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小説(転載) 「策略」

近親相姦小説
11 /24 2018
作品名  「策略」

暑い夏の日差しが照りつける土曜日の午後、裕美は部活を終えると、友達からの
遊びの誘いを断って、すぐさま家路についた。

今日は、母親が同窓会の旅行でいない為、自分が夕食を用意する事になっていた。
材料は既に、前日母親が買って置いてくれていた。

(たしか、カレーだったっけ。あ~あ・・だるいなあ、もう・・)

裕美は、疲れた表情を浮かべながら、トボトボと歩いていた。
時折吹き付ける風が、前で結んでいるリボンを揺らしていた。

本来17歳の乙女としては、土曜の午後というのは魅惑いっぱいの楽しいひととき
だった。
セーラ服のままアイスクリームをかじりながら、友達とワイワイガヤガヤとお喋り
そして4,5人集まればカラオケで、浜崎あゆみや大塚愛といった今時のギャル受け
ソングを夜遅くまで歌いまくるのが週末の、お楽しみだった。
明日は日曜日、辛い早起きをしなくてもいい極楽な日なのだからなおさらである。

それなのに・・・

母が帰ってくるのは、どうせ明日の夜。となると食事の仕度は必然的に裕美自身という
事が分りきってる事実が、一層憂鬱な思いを増幅させていった。

なだらかな坂を登り切ると、目の前に新築の2階建て家屋が目に入って来た。

(やれやれしょうがない。さっさと作って、さっさと食べて、後から参加しに行こう)
裕美は一息ついて踏ん切りをつけると、足早に自宅への足取りを速めた。

(あら?あれは・・・)
裕美の視界に、自宅の前で、忙しくウロウロとしている男が映った。

弟の純一だった。
(変ねえ・・こんな時間から家に戻っているって)
同じ学校に通う1つ下の純一は、野球部員で、近く始まる甲子園大会地区予選の為の、
猛特訓の日々が続いていた。もちろんレギュラー。
だからいつも夜遅くまでの練習で、くたくたになって帰るのが常だった。

なのに、今日に限って、夕方とはいえ、比較的早い時間から自宅にいるのが変に思えた。
「あっ、姉ちゃん。お帰り」
陽に焼けたイガグリ頭から、白い歯がこぼれる。

「どうしたの?珍しいじゃない、こんな時間に家にいるなんてさ」
「今日は休養日なんだ。最後のね。だから半ドンで帰ってきたんだ」
「最後って?」
「来週から予選が始まるんだ。それで最後の休養ってこと。明後日からは本戦モードさ」

へええ・・と裕美は納得した。で、そんな時、もう1つの疑問が頭を過ぎった。
(だったら、どうして、家の前で立っているのかしら?)

「ねえ純一、あなた・・」
裕美が、そのことを口にしようとした瞬間、純一が早口で捲し立てた。
「いいタイミングで帰ってきてくれたよ。ちょとというか、かなり困った事が起こって
てさあ・・」
「え?困った事?今なの?」

普段から余り表情を崩さない、ポーカーフェイスの純一が、どこか落ち着かず、そして、
眉間にしわを寄せながら困惑の色を隠そうともしないのを見て、裕美はただならない雰囲
気を感じとった。

「そうなんだ。実は今、家に多津子叔母さんが来てるんだけど・・・」
「それがどうしたの?いつものことじゃないの」
「それがそうでもないんだよ。父さんのいる書斎に入ってから1時間ぐらい経つけど、中
から全然出てくる気配が無いんだよ」
「なんだあ・・・それもいつもの事じゃないの。なによ驚いて損しちゃったわ。もう!」

裕美は、一瞬何事かと固まった自分が恥ずかしく思ったのか、ことさらオーバーな仕草で
純一をたしなめた。

多津子は、父の妹だった。
2人の仲の良さは、子供たちの目からもよく映っていた。
休みの日になると、いつも一緒。よく家に遊びに来た。
まるで、そこで生まれ育った実家のように、長年馴染んだ雰囲気を漂わせながら
いつも笑みを絶やさない優しい叔母。それが多津子だった。

裕美の母も、結婚当初は、色々と詮索もしたけど、十何年も経つと、今ではすっかりと
諦めた様子で、呆れるやら何やらで、もう気にもせずに、ほったらかしの状態にあった。

実際、家の中での様子は、兄妹というより、もはや恋人同士以外の何者でもない雰囲気
が漂っていた。むしろ母の方が、父の実の妹のような感じだった。
だから裕美にとっては、父の書斎に叔母がいる事は、日常的な出来事だった。
今日は土曜日。そう・・いつものことだったのだ。

「だけど今日は、いつもとは違うんだよう!」
「だからどう違うのよ?」

要領を得ない説明に、苛立ちをあらわにする裕美。
だけど純一の慌てぶりが尋常ではないのは明らかだったから不安もまた駆り立てられた。
額の汗、大きく見開いた目、身体全体が不安定なまでに揺れ動いていた。

「2人とも、俺が今日早く帰る事を知らないんだ。それに母さんも旅行でいないし、姉ち
ゃんも部活で遅くなると言ってたから、今の時間は誰もいないと思って父さんたち・・」
「え?」

その時裕美は純一が言おうとしていることが、何であるか直ぐに想像出来た。
それはいつも心の隅で、ひょっとしてと考えていた事が、まさか本当にあったという
事が、ことさら裕美の衝撃を大きくした。
有り得ない事だ。それを考えては、いつも顔を真っ赤にする妄想だったのに・・・
裕美は目の前の景色が、ぐにゃりと捻じ曲がる感覚に襲われた。

「黙って帰ったせいもあるけど、俺が玄関先にいると、奥の書斎から2人の喋る声が聞
こえてきたんだ。それで俺もいつもの事だと思って、そのまま声を出さずに2階の俺の
部屋に入ったんだ。それでしばらくしたら・・・下から、その・・声が・・してきたんだ」

次第に純一の声が尻つぼみに小さくなっていった。
さあどうしよう?裕美は困った。
このまま家の前で、ただ突っ立っている訳にもいかない。
時間を潰しようにも、頭が真っ白な状態で、どうしたらいいのか考えがつかない。
それに夕食の支度もある。だからあまり遅くにも帰れないし。
裕美は、両手で頬を押さえながら、玄関前を右左と行ったり来たりと忙しく歩き回った。

「こうなったら姉ちゃん、ちょっと様子を見に行かない?」
突拍子なセリフが、純一の口から飛び出た。裕美は、ドキリと胸に針が刺さったような
痛みを覚えた。いや疼きか・・・そして足が止まった。

驚きと困惑と下に、大きな好奇心が疼いているのが自分でも判っていた。
裕美は、父と叔母の間柄をいつも、いやらしい想像で汚していた。
ひょっとして・・・2人は、いつもSEXをしていたのかも?と。

「な、何バカなこと言ってるのよ。今入っていって、もし気づかれでもしたら大ごと
だわ」
「大ごと?姉ちゃん、今すっげえエロ入ってねえ?」
「な、何ってこと言うのよ純一!」

純一の意地悪そうな目を見て、裕美はカッと頭に血が昇った。
すぐさま近所に響き渡るぐらいの大きな声が純一に向かって吠えた。

「バ、バカ!中の2人に聞こえたら拙いだろ」
慌てた純一は、直ぐに裕美の口を手で塞ぎにかかった。
「何するのよ。聞こえたっていいじゃないの。聞こえりゃバカなこと止めるだろうから
丁度いいじゃないさ」

裕美は純一の手を叩くと、感情的に捲し立てた。
よほど”エロ”という言葉に腹が立った様だ。

「姉ちゃん、さっき気づかれたら拙いと言っときながら、今度は聞こえたら止めるから
丁度いいってってのは、ちょっと変な言い草だぜ」
「うるさいっての。だってあんたが変なこと言い出すから・・もう」

