つ良夫のペニスの姿を。
「よし、もう一度きれいにして早く」
良夫は、射精後も全く衰えていないペニスを再び響子の顔に近づけた。
響子は、その根元を軽く握り、大きく口を開け根元まで咥え込んだ。
口の中では、舌先が良夫のペニスの隅々まで舐り尽くして行った。
最後には、チュウ、チュウと尿道に残った精液まで吸い出したのだった。
良夫は、響子の口唇奉仕に満足し、彼女の口からペニスを引き抜いた。
響子は、トロンとした目つきで下から良夫の顔を見上げていた。
「よかったよ、叔母さん、じゃあ、明日も頼むね」
良夫は、響子の肩をポンと叩くと浴室から出て行った。


良夫が出て行った後、響子はその場に崩れるように腰を降ろした。
「ごめん、香奈ちゃん」
「遅いよ、お兄ちゃん!」
遠くで二人の会話が聞こえた。
しかし、響子は全てに疲れっきった顔で、浴室の壁の一点を凝視していた。
響子は、あれほどまでに激しい奉仕は夫にすらしたことが無かった。
呆然とする意識の中で、なぜか良夫のペニスが頭の中に浮かんでくる。
「ごめん、ごめん、じゃあ、テレビを見ながら一緒に寝ようか?」
「うん! 香奈、お兄ちゃんの部屋で寝たい!!」
「よし、分かったよ、じゃあ先に行ってエアコンのスイッチ入れてきてくれるかな?」
「うん!!」
こうしてバスルームの外の二人の会話を聞いていると本当の兄妹のようにも思える。
幸せな時間が流れているような気もする。


良夫に陵辱されしばらく経って、ようやく響子は我を取り戻した。
ふと気が付くと自分の女の部分が、グッショリと濡れていた。
響子は、スリガラスのドアの向こうに人の気配を感じて振り向いた。
「心配しなくても、大丈夫ですよ」
響子の耳に聞こえてきたのは、良夫の声だった。
響子は、涙を堪えて良夫に哀願した。
「本当に、お願いだから香奈には・・・」
「大丈夫です、ちゃんと叔母さんにスッキリさせてもらいましたから」
良夫のその声は、まじめそうな中学生の声に戻っていた。
先ほどのような本能を剥き出しにしている男の声ではなかったのだ。
「約束しましたよね、明日もお願いするって!」
「よ、良夫君!!」
響子は、ここにきてようやく気が付いた。
良夫の目的は、響子の躯である事に。
そして、今日のは単なる挨拶代わりでしかなかったことに気が付いたのである。
「それじゃあ、おやすみなさい、響子叔母さん!」
良夫は、就寝の挨拶を響子に残し、新しい自分の部屋へと向かって行った。


       男女の性は、快楽の原点である.....

小説(転載)  「深層求愛」

近親相姦小説
11 /27 2018
題名     「深層求愛」

朝、俺が眠い眼を擦りながら階段を下りていくと、既に親父が広くなった額を
テカらせながら食卓にでんと座って美味そうにバクバクとせっかちに食べていた。
そして俺と顔を合わすと即座に
”今頃起きたのか、ちょっと遅いんじゃないのか?”と説教をしてきた。

”ちぇ!またか”
と、内心舌打ちをしたが、顔には出さずに素直に型通りの挨拶をした。
眠いってこともあったのだが、俺はこの親父があまり好きではなかった。

親父は勤勉実直を絵に描いたような真面目人間なのだ。
ギャンブルは一切やらず煙草もやらない。酒は飲むがいつもほどほど量で収めている。
規律を常に重んじ一途に仕事に打ち込んでいてあまり家庭を顧みない。
その家庭の中でも家族に冗談1つ言うわけでもなく無駄口を言わない。
開く口先からは、いつも説教じみた言葉しか言わなかった。
女から見ればこれ以上ない程に面白みに欠けるつまらない人間に見える男そのものだった。

そんな親父だから俺の家にはほがらかで明るい雰囲気など1つもなかった。
だから俺はいつも母さんがよくこんな堅物の男と結婚したもんだと思っていた。

母さんは親父とは正反対にいつも明るく冗談を言うのが好きな女性なんだ。
親父とは6つも年下だったが見た目はそれ以上開いているのではと思える程若く見える。
まあ親父が年齢以上に老けていたせいもあるが、母さんが実年齢より若く見えたのは
事実なんだ。近所の人たちも、その年齢を聞くと皆一様に驚いていたんだから。

それはさておき、俺はそんな親父の小言を聞き流しながら洗面所で顔を洗って
戻ってくると親父はあっという間に食べ終えていて、席を立って上着を着て出かける
ところだった。

「出版社ってのはそんなにのんびりしながら出社出来るところなんだな。羨ましいよ」

くそっ!勝手なことを言いやがる。
俺は今日は別の用があって遅出なんだよ、と言いそうになったが止めた。
朝っぱらから口ゲンカで無駄なエネルギーを使いたくないからな。
逆にいつも時間に追われるように、せっかちにせかせかと働いて楽しいのかよ、と
玄関に向かう親父の背中に向かって頭の中で大声で叫んでやっとのことで自分なりに
気持ちの整理を着けて落ち着けたんだ。

「さああなたもそんなにのんびり出来ないんでしょ?早く食事を済ませてちょうだい」

母さんの穏やかな声に俺は黙って席に座って食事を始めた。
そして俺が食べ始めると母さんは俺の席の前に座って一緒に食事を食べ始めた。
この形は俺が小さい頃から変わらず行われていたんだ。
親父はさっきのようにいつもせっかちに食っては家を飛び出るもんだから、母さんも
俺も追いつけずにいたせいでいつの間にか2人でゆっくり食事をするようになっていたんだ。

そんなのだから食事の時の会話はいつも母さんとだけだった。
親父は完全仕事人間だから当然夜も遅かった。だから親父と食卓を一緒にするなんて
事はあまり無かった。
今朝も俺の仕事の話から始まった。

「今日は原稿取りしてから会社に行く予定になっているんだ」
「あなたの担当って・・・確か・・?」
「村西英子だよ。あの恋愛小説の第一人者だよ」
「ああ、あの村西英子ね・・・へえ~スゴイじゃない。うふふふ」

いつものように母さんが俺に向けて微笑んでくれた。
小さい頃からそうだったように母さんは俺と話す時はいつもニコニコと笑みを絶やさずに
ちゃんと聞いてくれてたんだ。
どんなつまんない話題でもね・・

「担当になってちょうど3ヶ月目だけど、最近はやっと緊張も解けたみたいなんだ」
「大御所なんでしょ?」
「でもそんなに年は取ってないよ。確か先月あった誕生日で40・・5か6のはずだよ」
「へええ・・結構若いんだ。だったらお母さんと2つ違いかな」
「スゴイ美人な先生なんだな、これが。色んなグラビア雑誌に出るぐらいだから」
「雑誌見てたら、この人目力があるよね。魅力のある表情してるわ」

母さんが身を乗り出してこの話題に喰い付いてきた。
いつも俺の話をしっかり聞いててくれるけど、こんなに自分から興味を持って聞いて
くるなんてことは随分珍しいことだったんだ。

「そんな大作家の担当を任されるなんてあなたも偉くなったんだね」
「偉くなったっかどうかは分かんないけど、俺が担当に指名されたのは、何か先生の
意向があったからって聞いたんだ」
「まあァ・・あなた村西先生に見初められたの?」
「さあね・・最初に会ったのは、俺の会社から出た本の出版記念パーティでの席なんだ
けど、いきなり先輩に呼ばれて挨拶したのがきっかけなんだ」
「あなたハンサムだからね・・お母さんの自慢ね」

食べ終えた母さんは、そのまま食卓の上に左肘を立てて顔を乗せた姿勢で俺の話
を聞いていた。
それはいつもと違って随分とのどかなひと時だったんだ。

「それに男の担当って俺が初めてだったって聞いて余計緊張しちゃってさ・・」
「やっぱりそうなんだ。確かあの先生は独身だったけ・・?」
「いや結婚していたよ。確か息子さんが1人いるって」
「していた・・って?」
「死別したんだって。もう10年になるって、これ先生が言ってくれたんだけど、
今は息子さんと2人暮らし。でも最近は独り暮らしかな・・・今アメリカに出張中
なんだってさ」
「ふ~んそうなんだ。だったら今は恋愛を自由にしてるんだね」
「そうなんだろうかなあ・・でなきゃあれだけの小説なんて書けないもんな」
「そうねえ・・だからかな、あなたが選ばれたのは?」
「まさか・・母さんと同じ年の女性はさすがにカンベンしてほしいよ。俺は若い女の子が
いいよ」
「やっぱり、そうよね・・・あははは」

母さんは俺の口をひん曲げた顔を見て愉快に大きな声で笑った。
そして俺が食事を終えたのを見てすぐに食べ終えた全員の食器類を流し台に集めて
洗い始めた。
俺は棚に置いてある時計を眼をやってから、上着を着て家を出る準備を始めた。

「今度の日曜なんだけど、杏子が家に遊びに来たいって言ってたんだけどいいかな?」
「杏子ちゃんが?ええいいわよ。お母さんはいつでも歓迎よ」
「親父と一緒ってのはちょっとどうかなとは思うんだけどな・・しょうがないっか」
「あまりそんな口きいてちゃお父さんが可哀相じゃないの。普段無愛想だけど内心娘が
出来たってすごく嬉しいって思ってるのよ」
「母さんは杏子が来ると家が明るくなるからそれが嬉しいんだろう?そうなんだろう?」
「ま、まあまあ、そんな事は・・・あるかな・・あははは」

俺には杏子っていうガールフレンドがいるんだが、もうちゃんと両親には紹介してあるんだ。
俺と同じ年の25。丁度適齢期ってやつで、付き合ってもう5年になるかな。
大学時代からの恋人なんだ。勿論結婚を前提に付き合っている。
凄く可愛い顔をしてるんだぜ。横顔がちょっとばかり母さんに似ている。
少しばかりのんびり屋なとこも似ていて、母さんとはソリがあっているらしく、
会うとまるでホントの母娘みたいに仲が良いんだ。お陰で俺も一安心なんだよね。

そろそろ良い頃合かなと思って、もう一度振り返って時計を見たら、時計の針
が予想以上に進んでいた。
しまったあ!遅れそうだ。
俺は慌ててカバンを持つと急いで玄関に向かった。

「今日は早く帰れそうだから夕飯よろしくね」
「分かったわ。いってらっしゃい」

母さんは背を向けたまま食器を洗いつつ声を掛けてくれた。
その声を聞きつつも焦ってる俺はそのまま駅まで猛ダッシュして駆け出したのだった。


いつもの出勤とは違い、乗り換えを3度繰り返し、着いた駅から更にバスで30分
かけて乗った先には、それまで当たり前のようにあった喧騒な雰囲気がすっかりと
消えて辺り一面のどかな山々が広がる風景が目に入ってきた。
随分と田舎に住んでいたので会いに行くのも一苦労なんだよね。

そしてバスを降りて少し歩くと、小さな住宅街が目の前に見えてきた。
その中で遠目でもすぐ分かるほどに一番の広さで囲われた敷地が目に入った。
勿論その中に圧倒的な存在感で聳え立つ屋敷も併せて見えたのは言うまでも無いこと
だった。

大きな門に備えられたインターフォンを押すと、すぐに村西先生と判る女性の声が
応対してくれた。
そしていつものように俺が挨拶すると、オートロックが外れる音がした。

中に入ると、俺はそのまま1階の応接間に向かった。
先生の仕事場はその隣に併設された小部屋で、俺がノックをすると中から”どうぞ”と
俺の母と同じように穏やかな声が聞こえてきた。
まあ俺はこの声を聞くと、少しは緊張が解けるんだよね。

それで中に入ると既に注文の原稿は出来ていて机の上にきちんと整理して置かれていた。
これもいつもの事。先生が原稿を遅らすということは俺が担当を引き継いでからという
もの一度も無かった。無論以前からもそうだったようで、仕事はいつも一貫して予定通り
にカッチリとし終える人であった。

「いらっしゃい。いつも時間通りね、関心関心」
「どうもです。先生お願いしていた原稿はこの通り受け取らせて頂きました。
いつもいつもありがとうございます」

村西先生は俺が入ると座っていた椅子をクルリと回して、立っている俺の方に向いて
くれた。
俺を見るそのはっきりとした大きな瞳が印象的だった。
母さんが言ってた通り目力があって、見つめられると何か心の中を全て見透かされた
ような気になってしまうんだ。だからそんな思いがあってか俺自身今まで先生に対して
ずっと緊張感が取りきれないようになっていたかもしれない。

「あなた私の担当になってどれぐらいになるのかしら?」
「丁度3ヶ月です」
「そう・・早いわねえ。あなたはいつもきっちりと時間通りに動いてくれるから、私も
仕事がし易くて助かるわ」
「ありがとうございます。先生にそう言って貰えるとこれからも頑張れます」
「うふふ・・いつもそんな喋り方なの。仕事同様固いわねえ」

ずっと俺から視線を外さずに話すもんだから、俺もそのまま睨むような感じで話を
してしまった。
凄く魅力的な表情。まさに大人の魅力に溢れた美人とはこのような人なんだと思った。
ふと思い浮かべた恋人杏子と比べたら、まだまだあいつは子供だなと思ってしまった。

「あなた恋人がいるって言ってたわね」
「あっ、はいいますが・・」
「どう、最近、ちゃんと付き合ってる?」
「え、ええ、まあ・・それなりに・・」

いきなりのプライベートな話に俺は恐縮してしまった。
以前初めて打ち合わせをした時に聞かれた事を先生はちゃんと覚えていたようだ。
俺は先生から家の事をもあれこれ聞かれたので、正直にあれこれと話をしたんだ。
母親との暮らし方とか、つまんない親父の事とかをね。

先生にとって俺は初めての男性担当者だった。
それまではこちらが用意していた男性担当者は全て断って女性担当を置いていたんだ。
理由はよく分からなかった。息子の嫁探しの為だとか、おっさんはアウトだとか、色ん
な噂が社内で出ていたが、今ひとつはっきりとした事は分かっていない。

ただそんな中、初めて俺が担当を命じられた時は、ああやっぱり若くてハンサムな男が
趣味だったんだとかを云われた。なにしろ先生の指名だったんだから尚更そう思われて
しまった
んだけど、本当にそうならば、もう1回や2回誘われてもいいはずなんだけど、その素
振りもまったく無く3ヶ月があっという間に過ぎてしまっていたんだ。

「それなりって・・・SEXもそれなりにかな?」
「は、はああ?」

更に驚きの質問内容に俺は恐縮を越えて失礼なまでに大きな声を上げてしまった。
目の前を見ると、笑みを浮かべてはいるが先生は真剣なまなざしで俺を見ていた。

「は、はい・・・それなりに・・して・・ます」

ええい、しょうがないとばかりに俺は正直に答えた。

「それっておざなりでしてない?」

うひゃあ当たりだ・・確かに最近俺は、ちゃんとやってない。
でもさすがにそれに関してだけは正直はっきりと答えは言いにくいよなあ・・

「声が出ないって事は当たり・・ね?」

俺は仕方なく首を縦に振るしかなかった。
しかし、突然そうしてこんな質問をするのだろうか?
ま、まさか・・・とうとう、そうなのか?

「私はね、こう見えて意外と人を見る目はあるのよ」

そりゃそうだろう。でなきゃ小説家なんてやってられないよな。
ましてやこの人は売れっ子恋愛小説の大家なんだから、こういうネタはお手のモンだろ?

「あなたは今の恋人に満足はしてるし、愛してもいる。でも何かが足りないっていつも
思っているけど、はっきりと意識したことはない・・と私には見えるのよ」
「は、はあ・・・そうなんですか?」
「SEXは最近おざなりなのがその証拠ね。本当に満足させてくれる人が他にいるのに
それが出来ないことに不満を持っているからだと思うの」

よく言ってる事が分からない。俺が杏子に満足していない?
他に満足させてくれる人を求めている?
まさか・・そんなこと考えた事も無いぜ。

ふっと宙に視線を向けて考えていたのを我に返って再び目の前に視線を向けると、
村西先生がじっと大きな瞳で俺を見ていたんだ。

あっ、これって俺への告白なのか?
いや、そりゃまずいよ・・・先生と担当者って・・
それに俺は熟女には興味が・・・無い・・はずだけど・・・
あれ、ちょっと変な気分になってきちゃったぞ・・これは何だ?
先生の香水がやけにキツイって思ってたけど、やっぱりそうなのかなあ?

「あなたの目を見るとね・・・思い出しちゃうのよ」
「だ、誰をですか?」
「まあ誰でもいいじゃない。で、その人はね、凄く私のことが好きなのにそれが言えない
もどかしくて、苦しくて、目を見ると凄く潤んで私に訴えているのよ」
「そ、その人の目が私に似ているんですか?」
「ええそうよ。あなたをパ-ティで初めて見た時に直ぐにそう思ったの・・似てるって。
あなたも同様に言えないような思いでいっぱいになっている・・と」

言われのは初めてだった。
俺が苦しい恋愛をしているって?
ちょっとびっくりした。だってそんな気持ち今まで持ったことないからね。
勘違いでしょ・・・
確かにマンネリとした恋愛ではあるけど、杏子には不満はない。

「でも気づいてはいないようね・・・あなた自身は」
「気づいていない?」
「ええ気づいていない。私があなたを担当者に希望したのはお節介なことかもしれない
けど、それに気づかせたいと思ったからなの・・同じ思いを持つ人を好きになった私か
らのプレゼントのつもり・・」
「先生・・その人と今付き合っているんですか?」
「ええ、もうかなりの月日が経ってるけど・・今でもラブラブなのよ」

その時、突然卓上に置いてある電話が鳴り響いた。
村西先生は、まるで予期していたような感じで素早い手の動きで受話器を取った。

「ああ、着いたの?そう・・・分かったわ」

短い会話だったが、その時先生の表情はいつになく喜びに満ちていて、まるで少女の
ような恥じらいを見せていた。
俺はピンときた。
さっきまで言ってた恋人が帰ってきたんだ。

だからか・・いつになくお喋りするのも、あの変な質問をしたも・・

だけど担当になってから3ヶ月だが、あんなにしっかりとした先生がこんなにまで
女っぽく変わせてしまう程の男性って一体誰なんだろう?
いつも真剣に机に向かっていたし、迫力のある美しさはあっても男の影を感じさす
ような素振りまど一度も見せた事がなかった人なんだから。

いつもどのようにしてあんな素晴らしい恋愛小説を書くんだろうと不思議に思っていた
ぐらいだったんだ。
まあ亡くなった旦那さんのことを題材にしていたぐらいにしか思ってなかったんだけどね
でもこれで判明したんだ。
先生には今でも自身の小説の本源となる恋愛を続けていたんだということを・・

受話器を置いた先生は、直ぐに椅子から立ち上がると、そのまま足早に俺の前を通って
部屋を出て行った。
その足音で玄関先へと向かっているのが分かったのだが、行ったと思ったら直ぐに引き
返して来た。
そして戻ってきた先生の右手には何故か俺の靴を持っていたんだ。
すぐに帰ってちょうだいって事かと思ったが・・・そうではなかった。

「これ持ってちょっとこっちに来てくれるかしら?」

そう言われて俺は差し出された靴を持つと、言われるままに従った。
外に出るのかと思って玄関の方に行こうとしたら、背広の肘の所を持たれて止められた。
こっちだと指示されたのは、その逆で仕事場の出口の反対側に設置されている人一人を
すっぽりと入れる程の大きな黒のウォーリングクローゼットの方向に指を指した。

「このクローゼットの中に入ってちょうだい」
「ええ?でも誰か来るんだったら、私お邪魔だから帰りますよ。この原稿を早く
印刷所に持って行きたいですし・・」
「そんなのは後でいいの・・・まずはあなたに見て貰いたいのよ」
「な、何をですか?」
「私の恋人よ」「ええ?!そんなあマズイですよ、私帰ります」

俺は正直驚いた。
こんなトコに隠れて恋人を見てくれって事は・・アレをも見ろって事にもなる訳で・・
どうしてこんなことになるんだ?

「いいからここにいてちょうだい。あなたに気づかせたいの・・・どうしても」
「そんなあ・・私、今いる女の子で十分なんですから、いいですよう」
「本当の自分に気づきたいとは思わないの?」

迫力のある声、こんな真剣な声は初めて聞いた。
大きな瞳がじっと俺を見つめていた。思わず俺はたじろいでしまった。

一体俺の何を気づかせたいというのか?俺は先生の美しい迫力に負けて、そのクロー
ゼットの中に入ったのだった。
狭い空間に腰を下ろしてから顔を上げると、目の前には小さい鍵穴から明るい日差しが
差し込んで来た。
さて、一体これから何が起ころうというのだろうか?
ここに来て突然の出来事の連続に俺は緊張のしっ放しだった。

俺がその中に入ってから直ぐに玄関の方向から大きな音が聞こえてきた。
誰か来た様だ。遂に恋人が登場か、これはスクープだぞ、と思ってるうちに
足音が次第に大きなって耳に入ってきた。

「ただいま」「お帰り、随分と早かったようね」

その会話を聞いた瞬間俺は耳を己の耳を疑った。
てっきり恋人かと身を構えていたのに、帰ってきたのは長いことアメリカに
出張で行っていた先生の息子だったんだ。

俺は鍵穴に目を押し付けた。
小さな鍵穴から見えたのは、丁度俺ぐらいの年齢の男だった。
その時妙な緊張が俺の全身を覆った。

「早く母さんに逢いたくて急いで帰ってきたんだよ」
「まあ!甘えん坊さんねえ、ずっとホームシックだったの?」
「3ヶ月は長かったよ。俺あっちでは、ずっと母さんのことばかり考えていたんだ」

甘えた口調。いつもより高めの声。いつも大きくて凛とした目元がユルユルと垂れて
いた。こんな先生を見るのは初めてだった。
息子は先生を抱きしめたまま一向に放そうとする気配など無かった。

なんだあ・・・普通のマザコン親子かよ。
どうせこんなところなんだろうよ、と少しほっとしたような、がっかりしたような
気持ちになっていた。
俺はこんなに母親に甘えようとは思わないけどな・・と鼻で笑ったのだが次の瞬間
事態は俺の予想を大きく超えて目の前で展開されていったんだ。

「母さん、俺もう・・ガマンできないよ」

息子がそう呟くと、何と息子の唇が母親である先生の唇を覆ったのである。
強く抱きしめる息子の両腕。先生の背中を折らんばかりに力を込めた。
次第に先生の背中が大きく湾曲していった。

それでも2人の合わさった唇は離れようとはしなかった。
荒い鼻息。息子の興奮は高まる一方だった。
俺はもう瞬きをするのも忘れて2人の姿を見つめていた。

すると背中を抱いていた先生の右手が息子の股間に下りていった。
指の動きを見るとかなりのでかさが見て取れた。

「凄いわ・・もうこんなに硬くなってるのね」
「母さんとする為に、ここ何日もしてなかったから・・ね」
「オナニーをガマンしたの?お母さんを思ってガマンしたの?」
「うん・・いつも1人でしてた時でも母さんとしてた時の事を思い出してやってたよ」
「まああ・・可愛い子ね。お母さん嬉しいわ。だったら今日はガマンしてた分いっぱい
出してちょうだいね」
「ああそのつもりだよ・・・明日の朝まで可愛がってあげるよ」

息子は先生の指をどけると、自分の手でズボンのチェックを下ろして中からギンギンに
なったペニスを取り出した。
それは興奮しきっていて剥けた先っぽが濡れていた。

先生はすっと腰を下ろすと、すぐさま大きくなったペニスを頬張った。
いやらしい音が部屋中に響き渡った。
先生の両頬が大きく膨らんだり萎んだりとを繰り返した。
本当に愛しそうな表情、そして息子の快楽に歪んだ顔との2つを見て俺はもう驚愕の
極みに達していた。
まさかの驚きの近親姦が今、目の前で展開されようとしていたんだから。

でも、でも、どうして俺はこうも興奮が抑えられないんだろう?
心のどこかで期待していた俺が恐くなってきた。

「ああ、母さん、もう・・俺、いいだろ?」
「ええ、いいわよ。今すぐに母さんを食べてちょうだい」

先生はすっと起き上がると机の上に両腕を置いて、ぐいっと尻を息子の方に突き出した。
そして息子は慌てた手付きで先生のスカートを捲り上げた。
その時俺は思わず声を出しそうになったんだ。

捲りあがった中からは綺麗なお尻が姿を現したんだ。
真っ白で綺麗な肌。それを更に強調させてくれたのは黒いガータストッキングに覆われて
いたせいだったんだが、驚いたのはその時先生の尻が全開で俺の目の中に飛び込んできた
からだったんだ。何1つ生地で覆われていないそのままの素肌が全開なんだ。
そう・・先生は何も穿いてなかったんだ。俺はその時先生は初めから今日はそのつもりで
いたんだって事を理解したのだった。

あっという間に先生の後ろからズブリと息子のいきり立ったペニスが突き刺さった。
そして後はもう・・・2人の興奮した言葉の応酬が続いたのだった。

1回目の終わりは直ぐに来た。
背後から突きまくった挙句に、たっぷりと精子を先生の中にぶちまけたのだった。
息子が離れると、すぐに太腿を伝わってその濃い液体が筋を作って下へと流れ落ちて
いった。

そして間髪置かずに続けざまに2度目が始まった。
息子は先生が座っていた椅子に座って、その上に先生を乗せて器用に腰をくねらせては
突き上げていた。
可愛い声を上げ始めた先生。その表情には俺の存在などすっかり忘れているかのように
陶酔しきっていた。
息子は自分勝手に身体の位置を変えて、前から後ろからと思いっきり突き上げていった。
そして最後とばかりに、乱暴な手付きで先生の髪の毛を持ち上げると、そのまま座らせて
今度は濡れそぼったペニスを口の中に押し込めると、荒っぽく掴んだ髪の毛を前へ後ろへ
と引っ張り始めたんだ。
まさに強引極まりないイマラチオが始まったんだ。
その姿は、あの威厳に満ちた態度とは一変して、まるで奴隷のような扱われ方でおもちゃ
のように振り回されていた。
でも先生は、嬉しそうに息子の名前を何度も何度も、あの甘い音色で連呼していたんだ。

「あああ・・お母さん・・・イクよ」
「そのまま、濃いザーメンをちょうだああああい!!」

先生の身もふたも無い恥かしい言葉に、息子は絶頂を感じたみたいで顔を歪めた。
引き千切らんばかりに激しく扱きあげると、そのまま濃い精子を先生の顔いっぱい
にぶちまけたのだった。

荒々しい呼吸が重なり合う2人。
暫くの余韻の後、息子は汗ばんだYシャツとクシャクシャになったネクタイを外して
全裸になるとそのまま奥の風呂場へスタスタと歩いていった。

今ならクローゼットから出て行くチャンスだったのだが、俺は硬直してしまっていて
動けなくなっていたんだ。どうにも足が前へと出ないんだ。
そうこうもがくようにしていると突然目の前がさああっと開けたんだ。
そう・・先生が扉を開けてくれたからだった。

「どう・・だった?見ててくれたよね?」
「・・・・」

俺の硬直は顎にまで達していた。唇が震えて開かなかったんだ。
それでも目の前の先生の顔は、しっかりと見れた。

濃い白濁水の筋が幾重にも顔を覆っていたしキツイ臭いも漂っていた。
だけど、先生の表情は、俺が担当になってから、いや、今まで色々な雑誌等で見せて
いた構えていた表情とは明らかに違っていて、初めて見る・・そう、満たされた悦び
が溢れた笑みに包まれていたのがはっきりと見て取れたんだ。

「こういうのを見せるのは正直死ぬほど恥かしかったけど、今は何か満たされたって
感じかな・・これが私の誰にも言えない秘密なの」
「だったら、ど、どうして・・私に?」
「だから言ったじゃない・・似てるって、あの子が見せたのと同じなのよあなたのその
凄く切なく何かを訴えているような目が・・」

俺を正面から見据える先生の大きな瞳。
その時、奥からシャワーが勢いよく流れる音が聞こえてきた。

「そろそろ出て行った方がいいわね」
「は・・い・・・そうします」

差し出された先生の手を掴むと俺は気合をつけて腰を上げた。
その時、あら?っと首を傾げる先生。

「あなた、今日これから仕事が続くよね?」
「え、ええ、まあ、一応、これから印刷所を回ってから社に戻りますが・・」

だが俺の説明を聞くともなしに先生の視線は下に向いていた。
俺も何となくその視線を追ってうつむいたんだ。そうしたら・・

俺は穿いているズボンの前に大きな山が築かれているのを発見したんだ。
その時には恥かしいという気持ちはなかったが、それを見た瞬間から、やけに
息苦しさを感じ始めたのは何故なんだろうか?

「このまま仕事を続けるのは難しそうねえ・・」

そう呟きながら先生の右手の指が俺の盛り上がった先を丁寧にゆっくりと
捏ね繰り始めたんだ。
俺はその仕草をただ黙って突っ立ったままで見ていた。

「今見たことは永遠の秘密。誰にも言ってはダメ・・だからここで契約しましょう」
「はい・・もちろんです」
「だからあなたにも秘密を持って貰おうかな」

先生の言う意味は大凡理解できた。
すると山の頂を楽しむようになぞっていた指先が、ゆっくりとチャックを下ろして
いった。
次に両手でベルトを外してフォックを外し、そのまますぐにズボンを下ろしてしまった。

「あの子よりも大きいわ。彼女も満足でしょうね」

色っぽい笑みを浮かべながら、いやらしく舌で上唇を舐める仕草に俺は生唾を飲んだ。
先生はすっと腰を下ろして、俺の膨らみの前に顔を近づけていった。
そして両手で覆っている最後の砦を下ろした。
窮屈な場所から一気に開放された俺のペニスが先生の目の前で勢いよく姿を現した。

「イイわ・・すっごく臭いわ・・・あなたもずっとガマンしてたのね・・可愛い。うふふ」

先生はそのまま勢いよくいきり立ったペニスを頬ばると顔を前へ後ろへと動かして
いった。
生暖かい舌の感触がペニスを通じて俺の全身へと伝わっていく・・・おお気持ちいい。

「硬いわ・・すっごく大きいわ・・顎が外れちゃいそうよ」

淫らな言葉が俺の興奮を高めていった。
今俺の目の前で、あの美しい恋愛小説の大家が四つんばになって俺の股間に顔を埋めて
いる・・何て素晴らしい光景だ。
初めて知る熟した女性の妖しい魅力に俺は久しぶりに感じる興奮に驚き酔いしれていた。
何て丁寧な舌の動きなんだ。若い女の子じゃこんなのは無理だ。
ああ・・イキそうだ。このまま先生の口の中にぶちまけちゃいたいぞ!

「もうそろそろイキそうじゃない・・うふふ」

さすが百戦錬磨の熟女先生。全てお見通しだ。
済みません先生。このままイカせてもらいますう!!

「でも、このままじゃあ、秘密共有って訳にはいかないわね・・」

頃合だと思っていた瞬間、先生の動きはピタっと止まって、そのまま立ち上がったんだ。
そんなあ・・・これじゃあ生殺しだよう。
と思った時、先生がすっと後ろを向いたんだ。

「来なさい・・・これで秘密共有よ」

驚きの一言に、再び俺は硬直してしまったんだ。
ぐいっと突き出された尻。そして勢いよくスカートを捲り上げ腰を左右に振ったんだ。
だけど俺は動けなかった。
すると先生の右手が伸びてきて、俺のペニスの根っこを掴んでぐいっと引き付けた。

だがなぜか濡れてパックリと大きく開いたところではなく、その上の小さな蕾のような
ところへと右手は誘導していった。

「ここはダメなの。あの子の為だけにしかここは使えないからね。だから・・ここ」

先生は甘ったるい声で俺にそう説明すると、ぐいっと腰を押し付けてきたんだ。
すると俺の太くて大きなペニスが、ゆっくりと窮屈そうにその小さな穴の中に入って行った。

「はああ・・入ってくるわあ・・硬いのが入ってくるうう」

今にも泣き出しそうな、か細い声が俺の中にあるSの部分が刺激した。
そうしたら突然だけど全身を覆っていた硬直が解けたんだ。

「あああ先生!凄くイイですううう!!」

俺は両手で先生の腰をがっしりと掴むと、渾身の力で腰を突き上げ始めたんだ。
もう、猛烈に過激に壊れよとばかりに・・・先生の尻の穴を!