「ははあああん・・・図星だったわけだ。父さんと叔母さんが、ずっと前からバカな事
しているって思ったんだ。バカなこと・・・エッチかあ」
「な、なによ、あんただってそう思ってたんでしょ?」

「そりゃあそうでしょ。あれだけ仲良い雰囲気たっぷりでいつも一緒だったら、誰だって
そう思うだろ?だってやっぱりあの雰囲気は普通じゃないもんね」
「じゃあやっぱりお母さんもそう思っているのかしら?」
「さ~あどうだろ?思ってても口には出せないんじゃないかな。俺たちの手前・・・」

そう言いながらも、純一は、意地の悪そうな目つきで裕美を見ていた。

ドクン・・・
裕美は胸の鼓動が大きく弾ける衝動を感じた。

確かめよう・・・この状況だけでは、なんともはっきりしないからだ。
単にお喋りをしているだけかもしれないし、第一、血が繋がった者同士が、こうも
あっさりとそんな関係になるのだろうか?安っぽいエロ小説じゃあるまいし、そんな事
は現実には有り得ない・・・と強く思う裕美なのだが・・・

だが同時に、ひょっとしてそれが見れるのなら見てみたいという思いも持ち合わせていた。
相反する不安と期待とかが入り混じって心の中に溶け込む。
どうあれ裕美の興奮は次第に高まっていったのであった。

確かに純一の言うとおり裕美の頭の中はエロでいっぱいだった。

セーラ服の胸の辺りに汗がにじんでいた。首から流れ落ちる汗の量の多さが、その緊張の
程を知らせてくれた。

まず純一が先頭に立ってドアノブを握った。
ゆっくりとドアが開いていく。辺りは、しんと静まり返っていた。
裕美は土間に目をやると、男物の黒い靴と、女性が履く水色のパンプスが、2つ綺麗に
並べられていて置かれているのが見えた。

2人は、静かに靴を脱ぐと、音を立てずに、ゆっくりと廊下に足を置いた。
父の書斎は、玄関から正面奥の左手にあった。
2人は、声を殺して、すり足で歩を進めていった。

「何にも聞こえないじゃないの」
「そんなはずはないよ。さっきまで2人の声が聞こえていたんだ。間違いないよ」
裕美と純一は互いの耳元でひそひそ声で話し合った。

そしてとうとう書斎の前まで歩を進めた。
その時だった。
中から、何やらガサガサと動く音が聞こえてきた。
そして、ぼそぼそと喋る声が2人の耳に入って来た。

「何か喋ってるね。でも声が小さすぎて何言ってるのか判んないや」
純一はドアに耳をくっつけながら、少しでも中の様子を知ろうとやっきになった。

「えっ・・えっ?・・・うそ!」
その瞬間、裕美は驚いた表情で、思わず大きな声を出した。
「どうしたの姉ちゃん?」
「何かピチャピチャした音が聞こえたの?これって?」

「ええ?なになに?・・・」
裕美の驚きに純一も、慌てて耳をドアに押し当てて中からの音に神経を集中させた。

「こ、これってキ、キスしている音じゃない?」
「そ、そうよ、これはキスしている音だわ、間違いない」

裕美の胸がキュッと締まった。もはや疑う余地など無かった。
父と叔母は正真正銘の恋人同士だった。
互いの血が繋がった者同士の恋愛が、今自分の目の前で行われているのだ。
裕美は驚きの表情で、ドアから耳を離せずにいた。

「すっげえ・・本当に父さんと叔母さんが、やっちゃってるのか。うわあ・・どうしよう
俺興奮してきたよ」
裕美の横で、鼻の穴を大きく広げながら食い入るようにドアに顔をくっ付けている純一。
興奮の高まりはその表情を見れば一目瞭然。
健康な十代の男性なら、その興奮は当然だ。誰だってそうなる。

「ああああ・・・・に、兄さん」
突然中から、叔母・多津子の喘ぐような声が聞こえて来た。
その刺激的な声に裕美は、ぎゅっと胸を押さえた。
(叔母さんの声だ。ああ・・・始めてるのね。父さんとエッチしているのね。凄いわ)

「今日はたっぷりと可愛がってやるぞ。おお愛してるぞ!」
父の興奮した声。そしてまたチュバチュバと粘着感を醸し出す音が聞こえて来た。

「ねえねえこれって、キスってより、どこか舐めているような音じゃないかな?」
純一の言葉に、裕美は、はっとした。逞しい想像が頭の中に沸いて出てきた。

「はああ・・兄さん気持ちイイ!」
また多津子の切ない喘ぎ声が聞こえた。
(やっぱり父さん、叔母さんのアソコ舐めてるんだわ。うわあ・・・イヤラシイ)
その時レディースコミックで見た絵図が頭の中に浮かんだ。父の顔がオーバラップして、
その登場人物の男性の顔とすり替った。父がよだれを垂らしながら、叔母のアソコを舐め
ている映像がリアルに頭に浮かんだ。

(い、いやあん。凄いスゴイ!すっごく興奮しちゃう~)
裕美は、立つのを止めて、ゆっくりと腰を下ろした。
そしてよつんばの状態で、耳を片時もドアから離さずに聞き込む。

「今度は、お前が俺を気持ち良くさせてくれ」
「はい。兄さん」

すると今度は、女性の喘ぐ声と、断続的に聞こえる粘着感たっぷりの音が聞こえて来た。

「うわあ・・・今度は叔母さんが父さんのチンポしゃぶっているんだああ・・・あああ
すっげえ、もうたまんねえ・・・あああどうしよう」
純一が身悶えしながら、小さな声で一人ぶつぶつ喋っていた。

(はああ・・どうしよう。何か疼いてきて止まらなくなっちゃった)
裕美は、そっと股間に手を置いた。ジメっとした湿り気がパンツを通じて感じられた。

(あああ・・オナニーしたくなったわ。でも・・ここじゃあダメだし、ああどうしよう)

刺激的な音が断続的に、洪水のような勢いで裕美の耳を襲っていた。
混乱する頭の中。理性が保てそうにない。
(あああ・・アソコに指を入れて、グジュグジュに掻き回したい!ああしたいしたい!)
裕美は、うつろな目で口を半開きにしながら、耳をドアに押し付けていた。

「はあはあ・・・」
その時、裕美のもう片方の耳から、もう1つ別の男の声が聞こえて来た。
父の声は、ドア越しから聞こえていた。するとこの声は・・・?

裕美は後ろを振り返った。

「きゃああ!」
引きつった表情から声ならぬ、声が裕美の口から漏れた。

「おおおお!もうだめだガマンできない!」
何と下半身を素っ裸になった純一が、股間のチンポを握り締めている光景が裕美の目の中
に飛び込んで来たからだ。

「ば、ばかあ!何やってるのよ、早くしまいなさい!早く!」
「もう興奮し切っちゃって、どうにもなんないよ。俺、もうガマンできねえ!ここで
やっちゃうぜ。もう止まんないぞ!」

純一は、裕美に見せ付けるように、自分のいきり立ったチンポを勢い良く扱き出した。
そのチンポの先は、真っ赤に充血していた。
健康な十代のチンポは、見事に反り返っていた。

「す、すごい!何て大きさなのよう・・・」
裕美も興奮の渦にいたせいか、その光景を見ている内に、次第に心を奪われていった。

「あああ、兄さん!もっと突いてえ・・・私のオマンコをグチャグチャに潰してえ!」
「おおお!スゴイ締めつけだ。俺、もう出ちまいそうだ!」
「ダメ、ダメ、ダメエエエエ!もっとちょうだい。ねえ、後ろからちょうだい!」

その時、父と叔母の絶叫が響き渡った。
そして直ぐ後から、パンパンと肉同士が、ぶつかり合う音が聞こえて来た。
裕美は、それがバックからの挿入だというのを理解した。


耳から父と叔母のSEXが聞こえ、目の前では、弟がオナニーを始めている。
裕美は朦朧とする意識の中、かろうじて理性を繋ぎ止めていた。
ここで自分もしちゃったら、中の2人に感づかれてしまう。

早く純一を止めさせて、自分もこの場から立ち去らないと拙いことになる。
裕美は、意を決めて腰を上げようとした。
だが・・・

「おおお、出る、出るぞ・・・おおお出る出るうう!」
「顔にいっぱいちょうだい!あああにいさあああん!」

裕美は、その最後の声に反応した。
とうとう堪らずに左手がパンツの中に入れてしまった。
「あああ・・・お父さん!もうわたし・・・はああん」

裕美は腰を振るわせた。思わず亀のように身を屈めてしまった。

「ああああ!ダメ!!」
次の瞬間、もう1つの手が、裕美のお尻を触っていた。
「ああ姉ちゃん。姉ちゃんもガマン出来ないんだろ。俺も手伝ってやるよ」
純一の手が、裕美のお尻を優しく撫でていた。
「止めて、そんな事をしちゃダメ!」
「今更、何気取ってんだよ。姉ちゃんだってパンツに手を入れてオナニーしてんじゃんか
俺のチンポだって見してやったんだぜ。今度は俺にも見せろよ」

それでも嫌がる裕美は、腰を振って純一の手を振り払おうとした。
いきり立つ純一は、素早い動きで、手をスカートの中に入れることに成功した。
「ああ!ダメ!」

「うわあ・・姉ちゃんってやっぱりエロいなあ。パンツがびちゃびちゃに濡れているぜ」
「いやあん。止めて、手を離して!」

純一は、更に敏捷性を発揮して、スカートを捲り上げると、一気にパンツをも引き摺り
下ろしてしまった。

中から、プリっと盛り上がったお尻が現れた。
さすがスポーツで鍛えただけある。純一は、舌を思いっきり伸ばすと、ゆっくりとその
お尻に這わせていった。
裕美は、よつんばの状態で身動きが取れない。ずらしたパンツが膝の所で止まっていた
から、なおさら動けなかった。

純一の舌は、そのまま剥き出しになった尻の穴にまとわりついた。
「そこは止めて、ねえ止めてったら・・・お願い。純一止めてえ!」
大きな声は出せない裕美。だけど今にも泣き出しそうな声は、次第に大きくなっていく・
・・

「臭っせえ・・姉ちゃんのケツの穴すっげえ臭っせー。さっき学校でウンコしただろ?」
「もういやああああ。離して、もう死にたい!ねえお願いだから離してよ」

とうとう泣き出す裕美。
だが、それでも純一の舌の動きは止まらなかった。

「でも、俺、姉ちゃんのウンコの臭い、すっごく好きだぜ。甘くて美味しい味がする・・
あああたまんねえ!!」
そう言うと純一は左手の人差し指と薬指の2本を、裕美のオマンコに差し込んでいった。

「あううう!」
裕美の苦悶の顔がドアに張り付いた。そして背中が反り返った。
純一は手馴れた感じで、裕美に2穴責めを決めた。

舌がお尻の穴の中に入っていくと同時に、二本の指が、速いスピードで抜き差しされた。
「あっあっ・・ああ・・ウソウソ、気持ちイイ」
涙でぐちょぐちょの顔が、次第に紅潮していった。
苦悶と恍惚の狭間で、裕美の表情が次々と変化していった。

純一は頃合を見て、指を3本に増やした。
すると裕美のヨガリが激しくなった。もうどんな音も耳には入らなくなっていた。
そして裕美の腰が前後に揺れ始めていた。
それは純一の指を求めて始めていた証拠だった。貪欲なまでに・・・

「姉ちゃん、俺もうだめだ。俺やっちゃうよ。いいだろ?」
純一は堪らずに声を張り上げた。
「もうどうでもいい!早くちょうだい!」

裕美の絶叫に、純一は裕美の腰に張り付くと、一気に乗りかかった。
「くはああ!」「ああああん!」
交差する喘ぎ声。裕美は後ろから突き上げられた。

激しく鳴り響く肉の音。純一は無茶苦茶なリズムで、腰を打ち込んでいった。
「す、すごい!もう飛んじゃううう!」
「姉ちゃん。俺、ずっと姉ちゃんとこうなりたかったんだ。嬉しいよ!」
「もっと、もっと突いて!もっと!」
純一の両手が、セーラー服の上から、胸を鷲掴みにしていた。


「あうっもうだめ。出るぞ!」
純一は泣くような声で、そういうと、腰を裕美の身体から離した。
「おおお・・気持ちいいぞ!」
手で激しく扱くと、直ぐに勢い良く白い液体が、裕美のお尻に降りかかった。

やっと2人の声が止んだ。そして何時の間にか書斎の中の声も消えていた。
純一は裕美の背中にもたれ込んだ。
裕美も両手をついて、ドアに上半身を預けていた。
不思議な静寂が広がった。

裕美は振り返り、放心状態のまま、その潤んだ瞳で純一の顔を見ようとした。
その瞬間ーーーーー


「おい!お前ら、そこで何やってるんだ?」
聞き慣れた声が玄関先から、驚きと怒気を含んで聞こえて来た。
振り返る2人。
すると・・・
目に前に、驚きの表情で突っ立っている2人がいた。
なんと父と、叔母の多津子だった。


(え?え?え?何、何なのこれって?どういうこと?)

裕美は、一体何が起こったのか、まったく思考不能状態になってしまった。
目は瞬きを忘れ、口は閉じるのを忘れてしまっていた。

父の両肩が震えていた。眉は吊り上り、目は大きく見開いていた。
まさに恐ろしげな形相。
叔母の多津子も、両手で口を押さえながら、驚きのまなざしで見ていた。

「純一、お前何してんだあ!」
父の怒声は、下半身剥き出しの純一に向かった。
裕美は、その声で、はっと我に帰った。

そして純一の顔を見た。
「ねえ・・これって一体なあに?」
か細い声。不審そうに純一を見つめる。

「やべ!」
純一はそう呟くと、脱ぎ捨てたズボンで前を押さえながら、素早く立ち上がった。

(まさか?)
その時、裕美は、勢い良く書斎のドアを開けた。
すると父の机の上に、大きなカセットデッキが置かれていた。
裕美は再生のリバースボタンを押して、ボリュームダイヤルを全開にした。

「あああ~ん。気持ちイイ」「おおお・・・中に出すぞおお!」
部屋一面にエロい声が充満した。
はっきりと聞こえてくる声は、父や叔母には似ても似つかないものだった。
そう・・他愛のない普通のエロテープだった。
してやられた!
(あああ・・なんてことを。純一のやつ、許せない!)

こんな幼稚な手に引っ掛かるとは・・・ああ・・なさけない。
裕美は一気に怒りが頂点まで込み上げた。

だがもう取り返しがつかない。まさに言い訳の効かない、とんでもない状況を見られた。
まさに姉弟がSEXしているところを見られたのだ。
裕美の頬に涙が止め処なく流れ落ちた。

ドカドカドカ・・・
こっちに向かってくる2人の足音が響いて来た。
ああどうしたらいいの?