「おおおスゴイスゴイわあ・・・気持ちイイわ!!」
「先生、先生、先生!!このことは誰のも言いません!!」
「お願いよ、お願いよ!!あああ、もうイク、イッちゃいそう!」

俺はもう夢中に腰を動かした。
もう堪らないとばかりに声も大きく出ちまったんだ。

「さ、さあ、今なら言えるでしょ、あなたの本当の気持ちが・・ねえ言いなさい
私に聞かせてちょうだい。さあ早く!」

その時奥のシャワーの音がひときわ大きく俺の耳の中に入ってきた。
そして俺は先生の声に誘われた俺はその時、突然その人の顔が浮かんできたんだ。
自分でも驚いた。でもその顔は頭の中から消えなかった。
俺は思わずその人の名前を何度も何度も大きな声でわめき散らすように言ってしま
ったんだ。
そして・・・



その後のことはよく覚えていなかった。
どのようにして先生のお宅から出てきたのかも記憶に無かった。
恐らく何事もなく出てきたのだから息子には気づかれてはいないだろう。

俺がぼんやりと我に帰ったのは、身体を揺らされ続けていた帰りのバスの中だった。
ああよかったなあ・・・俺は全身の痺れを心地よくバスの揺れと共に感じていた。

先生とのSEXは特に凄かった。
熟した女性の肉体は素晴らしいと正直思った。
もちろん俺が目撃した母子SEXも衝撃だった。あんなに興奮したのは初めてだ。
だが俺が一番驚いたのは俺が口にした女性のことだった。

『やっぱり、思ったとおりだったわね。あなたがずっと満たされない思いでいたのは
これで明白になったわね。じゃあこれからどうしたらいいかはもう分かるわね?
これでもう大丈夫。自分の気持ちに気づいたのだから、あなたが行く道も決まったわね』

俺は別れ際に言っていた先生の言葉を思い出した。
そうかあ・・俺が杏子との結婚に踏み切れなかったのもこのせいだったのかもしれない。
俺はぼんやりと流れていくバスの外の景色に目をやった。
澄み渡った空が何故かやけに綺麗に俺の目に映ったのだった。

そして俺は残っていた仕事を段取りよく終えると、同僚の誘いを断って足早に帰路に
着いた。
その時陽は大きく傾いていて辺り一面綺麗な夕日が広がっていた。




家に戻ると既に親父が顔を赤らめながら食卓でビールを飲んでいた。
ああそうか、今日は金曜日だったんだ。
普段あまり酒を飲まない親父だったが、休みの前日、つまり金曜土曜になると呑む
習慣となっていたのだ。
つまり明日を気にしなくていいから、それがそのまま親父の楽しみになっていたんだ。

「おおう、お帰りイ~今日もしっかり働いたかあ?ふふ~ん。俺はちゃんと働いたぞ。
だから今日は呑む。明日も呑む。ああ~気持ちいいなあ、なあ母さん?」

座っている親父の傍らには、空になった缶ビールが3,4本並んでいた。
かなり呑んでいたせいか、広くなった額も真っ赤になっていた。

食卓の上には既に終わった食器があった。
いつものことだが1人で勝手にさっさと食事を終わらせていた。
当然母さんはまだみたいだった。まったくいい気なもんだ。

「なんだ、その目は?俺がこんなに早く食事して悪いか?え、言ってみろよ」
「まあまあもういいじゃないですかお父さん。もう酔っ払っちゃったんですか?呑みすぎ
ですよ」
「うるさいなあ母さんは。いいじゃないか俺はいつも遅くまで働いているんだ。
早く帰れる金曜日ぐらいは俺の好きなようにしたっていいじゃないか」
「いつだって好きにしてるじゃないか親父はさあ・・」
「なんだとお前もういっぺん言ってみろ!」
「もう、やめなさい2人とも・・」

母さんが睨みあう俺たちの中に入ってケンカを止めた。
すると親父は何事もなかったようにビール缶に口をつけたのだった。

「あなたたちは顔を合わすと直ぐケンカするんだから・・」
「しょうがないじゃんか。親父が悪いんだ」
「もう、そんな事言わないの」

その時、母さんは俺の顔を見て、あらっと何かに気づいたような表情を浮かべた。

「今、ご飯用意するから、あなた先にお風呂に入ったらどう?」
「ああ、そうするよ。今日はちょっと仕事が大変で汗かいちゃったからな」
「さっきお父さんが入ったばかりだから、お湯加減はちょっと熱いかもしれないけど」
「それもいつもの事だな。ホント自分勝手にして後のこと考えて無いからなこの人は」

俺はいい気に呑んだくれている親父の横顔を見てから二階の自分の部屋に戻った。
そしてそこで着ていたものを下着を除いて全部脱ぐと、新しい上下の下着と短パンとをを
持ってそのままの格好のまま急いで階下にある風呂場へと急いだ。

湯は案の定かなり熱かった。
俺は大量の水を出しながら浴槽の中へと浸かった。

ああ~いい気持ちだ。
俺はさっぱりとした気持ちの中、今日一日の出来事を思い起こしていた。
そして、その中で気づいた自分の気持ちと、それについてのこれからのことを
あれこれ考えていた。

さて、どうしたもんか?
俺の気持ちは分かった。だけど相手は本当にそう思っているのかと俺は思いあぐねて
いた。
そして今までのことを1つ1つ思い出しては、それがどうだったかを検証するように、
思い起こしていた。
その時、風呂場の外で母さんの声がした。

「どう湯加減は?」
「やっぱり熱かったよ。しょうがないよな親父の奴」
「そう、ホントしょうがないお父さんねえ。あっ、じゃあ、ここにバスタオルの代え
を置いて置くからね。お父さんの後はいつもタオルもびしょびしょになってるから」
「ありがとう、お母さん」
「じゃあね、ゆっくり入ってなさい」

俺はその時擦りガラスに映る母さんの姿を目で追った。
するとその姿はしばらくの間ごそごそと動いてから、すっと外へと出て行った。
それを見届けた俺は1つ大きく息を吐てからお湯で顔を何度も何度も拭ったのだった。

長い風呂から上がってみんながいる食卓に顔を出すと、親父が隣のリビングにある
ソファーの上で横になりながらビールを飲みながらテレビのニュースを見ていた。
食卓の上を見ると、ちゃんと用意してあった。
その時母さんも食事を終えたらしく洗面台で終えた2人分の食器を洗っていた。

俺は1人でパクパクと食事を始めた。
そしてものの10分程で食事を終えた俺は、冷蔵庫から缶ビールを1つ出してそれを
呑んだ。
目の前には洗い物をする母さんの背中があった。
いつもの、本当にいつもの光景だった。

暫く呑んでいたが俺はリビングにいる親父に声を掛けた。
親父は眠そうな声で応対してくれた。

「ねえ父さん、たまには母さん誘ってどこか旅行でもしたらどうだい?」
「いいよう、そんな面倒くさい事。たまの休みぐらいゆっくり寝かせて欲しいよ」
「まったく、よくそれで今まできたもんだな。そんないい加減な対応ばっかだと
終いには愛想尽かされて離婚ってことになるぜ、そうなったらどうすんだよ?」
「バッカ言え、母さんはそんなことはしないよ・・俺には・・よく・・分かって・・」

次第にゆっくりと途切れ途切れに切れ始める言葉・・・どうやら眠くなってきたらしい。

「ったく・・釣った魚には餌やんないってか?」
「もういいわよ。お父さんはこういう人だから・・」

母さんは洗い物をしている背中越しから、そう俺に言った。
俺はじっとその背中を見た。

「俺だったら、ちゃんと餌を上げるけどな・・・」

その言葉を言った瞬間、母さんの両肩がピクリと揺れるのを俺は見逃さなかった。
だが、母さんは黙って洗い物を続けていた。

「ねえ母さん、ちょっとお願い事があるんだけどいいかなあ?」
「なあにいったい?」
「俺とSEXしない?」

その瞬間、し~んと辺りが静まり返った。
水道から小さく流れる水の音だけがやけにうるさく聞こえた。
ところが母さんは、何事も無かったようにそのまま洗い物を続けていた。

聞こえてなかったのか?
俺がそう思った時、母さんは蛇口を閉めて手を拭いた。
そしてそのままそこからゆっくりとした足取りで隣の部屋に入っていった。
しばらくしてから大きな毛布を抱えて出て来た。

母さんはそれを広げると、ソファーの上で大の字になっている親父にそれを掛けていた。
そして、再びこっち入ってきたと思ったら、俺が食べ終えた食器類を手にとって洗い場
の方に持って行くと、その手で再び蛇口を開いたのだった。

「ねえ、母さん」

聞こえてないと思った俺がもう一度声を掛けた。
すると、間髪置かずに母さんの声が重なり合った。

「お父さん・・・もう寝てたわ」

その声は、今まで聴いたことの無いぐらいに声が震えていた。
お陰で俺はちょっと緊張しちゃったんだ。

「自分で何言ってるか、分かってるの?」
「あ、ああ、まあね・・」
「そ、そう・・」

母さんは黙って洗い物を続けていた。

「俺は気づいたんだよね。俺が今まで足んなかった気持ちが何かを、それと母さんが
ずっと機会を待っていた事を・・・さ」
「どうして?」
「さっき、風呂場で何していたんだよ?あれって俺のパンツの確認してたんだろ?」

俺の質問に母さんの手が止まった。
そして手を拭き始めた。

「今までの事を思い起こしてたら、俺が杏子とSEXして帰った日はいつも必ず最初に
お風呂を勧めてたことに気づいたんだ。あれって女ものの香水の匂いで気づいていたんだな」
「当たりよ・・でも今日はいつもと違う香水がしたけどね」
「まあそれはいいじゃん。で、俺は風呂上りで確認したんだ。そうしたら脱衣箱に入れて
あったパンツの位置が上下入れ替わっていたのを見て確信したんだよな。ねえ母さん、その
パンツでなにしていたのさ?」

俺は分かりきった質問を敢えて母さんにぶつけてみたんだ。
どうしても母さんの口から聞きたくてね・・・

「もうそれはいいじゃない」。あなただって分かってるんでしょ?」
「よくないよ。俺はどうして母さんの口から知りたいんだ」

俺のはっきりとした口調で観念したのか、暫くの時間を置いてから・・

「あなたのしたことを確認したかったの」
「俺の何を?」
「あなたの出したザーメンを・・」

俺は母さんの口から出たいやらしい言葉に背中からゾクゾクする快感を覚えた。

「舐めたんだね?」
「そう・・よ。パンツにこびりついた臭いザーメンを舐めたの・・ああ恥かしいわ」
「母さん。すごいよ・・俺、すっげえ興奮してきた」

俺はそう言いながら、ゆっくりと母さんの下へと歩を進めて行った。
母さんは、ただ何もせずに突っ立っていただけだった。

「あっ!」

俺は母さんの息遣いが大きく聞こえるところまで接近した時、母さんが何かに気づいた
みたいで小さな声を上げた。
俺の硬くなった股間が母さんの尻に当たったからだった。
短パンの上からの盛り上がりは半端でなく大きかった。俺の興奮した息遣いを聞いていた
母さんの耳たぶも真っ赤になっていた。

後ろを向いたままに、母さんの右手が俺の盛り上がった所を握ってきた。
そして、そのまま激しく指先が俺の股間の先を弄り始めたのだった。
俺は母さんの興奮が手に取るように分かった。ああ本当に待っていたんだなと・・

堪らなくなった俺は、左手で母さんのスカートの裾を持つと、ゆっくりと上へ上へと捲り
上げていった。
そしてその全てを捲り上げた時、俺は即座に村西英子先生の眼力に恐れ入ったのだった。

「か、母さん、何も穿いてないんだね・・・」
「そ、そうよ、いつもあなたと一緒の時は、何も着けずにいたの」
「いつから?」
「も・・う・・・10年になるかしら・・ね」
「どうして息子の俺を・・なの?」
「あなたの目よ・・お母さんに向かって凄く求めてくるような表情が堪らなかったの・・」
「俺ってそんな顔してた?」
「そうよ・・ず~っとよ うふふふ・・」

川西先生と母さんはきっと同じ気持ちを共有する友人になれるだろう。
俺はその時素直にそう思った。

「でも、俺が一生気付かなかったらどうしてたんだよ?」
「何も、無いわ。それでもよかったのよ・・だってあなたは私が産んだ子供なのよ。
私の気持ちだけであなたを巻き込みたくなかったの・・・でも今は凄く嬉しいわ」

母さんのその言葉に俺の興奮は極みに達した。
俺は一気に短パンを下ろすと、そのまま勢いよく母さんの後ろから中にいきり立った
ペニスを突き立てたんだ。

激しく腰を前後に打ち下ろした。
だけど声は何1つ上げなかった。
小さな声で母さん、母さんと呟く俺。母さんははっはっと息遣いするだけだった。

それから十数回腰を動かしていたら、突然母さんが止めてと言ってきた。
なかなかイカない俺に痺れを切らしたのかと思ったが、どうやら違っていた。
母さんは俺から離れると、急いで捲り上がっていたスカートのフォックの留め金を外して
脱ぎ捨てて、俺の方に向き直ったんだ。
俺も膝まで下ろしていた短パンを勢いよく脱ぎ捨てたんだ。

母さんと俺は互いに下半身素っ裸になって向き合う形になった。
綺麗な白い肌と、がっちりとした下半身に薄く整えられた三角形地帯が正面に位置して
凄く艶かしく俺の目に映った。

俺は母さんを正面から抱きしめながら顔を近づけた。
柔らかい唇の感触が俺の口の中に広がった。
激しく絡み合う舌から柔らかくしなやかな感触をもたらしてくれた。

その時俺の耳に親父の寝息が聞こえてきた。
親父の顔を見ると、実に幸せそうな表情で寝ていた。
するとその時母さんが、俺の腕を取ってリビングの方へと引っ張っていこうとした。

「ど、どうしたんだよ、そっちは親父がいるじゃないか」
「いいのよ。あっちに行きましょ」

そう言って母さんは俺を強引にリビングの方へと引っ張っていった。
そして、ソファーで寝ている親父の横まで来た時、いきなり座り込むと俺のペニスを頬張
ったのだ。

「あ、ああ・・・いきなり・・ああ母さん!」

俺は成す術も無く、そのまま立ち尽くしたままで、母さんの素晴らしいフェラチオテクを
享受した。
母さんは村西先生とは違って、俺の竿だけでなく、袋から内股の所、挙句に尻の穴まで
柔らかいその舌で綺麗に舐め上げてくれたのだった。

これが母としての愛情なのかと感動した俺だった。
もう・・このまま出してもいいかと思った。

「さあ、もういいわ、来て!」

母さんはそのまま正面で寝転がると、大きく両股を広げて俺に向けて両手を差し出して
きた。
俺は躊躇せず、そのまま正面から母さんの中に入った。
そして俺が中に入った瞬間、それまで広げていた両足を俺の腰にがっちりと絡めた。

もう離さないとばかりに、母さんの両足両腕が俺の体をがっちりと掴んでしまった。
俺は正面から母さんを突き上げていった。
そして横からは親父の寝息が聞こえていた。

母さんは歯を食い縛った表情のまま、小さく息を吐くばかり。俺も荒い息を吐き
掛けるばかりだった。
次に俺は母さんを四つんばにさせて、後ろからぐいぐいと突き上げた。

後ろから手を伸ばして服の上から掴む母さんの胸は大きくて暖かだった。
母さんは頭を左右に振り乱しながら、俺の突き上げを受けていた。

「も・・う・・・最高。お母さん幸せ・・・よ」
「ああ、このままイッていい?ねえイイかな?」
「ええ、いいわよ。そのままいっぱいお母さんの中に出してちょうだい」

小さな声で喘ぎながら言う母さんに俺は堪らない気持ちが溢れた。
そして声を出さずに、そのまま母さんの中に沢山の思いが詰まったものを吐き出した
のだった。

しばらくしてから・・・
俺は起き上がって横で寝ている親父の顔を見た。

「よく親父の横でやっちゃったもんだなあ」
「うふふ・・・でも凄く興奮したんじゃない?だってほらこんなにいっぱい・・」

同時に起き上がった母さんは、大きく広げた両股に手を入れて俺が出したザーメンを
指先に着けて見せた。そして美味しそうに口の中に入れてペロリと舐めたのだった。

「母さんって、すごくスケベなんだな」
「そうかしら?こんなの誰だってやってるんじゃないの」
「ええ?じゃあ親父のも飲んだことあるの?」
「ええ、まあね・・うふふ。でもこれですっきりしたわ」
「何がすっきりしたの?」
「これからこの人にははっきりと母親としての気持ちだけで接する事が出来るってこと」

母さんはその言葉の通り、凄くすっきりとした晴れ晴れとした表情で俺の目の前にいた。
そして実は俺の方も気持ちがはっきりと定まっていたんだ。

俺は直ぐに杏子に電話を入れた。
別れじゃないよ。結婚しようって言ったんだ。
電話口の向こうで泣いている杏子の声が聞こえた。
あいつもずっと待っていたんだなってその時思った。

電話を終えると、傍にいた母さんが着ていた上半身の服も全て脱ぎ捨てた。

「やっと決心したのね」
「ああ、これで満たされたかな・・俺の気持ちも」
「お母さん、いい姑になれそうだわ」
「俺もそう思うよ。2人がいてくれて俺は幸せだ」
「贅沢よね、2人の女抱えてさ。あっそうそう。これお母さんの勘なんだけど、
ひょっとしてお父さん、杏子ちゃんの事、好きなんじゃないかなって・・」
「ええ、それマジィ?ウソだろ?」
「どうかなあ、ちょっと彼女を見ている目が怪しそうだったからねえ・・あはは」
「ダメだよ。これだけは絶対ダメ」
「まああ、自分だけよくてお父さんはダメ?可哀想だけど・・まあ当然ね。あはは」

母さんは大きな胸を揺すらせながら、愉快に笑った。
俺も笑った。今日は実に幸せな1日だったと思った。

「じゃあ、今から2階のあなたの部屋に行こっか」
「ええ、何で」
「あなた、お母さんのいやらしい声が聞きたいんでしょ?ここじゃあ無理だから
2階へ行こうって言ってるの?」
「もう1回・・いいの?」
「もちろんよ。お母さんも大きな声出さないと、本当の意味で今までの欲求不満の
気持ちが晴れないから・・・ね」

俺も着ている服を脱ぎ捨てて、母さんと一緒に二階へと上がって行った。
そして俺の部屋の中で、何度も何度も満足いくまで母さんの肉体を楽しんだのだった。

後日この時の事を川西先生に全て報告しようと思っている。
先生も同じ気持ちを持つ仲間を得たと喜んでくれる事だろう。
ひょっとしたらカップル同士としての交流もあるかもしれない。
俺自身そうなることを内心かなり期待しているって事をここに白状しておく。
もう・・熟女が堪らなく好きになってしまったのだから・・

ああそうだ、
ちなみにソファーで寝ていた親父はというと、とうとう朝までそこで1人寂しく寝ていた
せいで、風邪をひいて今、ずっと寝込んでいる。
ちなみにそんな親父を熱心に看病しているのは母さんであることを最後に報告しておくよ。
                                
                                   (おわり)

[2007/04/14]

小説(転載)  「帰郷」

近親相姦小説
11 /27 2018
作品名  「帰郷」

その年の夏、
都市部での暑い夏を避けたいが為に、和憲は息子の慶太を伴って彼の実家へと
やって来た。
和憲が都心部から遠く離れた田舎にある実家を訪れるのは結婚して以来、
初めての事だった。

妻とは15年前に同じ社内で知り合った。彼女は和憲より3年先輩であったが、
互いに気が合ったせいか、直ぐに付き合うようになった。そして結婚。
だが妻は仕事を辞めずに、そのまま共働き夫婦として結婚生活をスタートさせた。

妻とは部署違いであったが社内的な立場では妻の方が上、つまり上司的な地位にあった。
経済的にも彼女を辞めさせて自分だけの稼ぎで生活する事は困難だった。
それに会社も自分より、彼女の方を必要としていた事もあって、共働きという選択は必然
だったのだ。

実際、慶太を産む時でも、ギリギリまで仕事に従事し、出産後も僅か半月余りで出社する
という荒業を敢行したのだった。

今年の夏は異常なまでに暑い。雨などはほとんどなくアスファルトで舗装された道路から
は湯気が 立ち揺らいでいた。
そしてガードレールは、まるで溶接中の鉄のように赤くひしゃげていた。

これではたまらん!
都市の人たちは、暑さを凌ぐ為、一斉に都市部を離れ、暑さが比較的緩い東北方面に
向ったのだった。

比較的暑さには強かった和憲も、幾日も続く暑さに、とうとう根負けしてしまった。
ちょうどその頃、妻は出張中で家にはいなかった。一週間ほどで帰る予定だったが、それ
まで涼しい田舎でこの暑さを凌ごうと考えた。
こうして和憲は、息子の慶太を連れて都市を脱出。そして今、実家の玄関先に立っていた
のであった。


昔ながらの開き扉には鍵は懸かっていなかった。
それは、のんびりとした田舎ならではだった。

「ごめんください。お母さんいます?」

和憲は扉を開けると開口一番に声を張り上げた。
暫くすると奥から、ばたばたと足音が聞こえて来た。
顔を出したのは、和憲の母で佳恵だった。

和憲の父は、彼が高校3年の時に病気で亡くなっていた。
夫の家は代々広大な土地を有して農業を営んでいた。だが、夫と死別した際、佳恵はその
大半を売って、今は小さな畑で、ちまちまとした野菜を作って日々の生活を送っていた。

「ああやっと来たね。朝早くに連絡もらってから随分と時間が掛かったんだね?」
「そりゃしょうがないよ。帰省ラッシュに引っ掛かっちゃって身動き取れなかったんだか
ら。」
「まあまあそれはご苦労なことでしたね。あ・・ああ。そっちの坊やは慶太かい?」
「ああ、そうだよ。息子の慶太。さあ慶太挨拶しなさい。お前のお祖母ちゃんだぞ」

「こ、こんにちわ。慶太です。」
和憲の後ろでちょこんと立っていた野球帽の少年が、帽子を取って恥かしそうな表情で
挨拶をした。
「まああ・・大きくなったわねえ・・・私があなたに逢ったのは、確か生まれて間もない
頃だったかしらね。あの頃は、こ~んなに小さくて、ピイピイ泣いていた赤ん坊だったの
に、暫く逢わない内に大きくなっちゃってえ・・・ねえ慶太ちゃん幾つになったの?」
「は、はい・・・今年で12才です。6年生です。」

ちゃんとしつけられたようで、しっかりとした挨拶と受け答えであった。
孫のその態度に佳恵は感心した。
「まあ偉いわねえ。あなたの年で、そこまできっちりとはきはきと答える子は、そんなに
いないからね。お祖母ちゃん、自慢できる孫を持って凄く嬉しくわ。」

祖母の褒め言葉に慶太は、頬を赤くしながら、はにかんだ笑顔を見せた。
「さあ・・ここではなんだから、早く上がってちょうだい。さあ早く早く・・」
佳恵は笑顔で2人を招き入れたのだった。

古い木造建築の中は、天井が高く、通気性もあって熱が滞留する事がないので、どの部屋
も暑くはなかった。
「はああ・・・やっぱりここはいいなあ。すごく涼しくて過ごし易いね」
和憲は入った奥の座敷で、足を広げて倒れ込んだ。
「まあまあなんです、お行儀の悪い。慶太の前でなんです?その恰好は」
麦茶が入ったコップ3つを盆に載せて部屋に入って来た佳恵が、困った表情で息子の態度
を窘めた。
「も~う。いいじゃんか。ここは俺の生まれた家なんだぜ。誰にも気兼ねする事ないんだ
からさ」
「子供が見ているのよ。親として、きちんとした所は見せないと。」
「ふん・・・相変わらず固いなあ。はいはい分かりましたよ。以後気をつけまぁぁす」

”くすくす”
その他愛もない親子の口ケンカを見ていた慶太が、小さく肩を揺らしながら笑っていた。
「ほらごらんなさい。慶太だって呆れて笑っているじゃないの」
「い、いや違うんだよ、お祖母ちゃん。僕ね・・こんな子供っぽい父さんを見るの初めて
だから・・つい・・ごめんなさい」
慶太はそう言うと、申し訳なさそうな表情でうつむいてしまった。

「まあ・・俺、家ではいつもカチっとしてたからなあ」
「あらそうなの?私はてっきり野放図な生活をしてたかと思ってたわ」
「母さんヒドイなあ!俺はそんなにだらしなくないぜ」
「あらそう?あんたの小さい頃を見ていると、ついそう思っちゃってさあ・・あはは」

いつまでも子供扱いする母の軽口に、息子は頬を膨らませて反論した。
「いつまでも子供の頃のイメージで俺を見ないでよね。男30を過ぎて、子供のお受験を
経験すれば、否応なしに生活態度の改善をしなくっちゃいけなくなるんだよ。」
「ああ・・そういえば慶太は都内の付属小学校に入ったんだったねえ。」
「まあね。こいつの受験の時は、そりゃあ大変だったんだから。特に女房が熱心だったか
らしょうがないんだけどね。」

和憲は疲れた表情でため息を1つついた。
「お蔭で、こんなに気真面目な性格の子に育っちゃってさ・・本当は、慶太にはもっと明
るく伸び伸びと男の子らしく育てたかったんだけどね。今となってはしょうがないか。は
はは・・」
「何言ってんのよ。生真面目でいいじゃないの。だって、こんなに礼儀正しい子、私大好
きよ。粗野で自分勝手なワガママをいう子供にならなくて、凄くよかったって思っている
のよ」

佳恵は真面目な顔で和憲の子育てを褒めた。
それは一人の親として、子供がちゃんと育つのは何よりの幸せなのだと実感していたから
であろう。

佳恵は和憲と慶太にそれぞれの部屋を割り当てた。なにしろ広い家で部屋は沢山あった。
和憲には高校生まで過ごした自分の部屋を、そして慶太には亡くなった夫の書斎を与えた。

そしてそれぞれの荷物を整理している間に、佳恵は昼の食事の用意をした。
久しぶりの賑やかさを得て、佳恵は嬉しそうにちゃぶ台に膳を並べていった。

食事は案の定、息子和憲と母佳恵の会話で盛り上がった。
慶太は、座って食べる事が初めてだったようで慣れないのか、ぎこちなさそうに正座で
黙々と食べていた。

「母さん。今までご無沙汰しててごめんね。いつも行かなくっちゃとは思っていたん
だけど、なかなか それが出来なくてさ・・・」
「あら、やっとその言葉が出たわね。私はいつ、あなたが謝罪の言葉を言うか待っていた
のよ。うふふ・・」
「もう、また憎まれ口を叩くう・・俺だって反省してるだぜ。ったく」

和憲は口の悪い母親に対して何かを言いたそうな顔をしたが、分が悪いと思ったのか、
きゅっと下唇を噛んで我慢した。
「うふふ・・・まああなたが言いたい事は十分判っているわよ」
「ええ?そう?」
「奥さんのお母さんの面倒とか、慶太の養育とか、あなたが一家の主として、凄く苦
労しているのはちゃんと理解しているからさ・・だからそんなに怒んないでよ」
「母さん・・・判ってくれてありがとう」

結婚の苦労をよく知る先輩として、優しく語り掛けてくれる言葉に、何かしら救われ
た気持ちになる和憲だった。そしてほっと和らぐような笑みを、その時やっと見せた。

「お父さんが早くに逝っちゃった時には、1人になってしまって、これからどうしようか
と心配になったけど、それでも時間が経つたびに、次第に寂しさとか辛さなんかはあまり
感じなくなっていったからね。
それで今じゃあ、こうして日々気ままに一人暮らしを楽しんでいるって訳なのよ。
私はこうして自分勝手に生きているんだから、あなたは何も気にしなくてもいいんだよ。」

佳恵はそう言うと、大きな声で笑った。和憲も釣られて笑い出し、そして慶太も、よく分
からないのだけど、とりあえず笑顔を見せた。

「それじゃあ、お母さん。これから一週間よろしくな」
「ええ、こちらこそ。あなたもここでゆっくりと休んでいくと良いわ」

次の日から、和憲と慶太は佳恵の畑仕事を手伝い始めた。
和憲は小さい頃から、それなりの手伝いの経験があったが、丸々都会っ子の慶太には、全
てが初体験だった。

草むしり、水撒き、肥やし作りから肥やし撒きと、とにかく1日中、強い陽射しの中での
作業が続いた。
小さいながらも男の端くれとしての意地からか、慶太は一生懸命に働いた。
だけど、容赦無く照りつける陽射しの中では、11才の小学生の体力では、とても長続き
など出来るはずもなかった。
「無理せんでいいよ。慶太。もう大分疲れただろ?」
「う・・ん。ごめんなさい」

慶太には、佳恵の浅黒く焼けた肌が、とても力強く見えた。
そして時折見せる白い歯が、自分の気持ちを凄く穏やかにさせているのに気付いた。
女性特有の甘く優しい笑顔と鍛えられた腕っぷし。まったく相反する事象を持つ、この逞
しい祖母に慶太は次第に惹かれていった。

そして2日・・3日と日が経った。
その頃には、なんとか田舎での生活になじむようになっていた。
静かに明ける朝、それからのんびりと流れる昼、そして綺麗な夕陽と共に夜が訪れる
1日の流れ。
毎日を喧騒な中で暮らす都会での生活とは違って、この悠然とした時間の流れは、和憲と
慶太にとって、凄く心休まるものだった。

そのころの和憲には一緒に暮らし始めた頃にあった、何かしらの遠慮も、既に何1つ無く
なっていた。
風呂上がり1つ見ても普通の家族のように、彼は平気で上下下着一枚だけという姿でいた。
もちろん佳恵自身、女性として最低限のエチケットとして服はきちんとしていたが・・・
それに幼いけど、男である慶太は、恥かしさからか上はシャツ1枚でも、ちゃんとズボン
は履いていた。

つまり夕食の前には、一風呂浴びているので、食卓の前に座る時の和憲の恰好だけは、い
つも上下下着一枚という姿だった。
ある時、目線を下げて食事する慶太の恰好に佳恵は不思議に思った。
「ねえ慶太。うつむきながら食事しているけど、どこか気分が悪くなったの?」

だけど慶太は、顔を上げる気配が一向に無い。
それよりも顔を真っ赤にしながら、黙々と茶碗の中の御飯を口に掻き込んでいった。
「ちょっと慶太?」心配そうに、もう一度声をかける佳恵。

その時、横に座っていた和憲が、ちょっと調子はずれな笑い声を上げた。
「あはは・・・ねえ母さん。ちょっと勘弁してあげなよ。慶太は12才の小学生でも、
ちゃんとした男の子なんだぜ」
「何言ってるのよ。そんな事は当たり前じゃないの」
「いいや、ちっとも判ってないよ。ほら、こいつの顔を見なよ」

和憲は持っていた茶碗を置くと、顔を慶太のいる方へ振った。
慶太は、茶碗を持ったままに、その中を覗き込むようにして顔を伏せていた。
その赤らめた頬は、佳恵から見て直ぐに判った。

「まあ今の母さんの恰好を見ていたら、俺でもちょっと目のやり場に困るよ」
少しばかり早口で喋る和憲。そしてほんの少し顔を赤らめながら仕方なさそうな表情。
彼も明らかに何かに対して意識していた。

(今日はどうしたのかしら?変ねえ・・・?)

先程からの男2人のおかしな雰囲気。佳恵は不思議そうに首を捻った。
そして、すっと視線を下に向けた時、佳恵は驚いた。

(あらら・・まあ、どうしよう。ついいつものクセがでちゃったわ)

その日は、特に気持ちのタガが外れてしまったのであろうか。
佳恵はうっかり風呂上りからブラジャーをせずに食卓に着いてしまっていたのだ。
キャミソール一枚で覆われた佳恵の胸は、今までに見たことの無いほど異様なまでに
せり出していた。
今までなら、ブラジャーや、幾枚かのシャツなどの重ね着などで、それほど目立たなくし
ていたのだが、今日に限って、それを忘れてしまったのだった。


見事なまでの誇張だった。圧倒的なまでの迫力。弾力も申し分なさそうだ。
ついつい、しでかしてしまったミスに、佳恵はホゾを噛んだ。

「まあまあなんですか。こんなお祖母ちゃんの胸を見て恥かしがってどうすんのよ。もう
バカねえ」
恥かしさを隠したい佳恵は、ワザとぶっきらぼうな口調で慶太に対した。
そしてそう言いながらも彼女は、素早く左手で自分の胸を押さえた。すると少し揺れた。

「いや・・・正直言って、母さんのカラダは実際すっごいぜ」
「まあ・・あなたまで何言ってるの?!」
興味深そうに、マジマジと見つめる和憲の視線に、佳恵は急に恥かしい気持ちを覚えた。
少しうろたえるように、ドギマギした表情を見せた。

「俺の奥さんも、かなりの肉感を持っているとは思ってたけど、母さんのはそれ以上に
大きいんでびっくりしたよ。ああ・・今さながらに親父が羨ましいぜ。なあ慶太?」
そう言うと、和憲は同意を求めるかのように慶太の顔を覗き込んだ。
「これ和憲、お前、子供の前で何てこというんだい。少しは言葉を慎みなさい」
佳恵は、和憲の子供じみた言葉に対して、顔を赤らめながらも大声で厳しく注意をした。

その時同じ様に顔を赤らめる慶太の表情が目に入った。その可愛い孫の目は、大きく見開
いて、ある一点に集中していて微動だにせずに見つめているのが判った。

(まあ・・この子ったら、一人前に男の子しちゃってるわ。うふふ・・・なんて可愛いの
かしら)
佳恵の唇がかすかに動いた。ほんの少し笑みを浮かべる頬。子供相手なら気持ちも変わる
らしい。彼女の中で、ちょっとばかりの茶目っ気心が疼いた。

「ねえ・・慶太。あなたおっぱいの大きい女の人好きなの?」
佳恵は、意地の悪そうな笑みを浮かべながら、慶太の顔を覗き込んだ。

すると慶太は、その声に導かれるように、ゆっくりと口を開いた。
「そ、それは・・その・・・えええと・・・」
その時佳恵の顔には驚きの色が更に大きく出た。
慶太の顔は、まさに真っ赤になっていた。それは明らかに佳恵を意識している表情だった。

そして慶太は、ゆっくりと頷いた。そして直ぐに視線を茶碗の中に落としていった。

(え、え、え、・・・ええ!?まさか・・そんな!)

佳恵は彼の予想外の反応に、年甲斐もなく慌ててしまった。高まる心音、孫が自分に対し
て肉親ではなく1人の女性として見ていることに、うろたえてしまった。
両手が訳も無く、ばたばたとちゃぶ台のあちこちを触っていた。

「慶太だって来年は中学生なんだぜ。もう色気づく年頃なんだよ。俺のときでもそうだっ
ただろう?」
その時和憲は、目鼻立ちがはっきりとしている佳恵の顔を羨ましそうに見ながら
口を開いた。

どこか愁いを帯びた切れ長の目、少し高めの鼻、情け深さを示す厚めの唇。
年配の男性からみると、いかにもそそるタイプの顔立ちである。

健康的な素肌、少々日焼けされていたが、女性としての色気は、まったく損なわれてはい
なかった。
慶太でなくとも、男だったら、こんな美人がその豊満な肉体を目の前に曝け出されていた
ら誰だって本能がたぎる気持ちを持ってしまうだろうことは明白だった。

「ご、ごめんね。今日はお祖母ちゃんが悪かったわ。明日からはちゃんと服を着るからね」

佳恵は、何とか冷静に振舞おうと、努めていつもの表情を崩さずにいた。
だけど心中は穏やかではなかった。それは眠っていた感情が再び目を覚ましたような感じ
が彼女の中で起きていた。

夫が亡くなって十数年、今では佳恵自身、男性という概念など、すっかり忘れていた。
財産整理や、和憲の進学問題等、色々な雑事をこなしていくうちに、一人でいる気ままさ
が身についてしまっていたからだった。
そんなこんなで彼女自身、面倒な色恋沙汰をする元気が無くなってしまっていた。

だけどボリューム感たっぷりの肉体を持ちながら、独り身を通している佳恵に、周囲の男
が言い寄らないはずなどなかった。当然ひつこく迫る奴が、中には何人もいた。
だがそれも全て、あれこれとかわす内に、とうとうこの年まで男っ気なしの独り生活が続
く事になってしまっていた。

そんな中での、久しぶりの息子の帰省。しかも孫を連れての大賑わいに、どこか浮かれそ
うになる佳恵の気持ちも分からぬではなかった。



翌朝は朝から暑かった。そのきつい陽射しが、畑仕事を手伝う彼らを容赦なく攻めていた。
都会のアスファルトによる灼熱地獄とまでとは思わないが、普段なら少しながらも、気持
ちの良いそよ風が吹いてくるものなのだが、その日はなぜか朝から、ずっと無風状態が続
いていた。

陽は、ちょうど真上にあった。だけど2人の顔を見ると、それ以上続ける体力は既になさ
そうに見えた。佳恵も仕方ないという表情で、辛そうに腰を曲げて畑の草むしりをする2
人を見ていた。

「今日はこれぐらいにしようか?」
「ああ、そうだな。今日の暑さはハンパじゃないからな。これ以上はもう無理だ」
「慶太も、もうヘバってるみたいだし、じゃあ帰ろうか」

佳恵は、バテて座り込んでいる汗まみれの慶太に向って、その白い歯を覗かせた。

「お祖母ちゃん、何でそんなに元気なの?信じられないよ。」
「あはは・・・そりゃあんた、鍛え方が違うよ。お祖母ちゃんは、まだまだヘナヘナもや
しには負けやしないよ。」
「あのね、小学生相手に何言ってるんだい。それに今日は、たぶん今年一番の暑さだと思
うぜ。いや、こんな殺人的な日照りは生まれて初めてかもしれない。俺だって今、立って
るのがやっとなんだからな。だから慶太は、良くやってる方だと思うよ。」
「ああそうかい。都会育ちってのは、結構デリケートなんだね。そういうあんただって、
これしきの事で、そんな死にそうな表情するなんて、随分ヤワになったもんだねえ。」

佳恵は、暑さからくる疲労で険しい表情の和憲を、呆れた表情で見た。
「ここら辺のじいちゃん、ばあちゃんなら、これしきの暑さでもまだまだ平気な顔で、ち
ゃんと農作業をこなしているよ。まあ慶太はしょうがないにしても、和憲、あんたホント
だらしないねえ」
「俺は、畑仕事をする為に、休暇を取ってここに来ている訳ではないんだ。あくまで骨休
み・・いいかい疲れた心とカラダを癒しに帰って来たんだ。親孝行のまねごとをしようと
いう俺たちの親切心を、もう少し理解してくれたら、そんな言葉なんて出やしないのに、
ホント冷たいなあ」

「そんなに親孝行と自慢したいのなら、私の分まで、ちゃんとやっておくれよね。
あんたも昔は、こんな暑さぐらい、何てことなかったのに、やっぱり都会暮らしってのは
カラダに良くないのかしらねえ?」

言いたい放題の佳恵だった。だけど辛らつな言葉とは裏腹に、その表情は、すごく優しそ
うな笑みを浮かべていた。
和憲と慶太は、やれやれといった感じで、少しふらつきながらも、しっかりとした足取り
で元気に家路へとついた。

和憲、慶太親子は、家に着くや、急いで台所に向った。
2人は冷蔵庫に冷やしてあった麦茶を、何杯も飲み漁った。
しばらくすると2人の額や、胸、背中などから一気に汗が吹き出た。

「うわあ~美味い。すごく美味いよ。一気に生き返ったみたいだ。」
「でも、できればきんきんに冷えたビールを用意して欲しかったなあ。」

開放感を一気に味わう2人。
まるで童のようなその笑みに、佳恵もつられて笑ってしまった。

「贅沢を言うんじゃないの。今日の働き具合だったら麦茶で充分よ。うふふ・・」
「はいはい。申し訳ございません。明日こそはきっちりと働かせていただきます。だから
さ、ビールを2,3本用意してくんない?」

和憲は拝み手で佳恵に懇願した。後ろでは慶太も同じ様に手を合わせていた。
「お祖母ちゃん僕もお願い。コーラが飲みたいの」

「あらあら・・どうしようかしら?」
佳恵は”一応”の思案顔を浮かべた。まあ、言われるままにすぐに出すのも何だかシャク
だと思ったのもあって、少しイジワルをしたくなる気持ちになった。

右手を頬の上に添えて、チロリと2人の懇願する顔を見渡した。
答えはもう出ているのだけど・・まるで、すがりつく子犬の様な表情に、何ともいえない
程の愛嬌さを覚える佳恵。

「もう・・そんな哀しそうな顔をしないの。はいはい・・・分かったわ」
「え?じゃあ出してくれるの?」「そうなのお祖母ちゃん?」
「しょうがないわね。今から近所の店に行って買ってくるから」

佳恵の言葉に、態度一変、万歳を連呼して、大はしゃぎする2人。
これではどっちが父親で、どっちが子供なのか分からない。
たかがビールとコーラごときで・・・佳恵は呆れた。でも一方で、すごく可愛いらしい
一面を見れたことに、何やら楽しいやら、くすぐったいような気持ちを感じていた。

「それじゃあ後は私が用意しておくから、その間に、その汗臭いカラダを何とかしなさい。
いい?」
「ああ。すぐにでも風呂に入って、さっぱりとするよ」「僕も、そうする」

2人は、一直線に風呂場へと走った。
汗でベットリと吸い付いた衣類。上下下着も汗で皮膚にくっ付いているのは明白だった。
一刻も早く、汗を流したいのは当然の気持ちだった。
もちろん熱い風呂はちょっとばかり苦労したが、その後の楽しみを考えることで、
何とか堪える事が出来た。

佳恵は和憲と慶太が風呂に入るのを見届けてから、すぐさま準備に入った。
昼御飯の時間に、まさかビールとコーラだけという訳にはいかない。
彼女は、昨日の内に予め作ってあった冷麺のだしを、冷蔵庫から取り出し、そして
これも予め買い置きしてあった冷麺を取り出し、水につけて解して、ざるに盛った。

佳恵は、それらの準備を実に手際良くこなすと、すぐさま云われていた飲み物を買いに
小走りで近所の店まで出かけた。

しばらくして、佳恵は、両手に大きな袋を抱えながら、自宅に戻って来た。

(ちょっと買いすぎたかしら?)

どこか浮かれている自分を自覚する佳恵。一人自嘲気味に笑ってしまった。
一人暮らしに慣れているとはいえ、やはり大勢で賑やかな生活は凄く嬉しいものだ。

(まあ、明日も明後日もいるんだし、まあいいか。うふふ・・・)

玄関を開けると、その時奥の居間から、何やら物音が聞こえて来た。
(あら・・もうお風呂から上がったのかしら?)
佳恵は荷物袋を台所に置くと、すぐさま奥の方に足を走らせた。

「まあ!!」「ああ!!」
佳恵が居間に入った瞬間、強烈な映像が目に飛び込んで来た。 
全裸の2人が、タンスを開いて、何やら探していたのだった。
大声を張り上げたのは慶太だった。
彼はすぐさま股間に両手をあてがうと、走って部屋を飛び出した。
その足音は、風呂場まで続いた。

「ああ、ごめん。うっかりしてバスタオルを用意するのを忘れちゃっててねえ。ははは・
・」
和憲は泰然とした態度で、佳恵に説明した。
「そ、そうなの?タオルなら、その3番目の引き出しの中にあるから。」
和憲は佳恵に背を向けている状態で、その言葉の通りに3番目の引き出しを開けた。
「ああ・・あったあった。なんだここかあ・・・母さんサンキュウ!」

和憲は開けた引き出しの中からタオルを出すと、クルリと身体を反転させた。

その瞬間、佳恵の目が大きく見開いた。ある一点に神経が集中して凝視してしまった。
和憲の股間に、全ての気持ちを奪われてしまった。

(まああ・・・何て大きいのかしら!)

和憲の股間には、大きな肉の棒が、だらんと垂れ下がっていた。
それは実に太く、そしてよく使い込まれたようで、少しばかり浅黒く照っていた。
佳恵の気持ちの中で、可愛い子供の頃の和憲が消えてしまっていた。
目の前にいるのは、立派に成長した一人の男性であった。甘えてすぐに擦り寄ってきた可
愛い息子ではない、最早まったくの別人なのだ。

ふと佳恵の中で、厳然とした区別がついてしまっていた。
可愛いらしかったチンチンは、既に何人の女性の中に、ぶち込まれ彼女らを満足させた男
性器として変容していたのだ。
佳恵の心の中で、それまで抱いていた子供の頃の幻影を、その時はっきりと失った事を
理解したのだった。
その喪失感に対しての寂しさよりも、既に忘れていたオンナとしての気持ちを呼び起こ
されたことへの、驚きの方が大きかったのだった。

佳恵の目が、次第に好奇心を持ったみたいにギラギラと妖しく光っているように見えた。

「どうしたんだい?母さん」
穏やかな和憲の声が、佳恵の耳に聞こえた。
はっと我に帰る佳恵。何だか胸の鼓動が激しくなっていた。
「え?あ、ああ・・何でもないよ。そ、それよりも、早くタオルを持って行きなさい。」

ちょっとばかり震える声。何とか取り繕うのに必死になった。
バレてはいけない。息子の裸に興奮した母親なんて、シャレにならない。
「ねえ母さん」
佳恵は和憲の声に、顔を上げた。

和憲の目と合った。穏やかな目だった。佳恵は、なぜか気になった。
慶太の恥かしがり様は当然としても和憲の、この落ち着きはらった態度は何なのだろう?
特に慌てる事も、恥ずかしがる事もなく、そして堂々としている事に、佳恵は不思議に
思った。

和憲の視線は、まるで佳恵の身体全体を見回すように上から下へとぐるりと一回りした。
そして何かを確認したのか、納得した笑みを浮かべた。

「ビールは、ちゃんと冷えたやつだよね?」
「あ、ああ。もちろんだ・・けど・・」
「そりゃあ楽しみだ。さあ、もう少し風呂に浸かってこようかな」

和憲は、大きな声で笑うと、大股で佳恵の横を通って風呂場へと歩いていった。
佳恵の動揺は止まらなかった。彼が歩くたびに、前の肉棒が左右に揺れるのが、
はっきりと見えたからだった。

(何か変な気分になっちゃったわ。どうしたのかしら?)
その時佳恵は、若いころに毎日毎晩、亡くなった夫に抱かれていた頃の事を
思い出していた。
思い切りオンナの悦びを全開にしていたあの頃を、なぜ今思い起こしたのか?
佳恵は自分の下着の中に手を入れてみた。指先に濡れた感触があった。

(うそ・・そんな。あの子に対して、男を感じたなんて・・)
受け入れ難い事実が、指先にあった。佳恵は震える指を、ゆっくりと口の中に入れて、
何度もしゃぶった。何かが止まらなくなっている。佳恵は、その答えを既に頭の中で
導き出していた。だけど、それを口にする事はなかった。

暫くして和憲と慶太は、風呂から上がった。
いつもの通り、和憲は上下下着1枚ずつの恰好で、慶太は、きちんと服装を着て、ちゃぶ
台の前にやって来た。
「さあさあ、それじゃあ今から昼食としようかね。今日は冷麺を用意したよ。それとあん
た達からの要望で、キンキンに冷えたビールとコーラを用意したよ。さあすぐにお食べ」

何か妙なテンションの佳恵。無理やりな明るさが、一層ぎこちなく映った。
和憲も、その声に付き合う形で、まるで、子供の様なはしゃぎようだった。

だが、ざるに大きく盛った麺が、なかなか減っていくことはなかった。
いつもは沢山食べてくれるはずの慶太の箸が、全然進んでいなかったからだった。

慶太は、うつむきながら、ゆっくりと箸を上げ下げしながら口の中に運んでいた。

「ごちそうさま」
低く篭りがちな声を出すと、慶太はそそくさと部屋を出て行った。

「やれやれ・・・難しい年頃になったみたいだねえ」
「そうみたいだな。まさか母さんに裸を見られた事が、そんなにショックだったとはな」
「でもこんなお婆ちゃんに、そういう感情を持つとはねえ・・」
「いややっぱり母さんは一人の女性だと、アイツが思っている証拠だよ。だって母親にも
見られた事がないんだぜ。女の人に毛の生えたチンチン見られたのは、初めてだったん
じゃないかなあ」
「まああ・・・光栄だわ、あっ・・でも、あの子にとっては、やっぱり恥かしい事なんだ
よね。あはは・・・」

佳恵は快活な笑みを浮かべながらゆっくりとお茶を口にしながら和憲と顔を見合わせた。
その瞬間、さっきの出来事が、佳恵の頭の中でフラッシュバックした。

(いけない。またバカな事を考えちゃった。早く忘れなきゃ)

頬が少しばかり引きつっているのが分かった。動揺がバレてはいけない。
瞬時に佳恵は、目に力を込めて和憲の顔を見据えた。
だがその時、和憲がどこか遠くを見るように物憂げだったのが佳恵の目に入った。

「ど、どうしたんだい和憲?何だか浮かない顔ねえ」
「え?・・・そう?」

それは、さっきまでの元気な声と違って、どこか気の無さそうにぶっきらぼうな
返事だった。

(まさか、さっきの事で何か感づいたのかしら?)

少しばかり不安が胸の中に広がった。
だけど、それが全然間違いであった事がすぐに判った。

「ふうう・・・」
和憲は、ちゃぶ台に肘付きをして、大きくため息を吐いた。
そして、この家に来てから一度も見せなかった暗い表情を初めて佳恵に見せた。

この時和憲たちが、この家に来てから既に5日が過ぎていた。
2人が都内の家に戻る日も、もう目の前に近づいていた。

(どうやら何か別の問題があるみたいだわね)
和憲を見ていると、どこか、時間が過ぎるのを嫌がっているような感じがあった。

そういえば、和憲がここに来てから、慶太以外の家庭での生活振りを口にする事はなかっ
たことを佳恵は思い起こした。
佳恵自身も特に気にせずに口を挟む事はなかったせいもあるけど、この態度を見るに佳
恵の中で、ひょっとしたら何かあったのかも、という気持ちが、ふと心の中に過ぎった。

「家で何かあったのかい?」
「まあ・・・ちょっと・・ね」

母と子の短いやり取り、長い事離れていても、やはり母としての直感は的を得ていた。
佳恵は茶碗を、ちゃぶ台に置くと、ぐっと身を前に屈めた。

「それってお母さんに言えること?」
「う~ん。今日はちょっと・・・明日の朝話すよ」
「今じゃダメなのかい?」
「ちょっと考えがまとまんないから、明日ちゃんと話すよ。それでいいだろ?」

それで良いも悪いもない。息子の頑固な気性は知っている。一度こうだと決めたら、
それを通すことを母は理解していた。
そして佳恵は、何も言わずに、ゆっくりと首を縦に振るのだった。


陽はやっと、西に傾きかけていた。それでもようやく、1日の半分を過ぎたばかり。
暑苦しい時間帯は、まだまだ続いていた。
佳恵は、片付けを終えると、すぐに風呂に入って、全身の汗を洗い流した。
慶太は、普段通りの様子で読書に没頭していた。
和憲は、というと、これもいつものように、1人ゴロ寝を決め込んでいた。

こうして誰一人、口を開かず、暑い午後のひと時を過ごしたのであった。

……………・・

翌日の朝、佳恵は朝早くから起きて、朝食の準備をしていた。
やはり前日は、あまり良く眠れなかったみたいだった。少しばかり頭が重かった。

和憲の悩み事が何であるのか心配だったのもあったが、それ以上に、悩ませたのが
和憲のハダカだった。想像以上に逞しい男性としての迫力があったことに衝撃を、
覚えたのだった。

もはや息子・・・とは呼べないほどの肉棒が目に焼きついて離れなかったのだった。
1人の男として、きっと自分を充分に満足させられるだろう欲望が、勝手にふつふつ
と沸き立つのを抑えられない自分がいるのを自覚していた。

私は母親。そんな言葉すら、強風の中にさらされた木々の葉のように、いつ引き千切
られて、はるか彼方まで飛ばされてもおかしくない程に、弱弱しく頼りないものだった。

あれ以来、佳恵の頭の中では、和憲への妄想が、幾重にも重なり尽きる事がなかった。
両手で掴んでも、なお余りある肉棒。手の中にある感触は、ずっと石の様に硬かった。
そうしながらも先っぽを舌で弾きながら、両手で力強く扱く。

和憲の顔は、めくるめく快感に歪んでいた。ああ可愛い。ああ欲しい。
忘れていた快楽の波打ちが、寄せては引き、引いては寄せて来た。

これは和憲への愛情なんかではない、単なるメスとしての本能的に欲する欲望なんだ。
ああ、私って、こんなにも節操のない動物的なまでの女だったなんて。
理性と本能の狭間で、悩みは深まる。佳恵の頭痛は、一層大きくなっていった。


「ねえ・・お祖母ちゃんたら、どうしたの?」
ふいに声が耳元で聞こえた。はっとして振り返ると、慶太が立っていた。
「まあ、慶太!」
佳恵は、驚いて目を大きく見開いた。
そして、その驚いた表情に、慶太もびっくりした。

「わああ、びっくりした。どうしたの慶太、こんなに早く起きるなんて」
「びっくりしたのは、こっちのほうだよ。だってお祖母ちゃん、包丁を持ったままず~っ
とボンヤリしててさ。僕がいくら声をかけても、しらんぷりだし。そうしたらいきなり大
声をだすしさ。何か考え事でもしていたの?」

「べ、別に何もないわよ。ただ昨日、あまり良く眠れなかったものだから、朝から頭痛が
ひどくて、ちょっとぼんやりしてただけよ。それよりもどうしたのこんな朝早くに起きち
ゃって?」

内心焦った佳恵だったが、表面上において努めて何事もなかった様に、慶太に対して冷静
に対応した。
不思議そうな表情の慶太だったが、それ以上佳恵に問うような事はしなかった。

「ちょっと探検でも行こうかなと思ってさ」
「探検?一体どこに行くの?」
「向うにある山のふもとまで行こうと思ってるの」
「あそこに行っても、何もないわよ。」
「なくてもいいの。どうせあと2日で帰るんだから、それまでに色んなところ
に行こうと思ったんだ。だって、ここに来てからこの家と畑の間しか行き来し
なかったでしょ?」

何かしら思い詰めたような慶太の表情に、佳恵は、その事情が何であるかすぐに理解
出来た。
「分かったわ。外に自転車が置いてあるから、それでぱあっと走ってきなさい」
「うん。ありがとう。畑仕事が始まるまでには帰ってくるからね。」

慶太は、出来立ての朝食を、元気良く食べた。昨日とは別人の様な食いっぷりに、
一緒に食事をした佳恵は嬉しい気持ちになった。そして先程までの悩み事を一瞬忘れ
させてくれたのだった。
その気持ちは、紛れもなく家族としての愛情そのものだったからだ。

慶太は、食べ終わると、すぐに外に出て、自転車に飛び乗った。
後からゆっくりと佳恵が出てきた。
「じゃあ、行ってきます」
「はい。いってらっしゃい。気をつけてね。アッ・・それから」

慶太は、佳恵の突然に呼び止める声にすぐに反応して、ペダルに置いていた両足を外して
走り出した自転車を止めた。
「どうしたの?お祖母ちゃん」
「うん・・・あのね、昨日の事はあまり気にしないでいいのよ。だって慶太すぐに走り出
したもんだからお祖母ちゃん、はっきり見てはいないのよね」

佳恵の言葉に慶太の顔が、一瞬にして真っ赤に染まった。

「でも慶太が恥かしがる気持ち、良く分かるわ。もうそんな年頃になってるものね。
当然だと思う。でもこれはあなたが大人へと成長している証拠なの、だから当たり前の事
として受け止めてちょうだいね。いい?」
「うん・・・分かったよ。でも、ちょっと恥かしい気持ちは消えそうにないけどなあ」
「いつまでも、ウジウジ考えないの。お祖母ちゃんだって、あなたに胸を見られたけど、
もう何も気にしてなんかいないわよ。だから慶太も、気持ちを大きく持ちなさい。
あなたの年頃だったらオチンチンに毛が生えてたって、ちっとも不思議じゃないんだから」

「わ・・分かったから。そんな大きな声で、言わないでよ。ああ恥かしい、もう!」
慶太は、右手をブンブン振りながら、佳恵の声を遮る為に、更に大きな声を張り上げた。

幼顔が更に濃い赤色に染まりながらも、必死に抵抗する様が何とも可愛らしいと思った。
すごく恥らぐ表情を見ているうちに、佳恵は、思わず吹き出してしまった。

「ゴメンゴメン・・・・ちょっとばかり言い過ぎたようね」
「笑いながら謝ってもらっても、ちっともありがたくなんかないや・・・ふん!」

そう言うと慶太は、不機嫌そうに、ゆっくりとペダルを漕ぎ始めた。
「のんびりと楽しみながら行きなさい。早く帰ってくる必要なんかないからね・・
わかったあ?」
「はあああい。いってきまあああす!! 」

慶太を乗せた自転車が、ゆっくりと向うの山に向って走りだした。
佳恵は、それらが次第に小さくなりながら、道路の向こう側に消えるまで、ずっと
見送っていたのであった。

陽の強さは、今日も夏本番だった。厳しい照返しが、佳恵の目に入ってきた。
(やれやれ・・今日も、また凄く暑くなりそうね)

佳恵が玄関先へと戻ってみると、中から何やらガサガサと音がするのが聞こえて来た。
音の出所は、どうやら台所からだった。
ゆっくりと台所へと入ったら、目の前に和憲が、Tシャツと短パンというラフな恰好
で、黙って立っていた。

「まあ・・びっくりした。なんだあ・・もう起きていたの?」
「ああ・・あまり寝れなかったからな」

低い声、ボソボソと呟くように喋る和憲。少し眠そうな眼をしながら冷蔵庫を開けて、
中を物色していた。
佳恵には、その表情を見た時から、彼が慶太が出て行くのを、ずっと待っていた事を
理解していた。

「お腹はへってるの?」
「ああ・・でも少し喉が渇いたから」

和憲は麦茶が入った瓶を取り出すと、コップに注がずに、直で飲み始めた。
ゴクゴク・・・
勢い良く飲んでいるのが、喉越しから聞こえる音で分かった。

「ふう~」
どうやら、ひと息つけたみたいで、ほっとした表情が浮かんだ。

「食事する?」「うん。今から食べるよ」

佳恵は、急いでテーブルの上にあった、慶太と自分との分の食器を片付けると、
和憲の分の食事を用意した。
「今日はこっちのテーブルを使ったんだ」
「三人一緒だったら、いつものちゃぶ台用意するんだけど、それ以外だったら、この
小さいテーブルで充分でしょ?」
「ああ・・そうだな。俺としては、やっぱりテーブルと椅子ってのが慣れてるから、
こっちの方が、何となく落ち着くんだよな」

和憲は、どかっと椅子に座り込んだ。
佳恵は手際良く、和憲の前に次々と料理を運んできた。

「じゃあ・・・いただきます」「はいどうぞ・・・お上がり」

食事の間中、和憲はずっと無言のまま、箸を動かしていた。
佳恵も、彼が食事の間中、ただの一言も発せず、黙って彼の前に座って、
食事をしているのを見守っていた。

「ごちそうさま。ふうう・・・食った食ったあ・・・」
「うふふ・・・随分たくさん食べたわねえ」

佳恵は、和憲が、きれいに全部食べたのを見て、嬉しそうな表情で、冷たい麦茶が入った
コップを彼の目の前に置いた。
そして和憲は、それを一気に飲み干した。
「ああ美味しかった。母さんいつもありがとうな」
「どういたしまして。満足していただけて、母さん嬉しいわ」

和憲は、飲み干したコップを、笑顔の佳恵の前に置くと、咳払いを一つした。
佳恵は、それが何の合図かを知っていた。すっと笑顔が消えた。

「昨日言ってた話の件なんだけど・・・」
和憲は、低い声で喋り始めた。
「実は、今、俺たち夫婦の間で、離婚の話し合いが進んでいるんだ」
「ま・・・あ!どうしてなの?い、一体何が原因で?」

佳恵は、びっくりして思わず声が上ずった。
重大な話だろうとは思っていたが、まさか家庭崩壊という段階での話だとは
思わなかった。
予想以上の深刻な内容だった。

「浮気さ・・・アイツのね」
「う・・うそ。私にはそんな事をするような女性には見えなかったわ。凄く優しそうで、
しっかりとしていて、子供だって、ちゃんと育てていたんでしょ?」
「俺も、そう思ってたんだ。よく気がつく、家の事を全てやっていた出来た女房だって」

衝撃的な話に、佳恵は、ただただ驚くばかりだった。
両方の手のひらに、べっとりと汗がにじんでいた。

「回避できないの?だって慶太はどうするの?あなたたちの子供なんだから、2人が別れ
て、はい、それでお終いっていう訳にはいかないのよ?ねえ・・一体どうするのよ?」
「慶太には、もう話してあるんだ。それで俺たちが別れた後、どっちと一緒に暮らすのか
は慶太自身の希望を最優先する事で、女房とは話は済んでいるんだ」

「そんなあ・・・」

もどかしい気持ちでいっぱいになる佳恵。
でもこれ以上、説得する言葉は出てこなかった。

浮気・・・他の異性との交じり合い。それも身も心も一緒に。
それは夫婦生活の根底を潰す最大最悪の行為なのだ。いくら説得という言葉を上乗せしよ
うが、愛情と信頼から成り立つ夫婦生活が、その根源から潰された以上、言葉という薄っ
ぺらいモノでは、どうやっても覆ることなどありえなかった。

「でも・・悪いのはアイツじゃないんだ。本当は俺のせいで、こうなってしまったんだ」
「自分のせい?・・・ま、まさかあなたも浮気を?」

和憲の衝撃的な告白は、必然と佳恵の声を大きくしていった。
そして思わず身を乗り出すと、和憲の手の甲を何度も叩いた。

「い、いや・・俺は、まだ・・その・・・」
「まだ?・・あなた、それって誰かいるけど、その人とは、まだ何も無いって事なの?」

佳恵は核心部分を問いただそうと、更に身を前に乗り出して顔を近づけた。
和憲の表情が、更に曇った。そして視線を下に落としたまま、じっとそのままに動こうと
はしなかった。
ほんの少しの静寂・・・焦れる佳恵の目が次第に、大きく見開いていき、頬の辺りも青白
く光っているように見えた。

2人の周りに、重苦しい空気が徐々に立ち込めてきた。

その時、いきなり和憲が、椅子から立ち上がった。
びっくりして、思わず仰け反る佳恵。

「ちょっと喉が渇いた」
そう呟くと、冷蔵庫から麦茶が入ったポットを取り出した。
今日もうだるほど暑いのだが、それにしてもいつも以上に喉の渇きが激しいようだった。
和憲は、さっきから何度も麦茶を口にしていた。

(あら?)

その時、何の気なしに佳恵の目に、奇妙な風景が飛び込んで来た。
そしてそれは、佳恵の心の中を、次第にかき乱していったのであった。

佳恵の視線は、冷蔵庫の前に立つ和憲の下半身に集中していた。
それは先程見た時とは違っていた。

よく見ると和憲の短パンの前に、見事な盛り上がりが出来ていたのである。
その時佳恵の脳裏に、昨日の出来事がフラッシュバックした。
何度も何度も、頭の中に出てきては、その都度何とか封じ込めてきたのに、あっけなく
それは、目に前に現れてしまったのであった。

それが単なる朝の目覚めの時に起こる生理現象だろう事は分かっていた。なのに・・・
ああ何て、はしたない・・・
佳恵自身、自分の気持ちに素直に対峙出来なかった。
それは一人の男として息子を見ようとしている自分自身が怖いという
気持ちに他ならない。

息子の一生の大事ともいえる問題に関わっている最中に、そんな気持ちなど、おくびにも
出してはいけない。だけど、いくらそう思っても、今、目の前にある刺激的な景色から、
目が離せなくなっている現実に対して、如何ともし難かった。

「どうしたの母さん?急に黙っちゃって」
「え?あ・・ああ・・別に、ちょっと考え事をしていただけよ」

(動揺してどうすんのよ!)
しどろもどろの返事に、佳恵はホゾを噛んだ。

和憲は、再び椅子に座り直すと、重い口を開いた。
「離婚の話は、俺の方から切り出した」
「いきなり?」「ああ」

「それで浮気が原因って言ったの?」
「何も言わない」
「何も・・って、さっき浮気が原因だって言ってたじゃないの」
「ああ、そうだよ。浮気だよ、アイツの浮気だよ!」

いきなり語気を荒げる和憲。なぜか一気に感情が沸き立ったみたいだ。
佳恵は、和憲の真意を測りかねた。何か様子が変だ。佳恵の口も重くなっていった。

「相手の存在を知ってるのかい?」
「誰だか判らないけど、確かにいる」
「判らないのに、どうしているって断言するのよ?」
「十何年夫婦やっていれば、そんな事ぐらいすぐに分かるんだ。母さんだって、そんな
事ぐらい分かるだろ?」

(あっ・・)

和憲のその言葉に、佳恵は、即座に表情に表れた。
身体の変化、それも極、微妙な変化を嗅ぎつけるには、互いの身体を密接なまでに触合い
を持つ以外無理だろう。つまりは・・夫婦の触合い。
SEXでしか判断が出来ないモノを和憲は、気付いてしまったのだ。

「俺は問い詰めたんだ。するとアイツは、黙ったまま凄く申し訳なさそうな顔をしたんだ

それだけで、このことが確かだったと判断するのには充分だったんだ。」
「相手の事、聞いたの?」
「いいや。もう一気に全てが嫌になったんだ。もういいやって、急に全ての愛情に対して
醒めちまったんだ」

ほんの少し顔がうつむき加減な状態で、淡々としゃべる姿を見ると、それがいかに重大な
事態まで進展しているかを十分に知らせてくれるものだった。

しばらく沈黙の時が流れた。
次第に重苦しさが増す中、佳恵は、今にも押し潰されるような圧迫感を感じつつも、
何とか打開すべく、言葉を紡ぎ出す努力を試みた。

「2人とも随分とあっさりとしたものね。じっくりと話し合ったようには思えないわ」
「したさ!何度も何度も、時間をかけて話し合ったさ。でも結論は変わんなかったんだ」
「で、でもね・・・」

思わぬ和憲の怒声に、佳恵は一瞬言葉が詰まりそうになったが、勢いで口が先に出た。

「でも、あなたがさっき言ったように、自分が原因で関係がこじれたのなら、あなた自身
の努力で、いかようにも修復は可能だと思うんだけど?」
「努力って何だよ?」
「謝罪よ。謝るのよ。ごめんなさいって」

佳恵の”謝罪”という言葉に和憲は口をへの字に曲げた。
「何で謝るのさ。俺、まだ何かをしたとは言ってないぜ」
「ええ?」
佳恵は目をパチクリとさせた。
(ああ・・・そういえば、まだ、っていってたわね。)
その時、佳恵の脳裏に暗い表情でうつむいた和憲の顔が浮かんだ。
(ああ・・もうイライラするわね)
どうしても原因を突き止めたい佳恵は、更に言葉を重ねた。

「彼女は何も言わないけど、あなたは浮気をしていると言う。それに対しては彼女は
否定しない。その彼女の浮気の原因は自分にあるとあなたは言ったわ。でもあなたは
相手に対しては、まだ何もしていないと言った。これってどういうこと?」

「簡単なことだよ。つまり俺には、告白できないでいる想い人がいて、いつも悩んでいる
んだ。つまり願望が強いって事だよな。で、当然妻には言えない。彼女に対して済まない
気持ちでいっぱいになる。そうなると夫婦生活に支障が出てくる。次第に彼女から不満が
出てくるようになる。それでついつい・・・他の男に走った。」

「んまあ・・なんてバカなことを」
「しょうがないさ。半年以上何も無かったら、つい間がさすこともあるさ」
「何言ってるの。私がバカって言っているのは、あなたの事よ。妻と子供がいる立派な
大の男が、何やっているのよ。ちょっとは恥ずかしいと思いなさい」

佳恵は、テーブルを叩きながら、厳しい口調で、激しく息子を責めた。
だが和憲の表情は、一向に変わらない。いや表情なんか無かった。ただぼんやりと前を
見ているだけだった。

「ああ・・どうしよう。このままじゃ、恥ずかしくてあちらのご両親に顔向けなんか
できやしないわ」
佳恵は頭を抱えながら、テーブルの上に突っ伏した。

「ごめんね母さん。僕も相手の事を何度も断ち切ろうとしたんだけど・・ダメだったんだ」
そう言った和憲の声は、どこか震えているようなか細い声だった。

その声に佳恵は、すっと顔を上げた。
「ねえ・・あなたの想っている彼女って誰なの?」
「そ、それは・・」
「大体が変じゃないの。妻をないがしろにしてまで、思い詰めているのに何の行動も起こ
さないなんて・・・あなたが独り身なら、母さん何も言わない。でもあなたには、ちゃん
とした奥さんがいて、来年中学生になる子供がいる身なのよ。なのにそんな思いを抱えて
いたなんて事・・・2人に対して凄い裏切り行為なのよ。それが判っているの?」

佳恵の大きな声が、台所中に響き渡った。
そして・・・何度目かの沈黙の時間が流れた。
外の蝉の声が、けたたましく鳴き始めた。夏の日差しが、更に勢いを増し始めたようだ。

(ああ・・まただわ。どうしよう?)
和憲の口の重さに対して、佳恵の不満は時間と共に高まっていった。


すると、今度は和憲の口がゆっくりと開いた。

「俺のその人への想いは、もう20年以上になるんだ。俺が中学生だった頃からかな
もう好きで好きでしょうがなかった。その頃から、ずっと想い続けていたんだ」
「へええ・・・それってあなたの初恋なんだ」
「そうだな。もう考えない日なんて無かったぐらいに好きだったな」
「おなじクラスの子なの?」
「いいや違う。俺よりもずっと年上の人なんだ」
「まあ・・・随分とマセた子ね。それじゃあ上手くいかなかったでしょ?」
「ああ・・あっちは成熟した女性で、こっちは幼いお子ちゃま。ハナから勝負は
決まっていた。だから、俺は諦める為に、都内の大学へ行ったんだ」

その時、和憲は言葉を切って、前屈みになりながら何やらゴソゴソと動いた。
それから、しゃんと背筋を伸ばして、再び話を続けた。

「それから色んな女性と付き合ったなあ」
「まあ・・・そんな話初めてだわ。ちょっと聞かせてよ」
「ゼミの女友達、家庭教師のバイトで知り合った教え子、後は会社で知り合った女の子
とか、まあ女房もそのうちの一人だったのだけど。でね・・・その付き合った女性たち
みんなには1つだけ共通する点があったんだよね」
「どんな共通点なの?」
「全員の顔がね、どこか初恋の人に似ているんだ」
「まあ!」

佳恵は、目を大きくしながら驚いた。何という気持ちの強い子なんだろう。
改めて息子の気持ちの深さを思い知った佳恵だった。

「俺も結婚した以上、その事は心の深い部分に沈めて、家族に情愛の全てを注いだんだ。
でも・・・」
「でも・・・どうしたの?」
「でも、一年前に送られてきた一枚の絵葉書が、俺が沈めたはずの気持ちを、再び掘り
起こしてしまったんだ」
「そ、それって?」

佳恵は、少しばかり驚いた。
相手の女性は和憲の事を知っていたとは・・・一体誰なのか?
小学校の時担任だった安藤先生か?なるほど、あの人なら自分たち家族共々付き合いが
長い。和憲の自宅の住所も当然知っている。年も10ほど上だ。
だが彼女にもご主人、子供たちがいる。しかも年齢は私の方に近いぞ。
ああ辛いのも当然か。

佳恵の頭の中は、彼女の事でいっぱいになった。
だが・・・

「これが、その絵葉書なんだけど・・・」
和憲は、胸ポケットから、二つ折りされた手紙を取り出すと、ゆっくりと広げて、
佳恵の目の前に差し出した。

(あれ?どこかで見たような写真だわ)
佳恵は、少し目を細めながら、その二つに折れた写真を見た。

(あああ!!何これ?何で?!!)

佳恵の目が、驚きで大きく見開いた。
目の前に写った写真には、何と佳恵自身が写っていた。
それは去年の春に、友達と一緒に香港に行った際に記念に写したモノだった。
友達と2人一緒にピースをしている格好の写真。これ以上は無いという程の満面の
笑みを浮かべていた。

「和憲、これは一体何の冗談なの?」

たまらず佳恵は大きな声を張り上げた。
そして顔を写真から離して、正面の和憲を見ようとした瞬間・・・ガタンガタン!!
勢いよく椅子が倒れた。和憲は立ち上がっていた。

「きゃあ!!」
佳恵の絶叫が響き渡った。そして先程よりも更に目を大きく見開いた。
その目の前には、信じ難いモノがあった。

椅子から立ち上がった和憲の下半身には、さっきまで履いてあった短パンが無かった。
見事なまでの男根が、黒光りしながらそそり勃っていた。
さっきまで思い浮かべていたモノが現実として目の前に現れたのだ。

佳恵自身デジャブに遭遇した感覚が起こった。
ただ一点違うのは、肉棒が見事なまでに天高く突き立っていた事だけだった。

「そうさ・・・俺の初恋は母さんなんだ。忘れようとしても忘れられなかったんだ。
ほら・・・・こんなにも興奮しているのが判るだろう?」

和憲は右手で、ゆっくりと肉棒を扱いていた。
先っぽが、少し濡れて光っているのが見えた。

佳恵は、信じれないといった表情で固まっていた。
(なに?なになに・・・なんなの?!!)