勢いよくドアが開いた。
観念した裕美は、すぐに振り返った。

父が立っていた。
「おい裕美。何でこんな事をしたんだ?」
「判らないわ。何がなんだか判らない内に、気がついたらこんな事になっていたの」
裕美は泣きじゃくりながら答えた。
「バカが・・お前らは実の姉弟なんだぞ。それを・・」
「ごめんなさい。ごめんなさい。お父さんごめんなさい。許して!」

恥ずかしい思いで、深々と頭を下げた。
父の冷静で抑制が利いた声に、一層裕美は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

すると、突然ドアの向こうから、何やらうめくような声が聞こえてきた。
裕美が頭を上げた時、ドアの向こうの壁に2つの影が怪しく映っていた。

(あああ!!)
裕美は、我が目を疑った。
純一と多津子が、互いの唇を激しく奪い合っている姿が裕美の目に映った。
そして多津子の左手には、しっかりと純一のチンポが握り締められ、ゆっくりと上下に
扱かれていた。

これは一体?
裕美は驚きのあまり声が出ない。目の前で叔母と甥の絡み合いが行われていたのだ。
足の震えは止まらなくなっていた。立つ事もままならず、へなへなとその場に
へたれ込んでしまった。

「なあ父さん、”らしい”説教はあまりしない方がいいぜ。姉ちゃんは俺が先に頂いた。
残念だったね。あはは・・」
「この野郎、俺を出し抜きやがってしょうがない奴だ」

一体何なの、この会話は?
裕美は、父と弟との信じ難い言葉の応酬に耳を疑った。

「純ちゃんたら、もう私に飽きちゃったの?叔母さん悲しいわ」
多津子は、甘えるように純一の胸に顔を埋めた。
「何言ってるのさ。叔母さんは父さんがいればそれでいいんでしょ?どうせ俺なんか
父さんの代用品でしかないもんな」
「もう、嫌な子ねえ・・最初の頃は、可愛くしがみついてたクセにねえ、うふふ・・」

メスフェロモン全開の流し目を純一に向けると、妖しい笑みと一緒に純一の乳首を
軽く噛んだ。

純一は、手馴れた風に、右手で多津子の髪を撫で付けると、すぐさま身体を後ろ向けに
して、そのまま一気に腰を突き上げた。
多津子は壁に持たれ掛けながら、激しく動く純一を受け入れていた。

裕美は、ただただ呆然と、その2匹の動物の交尾を見ているだけだった。

「俺たち3人の事は、母さんは知らない。まあこれからもずっとな・・」
父は薄笑いを浮かべながら、裕美の顔を見ていた。

「お父さん、正気なの?こんな事っておかしいよ」
「おかしくはないさ。それにお前も段々と判って来るさ。近親とのSEXが、凄い快感を
もたらしてくれる事をな・・・なあ純一?」
「ああ・・それに姉ちゃんだって、さっきまでの俺とのSEXに,すっげえ興奮してただ
ろ?」

「ああ・・俺もそろそろ我慢の限界だ」

紅潮した父は鼻の穴を膨らませながら、ゆっくりとベルトに手を掛けチャックを下ろした。
ズボンが下に落ちると、中から凄く太いチンポが現れた。
それは長いこと使い込まれたみたく、黒光りな艶があって鮮やかだった。

「これからは多津子の代わりに平日でも、母さんがいないところで父さんが、たっぷり
可愛がってやるからな。ふふふ・・・」
ゆらりゆらりと左右に揺れる父親の極太チンポに、次第に潤んだ目で見る裕美。

「父さん、その時は俺も一緒だぜ。姉ちゃんの2つの穴を同時にやっちまおうぜ」
後ろから純一が、激しく腰を動かしながらも、父の言葉に便乗した。

「うそよ。こんな事って有り得ない事だわ。そうよこれはみんな夢なのよ・・・」

裕美の潤んだ瞳は、さっきから定まらずに、ずっと宙を彷徨っているかのようだった。
幾重にも重なり起きた衝撃に、もはや反応する気力すらどこにも無かった。

「さあ、今度は父さんの番だ。裕美、ちゃんとしゃぶってくれよ」
父は、右手で裕美の頭を押さえながら、ゆっくりと腰を前に突き出していった。

「そうよ、夢なんだわ・・・こんなこと全部・・・」
裕美はそう呟くと、大きく口を開けて、父を向い入れるのであった。

                             (おわり)    

小説(転載) 「おねだり」

近親相姦小説
11 /24 2018
作品名  「おねだり」

「またぼんやりしてるの?」
妻の声に、修三は、はっと我に帰った。

「ごめん。気が散っちゃった?」
「もういいわ!」

妻は不服そうな表情で修三を睨みつけた。
修三は、その視線から、かわすようにベットに倒れ込んだ。

妻は、それを横目で見ながら、自分も仰向けになりながら、枕を引き寄せて
頭を置いた。そしてシーツを胸元まで引き上げると、今度はそのまま、じっと
天井を睨みつけていた。

「はあぁ~・・・」
2度3度と、交互からため息が漏れた。
次第に辺り一面に、気だるく白けた空気が漂っていった。

ここ最近、ずっとこんな調子だった。
週2回なんてのは、もう昔の話。今では週1回、いや隔週1回か。
めっきりと回数は減少していった。
そんな少ない回数の中でも、何とか最後まで、というのはほとんどなく、
いつも途中で不完全燃焼のままで終えるのが大半だった。

妻の不満げな表情からも、原因は夫の修三にあった。
とにかく最近、ぼ~っとしている事が多い。いつも何かと上の空だった。
ただ修三自身からも、何度か誘うのだから、まったく気力が無くなった訳ではなく
ただ気力が長続きしないだけだった。

今年で38になる修三は、まだまだ若く元気なのは間違いなかった。
ただし結婚生活の方は、15年を数えており、むしろこちらが主な原因なのでは
ないかと思われた。
言わずと知れた倦怠期だった。

ありふれた毎日。刺激的な事など、そうそうあるもんじゃない。
夫婦生活とは他人同士が1つ屋根の下で一緒に暮らすことから始まる長い道のりなのだ。
圧倒的なまでに退屈な日常がほとんどと言ってもよかった。
いかに上手に過ごすかは、2人の努力次第といえた。

修三夫婦は、比較的上手くやっていた。
なにしろ15年という年月が証明するように、互いの気持ちを切らさぬように努力を
してきた。自分勝手な考えだけでは到底やっていけないからだ。
常に相手を思いながら、互いの生活の歯車を回してきたのだった。

家事一般、育児、そして休日の過ごし方などなど・・・全てに二人三脚でこなしてきた。
それから勿論夜の方も・・・

修三夫婦の間には今年12歳になる一人娘の優子がいた。
小学六年生ともなれば、すでに子育てからは開放された時期になる。
最近、妻が妙に積極的になってきたのも、まるっきり無関係ではなかったと思えた。

夫と同様、妻も仕事をしている、いわゆる共稼ぎ夫婦なのだが、一旦生活が落ち着くと、
今度は次の生活形態を考え始めるようになった。

「もう一人子供が欲しいわ」
妻は新しい生活への転換を子供に求めたのだった。

「優子に弟か妹が出来れば、あの子も寂しがらずに済むと思うの」
もっともな意見だが、それならばもうちょっと早く実現させる事もできただろうに・・・
修三は、ため息を漏らした。

夫婦の主導権は当初からずっと妻にあった。
妻自身の仕事の都合もあったのだから、止む終えないという気持ちから、修三は積極的に
反対する事は無かった。
実際、そんな関係だったからこそ、今までずっと円満に暮らしてこれたのだから、
それはそれで良かったのだが・・・

そんな妻の元気さとは対照的に、修三の落ち込みようは酷かった。
長年の抑圧からくる疲労が表面化したとでもいうのだろうか、いつも疲れたような表情
の毎日。
無表情で窓の外をじっと眺めることが多くなった。
まるで金属疲労のように、精神的にどこかしこも傷んでいたみたいだった。