「女房が浮気をしたと確信した瞬間、急に愛情が冷めていったのも、母さんの事を思い
出したからさ。ああやっぱり彼女は、母さんの代用だったんだって・・・
そうしたらもう、気持ちの中で、母さんに逢いたくて逢いたくて仕方なくなったんだ」

「和憲、ここまでよ。もうここらで止めなさい。いい?あなたの言ってることは、凄く
最低最悪の事なの。人間としての摂理を壊す所業なのよ。だから早くパンツを履きなさい」

佳恵は震える声で、目の前に立つ息子に言い聞かせた。
だが和憲は、その言葉を無視するかのように、右手の動きを止めなかった。

「も、もう止まんないよ。だって20年だぜ。色んな女と付き合ってきて、それでも母さ
んを諦める程の女性には逢えなかったんだ。俺は本気なんだ。ただのマザコンとは違うん
だ」
「止めなさい。和憲、お母さんの言うことが聞けないの?」
引きつった頬。顔面は蒼白。佳恵は今、混乱の極みにいた。

「なあ母さん。俺は父さんの生まれ変わりなんだ。だって俺父さんにそっくりだもんな。
だから俺が父さんに代わって母さんを女として面倒を見るんだ。そう考えればいいだろ・・
・な?」
抑揚の無い喋り方の和憲。次第に鼻息が荒くなっていった。

もはや言葉での説得など無理だった。息子の目は、すでに母親として見ている目では
無かった。

和憲の右足が半歩前に出た。すると、かすかな男臭が佳恵の鼻をついた。
その瞬間、それまで久しく感じた事がなかった痺れが、頭の奥深くに感じた。
なまめかしい疼きが胸の中に広がる。
佳恵の目に、和憲の肉棒の先が、少し濡れているのが映った。

淫臭は、まるで麻薬のように佳恵を惑わせた。
身体の芯が震えている感覚が止まらなかった。また一歩前に出た。
震えは次第に大きくなっていった。まるで地震の様な揺れが佳恵の中で起きていた。

「母さん。いいだろう?俺の想いは本気なんだ」
興奮で声が震えていた。和憲の右手は、更にスピードを上げた。
反り返る男根が、みるみると硬くなっていくのが佳恵にも判った。

「和憲・・・ねえ、ほんと?」
「ああ・・母さんは俺のオンナだ」

頭の痺れで、ぼんやりとした目元に、和憲のたぎった欲望が立ち塞がった。
(凄いわ。こんなので掻き回されたら・・・)
久しぶりに感じる興奮に、自分が、まだ現役のオンナである事を思い知った。

「母さん。しゃぶってくれよ」
抑え切れない息子の高ぶる声が佳恵の耳に入ると、佳恵はふうっと顔を上げた。
すると頬を赤らめ、鼻の穴を膨らませている息子の顔が目に入った。その瞬間、
佳恵は、まるで風船が割れて驚いた風の表情を浮かべた。

「きゃああ!何やってるのよ!」
いきなり現実の空気に触れた肌感が、全身を駆け巡った。
母親としての理性が、突然戻った。

「母さん!俺を一人の男として見てくれよ。逃げないでくれ!」
「いやいやいやああ・・・あっちに行きなさい!早く!」

恥ずかしさでいてもたっても居られない心境が、早口で捲し立てさせた。
「もう引き返せるか!母さん!」
「きゃああ!!」

嫌がる佳恵は、迫ってくる和憲の手を振り払うと、身体を反転して、その場から
逃げようと試みた。
和憲は、すぐさま佳恵の両肩を、後ろからむんずと掴むと強引に手元に引き戻した。
すると佳恵の背中が和憲の胸に当たった。和憲は佳恵の両腕をがっちりと掴んで
放さなかった。

「いやあああ!放して、放してぇ!放しなさあああい!」
佳恵は、大きな声で、和憲をなじりながら上半身を左右に大きく揺すって、激しく
抵抗した。

それでも和憲は、お構い無しに右腕をぐいっと前に突き出した。
勢い佳恵は、前につんのめった。すると自由になった彼女の右手が本能的に前に
あるキッチンダイニングに着いて、わが身を庇った。

和憲の左腕は、がっちりと佳恵の腕を掴んでいて、身動きを封じていた。
そして右手は、佳恵のスカートに伸びていた。

ファスナーを下ろすのも煩わしい息子は、母のスカートを乱暴に引きちぎった。
引き裂く音と共に、スカートが地べたに落ちた。
するとその下から、真っ白い下着が見えた。和憲の興奮は更に高まった。

その下着は、佳恵の大きな尻を覆っていた。
「いやああ!止めなさい!こんなバカな事は許されないのよ!」
揺り戻された理性が、佳恵の抵抗を突き動かせた。押さえ込まれながらも、全身
をくねらせる姿は、子供のイヤイヤのポーズに似ていた。

和憲の目には、それが凄く悩ましい姿に見えた。
暑い日差しが、佳恵の腰部分に当たった。よく焼けた腕とは対照的に、真っ白な
肌がまぶしかった。
ごくり・・・喉が鳴った。飢えに似た渇きを覚えた。

和憲は、ショーツに手を掛けると、一気に下に下ろした。
膝の所まで下ろすと、左足を佳恵の左の足首に当てるや、ぐいっと押し広げさせた。
すると、広がった両方の太ももに負荷がかかり、腰が、がくんと沈んだ。
こうして佳恵は、逃げる足を失った。

「やめなさあああい!お願いだからあ!」
佳恵の絶望的な絶叫が台所中に響いた。

「あうっ!」
次の瞬間、佳恵のうめき声と共に、くねらせていた動きが止まった。

和憲の腰が佳恵の尻に密着していた。そしてゆっくりと腰が前後と動き出した。
「おおおお!ついにやっちまったああ!おおお気持ちイイ!」
「あああ、何てことを・・・」

和憲は一気に挿入を果たした。
腰の動きは、次第にスピードを増していった。
後ろから突き上げられる衝撃は、佳恵の気持ちをぐちゃぐちゃに押し潰していった。

「か・・母さん、母さんの中って、凄く温かいよ。もう俺、最高!」
「あああ・・・も、もう止めてえ・・・はあああん。」

佳恵の嘆願など、初めから聞く気など、まったく無かった。
和憲は、やっとの思いで開放した、自分の気持ちを、今かみ締めていた。
両手は、彼女の大きな腰を支えていた。腰をぶつける度に、肉厚のある尻が揺れた。
そして肉がぶつかり合う音が、パンパンパン・・と聞こえた。
身体に走る衝撃が1回2回と刻まれる度に佳恵の心の中で、何かしら、地表がひび割
れる感じを覚えた。
それは、今までずっと押し込め続けた何かが、押し出されるかのような感じだった。

何か赤くドロドロと熱くたぎったマグマのようなモノが溢れ出しそう・・佳恵は、混乱
した頭の中で、ふと、そう思った。

「おおお・・・何か、そろそろ俺・・・イキそう」
和憲は、激しく腰を動かしながら、佳恵の背中に口付けをした。

その時、和憲は背中越しから、佳恵のすすり泣く声を聞いた。
「うう・・・どうしよう。お父さんに申し訳の無い事をしてしまったわ!」

だが和憲は、委細構わずに自分の解放に集中した。
「おおお・・・もうダメだ。イクぞ・・おおお・・イクイク!」
彼の尻が、乱暴なまでに佳恵に打ち付けられた。

「あおおお・・!」
和憲の腰が止まった瞬間、佳恵のお腹に、熱いモノが噴射した事を感じた。
彼女は、背をピンと伸ばして、それをしっかりと受けてとめてしまった。

「ああ・・やっちまった・・・」
和憲は、そう呟くと、ゆっくりと佳恵の身体から離れた。
反り返った肉棒は、真っ赤に充血していた。
佳恵の股間から、ひとすじの雫が流れていた。そして、そのまましゃがんでしまった。

和憲からは、佳恵の背中が震えているのが見えた。
そこから彼は、しゃがんでいる母の両脇を掴むと、一気に起こした。
そして、さっき立った時に引き倒した椅子を、元通りに立て直して、そこに座らせた。
彼は、母に呆然とする時間を与えなかった。

佳恵は、椅子の奥深くに腰を置かされると、すぐさま両足を持ち上げられ、テーブルの
上に投げ出された。
和憲は、両膝をつくと、佳恵の正面に自分の身体を向けた。

今、目の前に、佳恵の大開きになった花弁があった。
そっと指で触れると、濡れた感触が伝わってきた。顔を上げると、佳恵の目から涙が
溢れているのが見えた。

「まだ理性が勝っているんだな。こうなったらそんなもの、早く捨てちまえよ」
「・・・・」
放心状態なのか無表情なままに、目は空を彷徨っていた。

「じゃあ・・今から俺が本能を引きずり出してやるよ。母さんを気持ちよくしてやるぜ」
和憲は、佳恵が着ていたシャツを胸上まで上げた。
すると目の前に、大きなスイカのような乳房が2つ現れた。

「凄ええ!」
感嘆の声が漏れる。少し垂れ気味だが、男の立場から見て申し分の無い実に申し分のない
大きな乳房が、和憲の心を捉えた。

「はんむっ!」
和憲は、大きく口を広げて、その乳房を頬張った。
柔らかい感触が、頬に伝わる。舌で乳首を転がし、噛んだり、そして吸ったりとを
繰り返した。
「ああああん・・・・ふううん」
佳恵の口から、甘く柔らかい声が漏れ始めた。

「母さんのおっぱい大きくて柔らかいよう」
幼子のような至福な表情の和憲。甘くて可愛らしい声で遊ぶ。
佳恵の表情が次第に無表情から、感情が見え始めた。迫りくる快感から堪える様に、眉間
にしわが寄った。

「さあ・・今度は母さんを喜ばせてあげるよ」
和憲は、そう言うと、にやっと笑みを浮かべながら、右手の中指を、ゆっくりと花弁の中
に、差し込んでいった。

「はああああん。あんあん・・」
初めて聞く母の悦声だった。高く甘い吐息。まるで小鳥のさえずりのよう・・・

次に薬指が入る。そして指の動きが速くなっていく。
「あああああ・・・も、もう・・や・・やめ・・」
声も絶え絶えになっていく。快感が波状的に襲ってきた証拠だ。

和憲の指先には、熱くなった膣の中に収まっている、己のザーメンを感じていた。
「母さん、感じているんだね?気持ち良いんだね?もっと・・もっと気持ちよくさせて
あげるよ」

車のギアチェンジをするかのように、花弁にめり込んだ手首を、左右上下に器用に
動かした。
すると佳恵の声が、更にトーン高く響いた。
乳房に吸い付く舌の動きと合わさって、上下で責め立てられ佳恵の頭は真っ白になった。

「あああああ・・・いい、イイわ。もっと・・もっと責めてちょうだい。お願い」
それは佳恵の中で、理性という地表が割れてドロドロと熱いマグマが吹き出た瞬間だった。
母親という観念は吹っ飛び、オンナとしての本能が剥き出しになった。

和憲は2度目の挿入を果たした。
椅子に座った状態で、両足が宙に浮いたままの佳恵を正面から、一気に差し込まれた。
身動きの取れない椅子の中で、宙に浮く両足をばたつかせる佳恵。
和憲との汗ばむ密着感と男臭に、訳が判らなくなるぐらいに気持ちがぐちゃぐちゃに
なった。

「おおお・・・さっきより挿りやすくなったよ。もうぐちゃぐちゃに濡れてるぜ」
「あああ!凄いわあ・・・も、もう気がヘンになりそう・・・よ」

佳恵は、頭を左右に何度も振る。何度も襲う快感に身をよじらせ絶叫した。
肉と肉がぶつかり合い、淫らな潤滑油が、それらの滑りを良くした。
じゅぶじゅぶ・・・・和憲の肉棒に佳恵の淫水がまとわりつく。

和憲は、剥き出しになった2つのスイカを鷲掴みにしながら、腰を思い切り撃ち付けた。
「い、いい・・・イイわ。もっと、もっとちょうだい!」

夢中に叫ぶ佳恵の口元から、よだれが糸を引くように垂れ出していた。
和憲は、口でそれらを吸い上げ、そしてとうとう母親の唇に到達した。

乱れ狂うように、互いの舌を奪い合う二人。
そんな中でも和憲の腰は止まらない。その激しさは一層増すばかり・・

「どうだい母さん?俺の気持ち、良く判っただろ?」
「こんなに激しいのは久しぶりよ。お父さんより凄いわ!」
「だから言っただろ俺は父さんの生まれ変わりなんだ。母さんは俺のオンナなんだって!」
「も。もうどうでもいいわ。もっとちょうだい。もっと、もっと・・もっとよ!」

椅子の上で歓喜の声を張り上げる佳恵。すると和憲の表情が歪んだ。
「おおお・・・もう、もうイキそうだ。母さん2回目・・イクよ」
「いいわ。たっぷりちょうだい!ナカにいっぱい出していいから!」

今度は同意のもとに、和憲の欲望の丈が詰まった体液を思いっきり母親の中に吐き出した。
そして肉棒を、ゆっくりと抜くと、全開の花芯から、白濁液が、とろりと流れ出した。

肩で息をする佳恵の、ぼんやりとした瞳が、目の前にある股間を捉えていた。
「ま・・まだ元気ねえ・・に・・二回も出したのに。バカみたいに元気じゃないの」
「俺自身もよく判らないんだ。まだまだ足らん気がする。こんなの初めてだ」

「それじゃあ、シャワーで汗を流しに行こうか?」
佳恵の提案に、和憲は素直にうなずいた。
2人は互いの身体を密着させながら、風呂場に向かった。
佳恵も和憲も服を脱ぎ捨てて中に入った。

バスユニットには、昨日の湯が、そのままあった。
和憲はシャワーの蛇口を捻ると、勢い良く飛び出した生温い水を、佳恵の胸めがけて浴び
せた。
「うわあ・・気持ちイイ。汗が流れて凄く気持ちイイわ。あははは・・」
こうして嬉しそうにはしゃぐ佳恵は、シャワーを奪うと、今度は和憲に向かって浴びせ掛
けた。

「ここはどうだい?」
佳恵は勢い良く出る湯を、和憲の股間めがけて集中砲火を行った。

「痛い、痛い!痛いよ母さん」
堪らずバスユニットの中に退却した。昨日の湯は、すっかり水に戻っていた。

次いで佳恵も入って来た。二人がしゃがむと、水は一気に溢れ出した。
「少しだけ温いね」「そうだね」
二人が見詰め合い、それだけの会話を交わすと、和憲は腰を浮かして、両足を広げた。
佳恵は、和憲の片方の足をユニットの外に置いて、もう片方の足を自分の肩に乗っけた。

佳恵の胸の前に、和憲の下半身が浮いていた。
佳恵は、ほんの少し笑みを浮かべると、黙って顔を前に寄せた。

だらんと垂れた肉棒を左手で掴むと、ゆっくりと口元に持っていく。
「元気にしてあげよっか?」「もちろん!」

和憲の手が佳恵の頭の上に置かれた。
佳恵は、裏筋を、ぺろりとひと舐めすると、すぐさま口に含んだ。
初めての母親のフェラチオだった。滑らかな舌ざわりが下半身から一気に伝わった。

横から縦から斜めから・・・自在な舌の動きが、刺激を与え続けた。
熟練の技・・・重ねたオンナとしての年輪を和憲は知った。
「父さんにも同じ事をしたの?」「ええ・・そうよ」
「凄く気持ちイイ。今までの女より数段イイ!」「うふふ・・・」
和憲の放心したような表情に、思わず笑顔になる佳恵。

「もっと・・・舐めてよ母さん」
和憲の手が、佳恵の頭を何度も強く押し付けた。
「ウップ・・・」
次第に硬くなりつつある肉棒が、佳恵の左右の頬を中から元気よく突いていた。

「ふう~!」
佳恵は、傍若な動きから堪らず口から肉棒を吐き出した。
「あんた、もの凄く元気よすぎるわよ。お母さん苦しいわ。ちょっとは優しくしなさい!」
あまりの勝手な動きに、とうとう佳恵は根を上げた。

「ごめんごめん。あんまりに気持ち良いもんだから、つい・・・ね」
「もういいかげんにしなさい!」
佳恵は硬く反り返った肉棒を手で払った。

和憲は勢い良く立ち上がると、脇に置いてあったスポンジに、ボディシャンプーの液を
染み込ませた。そして佳恵の腕を掴んで引き上げると彼女の身体を洗い始めた。
一気に全身に泡が立ち込める。そして互いの手が交互に交差した。

あっという間に2人の身体は泡まみれの状態になった。
佳恵は両手を使って肉棒を泡で包んだ。柔らかい泡の層が彼女の手を通じて
塗り込められた。

「どう?気持ちいいでしょ?」
「はあはあ・・・・ああ・・気持ちイイよ母さん」

陶酔気味なうつろな表情。3度目のエクスタシーがやって来た。
抱き合ったままに和憲は椅子に座った。
つれて佳恵もそのままの体勢から腰を下ろすと、丁度和憲の膝の上にお尻が乗っかった。

佳恵はするすると前に腰を移動させた。和憲は佳恵を抱っこする形となった。
石鹸の泡のお陰で、するりと肉棒が佳恵の中に滑り込んだ。
「す・・すごいわ!三回もするなんて!初めてよ!」
「言っただろ、俺は足らないって!もう何回でもやってやるぞ!」

和憲は泡に包まれた胸に顔を押し付けた。
柔らかい胸の感触が一瞬の安らぎを与えてくれた。まさに至福のひと時だった。
子供の頃からの願望が今実ったのだ、そして俺はやっと帰ってきたんだ、と和憲は思った。

目の前であられの無い姿で、悶え狂って踊っているのは俺のお袋であり俺のオンナだ。
遂に手に入れた。世の条理では決して認められないけど、確かな愛情を得た達成感が、
今、全身を覆っていた。

しばらくすると上気立った顔の、佳恵と和憲が風呂場から出てきた。
二人は台所で、冷たい麦茶を飲むと、今度は2階の佳恵の部屋に向かった。
その時、階段を上がる佳恵の胸は、大きな振り子のような動きで左右に揺れていた。
後ろからついて行く和憲の目からも、それは素晴らしい光景として映っていた。

部屋に入ると和憲は直ぐにベットの上に仰向けの体勢で大の字になって寝っころんだ。
そして佳恵は、すぐさま彼の股間に顔を埋めた。
「母さんもスキだなあ」「もうどうでもいいの。私はただ愉しむことにしたのよ」

佳恵のフェラチオは絶品だった。和憲は元気を取り戻した。
「4回目は、私が貰うわよ」
佳恵は、腰を上げると、彼の股間の一点に向かって。ゆっくりと沈めて行った。
「ああああ!硬いわ!凄い、奥まで当たってるわ!」
佳恵は和憲の上で、激しく踊り狂った。
「おおおお!!母さん気持ち最高だ!」
和憲は下から激しく突き上げた。下から見上げる姿は、まさに絶景だった。
母親の大きな胸が、まるで生き物のように激しく揺れていた。

尽きない欲望に突き動かされている今が信じられなかった。
そしてそれはとりもなおさず、母親に対する愛が本物である証拠でもあった。
和憲の両手が、暴れる狂う2つの乳房を取り押さえた。

美しい横顔には、母としての面影などどこにも無かった。
逞しいと思った身体からは、オンナとしての匂いが充満していた。
既に目の前には母など存在しない。そして息子も。
ただ年の離れた男女が、ただSEXをしているにすぎなかった。

(うそみたいだわ。昨日まで普通の親子だったのに・・・今、その息子とSEXをして
いるなんて・・・信じられない。でも・・でも、でも何て気持ちいいの!)

佳恵は、全身を覆う痺れたような感覚を弄ぶかのように、快感を貪り続けた。
何度も突き上げられる衝撃に我を忘れかけそうになった。
そしていつしか、自分で腰を動かしていた。

(そうよ、そうよ・・・何度でも欲しいの。ああ最高よ!)
佳恵は、愛しそうな表情で下にいる和憲の顔を覗き込んだ。

だが・・・

その時、佳恵の目に、和憲の何か妙な視線の揺れが見えた。
その視線は、何かを見つけた。
そしてそれは次第に大きな驚きを持ったものに変わっていった。
(あら?どうしたのかしら?)
佳恵は、和憲の視線の先を追った。ふいっと振り返ると、さっき閉めたばかりのドアの
扉が、どういう訳か少しばかり開いていた。

すると扉の隙間から、別の視線が佳恵の目に飛び込んで来た。
(まあ!慶太!)

和憲は動きを止めた。そして両手から乳房を放して、上半身を起こした。
「慶太、お前いつ帰ったんだ?」
だけど扉の向こうからは返事は返ってこない。

佳恵は、それでも腰の動きを止めてはいなかった。
身体に収まったモノに刺激を与え続けていた。

「慶太・・・入っていらっしゃい。早く」
佳恵は動じず、いつもの口調で対応する。

すると扉が、ゆっくりと開いていった。そして足がゆっくりと前に出てきた。
恥ずかしそうな表情の慶太が、2人の前に現れた。

「今帰ってきたのね?」
佳恵の問いに、慶太は首を縦に振った。
「びっくりした?」
慶太は同じように縦に首を振った。

「じゃあこっちに来なさい」
冷静で落ち着き払った佳恵の口調に、慶太は、ゆっくりとした動作ながら従った。
両手をズボンの前で組んだまま、おずおずとやって来た。

「興奮した?」「べ、別に」
「これを見てどう思った?」「べ・・べつに何もないよ」

落ち着いた声と震える声が交差する部屋には、ただならない空気が支配しつつあった。
「母さん、どうしよう?俺しくじっ・・」
和憲の弱弱しく情けない声が聞こえた瞬間、佳恵の力強い声が、それを遮った。

「その両手を外しなさい慶太。さあ早く!」
その迫力に満ちた声に、慶太の両肩がピクンと跳ね上がった。
そして、言われたとおりに、ゆっくりと絡めていた指を外すと、両手を腰に当てた。
こうして直立不動の格好のままに立ち尽くした。

「あら?なあにこの膨らみは?大きな山が出来てるじゃないの。うふふふ・・」
佳恵の丁度目の前に、慶太の股間があった。良く見ると慶太の股間が膨れているのが
確認出来た。
慶太の顔が一気に紅潮した。

「興奮したんだね、慶太?」
今度は、さすがに違うとは言えなかった。慶太は、ゆっくりと頷いた。

その瞬間、佳恵は素早い動きで、ズボンのベルトを緩めて、チャックを一気に下ろした。
「な、何するの、お祖母ちゃん!?」
「か、母さん?」
慶太と和憲は、佳恵の突然の行動に驚きの声を上げた。

「慶太に、この状態を見られたんじゃあ、もうどうにも言い訳出来ないからね。
だったら、こうするしか方法は無いじゃない」

佳恵は、勢い良くズボンとパンツを下ろした。

「あらあ・・やっぱり可愛いオチンチンだったねえ。うふふ・・」
真っ白く、全体に皮が覆われている慶太の幼い肉棒が、勢い良く飛び出てきた。
そしてそれには、ほんの少しばかり、薄い毛が生えていた。

「それでも、もうちょっとで大人のオチンチンの仲間入りってとこね」

幼くとも、硬く反り返っている肉棒からは、男の臭いが立ち込めていた。
和憲は、呆気に取られていたせいか、言葉が出て来ない。
ただただ佳恵の暴走を黙って見ていてたに過ぎなかった。

佳恵は、ゆっくりと慶太の肉棒を握った。
その瞬間、慶太は驚いて、思わず身体を後ろに引いた。
だが、しっかりと握られた肉棒だけが突っ張った状態で、伸び切っていた。

「怖がらないの。今から気持ちよくしてあげるから・・・いい?」
そう言うと佳恵は、握っていた手を上下に動かし始めた。
「あうっ!」
慶太の震えた声が漏れた。

佳恵の手の動きが、段々と速くなっていった。
そして腰の動きも、つれて速くなっていった。

下で息子の肉棒を咥えながら、上では孫の肉棒を弄んでいる祖母。
異様な光景だった。横から見ると、更にその迫力は増していた。

扱かれている息子の肉棒から、次第に淫らな音が聞こえて来た。
和憲には、慶太の興奮している状況が、はっきりと理解できた。

慶太の袋が、異様に膨れ上がっているのが見えた。
「そろそろみたいね。それじゃあ次は、一気に気持ちよくしてあげるわ」
佳恵は、笑みを浮かべると、慶太の腰に手を回すと、そのままぐいっと
自分の前に引き寄せた。
そして、真っ赤に充血した肉棒を、ゆっくりと優しく乳房の中に押し入れた。

「ふあああ!柔らかい!凄く柔らかいよお祖母ちゃん!」
今の今まで押し黙ったまま、歯を食いしばっていた慶太から、堪らずに絶叫が
響き渡った。
「ああ・・母さん、何て事を!」
和憲の目の前で、母親が自分の息子に向かってパイズリを始めたのを見て絶句した。

「あああああ!だめええ!」
慶太の絶叫が、その瞬間を知らせた。
あっという間に噴射が始まった。
佳恵の顎から胸に掛けて大量のザーメンがぶっかけられた。

「凄くいっぱい出たわ。12歳でも、沢山出るんだね」
「はあはあ・・凄く気持ちよかったああ。凄いよお祖母ちゃん」
「もうこれでオチンチン見られても平気よね?」
「うん。だってお祖母ちゃんだって裸を見られたんだから、おあいこだよね」
「裸っていうよりSEXを見られたんだから、これ以上の恥ずかしさは無いわ。あはは」

佳恵は大きな口を開けて笑った。実に爽快な表情だった。

だが和憲の表情は、とても暗く沈んでいた。
自分の想いとは別に、幼い息子をも禁断の渦の中に巻き込んでしまったという思いが、
辛く胸を押し潰しそうになっていた。

「あら?」
佳恵は、ふと腰の下を覗き込んだ。
「ちょっと和憲・・あなたどうしたの?何か、しぼんじゃったわよ」
「ちょ、ちょっと疲れたんだよ」
「あら、そうなの。だったら選手交代ね。あなたはそっちでゆっくり休んでなさい」

佳恵は、腰を浮かせると和憲の萎んだ肉棒が、だらりとこぼれ出た。
和憲は、起き上がると、ふらついた足取りで、ベットの横にある椅子に向かった。
そして、その引きつった表情と一緒に、倒れ込むように椅子に身体を投げ出した。

その後、佳恵は慶太をベットに寝かせると、直ぐにフェラチオを始めた。
「あああ・・・ベトベトして気持ちイイ!お祖母ちゃんもっとしゃぶって!」
慶太の蚊の泣くような震えた声が聞こえた。すると和憲の表情が更に引きつっていった。

「慶太もやっぱり若いわね。もう硬くなっているわ、それじゃあ・・・」
佳恵は慶太を起こすと、今度は自分が下になって、慶太を迎え入れようとした。
「さあ・・ゆっくりと前に進んで。そうそう・・オチンチンはお祖母ちゃんが持って
いるから、あなたは、安心してゆっくりと前に腰を突き出しなさい。」
「あっ!何かヌルヌルする。凄く温かいよお祖母ちゃん」
「それでいいのよ。さあ、一気に前に来て!」

ズブリ・・・ゆっくりと佳恵の花芯に突き立てた肉棒が、中へ中へと押し込められていっ
た。
ズブズブ・・・肉棒全てを飲み込んだ瞬間、花芯から蜜があふれ出て来た。

「はあああああん!凄い!慶太のオチンチン固くて大きいわあ!」
「ヌルヌルして、凄く気持ちイイよ。動いて良い?お祖母ちゃん」
「いいわよ。暴れて暴れてグチュグチュにして!お願い!」

慶太は、物凄いスピードで、前後左右に腰を突き出した。
横にいた和憲の目から、佳恵の大きな下半身に、慶太が飲み込まれたかのように見えた。
太く大きな太ももが、慶太の腰を覆い尽くした。
それは、まるで大きなメスカマキリに喰われている哀れなオスカマキリのように見えた。

和憲は、祖母と孫の絡み合いというシチェーションを見ている内に次第に、なにやら
沸き立つ興奮を覚え始めていた。
和憲自身も更に理性が消し飛ぶ気配が生まれつつあった。

「おおう・・凄い、凄いぞ」
和憲は、ブツブツと呟きながら、自らの股間に手を入れた。

「今度は、お祖母ちゃんが上になるから・・」
佳恵は体勢を入れ替えると、慶太の腰の上で身体を伸ばした。
2つの大きな乳房が、こぼれんばかりに大きく揺れた。

「凄いやお祖母ちゃんのおっぱい。あああ・・柔らかいなあ」
慶太は下から両手を伸ばして、佳恵の乳房を思い切り揉み砕いた。
「もっと強く揉んでもいいのよ。それにもっと腰を突き上げてもいいのよ!ああもっと!」

慶太は、言われるままに思い切り腰を突き上げた。そしてぐちゃぐちゃに乳房を揉んだ。
「あああ・・・お祖母ちゃん。もう出そうだああ!」

その時、佳恵はふっと、横にいる和憲を見た。
(まああ・・・やっと興奮したみたいね。うふふふ・・・そうでなきゃね)

佳恵はほくそえんだ。

和憲は、目を大きく見開いて、自分らの行為を見ていた。
そしてその手には、大きくなった肉棒が握られていた。

佳恵は、自分の胸を掴んでいる両手首を掴んだ。
「さあ慶太。今度はお祖母ちゃんのおっぱいを舐めてちょうだい」
両手首は、左右に分かれてベットの上に置かれた。

佳恵は、ゆっくりと上半身を前に倒した。
すると大きな乳房は、慶太の顔の上に静かに落下していった。

「うわあああ!凄い!凄いよう!夢のようだ!何て柔らかいんだ!」
顔全体に乳房が2つ覆われた。窒息を心配するぐらいに慶太の顔が見えない。
慶太は佳恵の背中に手を回して、ぎゅうっと抱きしめた。

佳恵は、和憲の方に顔を向けた。
和憲は、肩で息をしながら、一心に肉棒を扱いていた。
興奮は最高潮に達しつつあったのは明白だった。

佳恵は微笑みを浮かべながら、下唇を舐める仕草を見せた。
そして両手を、突き出した自分の尻の左右にそれぞれ置くと、ゆっくりとその手を
引っ張った。

すると、大きく見開いた花弁と、その花芯から出し入れされている肉棒が、はっきりと
見えた。和憲の息は更に荒くなった。

「もうガマンできないんでしょ?来なさい」
佳恵の妖しい表情に、和憲は堪らず立ち上がった。
「も、もうどうでもいいや。ここまできたら何もかも一緒だ!」
和憲は佳恵に覆い被さった。

「したいのなら、お尻にして!」
佳恵も興奮が最高潮に達したみたいだった。荒い息遣いが生々しい。

「おおお・・・母さん行くぞ!」
和憲の咆哮と共に、もう1本の欲望の塊が突き刺さった。

「きゃああああ!凄い、こんなの初めてよ!に、二本も・・二本も入るなんて!」
佳恵の絶叫が部屋中に大きく響いた。
こうして佳恵の体内に2本の肉棒が突き刺さった。それも息子と孫のが・・

「お、お父さん・・・お父さんのが感じるよ!」
「俺もだ。擦れるのが判るぞ!なんてこった、息子と孫のチンポを受け入れちまったんだ」
「ああああ!!もうどうなってもいいわ。2人ともいっぱいちょうだい!」

上と下から突き上げられる快感が想像以上だった。
密着する3人。もうこのまま最後まで一直線にいくだろう。

和憲は何度か尻の中に突きさすと、ゆっくりと引き抜いた。
それから慶太を一旦引き離した。そしてそれからもう一度、和憲はバックから尻に
突き刺すと、後ろに倒れこんで、そのまま佳恵の身体を起こした。
佳恵は和憲の膝の上でM字型に太ももを広げた。
前から慶太が花芯に照準を合わせて、一気に腰を突き出した。

再び脳天に突き抜けるような衝撃が佳恵を襲った。
滅茶苦茶なリズムが、花芯と尻の中に交互に刻まれた。

「もうだめだあ・・・お祖母ちゃん、お父さん。もう出そうだあ!」
「そうか、それだったら、俺も一緒にイクぞ。慶太一緒にいこう」

親子の息遣いがリンクした。
「ああああ!出ちゃううう!」「おおお・・イクぞおお!」
激しく2つの腰が動く、佳恵の上半身が捩れた。

「ああああああ!お祖母ちゃんも、もうダメ。もうイッちゃう!イッちゃう!
一緒に出して!いっぱい中に出してえええ!」

3人の絶叫が一斉に響き渡ると、やがて動きが止まった。
そして、風に揺れる木々の音が静かに聞こえて来た。


しばらくして・・・

ベットの上で、川に字に並んだ3人が倒れていた。
佳恵は川の字の真中にいて、両脇には息子と孫がいた。
そして左右の2人は、互いに左右の乳房を吸っていた。

「ああ・・とんでもない事をしちゃったわね」
「しょうがないさ。母さんは最高だったんだから、俺も長年の思いを遂げれたし、
慶太も早くも童貞を捨てちゃったし・・なあ慶太?」
「・・・」

さっきから黙ったままの慶太、和憲の問いかけにも反応しない。
やはり、さっきまでの行為がショックだったのだろうか。

「ねえ、慶太。1つ質問してもいい?」
「う・・ん何、お祖母ちゃん?」

「ひょっとして、あなた前にSEXした経験があるんじゃないの?」
「ええ?何だって?」
佳恵の言葉は、和憲にとって大衝撃だった。
ただせさえ小学生の身で祖母と交わったという恐ろしい経験をしたというのに、
更にその前に、既にSEXを済ませていたなんて事が事実なら、とんでもない話だ。
親としての立場として、失格の烙印を二重に押されたのも同然だ。

「何で判ったの?」
「あなた初めてにしては、上手な腰使いだったから。まるで誰かに教わったみたいにね」
「そ、そんな・・信じれん、い、いったい誰なんだ?同じクラスの子か?どうなんだ?」

和憲は起き上がって、慶太を睨み付けた。
だがうつむいたままの慶太の口は、重く閉ざされていた。

「私のカンだけど、ひょっとして、あなたのお母さんじゃないの?」
佳恵は、さらっと核心を突いた。
確かに小学生の立場でSEXをするとなれば、身近な女性しか有り得ない。
慶太は一人っ子。すると身近な女性といえば・・当然の帰結だった。

「ええ?そんなバカな!ありえない、そんな事ありえるわけが・・」
「ありえるわよ。十分に。だって今だって私たち・・・やっちゃったわけだしね」

佳恵の言葉に、和憲はがっくりとうなだれた。
自分の思いが巡り巡って、今になって自分の胸に突き刺さったのだった。
確かに居たのだ。浮気相手は自分の息子だった。
最後にした肌あわせの時、その変化した感触は、息子を迎え入れた為だったのだと、
今、はっきりと判ったのであった。

「ごめんね、お父さん黙ってて・・・だって母さん、泣きながらしがみつくんだもん。
だから、つい・・言われるままに僕・・本当にごめんなさい」
「謝らなくてもいいぞ。悪いのは、お母さんをほったらかしにしていた俺の責任だから、
お前は悪くない。悪くないぞ、慶太」

和憲の声は小さく震えていた。
そしてしばしの沈黙が続いた・・・・

いきなり佳恵が起き上がって、うなだれる和憲の顔を優しく撫でた。

「今からでも遅くはないわ。和憲、あなた直ぐに謝りに行きなさい」
「え?」
はっと、驚いた表情の和憲。続いて慶太も起き上がった。

「あなた、やっぱり彼女の事、凄く愛しているのよ。凄く落ち込んでいる今が、
いい証拠よ」
「か、母さん・・・」
「あなたが私の事を、一人の女として思ってくれてたのは本当に嬉しかった。
でも今のあなたを見ていると、もうどっぷり家庭人なのよ。だから、明日直ぐ
に帰りなさい。そして謝って謝って、そして全てを許すの。いい?全てよ」

「お祖母ちゃん、また独りぼっちだよ。いいの?」
「いいの元々一人のほうが気が楽で過ごしやすいんだよ。もう慣れっこだしね。あはは」
「だけど・・母さん、俺・・」
「大丈夫!確かにもう前のような家庭には戻れないけど、また新しい家庭を作れば良いじ
ゃない。あなたは全てを承知の上で、彼女と相対しなさい。
それでもどうしてもダメなら、その時はここに帰ってくればいい。その時は母さん、
ちゃんと待っててあげるから。ね?」

和憲は、佳恵の胸の中に顔を埋めて肩を震わせていた。
慶太は、黙ってうつむいたまま、顔を上げられなかった。

「もう泣かないの。私はね、今日凄く嬉しかったのよ。だって久しぶりにオンナに戻れて
しかもこんなに気持ちのいいSEXをしたんだもの。凄く燃えちゃったわ。うふふ・・
だから、もうあなたたちにとって、私はお母さんでもなく、お祖母ちゃんでもない、
一人の女。あなた達が、いつここに戻ってきても、一人の女として相手してあげるわ。
いいでしょ?」
「もちろんさ。母さんは俺のオンナなんだから」
「僕もさ。お母さんとはもうしないよ。僕にとってもお祖母ちゃんが最初オンナなんだ」

「まあ嬉しいわ。でもこれは3人だけの秘密よ。いいわね?」
佳恵の笑顔に2人は頷いた。

「じゃあ、最後にもう1回やろっか?」
佳恵が頷くと、2人は立ち上がった。そして腰を前に突き出すと、佳恵は交互にしゃぶり
始めた。

何時の間にか、けたたましく鳴っていた蝉の声も消えていた。
そして厳しかった夏の日差しも、山の陰に落ちていた。
短い夜の訪れが、緩やかな風と連れてやってきた。
だけど3人は、まるで時を惜しむかのようにいつまでもいつまでも終わる事がなかった。
                                    
                              (おわり)

[2005/11/03]

小説(転載)  「お母さんのおっぱい」

近親相姦小説
11 /27 2018
作品名  「お母さんのおっぱい」

ぽかぽかと暖かい春の陽気に、ついつい寝坊しがちになる今日この頃。
孝太郎くんもその中の1人。
春休みというのは、とかく気が緩むものですし、また気候が良いので、
ついつい寝過ごしてしまうものなのでしょうが、だからといって目が
覚めるのが、いつも陽が高くなる頃ときては、ちょっと問題ですよね。

しかもこの4月からは待望の中学生となるというのだから、もう少し
気を引き締める自覚を持たないといけません。
ずっと一人っ子で甘やかされて育ったせいでしょうか、どうも自分を
律するのが苦手なようです。
だけど、どうもそれだけが理由ではないようで・・

中学に上がるのもそうなのですが、もう1つ、彼には大きな転機が
ありました。
今年に入って家族が増えたのです。
待望の女の赤ちゃんが生まれました。そう孝太郎くんに妹が出来たのです。

両親は大喜び。そして当然全ての関心は妹に移りました。
1人蚊帳の外に置かれた気分、こんな気持ちは生まれて初めて。
これ以降孝太郎くんの気持ちの中で葛藤の日々が始まったのです。

妹は正直可愛いです。
何の邪心もない笑みを自分に向けて見せてくれると特にそう思います。
でも、その笑みが両親にも向けられると、少し、いや、かなりムっと
する感情を覚えるのです。
なぜなら、両親の、特にお母さんの顔が笑顔でほころぶのを見るのが
特に嫌だったからです。

それまでいつも家での一番の話し相手は、お母さんだったからです。
でも今は妹に付きっ切りで、そんな時間すらありません。
孝太郎くんは我慢をするのですが、苛立ちは隠せません。
ちょっとしたことで怒りっぽくなったり、泣き出したりと、ワガママ
を言い出すようになりました。

お母さんと何度もケンカもしました。
”お兄ちゃんらしくしなさい”
最後のセリフは、いつもこれ。孝太郎くんは悲しくなってベットに逃
げ込むようになったのです。

そして、
それが日課になったある日のこと・・

いつものように、昼過ぎに目が覚めた孝太郎くんは、眠たそうな目を
こすりながら水を飲もうと降りてきました。

昨日も、つい大声を出しての喧嘩をやらかしてしまって、少しバツの
悪そうな気持ちを、その時思い出してか、辺りを気にしながらゆっくり
と静かな足運びで台所に向かったのでした。

その日は昨日までの鬱陶しい雨模様から一転しての気持ちの良い空模様
が広がっていました。
そんな午後のひと時、家の中は何事も無く静まり返っていました。

孝太郎くんはコップいっぱいに水を注ぐと、ぐいっと一気に飲み干す
や何とも云えない美味そうな表情を浮かべました。
そうなると次には空腹を覚えて、何かないかと冷蔵庫の中を物色し始めました。

しかし、これといったものは何も無く困った様子の孝太郎くん。
どうやらお母さんは、先に食事を済ませたようで、台所の周りはすっかり
片付けられていたのでした。
それも普段の行いの悪さがあっては当然の処置です。
だけど、空腹と疎外感から、大いに苛立ちを覚えた彼は、その怒りをぶ
つけるべく、お母さんの部屋に足を運びました。

いつもこの時間、お母さんは自分の部屋で妹をあやしつけるのが日課に
しているのを孝太郎くんは知っていました。
彼は恐い顔でドアノブに手を掛けました。

ドアを開けると、お母さんは幼い妹と一緒にベットの上でスヤスヤと寝
ているのが、目に入りました。
どうやら妹に母乳を飲ましている内に、疲れて寝てしまったようです。
ベットに身体を横たえながら背を丸めたままの状態で、気持ち良さそう
に寝息を立てていました。
その横では、妹がお母さんの胸に顔をくっつけて、懸命に吸っているの
が見えました。

孝太郎くんが、何故か驚いた表情でドアの前で佇んでいます。
その視線の先には、胸元がはだけた母親の姿がありました。

母親といっても、まだまだ若く、見た目だけではとても中学生の子持ちだ
とは誰も分からないという意見も出るぐらいの可愛らしさがありました。
肌もスベスベで手足もすらりと長く、そのスレンダーな肢体から匂う色香
はまた格別なものが感じられます。

彼が驚いたのは、その魅惑的な黒のキャミソールの肩紐の片方を外した所
から見えた、その大きな胸にありました。
孝太郎くんは今までそんな事には気付かなかったようでした。
細身の身体からは想像も出来ない程の見事なふくらみに、彼は面食らった
ようです。
それはやはり子供を産んだお陰である事は間違いありませんでした。
子供を育てる上で大事な母乳を精製する為に、その胸が大きくなるのですから。

でも子供の孝太郎くんから見たそれは、大変衝撃的であり魅惑的でもあった
のです。胸のふくらみは大人の女性の証であり、遠い昔から男たちが求める
母性の源なのですから。
その時孝太郎くんは、初めて異性の神秘に触れたのでした。

赤ん坊の妹は、飽きずに胸を吸い続けている中、孝太郎くんは、恐る恐る寝
ているお母さんの下へと歩を進めました。
そして、震える手付きで、もう片方の肩口にある結び目の紐を外しに掛かりました。

結び目が緩くなると、紐はするりと簡単に解けました。
孝太郎くんは、おそるおそる黒地の布を指で摘むとゆっくりと下ろしていったのです。
その布の下には何も着けておらず、白い肌が露になって彼の目の中に飛び込ん
できました。
その大きな乳房の上に着いているポッチは、薄い紫色に覆われていて、ツンと
立っているのが分かりました。

荒い息遣いが孝太郎くんから起こりました。
初めて覚える衝動。目の前にいるのは母親である以前に一人の若い女性であるの
を本能で悟ったようです。
片方の乳房に喰らいつく妹を見た孝太郎くんは、もう片方の乳房に興味を覚えました。

そしてゆっくりと唇を近づけると・・・
お母さんの乳首の先が、唇に触れた瞬間、堪らずに大きな口を開けて、片方の
乳房に吸い付いたのでした。

昔もこうだったのでしょうか、孝太郎くんは幼い頃のように何度も何度も吸い
上げています。
今、2人の子供たちが、仲良く2つの乳房を分け合って頬張っているのです。

すると、それまで気持ち良さそうに寝ていたお母さんの顔から、閉じられてい
た瞼が、ひくひくと動き始めました。
気持ち良さげに、また苦しげな感じに見える動きが目元に見られ始めました。
そして薄っすらと瞼が開くと、その潤んだ瞳で目の下で起こっている事実を見たのです。

「何してるの?」

お母さんは起きたばかりのぼんやりとした表情で、胸元に顔を付けている
孝太郎くんを見つめていました。

「え、あ、あのう・・・」

言葉に窮する孝太郎くん。

「もうこんな事をしてる年じゃないでしょ?もうばかねえ・・」

意外にもお母さんは怒ることなく、優しく諭すのでした。
そして、片方でむしゃぶりつく妹の頭を優しく撫でたのでした。

「ママごめんね。僕にも分かんないの。ママのおっぱいを見たら、つい・・」
「もう・・甘えん坊ねえ。こんな事ばかりして、この子のお兄ちゃんとして、
ちゃんとやっていけるのかしら?」

いつものセリフを云われて、普段なら激しく反発するところなのだけど、
今日のこの状態からだと、恥ずかしさいっぱいで何も言えない孝太郎くん。
ただただうなだれるばかりなのでした。

「それでママのおっぱいはどうだった?」
次にお母さんの口から出た言葉は、何も知らない孝太郎くんにとって、とても
想像出来ない程に驚くべきものでした。

「どうって・・・その、え~っと・・柔らかくて、大きくて・・」
「赤ちゃんに戻ったみたいに気持ち良かったって事かな?」

あの衝動は回帰を求める気持ちから出たものなのだと、お母さんは言ってるようですね。
その言葉に孝太郎くんは、とても恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。
真っ赤になった顔を上げて、その場を離れようとした時、更に驚くセリフが
お母さんの口を突いて出たのです。

「もう少しこのまま、赤ちゃんのままでいたらどうかしら?」

柔らかな微笑を浮かべながら、優しく孝太郎くんの頭を撫でるお母さん。
今まで構ってやれなかった罪滅ぼしなのかなと思う孝太郎くんだったが、
さてこの後どうすればいいのやら、さっぱり分からなかったのでした。

「もう少し、ママのおっぱいをしゃぶってればいいのよ」

困った様子で頭を掻く孝太郎くんに対して、お母さんは優しくアドバイスして
くれました。
孝太郎くんは、云われた通りに、お母さんの胸に顔を埋めました。
そして横でちゅうちゅう吸っている妹と同じ様に、思い切り吸い上げました。
お母さんは、左右両方の乳房を吸われながら目を瞑って気持ち良さそうな表情
を浮かべていました。

そのうち孝太郎くんは、吸い上げるのに疲れたらしく、次に舌を乳首の周りに
這わせ始めました。

「ああ・・イイ。今度は少し噛んでちょうだい」

甘い声を漏らすお母さんに、びっくりした孝太郎くんは思わず興奮してしまいました。
そして云われる通りに、ほんの少し乳首を噛むと、まるで感電したように背中を反らした
お母さん。その顔は、痛がるようにも見えるし気持ち良さそうな表情にも見えました。

こうなったら今度はお母さんの為にしてあげよう。
孝太郎くんは、そんな思いからか、右手を使ってその大きな乳房を揉みながら歯を立てた
のです。すると、更に大きな声を上げるお母さん。本当に気持ち良さそうな笑みを見せ始
めたのです。

お母さんは伸ばした腕を孝太郎くんの背中に回すと、勢いよく手元に引き寄せました。
勢い孝太郎くんの身体全体が、お母さんの上に覆い被さる格好になりました。
その瞬間、

「ああ?!」

お母さんの口から小さく漏れた声には、なぜか驚いた思いが満ちていたのでした。

その声を聞いて妙な面持ちで顔を上げる孝太郎くん。
お母さんと目が合った瞬間、彼女は納得したような表情の笑みを浮かべると、小さく
1つ息を吐いたのでした。

「あなたってもう13なのよね・・・早いわねえ」

意味ありげな一言を小声で呟くお母さん。
その表情は、さっきとは違って、頬を赤くしてどこか色っぽい雰囲気がありました。

「もう少しだけ、ママの云う事聞いてくれるわね?」
「うんいいよ。何でも聞くよ」

その孝太郎くんの紅潮した顔を見て、お母さんは笑顔で小さく頷きました。

「それじゃあねえ・・・ママのスカートを捲り上げてくれるかしら?」
「ええ!?」

孝太郎くんが驚くのも無理ありません。
凄くハレンチな行為を、母親からやってと言われて動揺しない男の子なんていません。
でも云う事は何でも聞くと言った手前、断ることなど出来る訳もないので、仕方なく
云われた通りに、少し震えた手付きで、スカートの裾部分を摘むと、ゆっくりと上へと
上げていきました。

次第にスカートの下から色んなものが明らかになっていきました。
真っ白な肌に覆われた細く長い脚、そして淡い青色のスキャンティ・・・

孝太郎くんは、まるで早鐘が鳴り響くような興奮で胸が今にも破裂しそうな
勢いに圧されていました。

「男の子の顔になったわね」

お母さんはそう呟きました。
だけど孝太郎くんには、その意味がよく分かりませんでした。
でも、今までに経験したことの無い感情の押し寄せに正直戸惑いがありました。

(ママを見てるだけなのに、何なのだろう、このドキドキする気持ちは?)

それは自分の気持ちの中で、お母さんを一人の女性として見ようとする気持ちに
変わりつつあるのを意味していました。

「人差し指で、ママのパンツの真ん中の部分を縦になぞるように線引きして
ごらんなさい」

孝太郎くんは云われた通りに、股間の上の盛り上がった部分に、人差し指を置くと、
そこからゆっくりと線を引くように縦に指を下ろしていきました。

すると青い布が被さっている股間部分に、縦にすっと細長い線が薄く浮かび
上がりました。

「これがママがおしっこするところよ。もう一度やってみて」

もう一度云われたように線を引くと、今度は浮かび上がった細い線から、何やら
湿り気が帯びてきて滲んできたように見えました。

「ママ、これ・・何か濡れているけど?」
「それはねえ、女の人が気持ち良くなると、出てくる液体なの」
「マ、ママ、今気持ちイイの?」
「ええ、あなたがママのおっぱいをしゃぶった時からずっと・・・うふふ」

その時、”ふぁあああん”とまるで大きなあくびの様な声が聞こえました。
妹が、お母さんのお乳を飲み疲れて、眠たそうな表情を見せています。

「アラアラ、この子ったらよく飲んだわねえ・・ああもうお眠なのね、
よしよし・・」
小さい声で妹をあやすと、妹はあっという間に、スーっと寝息を立てて眠って
しまいました。

「これでちょうどいいわ。じゃあ次に、ママのパンツを下ろしてくれる?」
「ええ?!まだやるの?」
「そうよ、気持ちよくなるのはこれからですもん。さあ早くしてちょうだい」

孝太郎くんの戸惑いも最高潮に達しようとしています。
だけど、彼には先程までの震えなどはもうありませんでした。
パンティの両端部分に指を引っ掛けると、勢いよく足下へと引き下ろしました。

その時孝太郎くんの視界には、驚きの世界が広がっていました。
股間にびっちりと生え揃った陰毛。むちっとした太もも。
そしてお母さんが、ゆっくりと両股を広げると、黒い密林地帯の下から綺麗な
ピンク色の花弁が顔を見せたのです。

「ママ・・ここが濡れているけど・・これおしっこなの?」
「いいえ違うわ。これは気持ち良くなると出てくる液体なの。おしっこではないわよ」

お母さんはそう言いながら、右手の人差し指と薬指とで、その濡れた花弁の外縁を
クイクイとなぞっていました。

「今から、ここをキレイに拭き取ってくれる?あなたの舌で・・・どう?」
「えっ?で、でもこれ汚くないの?」
「汚くないわよ。もしそうだとしても、ママがあなたにさせるはずなんてないでしょ?」
「ごめんなさい。すぐにするよ」

孝太郎くんは、すっとお母さんの股間に顔を埋めると、一生懸命に舌をピチャピチャ
いわせながら、ピンクの花弁を拭き取り始めたのでした。

「はあああ・・イイ、気持イイわ。も、もっと、もっと舐めてちょうだい・・ああ」

孝太郎くんは、お母さんの声に、更に興奮の度合いを深めていきました。
そして彼は、お母さんの身体全体が小刻みに震えているのを知りました。

(そんなに気持ちがいいなんて・・・ああ僕にも味わえたらなあ)

その時孝太郎くんは、ずっと胸の中で疼いているモヤモヤを解消出来ずにいました。
無理もありません。彼にはそれを解消させる術を知らなかったのですから・・・

「ママ・・いくら舐めても、後から後から溢れてきて全然拭き取れないんだけど・・」
「だ、だってえ、こんなに気持ちイイのは久しぶりだもの・・ああもっと~」

それから数分、いや十数分間、孝太郎くんはお母さんへの奉仕を続けました。

「ねえママ・・僕、もう・・・」

とうとう我慢が出来なくなった孝太郎くんは、か細い声でお母さんに救いを
求めてきました。

「孝太郎も気持ちよくなりたいの?」
「うん。ママを見ていたら、僕もそうなりたいと思ったんだ」
「可愛いわね。じゃあちょっと身体を起こしてごらんなさい」

従順に従うと決めた孝太郎くんは、すぐさま起き上がりました。
パジャマの股間部分が、異様に盛り上がっているのが直ぐに分かりました。

「ほら、自分でこの盛り上がったところを触ってごらん?」

そして云われたところを擦ってみると、その指先と、触ったパンツの中に、さっき
お母さんを触って感じた時と同じ湿り気を感じました。

「僕も濡れている・・・さっきおしっこしたばかりなのに?」
「孝太郎・・それってあなたも気持ち良さを感じているのよ。素晴らしいわ」
「で、でも、僕何だか、ずっともやもやしていて気持ちが悪いよ」
「だったら、ママが気持ちよくしてあげる・・・」

お母さんは、そう呟くと両手をズボンの腰に掛けると、そこから一気に下へとずり
下ろしたのです。

「わああ!スゴイ!」

お母さんの驚きの声、そして孝太郎くんも。

そのオチンチンは、少し皮を被った状態だけど、力強く反り返っていて今にもおへそ
にくっつきそうなのです。
お母さんが驚いたのは、その大きさでした。どう見ても20cm前後はあろうかと
思われます。

「少しじっとしててよ。いいわね?」

お母さんはそういうと、いきりたった孝太郎くんのオチンチンに向かって顔を近づけて
いきました。そしてあと2,3cmというところで大きく口を開けたのです。

するとその時なぜか孝太郎くんが突然腰を引いてしまいました。

「そんなのやめてママ!ここおしっこが出るところだよ。凄く汚いところだよ」
「ばかねえ。ここは汚くないわよ。ママのここと一緒だよ。おしっこも出るけど
気持ちよくなると、キレイな液体も出るところなのよ。あなた、気持ちよくなり
たいんでしょ?」
「うん。そうだけど・・」
「だったら、ママのすることを黙って見ておきなさい。いいわね?」
「うん。わかったよ」

孝太郎くんは、とても不満そうな顔で頷きました。しぶしぶ納得したみたいですね。
だけどその表情も次の瞬間、あっという間に驚きへの顔へと豹変してしまいました。

「ああああ・・・何?何なの?」
「ああ孝太郎・・凄く硬いわあ!」

お母さんは、勢いよく孝太郎くんのオチンチンをしゃぶりたてたのです。
部屋の中いっぱいに物凄い音が響き渡りました。
だけど、お母さんの横では、何も知らない妹がスヤスヤと眠っていました。

「ママ・・すごい!あっああっあああ!何か出そうだあ!」
「いいのよ。そのまま出しなさい。それであなたは気持ちよくなるから」

お母さんの頭が前後に激しく動き始めました。
オチンチンを握っている手も、素早い動きで扱き始めました。

「あっあっああっあああ・・・出る、出ちゃうう。あああああ!」

激しく前後する孝太郎くんの腰。お母さんの鼻が何度もぶつかりました。
そして次の瞬間、その腰は大きく伸び切って動かなくなったのでした。

ごくり・・・
お母さんの喉が大きく鳴りました。
孝太郎くんの精子を全て飲み切ったのでした。

「ああ美味しいわあ。どう気持ちよかったでしょ?」
「う・・ん。凄かった。腰から下が痺れちゃってしょうがないよ」

どうやら孝太郎くんは初めての体験にとても感動したようですね。

「今度はママの番ね」
「また舐めるの?」
「いいえ違うわ。入れるのよ」
「入れる?何を?え?ま、まさか?」

妖しく笑うお母さんの視線が、自分の股間に注がれているのを知ると、
またまた目を剥いて驚く孝太郎くん。

お母さんの慣れた手捌きで愛撫されると、萎れたオチンチンが早くも
著しく反応し始めました。

「さっきあなたが覆い被さってきた時に、ママは確信したわ。
あなたがママを欲しいって事にね」
「僕がママとこういうことをしたかったって事?」
「オチンチンはウソつかないの。男の子はいやらしい事考えるとね、
みんなそこが硬くなるのよ」

お母さんの優しい愛撫の最中、孝太郎くんは気持ち良さそうに、
うっとりとした表情で声を出すのを堪えています。

「ママ、ずっとこうしていたい。この子だけじゃなくて僕の方もちゃんと見て」
「ずっと気付かないでごねんね。これからはもうさみしくさせないから・・・」
「ホント?」
「ええ、だってあなたがもうこんなに大人になっているんですもの」

お母さんは、孝太郎くんを、そっと抱き寄せると首筋から顎にかけてキスをして、
最後に孝太郎くんの口の中に甘い蜜を注ぎ込んだのでした。

「さあ、入れて」

お母さんは孝太郎くんのオチンチンに手を添えながら、ゆっくりと自分の中へと
誘っていきました。彼は云われるままに誘われるままに身体を前へ前へと進めて
行ったのです。

ぬめっとした感触を覚えた瞬間、勢いよく一気に中へと入って行ったのでした。

「ああ!何?凄く柔らかいよ、ああ温かいよ。ママ気持ちいいよ!」
「あああ!そうよそのまま腰を動かしなさい、そう、そうそう・・・あああ
パパより大きいわ!すごいすごい、すごいわ!孝太郎あなた最高よ!ママ嬉しい!」

ぎこちない腰の動きと連動してお母さんの身体が小刻みに揺れ動いています。
片方の乳房にしがみ付きながら、スヤスヤ眠っている妹の身体も揺れています。

「もっと深くちょうだい!」

お母さんは絶叫しながら、片方の脚を孝太郎くんの肩口に乗せました。
そうすると孝太郎くんの下半身が、更に前へと押し出されたのでした。

「ふあああ!もっと奥を突いてちょうだい!もっとよ~ああパパよりすごいわ!」
「ママ、何か絡み付いてくるみたいで・・・何か変な気持ちがするんだけど」
「それってパパと同じ事を言ってるわね。うふふ・・」

孝太郎くんはお母さんの片方の脚を担ぎながら、懸命に腰を前後に動かしている
のですが、それもどうやら限界が来たようです。

「マ、ママ、僕、何かもうダメみたい。また出そうだ。どうしようああっ!」
「いいのよ。そのままママの中に一気に出しちゃいなさい。早くママにちょうだい!」

「あっあっあああ!もう出る、あああママァ!!」

激しい咆哮と激しい腰の動きに、お母さんも堪らず大きな声を張り上げたのでした。
そして二度目とは思えない大量の精液がお母さんの中に注ぎ込まれたのでした。

放心状態の孝太郎くんは、そのままお母さんの胸に倒れこみました。

「よかったわよ孝太郎。ママのためにありがとうね」

余韻をかみ締めながら優しく孝太郎くんの頭を撫でるお母さん。

「痛っ!」

その時突然乳房辺りに何やら痛みを覚えたお母さんは、すぐさまその部分に目をやると、
それまで気持ち良さそうに眠っていた妹が、またお乳を吸おうと目を覚ましたらしいの
ですが、先程までとは違って、更に力強い吸い込みを始めていました。

「まあ、この子ったら、ママを取られたと思って怒っているのかしらねえ?」
「たぶんそうかもね。僕もこの子には負けたくないもん」
「まああ・・2人とも甘えん坊ねえ・・・あははは」

こうして孝太郎くんも妹に負けじと、大きな乳房に吸い付き始めたのでした。

その時2人の子供にそれぞれ乳房を吸われているお母さんの表情は、それまでにない、
大変落ち着き払っていて、そして何物にも動じない微笑を浮かべていたのでした。

                                 (おわり) 

[2006/05/04]

小説(転載)  業の系譜

近親相姦小説
11 /26 2018
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業の系譜
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 拒んでいたなら、私達はどうなっていたのでしょうか。
 しかし、受け入れてしまったという現実は、私達の業というより他はありません。

 私の母は、父が連れ合いを亡くしてからの後妻として、この家に迎えられました。
 その両親も私が5歳の頃に交通事故で死去しましたが、父の残した会社を兄は若いなが
らも盛り立て、私は恵まれた生活を送っていました。
 兄は18にして社長として立ちましたが、辣腕を振るうさまは鬼神と恐れられていると
聞きます。
 自慢の兄に守られ、私はすくすくと成長しました。
 それが崩壊をはじめたのは、小学校の健康診断の結果でした。
 その時の私には理由もわからなかったのですが、兄の動揺はただならないものでした。
 その時以来、兄は私によそよそしくなり、私は不安な思いを抱えたまま過ごすこととな
りました。
 思えば、兄の振る舞いは、私への調教の一環だったのです。鬼畜の道へと私を誘うため
の。
 そして、あの夏。



「お兄様。本当に10日も一緒にいて下さるの?」
 兄と二人の旅行に、私は幸せを感じていました。
「ここの所忙しくて、寂しい思いをさせたからな。いっぱい可愛がってあげるよ」
 はしゃいでいた私には、兄の心の内など気付きもしませんでした。
 ただただ、昔通りの兄が戻ってきたと信じていました。

 別荘に付き、別荘番の老夫婦の手料理で夕食を取ると、旅の疲れからか私は早くに寝入
ってしまいました。
 夜中の2時ごろでしょうか、私は息苦しさで目覚めました。
 何か酷い寝相で寝ていたのでしょう。寝巻きがめくれて足元が涼しく感じています。
 手を高く上に伸ばし、足はだらしなくがに股で開き、電気も付け放しでした。
 いえ、電気は消してあったはずです。
「やあ、起きたのかい。もうすこし寝ててもよかったのに」
 兄に声をかけられ、私はようやく我に返りました。
「お兄様?」
 私は起き上がろうとしましたが、
「手が」ベッドの手すりにタオルで縛られています。
 開いた膝を合わせて、下に何も着けていない事に気付きます。
 それだけでも幼い私にはショッキングな事でしたが、佇む兄の姿を見たとき、より大き
な驚きが待っていました。
 兄は、一糸まとわない姿で私を見下ろしていたのです。
「何?お兄様。何をしているんですか」
「ただね、記録を取っていただけだよ」
 にこやかに答える兄に、私はぞっとしました。
 怒張した一物がピクピクと脈打っているのまで、まざまざと見せ付けられ、私は顔を背
けて聞きました。
 これは冗談か何かであって欲しいと願いつつ。
「何・・・の?」
 兄は私のほほに怒張を押し当て、しばらく黙っていました。
 混乱する私に、兄は言い放ちます。
「汚されていない君の最後の姿だよ」
 と、数枚のプリントアウトを見せられます。
「よく撮れているだろう」
 デジタルカメラのプリントアウトの中で、私は大きく足をひろげた格好で寝入っていま
す。
 また、指で大きく広げられた秘裂もあります。お尻の穴まではっきりと写ったそれは、
まさに私のそれでした。
 私はあまりのことに、声も出ません。
「顔は消しておいてあげるから、大丈夫だよ」
 と、兄は私の足首と膝をつかむと大きくねじる様にして持ち上げたのでした。
「嫌っ」
 抗おうとしましたが、身体に力が入りません。秘所を閉じようにも、もう一方の足を持
ち上げる事もできません。
 兄は膝をタオルで縛ると、その端をベッドに繋いでしまいました。
 片足を上げた格好で縛られた私は、体を捻って逃れようとしますが、簡単に引き戻され
てしまいました。
 もう一方の足も持ち上げられ、寝たままあぐらをかいた姿で固定すると。兄は私の秘裂
に指を這わせました。
 恥ずかしさとくすぐったさのあまり私は身悶えしましたが、兄の手は止まりません。
 毛の生えてもいない割れ目が兄の手で大きく広げられます。
 ひろげた足の間で兄が私の秘所を食い入るように見つめています。
「いいかい。気持ち良くなるように努力するんだよ。でもないと」
 いきなりでした。兄の指が体の中に潜り込んできたのは。
「痛い。やめてください」
 もぞもぞと胎内をまさぐる指使いに、私は涙を流して哀願します。
「痛いのかい?」
 オナニーもしたことのない私の膣口は固く閉じています。
 ゼリーも使わないでまさぐられるのは、苦痛以外の何物でもありませんでした。
「ええ」
 でも、兄は指を止めません。
「ひいぃっ」
 思わず悲鳴が漏れました。突然兄が爪で胎内を引っかいたのです。
「我慢するんだよ。もうすぐ、もっと痛いことをするからね」
 兄の舌が太股に伸びます。ちょんちょんとなでるようにして、舌は秘裂に近づいたと思
うや、そこを舐めあげました。
「声はいくらでも上げてもいいからね」
「ひっ」
「ふふっ。しょっぱいなあ。シャワーを浴びてからトイレにいったね」
 兄は丹念にあそこを舐め続けます。発達していない女性器はべちょべちょになって、よ
だれはお尻の穴にたれて行きました。
「おしりはどうかな」
 兄は何かの棒で肛門を刺激しました。
「きゃ」おしりへの刺激できゅっとお腹に力が入ります。
「おっ。締まった。いいよ。その感じを覚えようね」
 兄の指は未だにまさぐり続けています。
「うっ・・・ううう」
 少女の身体とはいえ、そろそろ初潮をむかえようという歳だからでしょうか、指と粘膜
との抵抗は薄らいできていました。
 快感も何もありませんでした。それでも身体は私の意思などお構いなしに潤滑液を分泌
しはじめたのです。
「初潮もまだなのに。それでも、男を悦ばせる体になりかけているんだね」
 兄は独り言のように言います。
「もうじき10歳だっけ。こんな小さな身体でもう」
 指が抜かれます。胎内の異物が無くなった時、ほっとしたのと同時に、信じられない事
に、私は喪失感を感じていました。
 気持ち良かったわけでは決してありません。
 恥ずかしさと悔しさは、今でも思い出せます。
 それでも、確かに私は思ったのです。抜かないで欲しいと。
 思い返すたびに感じます。あれこそが、業だったのだと。
「さて、じゃあ次は陵辱された少女の記録だ」
 ぎしり。
 ベッドに乗ってきました。真正面から向き合い、見つめる兄は哀しそうな目をしていま
した。
「いくよ」
 怒張をあてがうと、一気にのしかかって来ました。
 ず、ずずっという抵抗感の後、み…むりっという痛みが襲ってきます。
 陰毛が生えるどころか初潮すら未だ見ない私の膣に、兄の一物がねじ込まれて行きます。
「お兄様、やめてやめてやめて。ごめんなさい。私、悪い事したのなら誤るからやめて。
お願い」
 お腹の中の一点に兄の重みが掛かりました。未発達な膣は深さが足りなかったのです。
 ずずずっと引き抜かれ、再び、三度・・・永遠に続くかと思われた苦痛に、気は遠くな
って行きます。
 不意に兄の動きが止まりました。どくん。とくっとくっ。
「やめて・・・お願い」
 おなかの中に何かがひろがって行くのが感じられました。
「精液を飲み込むまで、待っていなさい」
 精液。赤ちゃんの素。授業では只の知識として教わったものが、身体に注ぎ込まれてし
まいました。
「いやぁぁぁ」

 引き抜かれた時、馴染んでいた痛みがぶり返すくらい、兄は長い事私の胎内に留まって
いました。
 その間、私は嗚咽を漏らし続け、兄はそんな私を、微笑みながら見つめていたのでした。
 子供ができる事はなくても、胎内に広がる温もりは、文字通り穢れとして感じられます。
 不思議と哀しみも、悔しさも浮かびません。ただ、疲れていました。
 脚の拘束が外されましたが、それももうどうでも良いくらいに。
 しどけなく開いた脚の付け根から、流れ出しているのも、血なのか精液なのかはよくわ
かりません。
 兄はその姿も写真に撮り続けていました。
「ふふっ。可愛いよ。これでお前はお兄ちゃんの奥さんだよ」
 耳元で囁く。
「奥さん・・・?兄妹なのに?」
「兄妹なんかじゃないんだよ。僕達は」
 その言葉を最後に、私は眠りへと落ちていきました。
「父さんはA型。義母さんはO型。・・・お前はB型なんだ」
 兄とは兄妹ではない。それは嘘ではなかったのです。
 しかし、恐ろしい真実はそのとき私の知るところではありませんでした。


 夢を見ました。
 幼い頃の夢でした。
 夢の中で、私は夜の長い廊下を歩いて行きます。
 どこだろう。
 ずいぶん長く歩いているような気がします。
 なぜか、お腹がひどく痛みました。
 突然寂しくなり、私は膝を抱えて座り込んでしまいました。
 涙が溢れてきます。
 私はどうしてここにいるのだろう。
「おまえ、自分のしたことが判っているのか」
 お父様の声が、どこからか聞こえました。
「ごめんなさい、あなた。でも自分でもどうしようもなかったの。どうかしてるのよ私」
 お母様の声も聞こえます。
 わたしは、お父様とお母様の姿を求めて辺りを見まわします。
 声は目の前ふすまから漏れてきているようです。
「この恥知らずの売女め・・・貴様を放り出してやりたいが・・・そうもいくまい」
 バシッ。キヤッ。
「こんなこと、公にしてみろ。どれだけ世間の物笑いになるか」
 喧嘩のようです。私は怖くなって耳をふさぎます。
「ごめんなさい、あなた。ごめんなさい」
「いいか、あの子はこれからも私達の子供として育てる。このことは誰にも知られるんじ
ゃないぞ」
 あの子?私達の子供?
「兄妹なんかじゃないんだよ。僕達は」
 いつのまにかお兄様が隣に座っています。
「父さんはA型。義母さんはO型。・・・お前はB型なんだ」
 お兄様はにっこりと笑いかけます。
「お兄様・・・私はお兄様の妹じゃないの?」
 妹だと言って欲しかったのです。
「いいや、お前はお兄ちゃんの奥さんだよ」
 いつのまにか兄と私は裸になっていました。
 否応も無く押さえつけられた私に、兄の一物は無理やりに侵入してきました。


 はっと気がつくと、窓の外は明るくなりかけています。
 しばらくぼおっとしているうちに、異常に気付きました。
 目が覚めても私は胎内に異物を感じているのです。
 陵辱のためと思った私でしたが、確認しようとした瞬間、それはぶるるんと震えました。
「あああ」私は思わず声を上げます。
 まさぐると、秘裂に食い込む皮紐で固定された棒が私の膣にはまっていました。
 紐も腰の所をぐるりと巡り、端は小さな鍵で止められています。
 棒から伸びるコードを目でたどります。
 見まわすと兄が椅子に腰掛けて笑っていました。
 棒から伸びた長いコードは、兄の持つ機械に繋がっていました。
「ははは、リモコン少女」
 兄の嘲笑が、私を打ちのめしました。
「バイブだけだとすぐに抜けるからね。それを着けさせてもらったよ」
 と、兄はまたボタンを押しました。
 ぐにゅんぐにゅん。今度はバイブは身悶えするように動きます。
「いたっ」破瓜の傷痕を擦られ、鋭い痛みが蘇ります。
「じきに慣れるよ。それはまだ一番小さいバイブだからね」
 と、不意にお腹にも異変を感じました。ぐりゅぐりゅぐるるる。
 猛烈な蠕動に、私は冷や汗が出てくるのを感じました。
「お腹のほうも仕込みが効いて来たね。少なすぎたかなと心配してたんだけどね」
「お兄様…何?」
 兄は手もとの器具をひょいとつまむと、振ってみせた。
 注射器…にしては太いその器具が何か…
「浣腸は基本だよな」
 浣腸・・・その言葉は、ひどく現実感が感じられないで耳をすり抜けてゆきました。
「おトイレに・・・行かせてください」
「いいよ」
 私の哀願に、兄は不思議にも了承したのですが。
「あうんっ」
 バイブの振動が腸を刺激する上に、繋がったままではコード一杯までしか行けない事に
気付きます。
「ついていって欲しいのかい」
 私は声も出せません。
「え?何だい」
「一緒に、来て…」
 兄の目がきゅっと細められる。
「ください、は?」
「いしょ、に、きて・・・く・・・ださい」
 それから、トイレまでの十数歩は地獄でした。
 ただでさえ一歩歩く毎に便意をこらえているのに、挿入れたままのバイブのスイッチが
ときおり入れられるのです。
 それでも、なんとかたどり着いた先は絶望でした。
 空かない・・・
 トイレのノブが、ガムテープで固められていたのです。
 お腹を締めたとき、バイブの振動が一段と感じられ、私はへたり込みました。
「いけないな、こんなところでしたいのか?」
 兄はにやにやと笑いますが、朦朧とした私は答える気力もありません。
 とても現実とは思えない出来事に、私の思考は完全に麻痺しています。
「仕方ない。この上でしなさい」
 と、差し出した布に、私は躊躇なく放便したのでした。
 便意に麻痺していた私が我に返ったのは次の瞬間です。
「わたしの・・・制服!?」
 それは、まぎれもない私の学校の制服でした。
「いやーっっ」しかし、一度出始めた大便は止まりません。
 ぶりぶりぶり。ぷひっ。ぶぶっ。ちょろちょろちょろ。
 大便のみならず、つられて小便までもが迸りました。
 汚濁の塊は湯気を出して制服の上に積みあがって行きます。
 一通り出切ると、制服のネッカチーフで兄は汚れたお尻をぬぐいました。
「うぐっうっうっえっうえっ」
 のどの奥から嗚咽が漏れます。
「この分じゃ帰る時は裸だね」
 兄の非情な言葉に、更に嗚咽は深まって行きました。
 しかし、そんな哀しみも生ぬるい事を思い知らされます。
 壁に頭をつけて泣きじゃくる私のお尻に、何かが押し当てられました。
 それは、次の瞬間、
 づぶっ。
「ひいっ」
 私のお尻は兄に貫かれていました。
「おおっ、締まる」
「あぎいっ。うぷっ」
 腰を持ち上げられた私は、逆さ釣りとなりました。
 そして運の悪い事に、自らの汚濁に顔を埋めることとなったのです。
 石鹸のような苦味を伴った液が口に、鼻に入ってきます。
 前の穴はバイブに犯され、後ろは兄に貫かれ、汚濁にまみれて、私は何かが切れるのを
感じました。
 ずこっずこっ。ヴルンヴルン。ぴちゃぴちゃ。
 何もかにもが悪い夢のようで、私は思わず笑い出していました。
 ふふっふふふっ。ふふふふふ。
 力なく兄のものを受け入れたとき、私の腰を電流が駆け巡ったのでした。
 今まで思いもしなかった感覚が、背中から上ってきます。
「ああ・・・お兄様・・・もっと。やさしくして」
 深く貫かれながら、何故か幸福感を感じていました。不幸と幸福、何もかもが逆転した
瞬間でした。
「こうか?」
 前に伸びた兄の手がお腹を支えつつ、秘裂をまさぐりました。
 昨夜は感じなかった快感が、そこから溢れます。
 もう一方の手が胸を乱暴に揉みしだきます。
「もっとぉー」
 鋭い痛みが、快感となって声に出ます。
「お尻に力を込めなさい」
-その感じを覚えようね-
 私の脳裏に昨夜の言葉が閃きます。
 きゅっと力を込めてみます。
 ヴルルンヴルルン。バイブの振動と兄のモノをより一層強く感じるようになりました。
「いいっいいよ。気持ちいいよ」
 きつきつの直腸を兄の剛直が押し開きます。
 強烈な腹痛が襲いますが、それもすぐに快感と変わります。
 ひとしきりの抽送の後、ひとおし強く打ち込むと、兄は動きを止めました。絶頂に達し
たのです。
 びくびくと精を放つ男根を感じつつ、私はあえいでいました。
「あぐっお兄様・・・もっと」
 兄は私を貫いたまま抱き上げると、汚濁のこびり付いた顔にくちづけしました。
「お兄様、やめて。汚れているの」
「お前の出したものなら、汚くないさ」
 私はこの言葉が欲しかったのでしょう。涙が溢れて止まりませんでした。
 このままずっと貫かれて居たい。そんな気分でした。
 しかし、兄は私を降ろそうとしたのでした。
「お兄様、もうしばらく・・・」
「ちょっと催してきたんだ」
「このままでいいわ。お兄様の全てを私に・・・」
 一瞬の後、お腹の中を迸る放水に、再び幸福をかみ締めたのです。

 その後、兄の調教は苛烈さを増して行きましたが、私は幸福でした。
 昼はバイブをつけたまま、時には浣腸されたままで散歩し、夜は遅くまでセックスして
過ごしました。
 兄の小便を飲みほし、排便の後始末も舌で出来る様になりました。
 こうして、小学四年生の私は牝奴隷として過ごす事になったのです。



 いつしか年は過ぎ、中学校に上がる以前、初潮も迎えることなく私は妊娠し、双子の娘
の母となりました。
 世間から隠れて産んだ我が子は、偽の戸籍から兄の隠し子として認知され、私の姪とな
り、それから10年。私は未だに牝奴隷として兄に飼われています。
 色々な事がありました。私の本当の父親が母の日記で判ったのです。
 それは更なる絶望と、例えようもない快感をもたらしてくれました。
 所詮、あの夏に兄の行為を受け入れた時から、私の人生は兄のものなのです。
 今、兄の調教を手伝い、新たなる幼い牝奴隷を作りながら、私は感じます。
 あの夏は終わらないのだと。



 兄の血液型はAB型だったのです。

(終わり)

小説(転載)  ただいま

近親相姦小説
11 /26 2018
タイトル : ただいま

 東京 板橋――
 その中心を走る国道沿いの程よい場所に八階建てのとあるマンションがある。玲子
という女性がオーナーのそのマンションは、作りは瀟洒で、セキュリティ関係も駐車
場も万全、しかもオーナーの出す条件さえ満たせば更に割引と言う実にお勧めな物件
であった。実際、お得さにおいては区内で五指に入り、近在の不動産屋の間では“本
音で言ってのベスト1”に入っているほどだ。
 ただ、これを読んでいるあなたがここに入居できるかどうかは別問題である。実
際、そこの住人達は――ちょっと世間の常識とは変っている人達ばかりなのだか
ら……

―― “変わっている人達しか住めない”のではなく、住んでしまうと変わった人に
なるという説のあることも、一応、付記しておくことにする。


 六○一号室――

「ただいま」
 慎一はいつもの小さな声で自分の家へ帰ってきた。いかにも力ないその様子は、や
たら可愛い顔立ちと背は年齢並にしても細くて白すぎる体つきには、嫌になるほど
合ってはいる。これが“女の子”だったら将来が実に楽しみな逸材であったろう。
 ――しかし、その名の通り、慎一君は男なのであって……
「あーーあ。また、やられたのか」
 ちょっと低めの声と同時に、奥から大柄な影が現れた。慎一はその声にびくっ!と
しながらも、何故かすりよりたいかのような泣き顔になる。
「まあ、いい。早くあがれ。今日からはさすがに何とかしてやろう」
 実に男らしい台詞が、その人影――ライオンのたてがみのような豊かな髪に、きっ
ちりとタンニング(日焼け)した肌、そして、筋肉のみで作られたほぼ完璧な造形美
の身体をTシャツとスパッツだけで包んだ女性がさらりと口にした。信じられないか
もしれないが、この女性は慎一の――
「……ママ……」
「あーーもう!泣くんじゃないよ。またクラスの女の子に虐められたんだろ。言わな
くたって判るよ。その顔の泪の跡を見れば!」
 二人並んだら絶対、実の母子とは思われないであろう。しかし、この二人――どう
みてもはかなげな美少女の男装にしか見えない息子“慎一”と、フィットネスクラブ
でエアロビとボディビルのインストラクターをやっている逞しい母“虎美”は本当の
母子なのであった。