「もう・・ここしばらくないね・・」
「ごめん。何だかしんどくて。ダメだな俺」

ベットの上で大の字になって、天井を眺めている修三。
その傍らに妻が寄り添うように近づくと、すっと顔を修三の胸に置いた。

「外で何かあったの?」
「いいや別に何もないよ」

短いやり取りの後、会話はプツンっと途切れた。
これもいつものこと・・・そしていつものように妻の顔が曇る。

「ごめんね。ひょっとしたら私が言った事が原因?」
「え?何?それって」
「もう・・ちょっとしっかりしてよ、あなた。子供よ子供・・」
「あ・・ああ、そのことか。いや別に、それは関係ないかもな」

妻の心配をよそに、修三は、ぼんやりと天井を見ている。
そして、さっきから1度も妻の顔を見ようともしなかった。

さすがに、こうも続くと、妻もいらつく気持ちを抑え難くなってきた。

「ひょっとして、他に女でも出来たの?」
とうとう言ってはいけない事を口にしてしまった。

「お前はバカか?今の俺にそんな余裕なんかねえよ。今だって、こんないっぱいに
仕事抱えていて、遊ぶ時間なんかまったくねえんだぞ」
今の今まで、何を言っても、ぼ~っとしっぱなしの修三が、いきなり怒気を含め
ながら反論し始めたのを見て、妻はびっくりした。

「そんなこと分かってるわよ。何よ、急に怒り出してさ・・・」
「お前がバカな事を言うからだぞ」
「こっちが何言っても、いつもぼんやりしてばかりいたくせに、おかしいわよ」
「言って良い事と悪い事があるんだ。そんなことも分かんないのかよ」
「なんですってぇ?」

突然小さな夫婦のいさかいが始まった。
だけどそれは妻にとっては、驚きだった。
鮮明なまでの反応の良さだったからだ。

修三は、妻に向かってマシンガン並みの言葉の連射を浴びせ掛けると、そのまま
シーツを頭から被ってふて寝を決め込んでしまったのだった。
後には、目を大きく見開いたままの妻が1人取り残されていた。

・・・・・・・・・・・

「パパ、ママ、おはよう」
朝の陽差しが差し込む食卓に、元気な声が大きくこだました。
娘の優子が、満面の笑みでやって来た。

「おはよう優子」「おおう・・・おはよう」
食事の用意をしている母と、食卓に座って新聞を広げている父が揃って笑顔で出迎えた。

「ちょっと寝坊しちゃったみたい。遅刻しちゃいそう・・」
「あらあら、それは大変ね。直ぐに顔を洗って来なさい。後の準備はそれからにして・・」
「うん」

優子は、急いで洗面所に向かった。

「なあ・・・優子のやつ、また背が伸びたんじゃないのか?」
「そうですか?この前買った服は、まだ着れているみたいだから、そうは見えないけど」

修三は、新聞紙を折り畳みながら、呆れた表情で妻に話し掛けた。
そして自然と2人の視線は、娘の後姿を追っていた。

その後姿を見て、果たして何人の人が、小学6年生だと正解する事ができるのだろうか
長い手足に、すっと伸びた背筋。そして長い黒髪。160cmは優に超えていた。

異常なスピードで成長し続ける娘だった。
昨年の春に初めてブラジャーを装着したと思ったら、すぐさまカップ数が増していった。
「もう・・嫌になっちゃうわ」
妻の嘆く声を聞くまでも無く、その胸の大きさは、あっという間に妻を超えてしまった。
それは修三の目からも直ぐに判った。
もちろん手足も、すらりと長く美しく伸びていった。

「これで化粧したら、18と言っても誰もウソだとは思わないわね」
「ああそうかもな。お前そっくりの顔だから、姉妹でもいけそうだな」
「あら、それって褒めてるの?」

呑気な会話を交わす間にも、妻は修三の表情を注意深く見ていた。
普段から、何の話題を振っても素っ気無い態度ばかりを取る修三にしては、やけに関心
がある素振りを見せていたからだろう。妻の眉が少しばかり上に動いた。

「わああ・・遅刻しちゃう、遅刻しちゃうぅ・・」
しばらくして優子が慌てた足音で戻ってきた。

「こら!廊下を走らない、何回言わせるの!」
「ママ、ごめんなさい」
優子のドタバタ騒ぎに妻のカミナリが落ちた。

「おいおい・・・何もこんな朝っぱらから怒ることも無いだろ?」
「何言ってるんです!こういったしつけをちゃんとしてないと、いざという時に恥を
かくのは優子自身なんですよ」
「でも、たかが廊下を走ったぐらいで、そんな目くじらを立てることもないだろ」
「たかが?しつけとは、そのたかがの積み重ねなんです!」

妻の大きな目が、たしなめようとする修三を圧した。
いつもよりやけに突っかかる妻。修三は言葉が出なくなった。

「ママ、ごめんなさい。今度から気をつけるから・・・ね?」
「判ればいいの。さあ直ぐに朝ごはんを食べて、歯を磨いて学校に行く準備をしなさい」

ベソをかく優子に、一転優しい口調で諭す妻。
優子は素直に椅子に着くと、箸を手にして、急ぐ手付きでごはんを口にした。
妻は見守るような優しい眼差しで、娘の食事を見つめていた。
そして、そのままくるりと修三の方に顔を向けると、何ともいえない微笑の表情を見せた
のだった。

「ねえ、パパ」
優子が、似合わないランドセル片手に、修三が座っている椅子に近づいて来た。
「ちょっとお願いがあるんだけど・・・いい?」
修三は、娘の甘えた声に、またか、といった感じの渋い表情を見せた。
「10日ほど前に、靴買ったよな?」
「そう・・だったっけ?えへへ・・・」

胸の内を見透かされた優子は、バツが悪そうに舌を出して照れ隠しの笑いを浮かべた。
修三は、おもむろに新聞を手にすると、
「ダメだな。そうそう次々と買ってやるわけにはいかないからな」

「ええぇ~まだ何も言ってないよう」
「その顔はなんだ?そんな駄々をこねた表情してたら、言って無くても白状したのと
同じだぞ!」
「だってええ・・」
「だってもじゃない。そんなに欲しいものなら、ママに言いなさい」

優子は修三のその言葉に、頬を膨らませてうつむいてしまった。
「言ったけど、ダメだったんだもん。ママはママで、そんな事はパパに言えってさ」
「ほらみろ。ママだって許さなかったんだろ?それだったら諦めなさい」
修三は強い口調で優子を叱った。

「優子!何してるの?ぐずぐずしてないで早く学校に行きなさい!」
その時台所から妻の大きな声が聞こえて来た。
優子は、ふてくされた顔で、修三を見て、それから台所の方向を睨みつけた。

「ほら、本当に遅刻しちゃうぞ。早く行きなさい」
「はあああい・・・」
修三の諭しに、優子もやっと諦めたのか渋々と玄関へ向かった。

そのがっくり肩を落とした後姿に、修三は、ちょっと胸が痛んでしまった。
元来から甘えん坊な性格であったが、大切な一人娘というのもあって、今までにもつ
いつい増長するような接し方をしてきただけに、先程までの厳格な態度も脆くも崩れ
そうになっていた。

修三は、ふらあ~っと優子の後を追って玄関先に向かった。
目の前に、靴を履く優子が見えた時に、修三は声を掛けようとした。
だがその矢先・・・・

「パパのケチ!もう大嫌い!」
優子は、思いっきりしかめっ面をして、勢い良く飛び出して行ってしまった。
後には、上げた右手を下ろせなくなっている修三が空しく佇んでいた。

「あら~・・・その顔じゃあ、どうやらフラれた見たいね。うふふ・・」
リビングに戻ってきた修三に、台所で洗い物をしている妻の、笑いを含んだ声が、
落ち込んだ修三の胸を鋭く刺した。

「何だよ、その笑い声は・・・笑い事じゃないぞ」
修三は、不機嫌な表情を隠そうともしなかった。
「あら・・・ごめんなさい。いつも素っ気無いあなたにしては、随分と親身になって
いたんで・・ついね」
「ど、どういうことだ?」

修三の問いかけに、妻は洗い物の手を置いて、くるりと振り返った。

「あなたの優子に対する態度が、私の時とは違うからよ」
振り返った妻の顔には笑みなど無かった。
妻の声は、穏やかだったが妙な迫力を伴っていたせいか、修三は思わずたじろいで
しまった。
「ば、馬鹿な事を言うな!」
「あら?何ムキになってるのよ。いつものように素っ気無く対応してくれるんじゃ
ないの?」
「あ・・・ええ?」

妻は昨日の不出来に、腹を立てていたせいか、今朝の娘に対する態度が、ひどくカン
に触ったのであった。修三も二の句が継げなくなってしまった。

「私も、仕事をしているから、あなたが疲れて、ついついぼやっとしたくなる気持ち
も判っているつもり。私も疲れている時に、あれやこれやと周りでごちゃごちゃと、
されると、やっぱりうざったくなるしね。だから今まで出来るだけ大人しくしていよ
うと頑張ってきたんだけど・・」

「考えすぎだぜ。優子は俺の大事な一人娘だぞ。心配したりするのは当然じゃないか」
「判ってるわよ。父親にとって娘は、永遠の初恋だと誰かが言ってたっけ」
「おいおい・・・判っているんなら、初めからそういえよ。まったく・・」

妻の迫力に押され気味の修三が、ほんのちょっと気が緩んだ。
だがその瞬間・・・・
妻が、つかつかと修三の前に歩み寄ってきた。そして・・

「おいおい。何するんだ!」
修三は驚きの声を上げた。
近寄った妻が、いきなり股間に手を伸ばしてきたからだ。

「あらあら・・・ほんのちょっと硬くなってるじゃないの。これってやっぱり?」
「馬鹿いうな!これはそんなんじゃないぞ。勘違いするな!」
修三は顔を真っ赤にしながら、慌てた口調で否定した。

「あはは・・・判ってるって。あなたは単に、いつもと違う優子に驚いただけ。
あの子が、あんなに怒ったのは久しぶりじゃないかな。それに最近、どんどん大人っぽ
くなってきたしね。だから刺激も大きかった・・っと。でしょ?」
「判っているんなら、そう何度もからかうなよ。俺は娘に興奮する変態じゃないぞ!」

妻は鮮明に反応する修三を見て、楽しんでいる風にも見えた。
普段ならこんなに軽口を叩く女性では無いからだ。

「ホントかしら?久しぶりに刺激を受けたのなら・・・ねえあなた・・どう?」
妻は、エプロンを外すと、後ろに向いて、腰を突き出す仕草をした。
紺のワンピースアンサンブルスーツから、ぴっちりとした腰のラインが見えた。
知的な雰囲気が漂う中に、妖しい女性の欲望がちらりと見え隠れするのが分かる。
爽やかな陽差しの中、それは一層刺激的な絵柄にも見えた。

「ど・・・うって、今から?」
「ちょっとは、その気になっているんでしょ?」
「ま・・あ・・ちょっとは・・な。でも・・」
「会社に行く直前って、ちょっと興奮しない?」
「お前・・・結構エッチなんだな。知らなかった」

妻は、モンローばりに腰をくねらせながら、右手でお尻を撫で回した。
「楽しい夫婦生活を願ってるだけよ。最近あなた、さっぱりだもの・・・妻として何とか
したいじゃない。だから・・・」
「あっ・・・そ。そういうことね」

修三は、背後から妻の肩を抱くと、ゆっくりと妻のお尻をさすった。
「ああ・・・凄く興奮してきちゃった」
妻は、とろ~んとした瞳で振り向くと、修三の首筋にキスをした。
そして、ぐいぐいとお尻を股間に押し付けてきた。

「朝っぱらから、てのは初めてだなあ・・」
「だから新鮮でいいんじゃない?」

妻は甘ったるい声で誘う。
撫で回していた修三の手が、スカートのフォックに伸びた。
(やったああ!・・・やっとよ~)
妻は陶酔した心の中で、会心のガッツポーズを決めた。

だがその瞬間、修三の手が止まった。
(え?え?何なの?)


「すまん。時間切れだ」
修三の冷静な声に、一気に現実に引き戻されてしまった。
「ええ?!!そんなああ・・・どうしてよう?」
あまりの速い展開に、ついつい声が大きくなった。
「朝から重要な会議があるんだ。だから遅刻する訳にはいかんのだ。スマンな」

修三は、背広の上着を取ると、ぺちんと妻の尻を一叩きして、すたすたと玄関先へ
と歩いていった。
妻は、真っ赤な顔をして、悔しさいっぱいに地団太を踏んだ。

「おお~い先に行くぞ。戸締り頼むぞ!」
「判ってるわよ!バカ!役立たず!このカイショ無し!さっさと行けぇ!」
妻の怒声が響き渡る中、修三は出て行った。
後には、またもや放心状態の妻が一人佇んでいたのであった。

・・・・・・・・・・・・・

その日の夕方、修三は珍しく定時に仕事を終えると、まっすく家路に着いた。
玄関を開けると、真っ先に優子が元気のいい声と共に、小走りにやってきて
出迎えてくれた。
黒のキャミソールにデニムスカートいう、ちょっぴり大人びたファッションが
何の違和感も無く似合っていた。

「パパお帰り!今日は早いのね」
「おう、たたいま。何か随分と機嫌が良いなあ。何かあったのか?優子」
「まあ・・ね。ちょっとだけ・・・えへへ」

見た目、女子高校生ばりの雰囲気の優子だが、その屈託の無い笑顔を見ると、やはり
幼さがあるのが分かる。だからこそ、その邪心の無い笑顔での出迎えに、修三の気持ち
も悪かろうはずもないのは当然だった。

「あら、おかえりなさい。今日は随分と早いお帰りね」
修三がリビングに入ると、既に妻が帰ってきていて、台所で夕食の準備をしていた。

「ああ、今日は、どういう訳か順調に仕事が捗っちゃってね。それでお役御免というの
で帰ってきたんだ。だから、ほれ、これ買ってきたんだけど」
修三は、ゴキゲンな笑顔で、1個の小箱を差し出した。
すると優子が、背後からその箱に印刷されている文字を覗き込んだ。

「ねえパパ・・・これxxx堂のケーキじゃないの?」
「ああ、あの有名なケーキ屋で、ショートケーキ買ってきた。どうだ?」
「わああ・・・優子、あそこのケーキ大好きなの。パパありがとー!」
「喜んでくれて、パパ嬉しいよ。今朝は優子に、随分と気まずい気持ちにさせちまった
からなあ・・・まあこれでちょっとは気分直ししてくれよな」
「うん。もう私、何とも思ってないから・・・パパ大好きよ」
優子は、満面の笑みで修三の頬にキスをした。
するときりっとした修三の表情が、みるみるとドロドロに脆く崩れ落ちていった。
そして後にはデレデレの笑顔だけがあった。

すると、修三のだらしなくニヤついた目元に妻の姿が映った。
何ともいえない、怪しい目付きで、修三の顔を見ていた。
「それって・・・まさか優子”だけ”の罪滅ぼしのつもりかしら?」
「ま、まさか・・・もちろん君に対しての気持ちもあるんだよ。ホント・・・うん」