 母の寝室に連れられながらも息子は、声を押さえながらしゃくり始めた。いつもの
事だが母が自分の不幸を慰めてくれると言う信頼の故である――同情されると泪がで
てくるものなのだ――男の子って。
 まあ、いつもなら、元気付けてくれるのは、リビングのソファであり、今日に限っ
て、何故、母の大きなベットに腰掛けさせられたかについては、息子は今だその違い
にすら気がついてはいなかったのだが。
「いいか。ママはいじめに対して肯定的なことは言わないが、泣いたって誰も助けて
はくれないのは確かな事実だ」
 母はそう言うが、この慎一のいじめに関してはそれなりに複雑な事情があった。
 まず、同性からのものではないことだ。これは同じマンションのお兄ちゃん達(空
手の功司君とか柔道の巧君とか)が近所のよしみで長年周辺の小学校、中学校に睨み
を効かせているおかげである。誰であれ男が慎一をいじめようものなら、きつーーい
折檻が待ち構えている事は何度も“実際に”確認されていた。だから男で慎一を虐め
るものなどこの校区には存在しない――
 しかし、お兄ちゃん達も男であるから、“男社会”には顔を利かせられてもそれ以
外はちょっと――ということはある。ぶっちゃけて言えば、慎一の周辺の“女の子”
達には支配力が及ばないのであった。
 要するに、“外見美少女そのもの”の慎一を現在、虐めているのは学校の『女の
コ』なのである――
「不細工な女ガキ共がお前を虐める理由はひとえにお前の外見にある」
 同じ美形でも母とは違い気弱げかつ儚げな――ちょうど守ってあげたくなるようで
あって――それがいけなかった。つまり、どう努力したってその域には届かない世間
一般の女ブス達の運命的な反感を一身に背負っていたのである――それが毎日の慎一
君の泣きべそとなっていたのであった。
「と言って、その外見を変えるわけにもいかない。せっかく、ママ似なんだし…
(?)
 だから、ママが慎一に女向けの攻撃法を伝授してやる。習得には厳しい修行が必要
だが、しっかりマスターするように」
「はあ…」
「まずは特訓の準備だ!」

 ――どこかの師範みたいな口調の実母に命じられるままに準備をした慎一はおずお
ずと口を開いた。
「ねえ、ママ」
「ん?」
「どうしてママはレオタードに着替えているの?」
 息子の教育のためのわざわざ着替えた母は堂々と答えた。
「ママの仕事着だからね。これが一番気合が入るの」
 ベットに腰掛けた虎美は豹柄のレオタードを装ったみごとに鍛えぬかれた身体をし
ならせる。贅肉や無駄や油断はかけらもない、しなやかな筋肉が流れるように、そし
て美しくその女体を形作っていた。息子の慎一の脳裏に、『美しい“牝獣”』――と
いう単語が思わず浮かぶ。
「じゃ、じゃあ……どうして、僕は裸なの?」
 胸の無い少女のようなか細い――白い裸身のままでベットの脇に立たされた慎一
は、恥かしさに消え入るような声で――しかし、真剣に問うた。いくら実の母子とは
言え、この年になっての全裸は恥ずかしい。いったいどういう理由で、母の寝室で息
子が裸にならなければならないのか――
「もちろん、今から行う特訓のためだ」
 母は揺るぎ無い自信を込めてきっぱりと言いきった。
「そ、そうなの?」
「そう!」
 母にそこまで言われてはそれ以上の反抗は絶対に出来ない息子である。
「いいか。慎一」
 母はそんなか弱い息子の薄い両肩に力強い両手をかけた。
「相手はブスでもカスでも、一応、“女の子”だ。だから、普通の暴力はできない。
お前が男の子である以上、どんな理由があろうとこっちが悪者になるからな」
「うん…」
「しかし、世の中には“暴力”にはならない“攻撃”というものもあるんだ。これな
らば相手は――特に女には有効だ。反撃するどころか絶対にお前の言う事を聞く――
いや聞かざるをえないようになる」
「……うん……」
「幸い、お前はママに似て美少年だ。今から教える技さえ習得すれば女相手には無敵
となろう」
ほんとかな――と言う顔を慎一はしたが母は意にも介さなかった。
「ではいくぞ」
「え?」
「まずは基礎からだ」
「え?え?」
「基本その一!口技!」
 ぐん!と風を切って母の鋭い、しかし、かなり美人な小麦色の顔が息子の視界に急
接近した――と思う間もなく、母の両手が息子の頭を後ろからがっしりとつかむ。そ
して、驚くその唇へふわりと生暖かい――そして柔らかくていい匂いのするものが触
れた。
(う…)
 それが母の唇だ――と理解したと同時に、その真っ赤な唇の間から刃のように舌が
刺しこまれ、あっという間に慎一の口の中に侵入する。
(ううっ?!)
 母の唇が息子の口を封鎖するように密着するなか、その舌は思うが侭に息子の口内
を蹂躙、かつ、ねぶりつくした。産まれて初めての箇所への初めて味わう感触に慎一
は動転するが―――ボディビルダーの母の腕力にしっかりと抱えられた頭は全力でも
動かせなかった
 しかも、その無駄な抵抗に煽られるように母の舌の動きはさらに加速する。母の唾
液に口中を染められる感触に、爆発的なほどのびりびりした痺れが口から脳髄に走
る。
「――――以上が、一般的な攻撃だ」
 どれほどの時間が経過したかわからないくらいに、とろんと酔った慎一にようやく
母の声が聞こえた。――と言うことはキスは終わっているのであろう。
「唇を接触させただけでは、ほんの挨拶でしかない。本気で好きな相手ならそれでも
感動だけど、普通の相手なら是が非でも舌を刺しこまなければ始まらないのだ。その
際の基本は、今、やってみせたように“吸う”、“弄る”、“舐めほじる”、“甘噛
み”――」
 実に冷静な母の指導であったが、息子は半分も聞いていない。上気した顔のまま、
母の手にすがるように身体を支えている。腰すらもがくがくとふるわせて――無理も
ない。初めてキスを―それもの飛びきり濃厚なやつを――しかも、世界で一番好きな
実母にしてもらったのだから。
 いや、キスそのものの意味は判っていなかったかもしれないが、母の舌技はそれで
も――それこそ腰まで痺れるくらいに強烈であった。
「どうした?何をぼけっとしている?」
「あ、は、はい…」
「実戦的に技の説明と実技の練習を混ぜるからな。ちゃんと憶えておけよ」
 息子の動揺には一切構わない母である。
「じゃ、次は胸だ」
「え?う?あ?」
「まずは、脱がすところから。さあ!」
 さあ!――と言ったって慎一にはわけがわかるはずもない。実母は自分のレオター
ドを脱がせて、その戦闘的な乳房を剥き出しにせよ!と命じているのであるが――さ
すがにそれが、男女にとっての非常事態であることは、“うぶで世間知らずでたった
今まではキス以上はしたことがない”慎一にも判る。
 まして、今ここにいる二人はただの男女ではない――実の母子ではないか!
「あ――っ!もう!のろのろしない!ママに言われた事はすぐやるっ!一日百回は
言っているでしょう!」
 良識外の命令に硬直した息子は、次の母のやや怒り気味の叱責に――寸前までの躊
躇や常識を急いで捨てて――ゼンマイを巻いた玩具のように動いた――見事なまでの
条件反射である。
(わあ…!)
 慌てていた分、情緒のない息子の手の動きに母のセパレ―ツになっているレオター
ドの上部が外され、その下から狂暴かつ巨大な握り拳みたいな――固くきっちりとし
た――そして、そこすらも黒くカリビアンに日焼けした乳房が剥き出しになった。
(ママのって…綺麗――)
 思わず、慎一がそう思ったのは、多分にえこひいきの故もあったであろうが、公平
に言って誇張ではない。一般にいう“巨乳”のような“柔らかな豊さ”ではなく、む
しろ“歯応えのある瑞々しさ”の乳房と乳首が威嚇せんばかりに母のしまった胸で自
己主張している。
「も―――う!脱がせかたがなっていないぞ!確かに乱暴を喜ぶマゾもいるけど、そ
うでないものも一杯いる!あくまで基本は『情緒を持って丁寧に』、あるいは“優し
くゆっくり確実に”だ!
 ちなみにママはマゾじゃない!」
 ぽや~~としている息子に母の叱責が飛ぶ。母の“固そうな”双つの胸の塊に見と
れていた息子も、慌ててばたばたした――が、だからと言ってここから先を理解して
いるはずもないのだが。
 結局、動転するだけの息子に母は痺れを切らして叫んだ。
「女の胸を剥き出したら、次は口と指で奉仕する!
 あ―――っ!もうっ!部屋中探しても隠した本やビデオがないんでまさかとは思っ
ていたけど、こんな“常識”も知らないのか!?ママは家庭内教育を誤った!」
 母は絶叫しているが、何を怒られているかも判らない慎一である。いったい、何が
“常識”で、どう“家庭内教育を誤った”なのであろうか?
「ぐずぐずしない!このまんまじゃ、ママだって恥ずかしいでしょ!」
 取りあえず慎一は怒鳴られるがままに実母の胸にむしゃぶりついた。慌てていた
分、雑な動きだったが、その歯と舌を母の乳房の張り詰めた弾力が見事に受けとめ
る。まるで熱く良い香りの“肉塊”にむしゃぶりついたかのようであった。

「そう、そ…そこ…ゆっくりと――」
 数分後、慎一の手と口は、母の指示通りに母の胸の上で動いていった。固い乳房が
握られ舐められ、固くなった乳首がつまれて舌で転がされる。
 とにかく夢中で真剣に慎一は動いた。さっきまで強気だった母の声が急に間延びし
てきたことや、或いはその母の――表情のみならず――全身の太陽色の肌にあわやか
な桃色が混ざりつつあることに息子は気がつく余裕はない。ただ一心不乱に舌と指を
蠢めかせたのだ
「……なかなかだな。筋が良いぞ。慎一」
 ――どれくらい時間がたったか判らなくなったほど熱中している息子に母は――上
気した声で――優しく囁いた。
「――これなら、うちのジムの生徒の中でもトップの…麻美や由紀子なみだ…」
 とにかく夢中で実母の胸を咥え舐めしゃぶっている慎一にはよく意味が判らない
が、誉められている事は確かなようだ。そして、母が“悦んで”いるらしいことも…
「しかし、これが邪魔だな」
 言いざま、母は自分の胸にむしゃぶりついている息子の股間に手を伸ばし――握っ
た。
「!」
 慎一が悲鳴を上げる。突然、母に股間の肉棒を握られたんだから無理はない。しか
もそこはさっきから本人もちょっと困るほど硬直して――
「なーーんだ。これは。さっきからぴたぴたと身体にあたってうっとしい。特訓中に
何をしてんだ」
「…!!!」
 常識的に考えてみれば、生まれて初めて――実母とは言え――女とキスをし、その
胸を愛撫しているんだから、慎一の“男の子”の部分が臨戦体制に入るのも無理はな
い。が、まあ、性知識にとぼしい慎一にも、さすがに実母の身体に勃起し、しかもそ
れを握られていることが“やばい”ことくらいは判る。
 慎一は無理な姿勢のまま――握られたままですから(笑)――第三者が見たら笑え
るくらいにあせり顔色を変え――そして何をして良いかもわからずにいた。
「しかたないな」
 大好きな母はそんな息子を頼もしくも助けてやるようであった。ちなみに声に落ち
着きが戻っているのは、その胸への愛撫が息子のパニックにより中止していることと
無縁ではない。
「確か、男は“ここ”を小さくしなきゃ落ち着けないんだった。いいよ。ママが小さ
くしてやる。ここに立って!」
 母の命ずるままに息子は身体を起こし、ベットの上に立つ。そうするとその前にひ
ざまづいた母の目の前に、股間がいき――さっきから痛いほど勃起していた肉棒が本
当に天をつかんばかりにいきり立っているのが母の鼻先につきつけたような形になっ
た。
「ふーーん。結構、大きいいじゃん」
 母はしみじみと呟いた。何故かはわからねども、それだけ息子は恥かしさで真っ赤
になる。だから、その母の声がわずかに上気したことまでは気がつかない。
「なかなかに固くて熱かったけど、大きさもこれとは――慎一。よかったな。お前の
ここはすごく男らしいぞ」
「……」
 真面目に母は誉めているんだが、“息子”としてはなんと応えて良いかわかるはず
もない。
「でも、この大きさだと…入るかな?」
 呆然と混乱の混合状態にある息子に比べて、ある意味で冷静な母はそう呟きなが
ら、顔を息子の肉棒に寄せた。そして――
 “ぱくっ”
「わ?!」
 妙な音と感触に急いで下を見た慎一が見たのは――
「マ、ママ!何を…僕のおちんちんを…」
 咥え――いや口一杯に頬張るなんて!
「……」
 動転する息子には構わず、母はしっかりと口と舌と手を使っていた。言ったよう
に、息子の肉棒は“結構な”大きさだったが、何とか“母”の口に入れたらしい。喉
にあたるほど飲みこんでも、全部は入りはしないのだが、ま、これでも十分ではあ
る。
「ま、ママ…」
 肉棒への母の口の愛撫はすぐにも息子を虜にした。熱いぬめりと柔らかな口腔の圧
迫にまるで別の生き物のように蠢く舌の感触に、息子の“まだ”大きく固いだけの肉
棒は過剰なまでに反応し、ほとんど“あっ”と言う間に爆発したのである。
「あ、な、何か、出ちゃう…」
「○△□!(駄目っ!)」
 初めての快感に腰から脳髄まで痺れさせながらも――慌てて腰を引こうとする慎一
の腰に母の力強い両腕が抱きつく。もとより力で母に抵抗できるはずもない。その姿
勢のまま、慎一は爆発して発射された何か――男の子のミルクを母の口腔に全て叩き
つけた。

「――美味しかった。量も勢いもすごいし」
 全てが終わってからようやく母は口を息子の肉棒から離し、恥かしさと快感の余韻
にぼうっとしている息子を見上げた。喋った拍子にその口の端に白いミルクがこぼれ
る。母はそれを舌でなぞって飲みこんだ。
「慎一。おまえ、女相手の戦いは才能があるぞ。アメリカの映画でもこんなすごいの
は見たことがない。ママとしても他の男なんぞは触りたくもないけど、こんな未完の
大器なら腕によりをかけて本物にしてやる」
 満足げにうなずく母であったが、うぶな息子は三分の一も理解できていない。
「さ、これで小さくなっただろう。特訓を続けるぞ!」
 次に母が命じたのは、男からの口淫であった。
「ちょうど女の攻撃は見せたけど、原理はちょっと違う。舌中心の責めになるんだ」
 慎一は言われるがままにベットに横たわり、その顔の上に母が覆い被さる。豹柄の
レオタードはすでに脱がされ、息子の目の前に濃い陰毛の叢とピンクに近い女の肉襞
が剥き出しになる。どちらもすでに湿っていたが、その意味まではまだ息子には判ら
ない。
「まず、その豆みたいなのをちょこっと舌で触り――それから、襞のあるあたりをな
ぞる――たまにその中に入れて…」
 母の命じるままに一生懸命舌を動かす慎一であった。今度はこっちの攻撃だからす
ぐには終わるわけもない。集中しているから時間もわからないが、それでもやがて、
母の声がさきほど以上に昂揚していく。さらに次には目の前の母の秘所が湿り気をま
し――ついには蜜のような熱い液体が母の肉襞の中から息子の顔をびしょびしょにす
るくらいにあふれ出てきたのである。そして――
「あ…あ――っ!」
 突然、息子の顔の上の母の裸身が電気にでもうたれたかのように硬直し――次には
崩れ落ちた。息子には判らなかったが、母は“絶頂った”のである。ほんのわずかな
間とは言え、腰が立たなくなり、そのまま母の秘所は息子の口に押しつけられた形に
なった。慎一の顔面は熱さとぬめりと濃厚な甘い香りに一杯になる。その濃すぎるほ
どの圧迫に息子は何故か満足感と悦びを覚えたのであった。
 しばらくしてから、ようやく元に戻った母は腰を上げ、ベットに仰向けのままの息
子に覆い被さっってキスをした――さっきの愛撫ではない本当のキスを。
「すごいぞ。慎一。ママを舌だけでいかせるなんて」
「そ、そう?」
 喉を鳴らす牝虎のようにうっとりとした母の台詞を、息子は今一つ理解していな
かったが、まあ母の上機嫌が嬉しくないはずもない。はにかみながらも慎一は微笑み
返した。
「絶対にお前は才能がある。ママの女生徒の中にもこんなに舌使いの上手いのは何人
もいない。男に舐めさせたのは初めてだから、興奮したのかもしれないけどそれを差
し引いても立派なものだ」
「はあ」
 思わず慎一は“へへ――”と笑ってしまう。のんきなものだ。
「しか――し」
 恥かしくも幸せな息子の笑顔が引きつった。またしても母の手が伸びて――
「まーーた、大きくしている!これだけははしたない!ママはおまえの実の母親だぞ
!冷静にならんか!」
 あんまりな言いざまであった。いくら、息子が、また股間の肉棒をかちんかちんに
しているとは言え――ベットの上で全裸の健康な美少年に全裸の野性的な美女が寄り
添っているのである。反応するなというほうが無理であろう。まあ、実母相手と言う
のは問題なのかもしれないが…それを言うのなら!
「ご、ごめん…」
 母にまた硬直をむんずと掴まれた息子は消え入りそうな声を出すが、それには反し
てその股間の“男の子”はいっこうに静まってはくれなかった。むしろ母に握られて
いることによって硬度と角度を増してすらいたのだ。
「仕方がないな」
 母はわざとらしくため息をついた。
「ちなみに性教育として教えるが、この男のおちんちんをこのように固くしたのを、
女の“ここ”――さっきお前が舐めたとこに入れるのがSEXだ。男はそこでああこう
するとさっきママの口でしたように“射精”して良い気持ちになる。判ったな?」
 淡々とした声の正確な教育ではあるが、その“おちんちん”を母に握られたまま言
われているのだから、息子としては声も出ない。
「ただし、SEXは誰ともして良いと言うわけじゃない。
 今まで教えたように女への攻撃に使うのならともかく、通常は一番好きな女相手
じゃないとしてはいけないんだ」
「……」
「だから、練習の時はママが口とか手で小さくしてやっても良いが、普通は慎一の好
きな女の子以外にこう大きくしてはいけないんだ。判ったな?」
「はあ…」
「よし。それで良い。いつでもどこでも誰とでもと言うのはさかりのついた獣だ。慎
一はちゃんと節度を持ってここを使うんだぞ。で――」
 次の質問はさりげなかったが、その実、精一杯さりげなさを装ったものであった。
「慎一はどの女の子が一番好きなんだ?」

 母の演技まで読み取れるほどの慎一ではない。だから即答できなかったのは、質問
内容自体に緊張したせいである。
「……」
 実は――ずっと以前から――答えは決まっていた。しかし、答えるかどうかは別問
題である。慎一の口もさすがにすぐには動かない。ベットの上で全裸同士で息子に寄
り添っている母も口を止めた。
 その状態のまま時間だけがたつ。やがて息子の肉棒を握ったままの母の手にやや力
が入った。意識したわけではない。焦燥の故かもしれない。そして、それが息子の背
を押したのである。
「ママ――なんだ。僕が一番好きなのは」
 やや沈黙があった。この“告白”に恥かしい慎一は目を背ける。よって、母の頬の
熱さが見える小麦色の表情に妖しい笑みが浮かんだのは見えなかった。
「ほう――」
 母はいつもの口調で次の台詞を続けた。
「慎一はママが一番好きというんだな」
 童貞――今の慎一のレベルでは、母の声がかなり努力して感情を押さえているもの
とは判らない。
「…うん」
 慎一はこくりとうなずく。頬が真っ赤に染まり、肩がわずかに震えているのは、け
な気と表現すべきであろうか。
「つまり、このママと――実の母とSEXがしたいと?」
 露骨で背徳的な台詞である。人によっては糾弾に聞こえたであろう。しかし、今の
この二人にとっては“厳粛な”事実なのであった――
 二人だけのこのベットの上ではそれが望みうる最上のであることを息子はこの時、
確信していたのである。
「うん…僕は――ママと…せ、SEXがしたい…」
 止めていた息が漏れる音が二人の間に響いた。母のものである。目を背けたままの
息子には判らなかったが、大胆なまでの息子の告白に母は眼の縁が赤くなるまでに興
奮していた。
「――まあ、そう言うことなら――慎一がそこまで頼むんなら、この“おちんちん”
を使わせてやっても良いが――」
 言いながらも母は力をこめて息子の頭を自分のはりつめた乳房に押しつける。台詞
は偉そうだが、声は熱いまでに上ずっていた。
「でも、ママはそこらへんのジャリ娘とは違うぞ。たとえ、一度でもママとそういう
事をする以上、慎一にもそれなりのものを約束してもらわなければならぬ」
「 ………」
 強気の発言に息子はようやくおびえた風に視線を上げる。その先で上気した母の悪
そうな笑顔がゆっくりと囁いた。
「まず、今後、ママ以外の女に“おちんちん”をこういう風には絶対に使ってはいけ
ない――いや、こんなに硬くすることも許されない――判ったか?」
「うん…」
 母の熱い迫力に押されるようにして慎一はうなずいたが、どう見てもよく判っては
いない顔つきだ。
「それから、ママに“おちんちん”を使う以上、責任は取る!ママだってこれで――
この瞬間からこの身体に火がつくのだから、その火を一生、ちゃんと面倒みなければ
ならない。それこそ、いつでもどこでも何度でも!判った?!」
「…うん」
 とてつもない約束をよく判らずにうなずいてしまった息子であった。“それだけは
止めとけ”と忠告してくれる人も、危険性に気がつく知識もここには存在しない。慎
一は恐らく人生の大部分を今、ここで決定したのである――その事に気がつくには、
この日からさらに数年の歳月が必要なのであるが……
「そう――なら、いい」 
 母の美貌に野性的な微笑みが浮かぶ。満足した雌豹のように舌がその真っ赤な唇を
なぞった。
「―――おいで。慎一。ママの中へ…いらっしゃい」

 母は乱暴に――恥ずかしさを隠すために――仰向けになり、息子はおずおずとその
上に覆いかぶさる。ほぼ筋肉の母の裸身はどこも熱く、慎一に触れた全ての部分が火
傷しそうであった。
「もう十分濡れているけど…ゆっくりしろよ。ママがこう言うことするのは慎一を妊
娠して以来なんだからな…」
 意外に緊張している母であったが、息子はそれ以上にがちがちである。腹につきそ
うなまでに硬直した肉棒を何とか母の股間にあてがったが、そこから先が上手くいか
ない。
「そ、そこ…濡れているとこ…よし。さきっぽがあたった…そこからゆっくり――
あ…やっぱり…お、大っきい…」
 裂けるほどに刺しこまれる感じとつぶれるほどに締めつけられる感じに母子はしば
し無言になった。二人だけの寝室で、ただ、二人の腰だけがゆっくりと動き、熱い
息、汗と愛液の粘つく音が二つの全身に聞こえる。
 やがて――
「はいった…な――」
 確認するような母の声に息子はこくりとうなずいた。かちんかちんの肉棒は母の肉
襞の中へほとんど――ようやく――埋没している。そこでの締めつけと飲みこもうと
するかのようなぬめる感触に、肉棒はまたすぐに爆発してしまいそうに高熱化してい
た。
「あ、う、動かないで…ママ、もうこれだけで…いっちゃいそう…なの…」
 母も同じであった。こちらは大きいとかだけではない。愛する息子がこんな形で
帰って来たと言う事実によってである。
(男はもうこりごりだと思って女の子ばかりだったのに…こんなに逞しくなって…)
 母はもう一度息子を抱きしめた。
「慎一。約束は守れよ」
「え…」
「ママだけを愛すると言う約束だ。他の女には絶対に触らないこと!」
「う、うん」
「そのかわり、ママも今まで通りに他の男には絶対に触らないし――いつでも慎一と
SEXしてあげるから」
「うん!」
 急に元気良く息子が応え――母が悲鳴を上げた。元気ついでに息子の肉棒に力が
入ったのである。
「一生、ママだけにするよ。ママは僕にとって最高――いやこの世で唯一の好きな女
の子なんだ!」
 感動的な宣誓であったが、強気で勝気だったはずの母は声も出ない。喋るたびの振
動で息子の肉棒が秘壺内で微妙に動き、その痺れる感覚が背骨から突き上げていたの
だ。
(こ、このまま腰を使われたら、あたし、死んじゃうかもしれない…)
 母の心配は半分あたった。やがてひ弱な息子が男としての本能で腰を振り出すと、
たったそれだけで鍛え上げたはずの母の裸身は翻弄されたのである。
「あ――い、いいっ!慎一――つ、強いわ――!」
 童貞なのだが、さっき搾り取るほど出したのがきいたのかもしれない。母を半狂乱
にするほどまでに息子の下半身は荒れ狂った。偉そうな事を言っても同性愛専門だっ
た母にこの攻撃への耐性はない。ただただわななくのみである。
「も、もう駄目ぇぇぇ…お願い、せめて――い、一緒に――」
 それほど待つまでもなく母の願いはかなえられる――母子は同時に爆発したので
あった。

「ママ…」
「慎一…」
 そのままの姿勢でしばらくしてからようやく二つの裸身が動く。爆発の余韻の中で
愛し合う母子はしっかりと抱きしめあった。母は一人息子の最初の――おそらくは唯
一の――女となり、ひ弱な息子は逞しい母を真の意味で初めて“女の子”にしたので
ある。その事実の確認のための今の沈黙の時間ですら――
 事実にどちらがより感動したかは二人には判らない。その内容ないし主張を言葉に
するには互いにまだまだ時間が必要で…が――
「あ、また大きく…」
 熱中のあまり、入れたままだった母がうかつであった。息子はそのままで元気を取
り戻し、母と言う名の女を愛する“男”として―
「も、もうなの?なんて逞しい…い、いい!でも…もっとゆっくり…ああっ!慎
一ぃ…」



 六○二号室―― 

「ただいま」
 亮一はかなり陰気な声で自分のマンションのドアを開ける。その姿も声も――い
や、存在そのものが疲れきっていた
 無理も無い。金曜の夜である。月曜からの五日分の疲労が、下がった肩と辛気な顔
色に如実に出ていた――社会人と言うのは子供達が思う以上に大変なものなのだ。
「お帰り!」
 そこへ――何の配慮も同情もなく――反射的と言って良いほどの元気なダッシュで
人影が亮一の視界に飛びこんできた。絶対に待ち構えていたに違いない。驚く事にそ
の人影は、今時貴重なセーラー服を着てすらいたのだ――亮一はそれを確認した瞬
間、五日分の疲労のさらに三割増に重く脱力した。
「お兄ちゃん!どしたの膝なんてついて?何かあったの?」
「あるのはお前だ!」
 玄関に片膝つきながらも亮一は絶叫した。本人としては必死なほどに真面目であ
り、ほとんど“魂の叫び”である。そうだろう。無理も無い。何せ、女子大生の妹が
中学時代の制服を着てきたのだから…
「いい加減にしろ!なんだ、その格好は!」
「せーらあ服よ。あたしの中学の頃の」
「だから!何で、今更、その格好を!?」
「だって、好きなんでしょ!?お兄ちゃんは、こんな“制服”が!」
 実の――たった一人の妹の夏子の反撃に、亮一はぐっ!とつまった。顔色まで変わ
る。
「……」
 かなりのダメージのようだ。何か思い当たる――やましい――ふしがあるらしい。
その引きつった表情はそうとしか見えなかった。
「さ、リビングに来るの!今日の保健チェッ~ク~~」
 明らかに心理的なものによるショックで有効な反撃の出来ない兄を夏子はリビング
へ誘った――いや無理矢理連行した。
「はいっ!脱いで!チェックするから!」
 リビングで夏子はそのまま兄のベルトに手をかけ、強引にスラックスを脱がせてし
まった。抵抗する間もない。さらにパンツも一気に引き下ろす――実の妹の前で下半
身を剥き出しにされる兄の意思など聞こうともしない。
「こ、こらっ!」
 さすがに抵抗しようとした亮一だが、妹はさらに大胆であった。むんずと兄の剥き
出しになった肉棒を掴み――しかも強引にしごき出したのである。
「いい加減にしろっ!夏子!」
「うるさいわね!お兄ちゃんがまた“いかがわしい”とこに行って、“許されないこ
と”をしていないか確かめるのよ!文句あんの!」
「……」

 ここで絶句せざるを得ない、たわけた兄に代わって、事情を説明しよう。
 まず、この二人はとても“仲の良い”兄妹である。数年前に両親を亡くし、今はそ
の保険金で購入したこのマンション六○二号室に兄妹だけで仲むつまじく暮らしてい
た。
 ――で、今の騒動の原因となったのは、兄の亮一が職場の飲み会において――ま
あ、酔った勢いと同僚との付き合いとかなんとかで、制服ヘルスにいったことによる
ものであった。
 その事自体は一般成人健康男性としては不思議でも何でもないであろう。男のコの
生理と言うのは定期的に放出を求めるものだし、またそういう男のコの為にそういう
店は存在を許されているのだ。まして、亮一は独身で彼女もいないのだから、誰が、
どういう理由で責める――いや責められるというのだ。
 同僚達がそう思ったのは間違いない。実際、彼等としてはこの件は、入社以来女っ
けが全く感じられない亮一への気配りと友情の証だったのだから。
――しかし、彼等は知らなかった。実は亮一には、美人で可愛い――そしてたいそう
仲の良い実の妹――『夏子』――という存在がいたことを……

「う―――んん。何か元気ないなあ。やっぱり、今日も“また”一発やっているのか
な?」
 夏子が笑顔で呟いた。しかし、目は笑っていない。声もかなり怖い。手は兄の大事
な肉棒をしっかりと握っている。きっと、そのまま握りつぶすことも可能であろう
――
 亮一は色の変わった声で叫んだ。
「違う!何もしていない!反応しないのはおまえのその――即物的なせいだ!」
「即物的?」
「そう!そんな無理矢理脱がせて、乱暴に握り締めただけでいくわけないいだろう!
乳牛だって嫌がるぞ、そんなもん!男はもっと繊細なんだ!」
「やっぱり、お金払って自分から服を脱いで、どこの誰のどんな使い古しかわからな
い初対面のお姉さんに優しくされないと駄目なわけ?」
 兄の魂の叫びに対して夏子はにこやかに聞き返し――その一瞬で亮一はしぼんだ。
やましいことがある――いやあった男というものはそういうものである。さらにそう
責めながらも犬歯を牙のように見せて笑顔を作る妹を見ると、一生このネタで虐めら
れるのではないかと言う絶望的な気すらしてくるのであった。(見事な未来予測であ
る)
「心配しなくもいいよ。お兄ちゃん。そんなこともあろうかと思ってこういう準備を
してきたんだから」
 一生このままであろうと確信できる自己の優位を確信しきった怖い微笑を浮かべる
夏子は右手はそのままにして身体の位置を変え、ソファに腰掛けさせられている亮一
の剥き出しの膝に座る。そしてセーラー服の前をはだけ、下着をつけていない胸を包
みこむようにして兄の顔に押しつけた。
「ほーーら。セーラー服の生おっぱいだぞ。好きでしょ?好きなんでしょ?お兄ちゃ
ん」
 中学生用セーラー服のサイズにはすでにおさまりきれない妹の成長した両乳房が剥
き出しになり、“ぼわん!”と兄の顔を打つ。その熱さと柔らかさと、顔がうずまる
ような肉感が窒息しそうなくらいに亮一に迫った。
「…くっ!」
 亮一の奥歯が深刻な音を立てる。何と言う即物性であろうか。自分の見事な裸身を
出しさえすれば――自慢のDカップの乳房を押し付けさえすれば、兄がどんな状況で
あろうとすぐにも――簡単にも!――恥かしい反応をすると決め付けているのだ。夏
子は――この妹は!
「あ……ほーーら。やっぱり。今、くいっ!と来たわね。お兄ちゃん」
 ………悲しい男の性であった。結局――或いはいつものことながら――亮一の兄と
してのプライドは関係なかった。セーラー服から突き出された妹の生乳に顔を埋もれ
させられただけで、その妹の手に握られた兄の肉棒が大きく反応してしまったのであ
る――事実がこれほど悔しかったことは亮一の人生でも…まあ、ほぼ毎日のように
あったのだが。
「ほんと。制服が好きなのね。この、へ・ん・た・い・お兄ちゃん!」
 勝利感に更なる優越感を足し、加えて兄の全てを支配していることへの無限の自信
をかけ合わせた夏子が囁く。どんな言い訳も弁明も、今の現実の前には無意味と悟っ
た亮一は顔をそむけるしかできない。妹はそれにはこだわらず、その小悪魔の笑みの
まま、兄の勃起した肉棒をゆっくりとしごきにかかった。
「おい…ちょっと」
「言い訳は出たのを見てから聞くわ」
 丁寧な手の動きに反して夏子の口調はそっけない。身体を入れ替え、真剣な顔を兄
の恥かしい塊によせる。それはまるで今日の兄が敵か味方か判断しようとしているか
のようだ――と言うことは亮一にもわかりすぎるほどに判っている――でも、兄とし
てはどうすることもできないのだ。
 実妹のセーラー服と生乳にすでに男として“反応”してしまっている兄としては…
 そして――
「え?わ、わ、わー―きゃん!」
 その両手一杯に感じた実兄の躍動と爆発の衝撃に夏子が歓声を上げる。続けて“び
しゃっ!”と鳴ったのは、“兄の男のミルク”が近ずきすぎた“妹の顔”に直撃した
音だ――思わずにんまりと笑う妹の笑顔を、亮一は鋭く痺れる感覚の中で確かに見
た。

 恥かしいけれどもそれなりの“余韻”にひたる亮一の前で、夏子は自分の顔に飛び
散った白いミルクを丹念に指でなぞり――舐めとった。それもこれ以上ない真剣な表
情で。
「うう――ん。濃さはこれくらいかなあ。朝、我慢したわりには今ひとつの気もする
んだけど。外で一回だした可能性が…ないとは――」
「昨晩、お前が自らたっぷり絞っただろうが!」
 恐怖の宣託に一瞬で覚醒した亮一が真剣に叫んだ。
「何回したってんだ!平日は仕事があるからセーブするって約束したくせに!」
 身の潔白を本気で主張する兄であった。よほど“有罪”が怖いのであろう。まあ、
殴る蹴る程度では終わらないのが、ごく最近実証されているのだから、無理はない。
「じゃ、良いわよ。特別に許してあげる」
 意外にも夏子は明るく宣言し、亮一はやっとほっとする。何よりも目の色を変えて
いる兄に満足している妹の“笑顔”であることは兄には判っているのだが、怒るわけ
にもいかない。過去の過ちのせいだけではない。この“妹”に許してもらうことが、
この“兄”にはそれだけの意味があるのだから……
 ところが――――
「おい」
「え?なに?」
「ちょっと待て。何をしている?!その手は?!」
 亮一は、兄の肉棒を――疑いは晴れたと言うのに――掴んで離さず、それどころか
上下にしごいている妹に怖い顔を向けた。
「もう、疑いははれたのだろう!」
「ん…ま、そうなんだけど…」
「“ん”じゃない!何が“ま”だ!認めるんなら、すぐさまその手を――」
 妹を身体ごと押しのけようとした亮一であったが、柔らかく、かつ強固な抵抗があ
り、そうはいかない。そして―――
「なんか、お兄ちゃんの“いった”時の幸せそうな顔とか、この両手の中で跳ねま
わってミルクを噴いている“お兄ちゃんのあそこ”とかがあってさ……ちょっと興奮
しちゃったの」
 実妹の――猫が媚びるような最高度の甘い囁きであった。情けない話だが、たった
それだけなのに、実兄の節操のない身体は反応したのである。
「あ…お兄ちゃんもその気なのね…」
「ち、ちが…」
 という理性の声も虚しい。実際に、妹に握られたままの兄の本音は、すでに“男の
反応”をしつつあった。
「ほらほらほらほら――いいじゃない。けちけちしないでよ」
「…お前は、今週の労働で疲れた社会人の金曜日の夜の状況をどう理解しているんだ
?」
 精一杯怖い声であったが、真意は伝わらなかったようであった。妹は右手でパン
ティを脱ぎ、左手で兄のすでにかなり起き上がってしまっている肉棒を掴んでいる。
そしてそれに唇をよせ軽くキスをした。“ぞくっ!”と強い電流が兄の背筋に走る。
(ここで流されてしまっては!)
 辛うじて気力だけで兄は――兄の上でうごめく熱い妹の肉感とそれに対する自分の
身体の無節操な反応に――堪えようとする。
 が、次の妹の可愛い囁きがその全てにとどめを刺したのであった。
「―――ねえ…いやなの?あたし、もう濡れちゃっているの。今ならすぐ出来るし
――
 お願い、お兄ちゃん…
“して…”」