妻のひと睨みの迫力に、しどろもどろの態。
それを見た妻も、呆れた表情で笑った。

「それはそれは、どうもありがとうございます。嬉しいですわ。私のキスも欲しい?」
「ば、馬鹿!子供の前で何言うんだ!」
妻は修三のあせった表情を見て、さらにコロコロと笑った。

「さあてと、今から急いで夕食の支度をしなくっちゃ。まさかあなたがこんな早い時間
に帰ってくるなんて思わなかったから、まだ下準備だけしか出来てないの」
「いいよゆっくりで。俺は、ここでゆっくり休んで待つからさ」
「ああ、それだったら今からお風呂でもどう?もう用意は出来てるから」
「それは丁度良いな。だったら今から入るとするか」
「じゃあ・・お風呂から上がったら冷たいビールを用意しておくわ」

修三は妻の言葉を受けて、気分良くお風呂に入りに行った。

初秋とはいえ、まだまだ暑さが残る時期だけに、風呂のお湯は、やや温めの状態に
出来ていた。
修三は、掛け湯もそこそこに、一気にザブンと飛び込んだ。
「ふうう~」
適度な温度が、肩も軽くなる程の心地良さに感じられた。

修三は今朝の出来事を思い起こした。
結局優子の欲しい物は何なのか、聞いていない事に気づいた。
(優子には悪い事したなあ・・・)
修三は、あの時の優子の悲しげな表情を思い出していた。
それと・・・
妻の悩ましい仕草・・・確かに最近ちょっと・・いやかなり、ないがしろにしたかも。
修三は、2度3度とお湯で顔を拭った。
あっ・・そういえば・・・
さっき出迎えてくれた優子の笑顔。何か良い事があったって言ってたな・・

気持ちの良いお湯加減が、修三の身も心も軽くさせたのだろう。
様々な思いが、まるで雲が沸き立つように噴き出た。
もう少し彼女らの事を考えねば・・・修三はそう思った。

今日こそは、ちゃんと最後まで、妻の面倒をみようか・・・
そう思った時、久しく感じなかった下腹部に力が入るのを感じたのだった。

その時だった・・・
突然、ドアも向こうから小さい声が聞こえて来た。
「ねえ・・パパ。聞こえる?」
声の主は優子だった。

驚く修三。思わず上半身を乗り出してしまった。
「な・・なんだ?優子か・・どうしたんだい?」
「久しぶりに、パパの背中でも洗っちゃおうかな、と思ってさ。どう?」

その申し出は、修三にとっては驚きだった。
最後に優子と一緒に風呂に入ったのは、もう2年も前の事だった。
その頃には、既に身体の変化が顕著に表れ始めていた。
当然、それに連れて心の方も微妙に変化し始めた頃でもあった。

一方修三にも、やはり照れが生じていた。
胸のふくらみ、そして丸みのある肉付き、優子のそれは劇的に変化していった。
僅か10才にも満たない内からの早い成長だった。
やはりというか・・いつしか、どちらかともなく、以前のように一緒に風呂に入る
という事は言わなくなっていた。

それが突然の申し込みときた。
修三が慌てるのも無理なかった・・が、決して悟られてはいけない。
修三は極めて冷静に対処しようと努めた。

「それは嬉しいなあ。でも急にどうしたんだい?」
「それは・・・ちょっとお願いしたい事があってさあ・・・」

ああ、そうか・・
修三は、出迎える時の優子の笑顔の謎が、その瞬間判った。
今朝の怒って出て行った時とは、打って変わっての満面の笑みの正体が、おねだりという
手段を思いついたのだという事を。
勿論その知恵を授けたのは・・・ママだということも直ぐに判った。

「今度は、パパにゴマを擂ろうという作戦かい?」
「え・・・ああ・・やっぱり判っちゃった?」
「当たり前だ。何年お前のパパをやってると思ってんだ?」
「ちぇっ・・・これもダメかああ・・・」
「あははは・・・なんだ、もう断念か?まあいい。一応話は聞いて上げるから入って
きなさい」
「え?ホント?わあーい!」

優子は、修三の言葉を聞いて喜び勇んで、入り口の扉を勢い良く開けた。
だが、ほどよい湯気が優子の周りにまとわりついたせいか、その姿が良く見えなかった。
「パパと一緒にお風呂に入るのって、久しぶりだね」
元気の良い声が、狭い風呂場に響き渡った。
一歩風呂場に足を入れた時、やっとその姿がはっきりと見えた。

胸元から太ももの辺まで、大きな白いバスタオルに覆われていた。
だけど、それ以外に見えている手足の長さは、まさに驚愕モノだった。
これで12才?
改めて驚く修三の目から見ても、その大人びた身体は一目瞭然だった。

「ママの指図か?パパが、おねだりに弱いって事聞いたんだろ?」
「うん・・・ママがね、どうしても欲しい物があるのなら、一生懸命お願いしなさいって
そうしたら絶対に聞いてくれるからって言ってくれたの」
「ママもしょうがないなあ・・・で、優子は何が欲しいんだい?」
「えっとね・・それはね自転車。今乗ってるのは、もう小さくて乗りにくくなっちゃって」
「ええ?だけどあれって去年新しく買った物じゃないか。もうダメになったってのか?」

優子は、呆れた顔の修三の問いに対して素直に首を縦に振った。
なんて事だ・・・
今さながらに優子の成長の速さに驚く修三だった。

「う~ん・・・どうしようかなあ・・」
「お願い。私どうしても自転車欲しいの・・・みんなとも約束したし・・」
「どこかに行く予定でもしたのか?」
「うん。友達と一緒にハイキングに行こうって」
「それは大変だな・・・もう日が無いんだろ?」
「そうなの。来週の日曜日なんだけど・・・困っちゃって」
「それで、パパにお願い攻撃か?」
「うん・・・だからお願い、お願い、お願い!パパ」

優子は今にも泣き出しそうな顔で、両手を目の前で合わして懇願のポーズ。
やれやれ・・・と修三は苦笑いした。
子供の世界ですら、見栄を張るのだ。みんなと一緒でなくては仲間にすらなれない。
一生懸命に拝む優子の顔が、いじらしく見えた。

「それでパパと一緒にお風呂に入って、恥ずかしくはないのか?」
「別に・・それは・・ないよ」
「へっへええ~そうなのか?だったら何で今まで、一緒に入ってくれなかったんだい?」
「え?・・・そ、それは・・・え~と・・・」

単純な切り返しに、言葉を詰まらせる優子。
修三は、ニヤニヤしながら、戸惑う娘を見る・・・可愛い。修三はそう思った。
大人ぽく見えても、やはり12才の子供だ。振る舞いが大げさなほど、そのギャップは
魅力的に映った。

「どうやら優子はパパが嫌いなのかな?」
「嫌いじゃないよ。パパ、ホントだよ。ウソじゃないよ」
「本当に?」
「だってママが、もうパパと一緒にお風呂には入っちゃいけないって・・」
「へええ・・ママが!」

修三は思わず吹き出しそうになった。
おそらく思春期を迎える娘に対する性教育の一環だと思えるのだが、禁止した本人が、
今度は入る事を勧めるとは・・・・そこまで切羽詰っていたのか。

「分かったわ。ウソじゃないってことを証明するからね」
優子は、修三の笑いかけの顔を見て、十分に疑っていると思ったらしい。
修三を睨むようにして頷くと、すぐさま扉を開けて外へと出て行った。