「きゃん!」
 理性をかなぐり捨てて――妹の可愛い一言“して…”だけで――獣となった亮一は
跳ねあがり、逆に妹の身体を組み敷いた。ピンク色の悲鳴が夏子の唇から嬉しそうに
漏れる。
「いやん…乱暴にしちゃ―――でも、これも好き…」
 確信犯的に騒ぐ妹には構わず、亮一はさっき出したばかりとは信じられないくらい
に一瞬で硬直した肉棒を、妹のスカートの下で剥き出しになっている秘肉にあてる。
宣言どおり、愛液でびしょびしょだ。これなら、すぐに出来る――そして兄が腰を突
き出すのと妹が下から抱きしめるのとが同時になり、次の瞬間、ぬめる音を上げて兄
は妹を突き刺し――“同じ”ぬめる感触のもとに妹は兄を飲みこんだ。
「あ、あ、あ、あ……」
 妹が甘く叫び、それに合わせるように兄の腰が乱暴に動く。“ぐちゃぐちゃ”とい
う粘液質の音がかなり大きく響き、兄妹の激情を更に加速した――
 この兄妹にはいつもの流れである。兄が無言で責め――妹がむせび泣く。そしてそ
れは二人の快感が高まり、爆発するまで続いていく…
「お、お兄ちゃん…あ、あ、熱いのぉ…もっと…乱暴にしてぇぇぇ…」
 下半身だけ裸の兄がセーラー服の妹をひたすら責めて、あえがせている。妹は強引
に犯されながらも――決して離さないと言わんばかりに必死でその兄にしがみつくの
だ。
「もっと…もっとぉ…お兄ちゃんの好きにして…夏子はその為にいるんだもの――」
 ある意味さっきまでの力関係が嘘のような光景である。しかし、この兄妹にとって
は…
「いいのよぉ…好きにして…乱暴なのがお兄ちゃん好きなんだから…夏子もそれが好
きなの…お兄ちゃんが好きなのは―――みんな……
 だって…『お兄ちゃんはあたしのもの。あたしはお兄ちゃんのもの』なんだも
の…」
 わななくように夢中で囁く妹の声が聞こえたのか、やがて責め続けた兄にも限界が
きた。一度出した分だけ、堪えていたのだが、今度は我慢できなかった。腰の辺りか
らの“ぐっ!”と言う感触に気力が切れ、発射の感触とそれに伴う快感が下半身に走
り――同時にまるで“欲しいものを手に入れた”かのような不思議な満足感が胸を一
杯にする。
「ひ…い、いっちゃうぅぅ…お、に、にいちゃん…感じるのぉぉ…お…にいちゃんの
熱い…」
 更に痙攣さながらに悶える妹が悲鳴を上げつつ痛いばかりに兄にしがみつく事実
に、男としての――まごう事無き“実の妹へ”の愛情と独占欲に、文字通り震えるほ
どの満足感で全身がひたるのだった。
「離さないからな。夏子」
 深い満足感とともに亮一は、実兄の肉棒に奥までえぐられたまま、半分失神してい
る妹に囁いた。同時に抱きしめる両手と腰の辺りに力が入ったのは、故意とも言えな
い自然な動きの故である。
「あ…」
 妹が意識を完全に取り戻すまで、兄はしっかりとその熱くなった半裸身を抱きしめ
ていた。

ほんの十数分後―――
「ふ――っ。お兄ちゃん、素敵!かっこいい――っ!ごちそうさまでした!やっぱ
り、お兄ちゃんだけが夏子の“彼氏”よね“」
 醒めてしまえば幾ばくかの後悔に悩む兄を下から抱きしめながら可愛く喉を鳴らす
夏子であったが、もちろんこれで終わりではなかった。
「で、続きはご飯のあとにしよ」
「え?」
「精のつくもんを用意しているから一杯食べてね。今夜は麦とろご飯と鰻よ!金曜だ
からもちろん焼きニンニクもあるわ!」
「ちょっと待て!続きって何だ?俺は疲れているんだから…」
「大丈夫!あとナースとバニーと浴衣は準備しているから!お兄ちゃんならあと三回
は軽いでしょ!夜明けのコーヒーまでお願いね!
 あ、安心して。チャイナ服とサンバとマーメイドとバーチャと喪服は間に合わな
かったけど、来週入荷予定で――」



 六○三号室

「ただいま」
 健一は返事を期待せずにマンションのドアを習慣的にあけ――どきりとした。
「姉さん。帰っているの?」
 玄関に見慣れたハイヒールが脱ぎ捨てられている。まだ、午後三時だと言うのに
――何かあったのであろうか。
 少なからずびくびくしながら健一はダイニングに顔を出す。誰もいない――しか
し、流しには使用後の皿が二枚置かれていた。
「やっぱり…姉さん。帰ってたんだね」
 毎朝、この家のキッチンは健一が登校前にちゃんと片付けている。よって、これは
片付けをしない――本当は家事全般をしない――人物がすでにこの部屋内に存在する
と言う事なのだ。
「姉さん…」
 リビングに“諒子”は――探していた健一の姉はいた。スーツ姿のままでソファに
ひっくり返っている。ぎろり!と弟を睨んだ目が据わり頬が赤くなっているのは、
テーブルに並んだビールの空き缶三個とこちらも空になったワインボトル一本――そ
してそれ以上にこの時間に健一が帰ってきたせいに違いなかった。
「あ、あの…」
「今まで何やってきたの?」
 押さえようともしない姉の声は、弟には遠雷のように威厳――いや、恐怖をもって
聞こえた。少なくともそれだけ容赦はなく、最悪の事態の危険性も同レベル以上なの
だ。
「今日の講義は午前の、しかも一時限だけだったわよね?健一。
 ――で、今、何時か知っている?」
「ゼ、ゼ、ゼ、ゼ、ゼミの――そ、そう、今度、同じゼミになる連中とスタバで顔合
わせしていたんだよ!ごめん!姉さんがこんなに早く帰ってくるなんて思わなかった
から…」
 弟の必死の主張は――絶対に嘘ではないにも関わらず――姉にはとどかなかった
――或いは聞いていなかった。
「ゼミ?ああ、そう」
 一瞬だけ納得したふうをしたのは、姉の弟への純粋な悪意である。
「で、その中に女はいたの?」
 一応、さりげない質問であったが、弟は即答できなかった。その意味することを心
の底から理解している故である。
「慌てているわりには静かね。それとも聞こえなかった?お姉さんは、今日、健一が
お茶した相手の中に“女の子”がいなかったかどうかを聞いているの」
「――――」
 姉が何を言っているかが“この”弟にはよーく判っている。だから何も言えない
――そしてそのこと自体が明確な返答であった。
「やっぱりね」
 諒子の宣言は健一の脊髄まで貫くばかりに悪意に満ちていた。
「姉のあたしが弟の“あんた”の為に、ほとんどの女の喜びを捨て、秘書として会社
でめっちゃ嫌なじじい共の相手に神経をやすりにかけられるような日々を送ってい
るって言うのに、その稼ぎで生きている弟のあんたはよりどりみどりのキャンパスラ
イフを堪能しているってわけね」
 どれほど悪意に満ちた声であるかについては、言われた健一が顔色を変えてわなわ
なと震えだしたことからも実証できる。とにかくこの弟にはよほど、“怖い”ことで
あったらしい。
「しかも、ついにはどうにもこうにもストレスに耐えがたく何とか午後休を取り、こ
の日この時間なら家にいるはずのあんたの顔を見て、せめてもの癒しにしようと半死
半生で帰ってきたあたしの気持ちって――判る?どっかのブス共と楽しく“お茶”し
てきた健一君に?」
 酒精に頬を染めた姉の糾弾に弟は沈黙で応える事しかできなかった。
 そして――
「ごめなさい―――姉さん。どんな罰でも受けます。僕をお仕置きしてください」
 第三者が見れば仰天したであろう。弟は――今時のいけてる学生風で、異性には事
実もてもての――彼はそのまま膝をつき、頭を床まで下げたのである。
「ふーーん」
 弟が土下座して謝っているのを紅い頬の姉は意地悪に見つめていた。ややしてか
ら、次の命令をしたのは純粋な悪意からである。
「まあ、ちゃんと罪を認めるのならお仕置きしてやってもいいけど――それには準備
が整っていないようね」
 弟の肩が一度だけ震えた。それは姉の発言への疑問のゆえではない。判りきってい
る内容への反応であった。
「はい……」
 弟は素直に答えると、姉の指示に従った――すなわち、服を全部脱いでから再度姉
の足元に土下座したのである。満足そうな姉の哄笑だけが部屋へ響いた。
「ふん。悪いことしたと判っているのなら、玄関からその格好にしなさいよ」
 勝利感に満ちてのたまう姉に弟は床につけた頭を一ミリも上げられない。
「ま、でもお姉ちゃんは優しいから、今日のお仕置きは“口のご奉仕”にまけてあげ
るわ」
 勝ち誇った姉のご許可である。“優しく”命じられた弟は一度だけびくっ!しなが
らも、やがておずおずと命令に従おうとした――が、すぐ、叱責が飛ぶ。
「何やってんのよ!“口”だけって言ったでしょ!手が触るのまでは許していないわ
!」
 空気を裂くような悲鳴に弟は再度ひれ伏した。弟は姉のスカートの中に手を入れ、
パンティを脱がそうとしていただけなのである。
「ご、ごめんなさい…」
 土下座でもってわびる弟に姉は意地悪く微笑んだ。もちろん、床に伏せている弟に
その笑みは見えない。ただ、次の命令だけは歯っきり聞こえた。
「さあ!」
 これ以上叱責されないということは、許してもらえた――ではなく、次に急いで進
まないといけないということである。健一は慌てて動いた。
「それでいいわ。丁寧にするのよ!」
(あ……)
 命令通りに顔だけを動かして犬のように姉のスカートの中へ入る。薄暗い中、むっ
!とくる熱気と同時に、見た事のあるパンティ――紐でとめるタイプが見えた。
(姉さん……意地悪言ってたけど、本当は僕の為に準備していてくれたんだ…)
 欲情した姉がさらに楽しむために着替えて待っていた――と思わないから、この弟
は奴隷状態なままなのである。
(う……)
 犬のような姿勢と口しか使えない不便さのもと、健一は姉のスカートの下の太股に
口を動かし、パンティの紐を何とか咥えた。蝶結びのそれは軽い一引きで容易に緩
む。それをあえてゆっくりとしたのは無意識からの姉へのサービスであったのだろう
か。
「も、もう一つね」
諒子の声もやや紅くなっている。実の弟にスカートの中を漁られ、パンティの紐を
口で解かれたという事実が痺れるほどの刺激的なのだ。その危なげなパンティの下の
“もの”がはっきりといやらしい兆候を示している事は、弟が帰ってきたときから判
りきっているのだ―――
(ん……)
 命じられるままに弟は口だけでパンティを外した。もちろんそのままスカートの中
から出てはこない。ということは今、そこでは剥き出しになった自分の恥かしい部分
が最愛の弟の目の前に―――
「何してんのよ!ご奉仕は!」
 内心の動揺――或いはときめきを隠して姉は叫んだ。従順な弟はそのまま従う。次
の瞬間の恥かしい部分への濡れた感触に、姉は必死であえぎを堪える。
「……ふん。まあ、上手くなったじゃない」
 弟は夢中で舌を――最愛の姉の秘肉に動かした。舐める音とすする感触が諒子の腰
にまでじんじんと響く。思わずでそうになる可愛い声を高飛車な台詞でおさえるのが
やっとだった。
「まだまだよ。あたしがいいというまで…何十分でも…」
 弟への意地悪の為にそう宣言した姉であるが、ほんの数分も立たないうちにそれど
ころいではなくなってきた。
(い、いい!…こんな…ずっと待ってたせいかも――でもけんちゃんもいつもより上
手で…激しくて…)
 何時間も前からこの事態を期待していた分だけ、姉が不利だったのであろう。強が
りを良いながらも、身体は正直であった。
「あ……ん…」
 姉の頬がさらに紅潮し、口元がだらしなく開く。そこから出た舌先が真っ赤な唇を
忙しくなぞった。すでに目は半分くらい空ろだ。そのスカートの中では弟の舌がしつ
こくいやらしく姉の秘肉を舐め蜜壺に刺しこんでいる。その快感は腰から背骨まで突
き抜けそうで愛液のたてる音が“ぴちゃぴちゃ”へかわっていた。
「く……」
 しかし、声は出せない。不埒な弟をお仕置きする姉としては、まさか、舌だけでい
かされそうになったなど認めるわけには―――
「よ、よし…もう良いわ。立ちなさい」
 支配者としてのぎりぎりのプライドで姉は命じた――ほとんど“いってしまう”三
歩手前くらいで。その心の中では“いや!やめないで!”と絶叫するもう一人の女が
いるのだが、姉はそれを強烈な意思の力で何とか押さえこむ。ある意味でたいした精
神力であった。
「は、はい…」
 舌のご奉仕は上手くいってたはずなのに――と弟は命令を訝ったが、もとよりこの
姉に逆らえるわけもない。心残りながらも出来るだけ急いで立ちあがる。
「あー―わ…」
 急いで立ちあがった弟はさっきから全裸だ。当然、この位置ではソファに座ってい
る姉の目の前に腰のあたりがくる。そしてそこには…
「なーーに、おちんちん、おったてているのよ?お仕置きだってのに欲情したの?
!」
 弟の恥かしい反応に急に余裕を取り戻す姉であった。姉に奉仕することに欲情した
弟の可愛らしさが虐めてやりたいほどに可愛く、また、その事実がさっきからぬめる
ほど濡れている秘肉の愛液をさらに潤わせる。何より、羞恥に満ちた弟の顔と反応が
どちらが優位かを決定したのだ。
 姉の勝ち誇ったくすくす笑いが部屋に鳴り響く。
「ほんと、変態ねぇ。実の姉のここを犬みたいに舐めて勃起するなんて。あんたに
きゃきゃ騒ぐ外の女達が知ったらどうなるかしら?」
 姉は意地悪に微笑むと、恥かしさにうつむいた弟の股間を注視する。まだまだピン
クだが、大きさは並以上の弟の肉棒が腹につかんばかりに反り返っていた。これは目
の前の実の姉に欲情しているなによりの証だ。そしてそのことをなじられ侮蔑されて
もこの弟は抵抗する事も逃げ出す事もしないのである。ただただ、許しを請うように
立ちすくむだけ…
(だから、どんなになっても、けんちゃんはあたしからは離れられないのよ。ずっと
ずっと、あたしのもの…)
 優越感を強烈に刺激された姉は右手をあげた。これはよけいなことだったかもしれ
ない。しかし、女王様然と構えながらも、弟の恥かしい――愛しい――反応をもっと
感じたかったのである。
「ふん!何度見てもいやらしい…」
 そう責めながら、姉の右手が伸びて弟の肉棒に触れる――本当にかちんかちんだ。
試しにこっちへ倒してみた。ちょっと力を使ってようやく肉棒の先端が姉のほうを向
く。その時―――
「あ!」
 姉の手の中で弟の肉棒がびくっと震え――半瞬後に弟の悲鳴と“その”爆発が重
なった。よける間もなく姉の顔一杯に“びしゃっ!”と白くて熱いものが多量に叩き
つけられる。そう、その匂いも味も堪能するほどに知っているそれが―――
「何すんのよ!姉さんに向かって!」
 奴隷からの“顔シャ”と言う予想外の事態に、一瞬、呆然とした女王様であった
が、すぐに覚醒するやいなや右手で弟の肉棒を力一杯はたいた――これは痛い。
「いたっ!」
「ふざけんじゃないわよ!」
 当然の悲鳴を上げる弟に対し、さらに姉は両手で――その真っ赤なマニキュアをし
た長い爪の指で、肉棒と下の双玉を無茶苦茶に握り締める――これはたまらない。男
ならわかる。
「痛い痛い!ごめんなさい!許して!姉さんが触るもんだから……」
「だからって、こんな事をして良い言い訳にはならないわよ!こんな…こんな…」
(もったいない!)
 指の跡が残るほどのお仕置きであったが、被害者はともかく加害者にとっては意外
に早く終わった。涙目で股間をかばう弟は気がつかなかったが、この時、弟のミルク
を顔中に飛び散らせた姉の目の色が変わっていた――そうぬめった熱い朱鷺色に。
(いやだわ…あたし、こんなことでまた興奮している。顔にかけられるなんて、ひど
い話なのに…)
 頭のどこかでそう思わないでもなかったのだが、欲情も二度目となるともう我慢で
きない。許せない思いをこの際、我慢してでも―――
「まったく、しょうがないわね。いつもいつもたまっているからそんな恥かしいこと
になるのよ!」
 姉の主張には無理がある。ほぼ毎日こういうプレイをやって、最後には必ず弟は姉
の裸体の中へ存分に発射しているのだ。
「だから、外の汚らしい女までもいやらしく欲しがるんだわ。
 わかったわ。姉さんが今日は空になるまで搾り取ってあげる」
 顔中に飛び散った弟のミルクを指で丹念になぞりながら、姉は宣言した。

「ただし、甘やかしてるんじゃないからね。さっきの無礼の分のお仕置きはするわ
よ」
 そう言って姉が命じたお仕置きは単純なものであった。もう一度勃起しろというの
だ。まあ、これからの二人には当然必要なことでもある。ただし―――
「手を使っちゃ駄目!」
 今、たっぷり出した身としてはいささか辛い条件であった。
「それも今から“あたしが服を全部脱ぐ”までの間によ!いい!」
(ね、姉さん…)
 ありがたいお言葉に弟は思わず涙が出そうになった。そこまで僕のことを気遣って
――感動する弟の前で、姉はシャツのボタンを外し、スカートのホックを取る。その
動きは奇妙に緩慢で――むしろ、たった一人の観客を煽るかのように淫靡ですらあっ
た。
 姉は弟の目の前で短いストリップを演じてみせたのだ。
(姉さん――綺麗だよ…)
「ふん――」
 シャツとスカートに続いてブラジャーが外れて短いショーは終わった。最後に現れ
た姉の双房は、意外なほど――言うと本人が本気でおこるほど――小ぶりであった
が、形はそう悪くはない。第一、たった一人の観客にそんな欠点など視野に入ってい
なかった。
「姉さん…」
「どうやら、間に合ったみたいね」
 可愛いくらい感激する弟の股間には、もう十分なまでに――さっき以上に大きく固
くなった肉棒があった。それを見る姉の目が朱鷺色にぬめる。
「じゃあ、約束だからやってあげるわ。そこに横におなり」
 弟は急いで命令通りになった。
「ふふん」
 姉は素直に横になった弟の均整の取れた裸身をひとまずまたいで立った。その姿勢
のまま見下ろすと懇願するような目と抱きつきがいのある身体、そして最大限に硬直
し姉の慈悲を乞うように不安定に揺れている肉棒が一度に見える。素晴らしい光景で
あった。
(あたしの可愛いけんちゃん…)
 しかし、姉も余裕を持っていられる状況ではない。またいだ股間の秘肉から、先ほ
どからだらだらと垂れていた愛液が、ちょうど弟の肉棒へとろりと大きな滴を落とし
たのだ。
(いつまでも可愛がってあげるからね…ずっと、あたしだけのものよ…)
「ね、ねえ…」
 出来るだけあせらないように腰を落とし、弟の股間に座る。揺れるその肉棒を右手
で掴むとそのまま自分の秘肉にあてがい――するりと咥えこんだ。
「姉さん!」
「あ……」
 そのぞろりとした感触が意外に大きく、思わず腿の力が抜けたのが姉の不覚だっ
た。自然に落ちた腰のせいで、一気に弟の肉棒は姉のとろとろの肉壺へ全部突き刺
さってしまったのである。
「あああ――――っ!」
 今度上げた絶叫はまごう事無き本気のものだった。もちろん“お姉様”らしくはな
いが、散々じらしたあとだから、もはやプライドも精神力も姉の欲情した女体を止め
られない。弟がびっくりするような大きなあえぎを上げながら、壊れそうになるくら
いに腰を振る。
(い、い…いいっ!けんちゃん、いいっ!)
「…姉さん…気持ちいいよぉ…」
「あんたは動いちゃ駄目ぇっ!」
 姉の“中”のあまりの気持ち良さに陶然とする弟に、厳しく命じて姉は腰を振り続
けた。自分が気持ち良いように動いているのだから、よけいなことをされては迷惑な
のはもちろんだが、それ以上に――この期に及んでも“姉の立場”というものがある
のだ。
 そう、弟に“させてやっている”のであって、姉が“いかされる”わけにはいかな
いという事情が。
「どう?気持ちいい?」
「うん…最高だ…ずっとこうしていたい…気持ち良くて…もう――」
「い、いいのよ――健一。いっても…はやくいきなさい…」
「ん…でも、大丈夫。もう少しは耐えられる…」
(はやくいけっていってるでしょう!じゃないとあたしのほうが先にいっちゃうじゃ
ない!)
 心の中の姉の絶叫は、弟には決して聞かせてはならない。かくして姉は自分の快感
と戦う最高の拷問を受けることになったのだった。
(は、は、はやく!もう、いって!いってよ!)
 どれだけ時間がかかったか、夢中の姉弟にわかるはずもない。ただ、さっき思いっ
きり一度出した弟の方が条件的に有利であって、早く搾り出そうとする姉が必死で腰
をふるほど自分の肉壺の中の快感があふれんばかりにどんどんたまっていくのであっ
た。
「ねえ…気持ち良い?」
「うん…姉さんの中って熱くてきつくて…」
(そんな感想はいいから、早く!)
「我慢しちゃ…駄目ぇ…身体に悪いわ…」
「でも、なかなかすぐには姉さんのここには入れないんだし…」
「―――大丈夫…今日はサービスしてあげるから…」
「本当?じゃ、せめて姉さんも気持ち良くなるよう僕も頑張るよ!」
 逆効果であった。
「い、いや…いやーーっ!あたしが、先に、い、いっちゃう…」



六○四号室――

「ただいま」
 ドアを開ける義一の声は期待ですでに浮きあがっていた。一日の仕事疲れなど一歩
部屋に足を踏み入れた瞬間からどっかへ蒸発してしまっている。げんきん――或いは
元気なものであった
「あれ?お兄ちゃんへのお迎えはどしたのかな?おーーい、加奈ちゃーーん!」
「騒がないでよ、もうっ!聞こえているわよ!」
 ずかずかとあがった義一は自室からおずおずと出てきた妹を見てにんまりとした。
その兄の笑顔を、加奈は睨みつける。眼鏡をかけた結構美少女かつ気の強そうな妹
は、驚くべき事に、この時、“眼鏡”しか身につけていなかった。
「おお、愛しの妹よ。約束は守ったんだね。お兄ちゃんは嬉しいよ。これも愛だね」
「えーーい、白々しい!愛なんてもんじゃないわよ!もし、守らなかったら…ちょっ
と!触んないで――」
 妹の抗議も抵抗も無視して兄は駆けより、“ほぼ全裸”の妹を抱きしめた。実の兄
の前に裸――可愛い乳房や薄い股間の叢までも――をさらす羞恥にほんのりと紅く
なっている妹の身体は、両腕の中で折れるほどに華奢で、かつ、“どきり”とするま
でに熱くなっていた。
「力を緩めてよ!服がすれて痛いんだから―――あ…」
 恥かしさを誤魔化す為にも騒ぎ立てる妹の唇を、兄は唇で蓋をした。その態度が虚
勢の証拠に、兄の舌は容易に妹の唇と歯を割り、たっぷりと口腔内をねぶりつくす。
妹の身体をすみずみまで知り尽くした兄の攻撃に全身を痺れさせながらも、何とか息
だけは荒げまいと押さえる妹の反応が義一にはたまらなく可愛かった。
 やがて、ようやく唇を離した兄は妹に命じた。
「さ、ソファに横におなり」
「ちょ、ちょっと待って。もう“する”の?!」
「当たり前だ。昨日は俺の連勝だったんだよ。だから、命令権はあと一つ残っている
はずだろ」
「う……」
「家の中では今日一日は裸でいること――それから、今からのただいまHね」
 今更言うまでもないことだが、この実の兄妹は――両親が離婚して兄妹二人暮らし
なのをいいことに――こういう関係なのである。そしてこの兄妹だけの家庭内ルール
で、『SEXの際、先に“いった”ほうが負けで、一敗につき、一つ命令を聞かなけれ
ばならない』と言うのがあるのだ。
 と言っても、勝敗に関してはほぼ兄の全勝だったのだが。
「あ、いや…」
 抵抗も出来ないままにソファに横たわらせられた妹の胸に兄は顔をうずめた。さし
て大きくない右の乳房にむしゃぶりつき、指は左の乳首をつまむ。
「ちょっ…そんな…一方的に――ああん!」
 どんなに偉そうなことを言っても気が強くても、十四才の処女を奪ってから二年
間、その女体を徹底的に開発した兄は妹の全てを知り尽くしている。加えて徹夜も辞
さない体力と、この“妹”には無限に復活する元気――どう考えてもSEXで妹が勝つ
可能性は皆無であった。
「おや?もう濡れているじゃない?加奈ちゃん。ほんとはお兄ちゃんが帰ってきてこ
うしてくれるのを“うずうず”しながら待っていたのかな?」
「……知らないっ!」
 兄の指は妹の薄い股間の叢をかき分けて、その下の秘肉に触れた。やや小さいそれ
からはしっとりと湿り気が伝わってくる。どんなに偉そうなことを言っても身体は正
直であった。
「あ…」
 兄はひとしきり秘肉をなぞってからおもむろに中指をその裂け目に入れた。ゆっく
りと進む指に少女の肉襞のきつい締め付けがからむ。そしてそれが強くなるほどに、
妹のあえぎ声も大きくなっていくのであった。
「い…あ――そんな…そこ――」
 兄の指に感じる妹の感触が、湿り気からとろとろ――ついにはびしょびしょになる
までにはたいした時間はかからなかった。
「いい…あー―お、お兄…ちゃん――」
 乳房を口で責められ、秘肉を指で弄られ、妹はついに虚勢を捨てた。下から兄の身
体にしがみつく。妹の裸体の熱さといやらしい汗が兄の胸と腹と足にぴったりとへば
りついた。
「お兄ちゃんが欲しいのなら、はっきりそうお願いしなさい」
 余裕をもって兄が囁く。囁きながらも急いでスラックスとパンツを脱ぎ捨てている
のも大変なのだが、妹にそこを突っ込む余裕などありはしない。あえぎはそのまま悲
鳴となった。
「お、お願いします。お兄ちゃんの“あれ”を――加奈の…中へ―――入れ…てくだ
さい…」
 妹のいやらしい懇願に兄は満足した。その分、現れた股間の肉棒は固く大きく角度
を増す。そしてそのまま、“大きすぎる”と苦情の多いそれを妹の秘肉にあてがい
――一気に突き刺した!
「い、いやーーーーっ!いたっ、き、きつ―――あ、ああーーん…」
 妹の鋭いはずの悲鳴に甘い粘液がかかったような動揺が混じる。成功だ。もうここ
までくれば妹の――高校一年生の女体は意のままなのだ。多少の痛みはすぐにもそれ
以上の快感で吹き飛ぶ。あとは獣のように責め上げるだけで―――
「も、も、もう…だめ―――っ!」

 いつもよりは長くはあったが、やっぱり妹が先にいったのを確認してから兄は
“たっぷり”と放出した。痺れあがっているはずの幼い女体に止めを刺すように兄の
ミルクが注ぎ込まれ、あえぐ波のように反応する。男として至福の時間であった。
「ま――た、勝っちゃった。今度は何にしようかなあぁ」
 全てを終えてから兄はソファに大きく座った。終わったばかりの姿のままに――
シャツ、ネクタイに下半身は裸という変な格好だが、本人はいっこうに気にしていな
い。そのまま隣で放心状態の妹の裸体を見下ろす目には幸せと満足と意地悪ながらも
慈しみがたっぷりと含まれていた。
「あー―――」
 ようやく気がついた妹であったが、事態の理解にはさらにややかかり――兄に聞こ
えないように奥歯を噛み鳴らした。
(くっ!またしても……お兄ちゃんのおもちゃになっちゃって…)
「あのね、お兄ちゃん」
(でも――いいわ。最終作戦発動よ。もう、お兄ちゃんを自由にはさせない!)
「ん?なんだい?」
 さっきの猛攻のせいでちょっとふらふらの妹に可愛く囁かれた兄は明るく応えた。
「もっとゆっくりしていいんだよ。疲れたろう」
 優しい言葉である。思わず、妹は“じん!”とくるが――これに騙されてはいけな
いと自分を叱咤した。そうだ、実の妹を半日も全裸でまたせ――いろいろといけない
想像をさせた上で――無理矢理犯した兄なのだ。今更、ちょっと優しくされたからっ
て…
「あのね、さっきの加奈の負けね。お風呂でおぎなわさせてほしいの」
「え?風呂?」
「うん。どうせ、入るんでしょ。加奈が“サービス”してあげるからさあ」
「“サービス?”――ま、それもいいんだけど」
「じゃ、決まりぃぃ――っ」

 妙に明るくなった妹に背中を押されながらも兄は浴室に入った。そのこと自体に疑
問を感じないまでもなかったが、まあ、考えてみれば誰でも全裸になる場所である。
“仲の良い”兄妹にとっては“うふふ”の空間であろう。まして、さっきから全裸の
妹がかいがいしくも兄の身体を洗ってあげようと言うのだから…
 結局、兄はこの下心に負けたのであった。
「ぜーーんぶ洗ってあげるからね。お兄ちゃん」
 そう言って兄の身体を洗い出した妹は、両手を一生懸命動かしながらも、意識して
裸体を摺り寄せる。泡一杯のボディタオルの刺激以上に、妹の木目細かく――熱くぬ
める肌の感触に兄は陶然となった。
「背中に前に足に…これで、全部終わりね。じゃあ――」
 そして、ほとんど泡だらけになった兄に妹は優しく囁いた。思わず唾を飲む兄の喉
である。実はまだ唯一残っているところがあるのだ。それは兄のこ…
「ここは―――大事だから…加奈のお口でして上げる…」
 言うなり、妹は兄の前に膝まづき、頭を下ろす――そのまま股間に顔を寄せ、その
可愛い口で、兄の――さきほど妹を半狂乱にさせた――肉棒をぱくっと咥えた。
「は…うっ!」
 意外に可愛い声を上げる兄であった。実は今までの妹はこの口淫が苦手でなかなか
やってくれなかったのだ。兄には“今日はそれなのに…”という感動が入っているの
である。
(フ…グ!フモ…グ!)
 感動の分、急に大きくなった肉棒に妹は目を白黒させたが、何とか我慢した。その
事にさらに感動する兄であったが、実は妹の事情は少し違う。
(見てなさいよ)
 その決意に燃える表情を見れば何か企んでいることは明白である。だが、肉棒を大
きく口に咥えた姿勢では兄からは見れない。
「い…いいぞ…研究したな…そう――吸いながら舌を上手く動かして…先っぽを刺激
したら、次はボールのほう…」
 気持ち良さに打ち震える兄に対しての妹の口淫は執拗に執拗に続けられた。いつも
ならすぐ“いや!”と言い出すところだが、今日は口が疲れようと顎がだるくなろう
と歯を食いしばって――いや、本当にこの状態でそうしたらたいへんだが――耐え
る。
 そして―――
「あ…」
 一度出したせいもあって粘った兄であったが、妹の努力と妹がしているといういや
らしさに、ついに爆発した。ビシャリ!と言う音ともに兄のミルクが妹の口中に叩き
つけられ、その濃厚な匂いが鼻孔から咽喉まで充満する。妹はそれら全てを一息に飲
みこんだ。
「全部飲んでくれたんだね…」
 感極まって兄が囁く。とても本気で嬉しいらしい。その股間では妹が兄の肉棒をさ
らに舌で綺麗にし、ミルクの残りを吸い取っていた。
「加奈…お兄ちゃんは嬉しいよ。こんなことまでしてくれるなんて…毎日開発に努め
た甲斐があったというもの―――」
 兄は妹を抱き起こした。抱きしめてキスをしようと言うのだ。しかし、そこで急に
股間から顔を上げて立ちあがった妹はその兄の手を払いのけた。
「なーーに、勝手なこと言っているのよ!中二の妹の処女を奪ってから毎日毎日ケダ
モノ三昧だったのを美化しないで!それより判っている?」
「え?え?ちょっと、加奈…」
「あたしが今度は“勝った!”ってことよ!お兄ちゃんだけが一方的にいっちゃった
んだからね!」
 妹の突如の変貌ぶりに唖然とする兄であったが、ようするに妹は謀ったのである。
今までの“可愛くいやらしい妹”も艶技であり、“あまあま”で奉仕するふりをして
一方的な口淫に持ちこむ作戦だったのだ。
「そ、そんな…加奈。お兄ちゃんを心をこめて奉仕してくれたんじゃ…」
「よくもぬけぬけと!―――あ、でもそれ良いわ。今度のあたしの命令権はそれに決
まりね」

 寝室のベットに戻った裸の妹は、同じく全裸のまま、まだどこか傷心の兄にサディ
スティックに宣言した。
「じゃ、舐めて!」
 ベットに偉そうに腰掛けて足を組んだ妹である。兄はまだ良く理解していない。
「舐めるのよ。あたしがいつもやらされているみたいに、いやらしいところを犬のよ
うに!もちろん、あたしが良いというまでよ!
 文句ないわよね?お兄ちゃんがいつもさせていることなんだし!」
 呆然としたまま頭を下げ、兄はのっそりと妹に接近した。観念したらしい。いつも
自分がさせていることをするのだ。自分が気持ち良いわけではなく、許してくれるま
でどれだけ時間がかかるかわからない苦行を。
 だが、まだ甘かった――妹は。
「駄目!キスはなしよ!いつもどおり身体の端から!上手かったらご褒美にさせても
いいけど」
「…はーーい」
  兄は陰気に応え――突然、妹の身体を押し倒した!
「きゃああーーーっ!何するのよ!」
 もちろん、妹はびっくりして悲鳴を上げる。ばたばた抵抗しようとするが、上を取
られてしかも抱きしめられているから思うようにはいかない。
「先にいったら言う事を聞くのは大事な“約束”でしょ!守ってよ、馬鹿ぁっ!」
「もちろん、約束は守るさ」
 兄の唇が妹の耳元で囁いた。ふっ、と息がかかる。ぞくりとして一瞬抗議の止まっ
た妹に次の感触は予想外であった。
「い?な、なに…」
「身体の端からだろ?」
 そう囁いた兄の舌は妹の耳たぶをゆっくりと舐めた。熱い粘液が薄い皮膚に塗られ
るように染み込む。初めての感触だった。
「う……う…」
 予想した舐め技とはまったく場所が違う。“反則よ!”と叫ぼうとした妹であった
が、奇妙なくすぐったさと――ひょっとしたら“気持ち良さ”で声を飲む。こんなと
ころが性感帯になるとは思わなかったのに…
「あ…」
 耳をたっぷりと舐め尽くした兄は、ほのかな快感に浸っている妹を確認してから
“にやり”と笑い右手に力を込めた。ほとんど脱力状態にある妹の裸身が簡単に裏返
る。
「え…?」
 急にうつぶせにされた妹であったが、いやとは兄は言わせない。そのままその白い
うなじに口を寄せ、ゆっくりと舐めはじめたのである。
「ぉぉ……」
 それだけでぞくぞくっ!と電流が妹の背筋から脳天まで走る。重要な場所以外への
こういう丁寧な愛撫は初めてだったが、じっくりと味わうそれは、まるで別種の、し
かし確かな“快感”であった。
「くぅ…っ!」
 兄の舌は妹のうなじを唾液でたっぷりと濡らすとそのまま下がり、背中へ踏み入れ
た。そしてことさらにゆっくりと動き始める。まずは背骨から肩甲骨沿いに――次は
背中の筋肉の一つ一つを丹念に執拗に――そして愛情を込めて…
「…………」
 終わりのない舌技に妹は耐えた。まるで、裸体の奥深くに灯された小さな火を少し
づつ大きくしていくかのような燃え上がりかたに、わずかなうめきだけで耐える。感
じているのは事実だとしても、どこでもない背中を舐められているだけでこうなった
とは、兄に知られるのがたまらなかく悔しい――或いは恥かしかった。
(ど、どこでこんな技を――さっきの仕返しね…でも、あたし、このままでいってし
まうかもしれない…それは…それだけは…)
「さあ、次はお尻だ。それから腿から脚の先まで」
 兄は妹の腰の辺りに吹きつけるように囁いた。背中一杯に広がった痺れあがる快感
に浸っていた妹の脳裏にわずかな理性が走る。
(それはつまり、まだ続くという事であり――まだ“しない”ってことで…)
「あ、あのね。お兄ちゃん…」
 ようやく単語を口にした妹に兄は“ん?”と顔を上げた。あどけない顔である。し
てやったりと笑っているようには見えない。
「どした?加奈」
「あ、あの…もう、もういいから…」
「ええーーーっ!」
 わざとらしい兄の声が妹には心底憎らしかった。
「まだ、いっぱい残っているのに!下も、それから仰向けにして前も!キスもおっぱ
いもお蜜さんも!――それなのにもういいっていうのかい?」
「い、いいのよ!もうっ!」
 妹は自分でもびっくりするくらいの大声を出した。
「そんなことより――お願い」
「やれやれ。あせっちゃってもう――はしたないなあ、加奈は」
 絶対、許さない!と妹が誓った台詞と共に兄は身体を上げ、うつ伏せの妹の腰を両
手で抱えた。そのまま腰だけを持ち上げる。牝犬のようなポーズを取らされた妹で
あったが、今更、抗議などできなかった。
「あああ。もうびちょびちょだ」
 あくまで余裕をもって兄は後ろから、こちらもすでに十分に固くなっている肉棒を
恥かしい姿勢の妹の肉襞にあてがう。
「こんなはしたない妹に育てたつもりはないのにねえ」
「いいから!早く!」
「はいはい。ご命令とあれば」
 “ずぶり”と兄の肉棒が突き刺さった。ほとんど抵抗がないくらいあっさりと。同
時に妹が悲鳴をあげる。それだけで今度の“勝負”は決まったようなものであった。
「あー―い、い、いいっ…も、もうお兄ちゃんの…かたくて――いっぱいで…」
 さんざんじらされた火が一気に爆発した妹の裸体は、自分でも恥ずかしいことを叫
びながら、後ろからの兄の攻撃に荒れ狂った。自分の身体を満足に支える事すら出来
ずに顔をベットにこすりつけながらも、妹の腰は兄を求めて高く差し上げられている
のである。兄の攻撃がどんどん加速していったのも無理はない。
「あ…ああああああ――――っ!」
 今度の絶頂も妹が先だった。再度の爆発に大きく痙攣すら走る。数秒遅れて、妹の
痴態に満足した兄も爆発した。
(もう――やっぱり…)
 汗だくの裸体でベットに崩れながら妹は心の中だけで呟いた。
(―――お兄ちゃんにはかなわないわ…)



六○五号室――

「ただいま」
 ドアを開けながら聖一は首をかしげた。鍵は開いているのに、部屋の中が真っ暗
だったからである。
「姉さん。帰っているの?どしたの?――あ、いた」
 明かりをつけながら中へ入る聖一は、リビングのソファにうずくまる姉の恭子を発
見した。
「どしたのよ。姉さん」
 見れば朝、大学に行った時のままの服である。膝を抱えるポーズからも姉がぐれて
いるのは判るが、いつもの“だだ”とは少しちがうようでもあった。
「ねえ。どうしたの?姉さん」
「せいちゃーーん…」
 優しい言葉に恭子は夢中で弟に抱きついた。流れからも構えてはいた弟がしっかり
受けとめる。十六才の弟に二十才の姉の身体は決して軽いものではなかったが、聖一
は男の義務はしっかりと果たしたのであった。
「うんうん。大丈夫。僕がついている」
「せいちゃん…お姉ちゃんね――あのね、あのね――」
 母は海外赴任で滅多に帰ってこない。よっていつも二人きりの姉弟で仲はとても良
い。ただ、精神年齢はほぼ逆転していた――清楚な美人の恭子は頭が悪いわけではな
いのだが、ちょっとぼけていて…
「どうしたの?何かあったの?いいから全部言ってご覧」
 だから、あやすような弟もあやされる姉も二人にはちっともおかしな光景ではな
かった。
「今日ね。クラブの先輩がお茶しようっていうからね―――」
 そして、姉は暖かい弟の胸の中でとんでもない訴えをはじめたのであった。

「――で、暗いお店に連れていかれてね。二人きりになったところで先輩がばさっ!
と――」
「な、なにーー!」
 長い話をまとめると、恭子は大学の先輩にだまされていかがわしい喫茶店につれこ
まれたらしい。その先輩はそこで二人にきりになったとたんに下を脱いでいかがわし
いものを取りだし“舐めろ”と強制したというのだ。
「そ、そ、それで姉さん、どうした!」
「怖くなったから力一杯暴れて逃げてきたの」
「ああ、良かった」
 あせって顔色を変えた弟はちょっと安心したが、怒りそのものは収まらなかった。
まったくとんでもない話だ。僕の大事な姉にいかがわしい真似をする奴がいようとは

「もう信じられない!学校じゃ優しい人だったのに!あんなことするなんて!」
「そうだよ。外は悪い奴ばっかりだからね。僕以外の男には近づいちゃいけないんだ
よ」
「―――うん。そうするわ。せいちゃん以外はもう絶対信じないことにする!」
「そうそう、男なんてのはみんな下心だけで動いているんだから」
 世間知らずの姉に都合のいい教育をする弟ではあったが、同時にこの時、重大な一
つの決心をした。もう限界だ。このままではいずれこの穢れない姉が世の男共の毒牙
にかかり汚されてしまう。
 だから、その前に僕の手で―――

「え?いやあ…何故服を脱がなきゃなんないの?」
 実の弟に言葉巧みに寝室のベットに連れこまれた恭子は、そこでようやく弟の意図
が良く判らないままにも抵抗をした。
「姉さんが、今日みたいな目に会わないようにするためだよ」
「それは良いんだけど――だから何故、あたしが服を脱がなきゃなんないの?それに
せいちゃんまでなんで脱いじゃうの?」
「だから!今日のことも含めて姉さんが狙われるのは、男共が下心で…姉さんにいや
らしいことをしたいからなんだよ!」
「う…うん。せいちゃんがいつもそう言っているよね」
「でも姉さんはそれが具体的どんなことか知らないでしょ?だから狙われてもその場
まで判らないんだよ。今日、へんな店に連れ込まれたのも、この前、電車でへんなも
のを掴まされたのも、そのさらに前に夜道でへんなものを見せられたのも―――
 その対抗上の基礎知識として今日特別に僕が教えてあげるよ」
 優しく囁きながらも聖一は結構本気であり、そのぶんたいへんであった。自分の服
を脱ぎながらも柔らかく姉の服も剥ぎ取っていかねばならないのだ。安心させるため
の笑みに脂汗が数滴流れていた。
「でも、いやらしい事って……いつも言っていた“せ、せっくす”なの?」
「ま、そうもいうね」
「“せっくす”って姉弟でやっちゃいけないんじゃなかったかしら」
 ぼけているようで意外に常識はある姉であった。ま、そりゃそうだ。
 弟の脂汗が倍化する。しかし、ここで諦めては長年の――
「そうだよ。だからそれがどんなのか教えるだけさ。最後まではやんないよ。安心し
て」
「そ、そう?」
 弟の大嘘に姉の抵抗が止まる。何と都合の良い姉であろうか。今の状況のおいしさ
に不純な弟は涙すら出そうだった。が――
「でも、具体的に教えてくれるってことは、せいちゃん、せっくすをしたことがある
の?」
「ん……ま、まあ、ちょっとね――」
 ほんとはたくさん――優しい担任女教師から始まって、学校やクラブの先輩後輩多
数。街で声をかけてくれたお姉様、恐喝にきたのを逆に食べちゃったヤンキー娘、お
小遣いまでくれたOL、腰が抜けるほどタフだった主婦、本当に上手だったおばさま、
その他もろもろ――
「まだ十六才なのにぃ?」
 上は五十六才から下は十二才まで――
「最初はキスからだよ!」
 天然ぼけのくせに鋭い――いかがわしい弟のいかがわしい過去を次々に暴こうとす
る姉に、弟は急いで実力行使に出た。
「あ…」
 全裸の姉を押さえつけ――抱きしめ、強引に唇を奪う。殴るように刺しこまれた舌
にこれがファーストキスの姉が抗えるはずもない。
「う…ううっ…」
 もうここまで来たらあとは一気呵成にいくまでである。男とはそう言うものだ。最
愛の女である以上、たとえそれが血のつながった姉だとしても――
 弟は今までの――豊富な――経験の成果を全て駆使し、その口と舌と歯で、姉の口
腔を丁寧に吸い、執拗になぶり、甘く噛み締めた。
「……」
 初心な姉はそんな弟のキスに酔ってしまう。ファーストキッスでここまでされれば
無理はあるまい。まして弟は経験も豊富にあり、それ以上に“本気”だったのだか
ら。
 ようやく唇を離した弟への一声はあえぎとしか聞こえないものであった。
「ああ…せいちゃん…なんか――お姉ちゃん、へん…になっちゃった…」
「いいんだよ。姉さん。姉さんは綺麗なんだから」
 脈絡はないが、うっとりと目を細め頬を染める姉を見た本音を呟く弟であった。ま
して、それが自分のキスによるものとあれば…
(ああっ!あちこちの女で練習しといてよかった!努力ってむくわれるんだ!)
 不純に感動した弟は欲情に耐えきれずそのまま顔を下げる。目の前に夢にまで見た
――よく入浴や寝姿は覗いていたが――姉の豊満なおっぱいが世界一杯に広がった。
「いやん、せいちゃん。おっぱいにそんな…赤ちゃんみた――はうっ!」
 欲望のままに弟は姉の乳房にむさぼりついた。動機は不純でも姉を想う心は純粋
で、かつ技は百戦錬磨である。夢中であっても“つぼ”をはずすわけがない。
「い、いやあ…そんな…舐め――ないで…こんな…初め…てよ――お姉ちゃん、おか
しくな…ちゃ…う…」
 弟の口が右乳房を一杯に頬張り、舌が乳首を弄ぶ。手は空いた左乳房を握り――
じっくりと丁寧な愛撫を行った。
(あせっちゃいけないんだ。姉さんにとっては初めてなんだし、僕にとっても姉さん
は“初めて”なんだから…)
 弟は自分にそう一生懸命言い聞かせながらも、手と指と口と舌を乱暴なまでに動か
す。“やりすぎかな”とも思うのだが、姉が敏感に反応してあえぐ声を聞くと、わ
かってはいてもより一層力が入ってしまうのだ。
「あ、ああああああ、ああああっ――――!」
 その時は意外なまでに早く来た。姉の裸体が紅く染まり、同時に微妙な痙攣が始
まったのだ―――胸への愛撫だけで姉が絶頂寸前までいったのである。
 弟は慌てた。
(まずい!これで終わってしまっては、下手したら醒めちゃうじゃないか!)
 急いで口と手を――惜しいながらも――離し、姉の裸体の沈静化を図る。それでも
じたばた感じていた姉であったが、やがて少し静かになった。“え?終わり?”と目
が言っているような気がしたのは弟の願望であろうか。
(難しいなあ。いかせてはならず、その寸前まで盛り上って、そこからじらして――
だもんなあ)
 真剣に悩む弟であったが、身体はちゃんと動いている。すうっと顔を下げ――
「え?なにをするの?せいちゃん。そんな恥かしいとこ――」
 慌てて両腿を閉じようとする姉より、わずかに早く弟は、そのかぐわしい股間に頭
を入れた。もちろん、ここで姉に“恥かしい”と陶酔を醒まさせてはいけない。だか
らここは一気にいくしかない。
「やめて!そんな、汚いわあっ!」
 真っ赤になって叫ぶ姉の悲鳴を、むしろ心地よいものとして弟はその股間の薄い叢
の下へ、ずぶりと舌を刺し入れた。姉の――一度として汚された事のない――美しい
秘肉が、弟の熱い――百戦練磨の――舌に初めて犯される。姉は羞恥の絶叫を、弟は
会心の微笑を同時に放った。
「せいちゃん…や、やめ…そんな汚い――恥かしいとこを…ああん…舐めちゃ…いや
あ…ああん…」
 騒ぎ悶える姉だが弟は両手で固く姉の両腿をロックして離さない。舌を一心不乱に
動かし続ける。ここまでくると技巧うんぬんではない。純粋に姉への口姦へ没頭して
いたのだ。
 そして最初から十分湿っていた姉の秘肉がわずかな間に牝蜜を涎のように垂らしだ
した。“今だ!”と悪い弟は思った。
「姉さん!」
 にわかに体を起こし、姉の上に腰を合わせて覆い被さる。何十人のよその女を泣か
せたその肉棒はすでに直線と化していた。
「気持ち良かっただろ?」
「あ……う…ん」
「もっと気持ち良くしてあげるね」
 弟は狂暴な肉棒をとろとろの姉の秘肉にあてがった。今なら簡単に入るはず――し
かし
「だ、駄目ぇ…それって本当の“せっくす”じゃない…あたし達、姉弟なのよ…」
 そう言って姉の腰が逃げようとする。日頃、ぼけている分、こんな状況でもそれな
りの理性が残っているのか!――と絶叫したい弟であったが、ここは我慢である。も
うひとおしなのだ。
「でも、姉さん。“恋人同士”ならSEXは許されるんだよ」
「え?こいびと?」
「そうさ!姉さんは僕が好き?」
「…それは…好きだけど…」
「じゃ、僕以上に好きな男はいる?」
 結構、真剣な質問である。問題は、こういうことをする前に確認すべきことなので
あって――
「いいや…せいちゃんより好きな男っていない…」
 思わず、ガッツポーズを取る弟であった。
「実は僕も姉さんが一番好きなんだ。誰よりも愛しているよ。本当にもの心ついた時
から!」
「…でも他の女の人と“せっくす”したんでしょ?」
 冷や汗が弟の背筋に一筋流れる。
「そ、それは、姉さんが振り向いてくれなかったからさ!姉さんさえ恋人になってく
れるのなら、そんなことは絶対にしなかったよ!」
「そう?」
「そうさ!
 そしてこれでわかっただろう!僕達は愛し合っているんだ。だから恋人同士さ!だ
から、今からその愛を確かめあっても良いんだ!」
 弟は姉を力強く抱きしめた。
「…そうなの?」
「僕の恋人になるのは嫌?」
「そ、そんなことはないわ…」
「じゃ、恋人同士で良いんだね?」
「で、でも…」
「でも、何さ?」
「恋人同士ってことは浮気しちゃいけないんだよ。せいちゃん。これからお姉ちゃん
だけって約束できる?」
 喋れば喋るほど立場が悪くなることに気がついた弟は、ついにここで決心して実力
行使に出た。さっきからあてがっていた腰をわずかに前進させたのである――その肉
棒の先端は姉の秘肉にずぶずぶと入りこんだのだ。
「あ、あああーーーんっ!」
 あえぎと悲鳴をミックスした姉の絶叫に弟は全身が紅潮するまでに煽られた。しか
し同時に数多の処女を奪ってきた経験が、“最愛の姉の為に”身体を冷静にコント
ロールする。
 あせってはならない。最初はほんとに痛いだけなのだ。それを貴重かつ美しい体験
とするには、男の気配りと思いやりと愛と――何より我慢が必要なのであった。
「姉さん。力を抜いて。大丈夫。僕に任せて。この世で一番愛している姉さんのため
だもの」
「ほ、ほんと?…せいちゃん、お姉ちゃんを愛してくれるの?」
 最初はじわじわだ。出血するくらいだから乱暴はいけない。出来るだけゆっくりと
腰を前後させて――男がつまらなくても、ここは女の身体をならすほうを優先するべ
きで――
(で、でも…姉さん、締まる…この前やった…先輩のお尻より…)
 弟にとって意外だったのはあれだけ愛撫して緩めたはずの姉の秘壺が、生まれて初
めて味わうまでに緊縮だったのである。これでは――ただでさえ、姉の処女を奪って
興奮している弟の肉棒が―――
「ね、姉さん…」
「…なに?」
「気持ち良い?痛くない?」
「う…ん…ちょっと気持ちは良いけど…やっぱり痛い――さっきほどじゃないけ
ど…」
「そ、そう?良かった…」
「?せいちゃんは大丈夫なの?なんか苦しそうだけど?」
「いや、苦しくはないんだ…気持ち良くて――」
 その気持ち良さを我慢するのが苦しくて――姉のことを思いながらも、徐々に速く
なる腰の動きを止めかねる弟であった。
「あ……まさか…」
 そして、爆発は信じられないほど早く来た。感じたときにはもはや手遅れで、弟は
童貞を失った時よりも激しく噴出す感触に、ただただ驚きを感じるしかなかったので
ある。
「あ…せいちゃん。何かした?大丈夫?お姉ちゃんの中で――何か熱いものが…」
 こういう状況でも弟を気遣い、かつ可愛くぼける姉を弟は全力で抱きしめた。
「姉さん。一生離さないよ。たった今から僕等は最高の恋人同士だ」
「うん。良いわよ。お姉ちゃんもせいちゃんなら――一生、大丈夫だわ…」
「姉さん!」
「でもね」
「え?――でもって?何?」
「さっきも言ったけど浮気は駄目よ」
 急に冷静な姉の強固な主張に、幸福に酔っていた弟の熱い背を冷たい汗が数筋流れ
る。
「わかった?もし、浮気したら――お姉ちゃん、怖いからね!お返事は?!」



六○六号室――

「ただいま」
 ドアを開けると、それを待ち構えていたかのように急いだ小走りの足音がした。
「お帰りなさい。宏一さん」
 睡蓮の柄の浴衣にエプロンという――ちょっと、家庭的には妙ないでたちのその女
性は、思わず声を上げてしまいたくなるほどに上品でしっとりとした――そのくせ、
胸と腰の辺りは特に大きいなかなかの美人であった。年齢は三十代半ばであろうか
――名は津子と言う。
「やっと期末試験が終わったよ。ママ」
「お疲れ様でした。
ご飯になさいますか?それともお風呂に?」
 これが宏一の実の“母親”だと言われても十人中十一人は信じないであろう。高校
生を息子に持つには“若すぎる”だけではない。何よりも、その“実の息子に対し
て”貞淑な妻が最愛の夫に尽くすかのようなその態度に――である。
「風呂にする。電車の中で汗をかいた」
「判りました」
 津子はうやうやしく頭を下げると息子の鞄を両手で受け取った。その手を宏一が掴
む。
「あ……いけませんわ」
 母のかすかな抗いをものともせずに宏一はその豊満な体を抱き寄せ、その唇に自分
の唇を――強引に重ね合わせた。
「う、ううう……」
 息子の舌が母の唇の間に刺すように侵入する。津子は一応、抵抗しようとしたが、
息子は母の浴衣ごしの熱い身体をしっかりと抱きしめて、許さない。すぐにも息子の
舌が母の口内をねぶりつくすように愛撫し出すと抵抗も加速度的に弱っていった。
「あ、う……うう・・」
 いつの間にか抗う母の両手は動きの向きを変えて、息子の首を抱きしめていた。頬
も見る見る赤くなり、もう相当にたまらないのか、身体も震え出す。その効果に息子
は会心の笑みを浮かべて、ようやく唇を離した。
「も、もう。おいたしちゃいけませんわよ。宏一さん」
 実の息子の淫らすぎるキスに、上気した顔とまだ微妙に震える身体のままで津子は
“めっ!”をした。母としての最後の見栄であろう。それが判っている息子はそんな
母をたまらなく可愛いと思った。
「だって、試験のために一週間も我慢したんだ。これくらいは許してもらわないと」
「駄目です。まず汗を流して、ごはんを食べてからです!」
 それなりの威厳を込めて津子が命令する。それでも、『わたしだって我慢したんだ
から…』という本当の思いを判らない最愛の息子ではない。宏一はにやりと笑った。
「その浴衣、いいね。ママに似合っているよ」
 津子が着ている睡蓮のデザインの浴衣――二人がどこよりも気に入っている“あ
の”旅館で買った浴衣である。それをわざわざ着て息子を出迎えた母の意味などは
――それこそこの二人にとっては口にする必要も無い事であった。

「お湯加減はどうですか?」
「ちょうど良いよ。ママ」
 待っていた息子はそう答えながらにやりと笑った。浴室のドアの向こう側の光景が
明快に想像できる。そこにはあの母がいて――いつものように次の準備をしているの
に違いないのだ。
「お背中を流しますわ。宏一さん」
 二分後、予想通りに母 津子が、予想通りの姿――その豊満な女体を、片手と手ぬ
ぐいだけで覆いながら浴室に入ってきた。もちろん息子に否やはない。
「じゃ、頼むよ」
 宏一は我慢して今まで入っていた湯船から、わざと勢い良く立ちあがった。浴室に
満ちる鋭い水飛沫と豊な湯気の中で、宏一の“男の子”の部分が威勢良く跳ね上が
り、元気良く振りまわされる。宏一はそれが“ママ”に直視されていることを確信し
ながら、あえて一切隠そうとぜずに洗い場の湯椅子に座った。
「ほんとうに立派になられましたね」
 向けられた息子の広くなった背中を見ながら、津子はしみじみと呟いた。母として
の誇らしさと嬉しさと――そして、“母”のものではない恥ずかしさが微妙に入り混
じった声で――
 それが判った宏一は、にやりと――子供の顔でなく“男”の顔で――笑う。
「綺麗にしてよ。ママ」
「はいはい」
(何せここは今からたっぷりとしがみつくんだから……)
 ――と思ったのがどちらかは判らない。
 津子はボディシャンプーをつけたタオルを両手で持ち、息子の背中を丁寧に流し始
めた。その愛情のこもった力具合が息子にはとても良い。心と身体をマッサージされ
ているような絶妙な感触である。
「あの――終わりました」
 うっとりとした息子に津子はちょっとおずおずと言った。
「これでいいですか?」
「何言ってんだよ。前もしてよ」
 言いざま宏一はくるりと身体ごと振りかえる。湯椅子に腰掛けた姿勢のまま、ほぼ
垂直に起立した息子の肉棒が津子の視界に突きつけられる格好となった。
「きゃっ!」
 刺激的な“息子”の光景に、少女のような声を上げて顔を両手で覆った母が宏一に
はたまらなく愛おしい。それが、演技ではない証拠に、その頬も――両手が上がって
剥き出しになった豊な裸身も、鮮やかに紅潮しているではないか。
「きゃっ!じゃないよ」
 この母の自分への態度に宏一は永久に勃起し続けるような強烈な陶酔感を骨の髄か
ら味わいながらも、あえて命令調にでた。
「早く洗ってよ。おなかが空いているんだ。“母親”なら当然だろ」
 言われて津子はおずおずおとタオルを構える。息子がこう強く言わねば、恥ずかし
がり屋の母は動けないのである。例え――本人がどんなに求め、欲情していたとして
も。
「駄目駄目。前にタオルは駄目。こっちは背中より繊細なんだから、もっと優しく
洗ってくれなきゃ」
「はい……」
 いつものことなので津子にも息子の要求している意味は判る。そして、それを自分
も望んでいるということも――実の母子の間としてはどんなに恥ずかしく、かつ背徳
的であろうことも。
「……失礼します」
 津子は礼儀正しく一礼してから、湯椅子に腰掛ける息子の――股間の前にひざまづ
いた。その姿勢だと、当然、息子の逞しく勃起した肉棒が目の前につきつけられた格
好になる。至近距離で見るそれは、大きく、何本もの血管が威嚇するように浮き上が
り――そして、息子の前に屈辱的な姿勢でひざまづいた“母”である津子の裸身と、
今から息子のそれを受け止めると決めた心――いや、“欲情”めがけて勃起している
ことがありありと判る。
(……では)
 心の中でそう拍子を取る。同時に津子は自分の股間が湿った音で鳴ったような気が
した。
「はうっ!」
 宏一が小さい声を上げる。自分の肉棒を母の真っ赤な美しい唇がぱっくりと咥えた
感触と――その背徳的かつ甘美すぎる事実に……。
「ふふふ。ママ、良いよ。一週間ぶりってこともあるけど、ママのお口は最高だ」
 誰よりも美しい“母”が息子の股間に誠心誠意“お口の奉仕”をする――と言うこ
とが、男としての優越感と息子としての愛される深さへの感動の双方をたまらなく刺
激する。宏一は、股間の下の母を力一杯抱きしめたい衝動を、せめて母の頭を抱える
ことでこらえ、母の口と舌と――“愛情”による肉棒への感触をたっぷりと堪能し
た。
(う…大きい…宏一さんって――やっぱり一週間我慢したせいかしら。それにとって
も熱くって……)
 母としてあるまじきことを思いながらも津子は懸命に舌と口を動かし、口の中の息
子の肉棒を愛撫する。この狂暴さは誰よりも良く知っているが、加えて今は本当に食
べてしまいたいくらいに可愛いい感じすらもしていた。
(……やだ、あたしも一週間我慢したせいかしら。実の息子の宏一さんに対してはし
たないことを……それとも――)
 これからの狂暴さを期待しているのかしら――などと全身で真っ赤になって思いな
がらも、津子は舌で息子の肉棒を丹念に舐め上げ、口全体で力一杯吸いこむ。
「そうそう…もっとなぶって…下のほうも…」
 息子の希望の通りに――加えて母の欲情のままに、息子の肉棒は母の口腔に愛され
――弄り続けられた。そして――
「……そろそろいくよ。ママ、どっちが良い?」
 眉間に皺を寄せ――股間の爆発に耐えて宏一がうめく。津子も“大変!”と視線を
上げた――息子の肉棒をその真っ赤な唇にしっかりと咥えたまま。
「顔か胸にする?」
 母はちょっと考え――いやいやをする。
「じゃ、飲む?」
 息子の肉棒を口から一ミリも離さずに、“こくこく”と母がうなずく。宏一はそん
な母の可愛らしさににっこり笑い――同時にその淫靡さにこらえきれずに肉棒を爆発
させた。
(う……!)
 びしゃっ!と男のミルクによる音と衝撃が津子の喉まで叩きつけられ、息子の熱さ
と男の香りが口一杯に飛び散る。それでも母の口の中でどくどくとうごめく息子の肉
棒を津子は離さずーー逆にその全てを飲みこもうと喉に力を入れた。

 入浴を終え、すっきりとした宏一はパンツだけをはいてリビングへ入った。すでに
一足先に出て、浴衣に着替え直した津子がいる。
「今日はちゃぶ台にしときましたわ」
 津子はリビングの絨毯の上に置いたこたつ机に料理を並べていた。サイコロステー
キや刺身、ガーリックライス等々の息子の好物を嬉しそうにそろえるその姿は、まる
で新妻のように初々しく――けなげでもあった。第三者であれば、これがついさっき
息子の全部を飲みこんだ実の母だとは絶対に見えなかったであろう。
「あ、鯛に烏賊だ。この刺身はママが作ってくれたの?」
「もちろんです。魚市さんに活きのいいのが入っていましたの」
 ちょっと自慢する母に歓声を上げながら、宏一はするりとその母の隣に身体を刺し
入れた。その際に触れた息子の身体の熱さに津子の心臓は思わず跳ねあがる。
「あの…宏一さんの席はあっちなんですけど」
 嬉しい動揺を悟られないよう何とか押さえようとする母の抗議を息子は嬉しそうに
無視した。
「だあめ!試験明けで疲れてんだから、食べさせて」
 そう言いながら息子は母を横から抱きしめようとする。その肌の熱さが胸が密着し
た脇から腕が回った背中にまで焼け付くように津子の身体に響いた。思わず、母の理
性は声をからして叫んだ。
「な、なんですか。宏一さん!子供みたいに!」
「子供だもーーん。ママの」
「………あ――」
 言われて見ればそのとうりである。宏一は津子の実の――たった一人の息子なの
だ。
「あーーん」
 しかし――いや、息子がまるで雛鳥のように口を大きくあけてご飯をねだるのは、
まあ良しとしよう。しかし!その間にその両手が母の浴衣のあちこちから不埒な侵入
することを“母”として許して良いのだろうか?
「ちょ、ちょっと!いけません!そんなおいたをしちゃあ…」
「ママ。和服の時には下着をつけないっていう言いつけは守ってるんだね」
 息子は母の躾などは、“完全”に聞いていなかった。
 それどころか、右手を胸元から入れて母の豊な乳房をわしづかみにし、左手は裾を
割って暖かい母の股間に侵入する。すでに固くなった乳首への刺激ととっくに湿って
いる股間への攻撃に、津子は――母として!――はしたない声だけは必死でこらえ
た。
「なんだ。もう立ってるし、濡れているじゃない。結構、飢えていたんだね。ママ」
「だ、駄目ですぅ…」
 息子の右手が母のすでに固くなった乳首を弄び、また左の中指が母の肉襞の中に刺
しこまれる。乳首のこりっ!とした感触と愛液のぬめる音は誤魔化しようが無い。あ
まりの恥ずかしさに津子の声は消え入りそうであった。
「なに?何が駄目だって?今すぐママを姦ること?」
 宏一の腰が動き、津子のお尻にその股間が押し当てられた。
「あ、ああ……」
 その感触に津子の背筋が震える。薄い浴衣の布ごしに伝わるその熱さと硬さは、い
つもの――母子が変わった“あの日”から、ほぼ毎日、浸りきるほどの堪能した日々
によって津子の“女”の全てに刻印されたものであった。
「ほら、もう僕は準備OKだよ。触って――次に何をするかは判っているよね?」
「…ご飯を食べてください……成長期なんだからお身体にさわりますぅ…」
 実の息子に巧妙に胸と股間を責められ、また、耳元で“女”として甘く囁かれなが
らも、津子はかろうじて“母”の台詞を声に出した。
「ほおおう。まだ、そんなうそつきなことを言うの」
 台詞とは裏腹に息子は嬉しそうである。か細い抵抗が更に嗜虐性をくすぐったよう
だ。少し意地悪な息子は、口だけは正直でない母の身体に対して実力行使にでた。
「きゃうんっ!」
 素早く――しかし丁寧に、津子の身体は仰向けにされた。その勢いで割れた裾を覆
う間もなく、すでに十分に熱く湿った股間めがけて息子の頭がかぶさる。どうなって
いるのか理解したのは、恥ずかしい母の肉襞に息子の熱い舌が触れた痺れるような刺
激によってであった。
「いやっ!そんな――ご飯前にぃ!」
 抗おうとしても何も出来ない津子の股間に息子が顔をうずめている。和服故に下着
は何も付けていないから、息子の視覚と嗅覚には剥き出しになった母の“女”の部分
が――それも息子の指の愛撫だけで、涎のように愛液を垂れ流している肉襞が熱さを
感じるほど密着して存在しているのだ。津子の声はもう死にそうであった。
「や、やめて…それより先に…ご飯を食べて下さいぃぃ…」
「食べるよ。今から――ママの一番美味しいところを」
「ひうっ!」
 津子の秘肉に生暖かく柔らかいものがぞろりと触れた。見るまでもなく、毎夜の経
験からそれが息子の舌の愛撫であることは感触だけで母には判る。そして、それがい
かに執拗、かつたまらないものであるかと言う事も…
「あ、ああん…いやぁぁ…そんなぁ…いいっ…いや…宏一さ…ぁぁん…」
 千回以上の経験を誇る息子の母自身への舌での愛撫は、津子の予想通りに果てがな
いほど濃厚で、かついやらしいものであった。ぺちゃぺちゃと息子の舌と母の秘肉が
鳴る音が二人にははっきりと聞こえる。
 そして、そのどうしようもない快感には、“母の威厳”など何の意味もなく、津子
はただただあえぎを上げてむせぶだけである。“止めなくては…”と頭のどこかで
思ったとしても、息子の両腕が母の両腿をしっかりと抱きこんでいて、外せそうにな
い。いや、それどころか無意識のうちにその両手は股間にむしゃぶりつく息子の頭を
逆に押さえてすらいたのだ。
「ひ――ッ!」
 ついに短い悲鳴と衝撃が津子の身体を鋭く走った。濃すぎる息子のクンニに母が軽
く“いった”という事は津子にも宏一にもわかる。さっき母の口に爆発して男のミル
クを全部飲んでもらった息子はようやく満足げな笑みを母の剥き出しの股間に密着し
たままもらした。
「良かった?ママ」
「――あ…ああん…」
 まだ痺れる股間から上げた息子の笑顔に優しく聞かれたって応えられる状態の母で
はない。一週間待たされたあげくに、お風呂で“息子の”への濃厚な肉奉仕を強制さ
れ、そしてこれから先の予定に、本意ではなくてもどこかで、わくわく―母として恥
かしくも―していたのだ。同じくらいに盛り上っていた息子の愛撫が――
「じゃ、本物で行くよ」
 まだ余韻に浸りきっている母の身体に熱くなった息子の身体が覆い被さる。浴衣の
帯はすっと息子に外され、津子の白い肌の裸身――豊すぎる胸と大きな腰――そして
勃起したような乳首と繁みまで濡れた秘肉までもが、剥き出しにされた。
「いや、でもその前にせっかくのおっぱいを食べちゃおうかな」
(え?――)
 と、思ってしまったことが、母として実に恥かしいことであった。宏一は母の“希
望”に反して、まずは胸に殺到したのである。
「美味しいよ。ママ」
 母の乳首をぺろりと一舐めしてから猛然と宏一は津子の乳房にむしゃぶりついた。
知り尽くした息子の舌と歯が激しくあばれ、しびれが母の脳天まで響く。その快感の
激しさは(“おあずけ”なのに)、全身が跳ねあがるほどであり、実際、これだけで
もう一度いってしまいそうであった。
「あああぁっ――!」
 しかもそれだけではなかった。息子の胸への激しい愛撫だけでこれだけ狂っている
というのに、母の濡れきった下半身は満足していなかったのである。
「ひ、ひぃ…い、いいっ…でもぉ…」
 母の大きな乳房をむさぼる息子の頭をしっかりと右手に抱きしめながらも、津子の
左手は下を――半ば無意識のうちにさぐる。探しているのだ。母の、沸騰するほど欲
情している肉壺をふさぎ、思いっきり蹂躙してくれる最愛の――母だけの肉棒を。
「あ、はしたないことしている」
 母にようやく肉棒を掴まれた宏一は余裕たっぷりに囁いた。津子の左手のひらから
伝わる息子の肉棒の熱さと血の鼓動の合間にその悪戯声が耳に染み入る。もう、津子
には母としての威厳などなかった。
「お願い…して…宏一さぁん…もう…我慢…でき…な――」
 母の肌の熱さと股間の十分過ぎる湿り、乳首の背伸びするかのような硬直――そし
てこの哀願に宏一は満足の笑みを浮かべた。腰を引いてゆっくりと母の左手から自分
の“凶器”を解き放ち、それを慎重に母の秘肉に押し当てる。
「うっ…うーーーーーっ!」
 ことさら丁寧にしたのはじらすためだけではない。一気に行くと自分も爆発しそう
だったからである。
 そして、ぐっ!という衝撃が母子の双方に波のように走った。
「いいっ!…こ、宏一さん!」
 上から熱い肉棒を刺しこむ息子に、母の熱い肉壺はしゃくりあげるように腰を浮か
せて迎えた。欲情した肉と肉が交わるいやらしい音と快感が、二人の股間から全身へ
爆発する。
「ひぃぃぃ――っ!」
「いいよ…ママ。相変わらず最高だ。一週間待ったかいがあったよ」
 息子の激しい腰の動きの下で母が獣のように跳ね、泣き叫ぶ。余裕のある台詞の息
子も、それにあおられるように紅潮し、さらに母の肉壺をえぐる自分の肉棒を加速さ
せた。
「い―――いくぅっ…い…くぅ――お…お願い…こ…こう…宏一さ…」
 夢中で津子は――いや津子の体は宏一にしがみついた。熱すぎる母の肌が汗を浮か
べた息子の肌を覆い尽くすように密着し、硬くなった母の乳首が息子の胸に押しつけ
られる。母の右手が動いて息子の頭を抱え、同時にその唇が息子の唇に貪るように食
いついた。その感触がさらに母子に欲情をあおる。
「そ、そんなにされるとぉ…」
 次の爆発までの時間はいつもより早かったが、二人とも、もう本気の限界であっ
た。それから数秒後――
「あ……」
 二人の身体中に、しかも同時に爆発が起きた。自分の中のふるえるほどの快感――
それを密着した肌から伝わる相手に同種の衝撃がある喜びがさらに倍化させる。それ
はきっと相手への――実の母子であっても、いやそれだからこそ――“愛”の故で
あったのだろう……
「ああ……宏一さん…」
「ママ…良かったよ。やっぱりママが最高だ。僕はもうママしかいらない」
「――嬉しい…」
 二人だけの世界で愛し合う母子は互いを力一杯抱きしめて、余韻と互いの愛を確か
め合う。しかし、同時に次の愛へのエネルギーがその二つ裸身に加速度的に盛り上り
つつもありー―そして数分後二つの声が重なるのだ。
「ねえ…」



「――いかがでしょうか。お客様。
 さらに申し上げれば、ただいま説明させていただきましたお勧め点は、当マンショ
ンの魅力のほんの一部でしかございませんが、それだけでも十分なものであったと、
私どもは確信しております。他の様々なお買い得ポイントにつきましては、後ほど
個々の説明で申し上げますが、それ以上につきましては――ご購入の上でお客様自ら
ご確認くださいませ。
 ご心配なく。絶対に損はさせません。
 あ、それから――最初に申し上げましたように、当マンションに入居なさるについ
てはオーナーより『仲の良いご家族であること』という条件がつけられております
が、お客様達なら大丈夫でしょう。
 いえいえ、ご謙遜なさらないで。こうしてお伺いしているだけで仲むつまじさは十
分判りますわ。片親だけだとか子供だけだとかなんて気になさらないで下さい。最近
では珍しいことでもないですよ。この私も母子家庭ですし、そもそもここのオーナー
もそうです。
 それに、申し上げましたように、このマンションはお客様のようなご家庭には特別
割引がございますので…私の親友の由佳のご紹介の分も合わせて勉強させていただき
ますわ…
 
 え?では早速、ご契約いただきますので?
 ありがとうございます――そしておめでとうございます。いや、正直申し上げまし
て、不動産屋としてもお客様の今後のお幸せをこれほど確信できる物件は他にござい
ません。
 では今後のお二方のご多幸をお祈り申し上げます―――」

 K不動産株式会社社長 宏美女史のある日の営業活動より

[2002/08/18]

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。