ムキになるとこが、やはり子供だな・・
ちょっとイジワルが過ぎたかと修三は反省した。
そして両手で湯をすくって顔を洗った。

その時、ガラガラと音がして、扉が開いた。
修三が顔を拭った時、更にとんでもない映像が目の中に飛び込んで来た。

何と一糸纏わぬ優子の全裸が目の前にあった。
修三の瞬きが止まった。目が大きく見開く。

優子は右手で胸を隠し、左手で前を押さえていたが慣れないせいか、どこかぎこちない。
やはり恥ずかしさがあるのだろう。
だが、そのぎこちなさに、かえって色っぽさが増して見えた。
その時修三は、妻に対して完敗を認めた。そして感謝した。
久しぶりに胸の中にときめきを覚えたのであった。

優子は、そのまま掛け湯をして、勢い良く風呂に飛び込んだ。
そして修三の目の前に、ちょこんと首を突き出した。
「どう?ホントだったでしょ?パパと一緒にお風呂に入りたかったんだよ」
「本当にパパに裸見られても平気なのか?」
「平気よ。だってパパ大好きだもん。うふふ・・・」

屈託の無い笑みを浮かべる優子。だけどお湯の熱で上気したせいか、頬の赤らみが、
何ともいえない色気を現出させていた。修三の戸惑いの針は大きく振られた。

「ああ・・分かった分かった。優子の言う通りだ。疑ったパパを許してくれ・・あはは」

両手で前を塞いでいた事には、敢えてツッコミは入れなかった。
おそらくやっとの思いで飛び込んできたのに違いないのだから、ここは黙っておくのが
一番良いのだ。
それに、してやったという優子の笑顔の前では、何も言えなかったのが本音だった。

「でも、パパと入るのは久しぶりだね」
「ああ、そうだな。最後に入ったのは何時だったか・・・もうだいぶ昔の事だから忘れち
まったなあ・・」
「うそ・・ホントは、ちゃんと覚えてるんでしょ?」

優子は頬を膨らませながら、人差し指で修三のおでこを、つんつん突っついた。
可愛い笑顔で、人懐っこい性格の優子は、学校でも人気が高かった。

「あの頃は、まだこんなに小さかったからなあ・・まさかこんなに早く大きくなるとは」
「大きくなったって・・・そんなに変わってないと思うけど?」
「何言ってんだ。その身長とか、手足の長さなんか、ここ1年程で、こ~んなに長く
なったじゃないか。それに・・・」

修三は、はっとして、それまで捲し立てて喋っていた口の動きを止めた。
「それに・・・何?パパ」
「別に・・・なんでもない」
視線をそらしながら、口ごもる修三。
タオルで顔を拭う仕草も、随分と速くなっていた。

そんな不審な仕草を優子は、イジワルそうな目付きで見ていた。
「ああ・・パパってエッチなんだ!」
「何を言うんだ。パパはそんな事は無いぞ。勝手な事を言うな!」
「そんな事ないもん。パパが言いたいのはこれでしょ?」

優子は、半身を湯から出すと、両脇に手を添えて、ぐっと力を入れて寄せた。
すると小学生とは思えないふくらみが、目の前に出来た。

「ど~お?パパ・・・凄いでしょ?えへへ・・・」
優子は、脇を押さえながら、上半身を左右に振った。
まるでストリップショーの踊り子のような仕草に、修三の目は釘付けになってしまった。
胸さえ無ければ、たわいの無い子供のじゃれあいにしか見えないのに・・・

「す、凄いなあ・・・ママより大きいんじゃないか?」
「うん。ママったらねえ・・すっごく怒るんだよ。何でそんなに大きいのかって・・
そんなの私、知らないもん。だってこうなっちゃったんだもん。しょうがないよね」
「あっ・・ああ・・そ、そうだな。まったくその通りだよ」

妙な胸騒ぎが、沸き立つのを覚えた。こんなにドギマギするのは久しぶりだった。
懐かしいような新鮮なような心持ちになった。

「ねえ、パパ」
「な、なんだい?」
「ちょっと触ってみる?」

優子が背を伸ばして、胸を前に突き出して来た。
小首をかしげる姿が、凄く可愛らしく見えた。

すでに修三には、父親として接する気持ちなど、心の隅に追いやられてしまっていた。
その、雪のような純白な肌に、雫の跡が何本も出来ているのを見ると、正直、男としての
気持ちが前面に出てきてしまう。ましてや大きな胸だと尚更だった。

「良いのか?優子」「うん。いいよ」
修三の手が、優子の胸に触れた。凄く柔らかいのが伝わってきた。
紛れも無く十代の肌のハリだ。素晴らしいスベスベ感だった。

「なあ・・優子」「なあに?」
「お前、学校ではどうなんだ?」「どおって?」
「男の子から、その・・なんだ。ちょっかいなんかされてないのか?」

修三は優子の胸を、擦るように揉みながら、真面目な顔付きで問い掛けた。
「あるよ、やっぱり」
「どんな風にだ?」
「あのねえ・・・」

今だよ・・とは娘は言わない。
だが優子が、にこやかな笑顔で話した内容は、父親からするとびっくり仰天な事
ばかりだった。
年上の男性・・・中学生、高校生から声を掛けられるのはもちろん、大学生、社会人
までも、付き合いたいと言われたのだという。
皆、優子が実は小学生だというのを知らずに、声を掛けたのだ。

「違うよ。何人かは、優子が小学生だというのを知ってたよ」
その時の修三の驚きは、敢えて書くまい。
優子の外見を見て、声をかける野郎は、いくらでもいるだろう事は、分かっていた。
大人っぽい表情に、時折見せるあどけない笑顔とのギャップは、もはや反則技だといって
もよかった。でも知っていたのなら・・おいおい犯罪だぞ。

「イタズラもされたよ」
あああ・・聞きたくない、聞きたくない。修三の悶絶は更に続いた。
「学校で、よくスライディングをしてくる子がいるの」
「なんだあ、そりゃあ?」
「どうしても、優子のパンツが見たいだろうね」
「そんな時、どうすんだ。大きな声でも出したか?」
「そんな事はしないわ。ちゃんと、はいどうぞってスカート捲って見せてあげるの」
「はああ?何だって?」

哀れ修三の表情は、複笑いのように、驚いて、怒って、泣いてと滑稽なまでに何度も変形
した。

「あまりにも子供じみてるから、これぐらい仕方がないじゃない」
「で、でもな・・それはちょっと拙いんじゃないのか?相手もつけあがったりしたら
どうするんだ?」
「心配ないよ。相手は子供よ。心配ないよ。それにちゃんと代償も貰ってるから」
「代償って?」
「ああ、足で股間蹴っ飛ばすの。それですっかりオアイコだから・・えへへ・・」

しっかりしてらっしゃる。まさに母親譲りかもしれないな。
そう思った修三は、呆れた顔で、にこにこと笑う優子を見た。

「なあ・・・パパは大丈夫だろうな?」
「もちろんよ。だってさっきも言ったじゃん。パパが大好きだって」
「そ、そっか。それは光栄だな。あはは・・」

優子の甘くじゃれる声が心地よく聞こえた。
娘から大好きと言われて、気分も悪かろうはずもなかった。
修三は、自分の頭を優子の額に、こつんっと当てた。

「パパ・・そろそろ背中洗おっか?」
「え?ああ・・そっか」
優子は、じっと自分の胸元を見た。
修三の手が、まだ胸を触っていた。

「やっぱりエッチなんだあ・・」「・・・・」
ジロっと睨む優子。修三は黙って手を離したが、当然返す言葉など無かった。

優子は、ゆっくりと湯船を出た。
後ろから見る格好となった修三からは、優子の全身の後姿が目に入った。
ぷっくりと盛り上がったお尻に、すらりとした伸びた背中が印象的に映った。
ただ、惜しむらくべきは、腰の周りの肉付きの薄さと、華奢な肩口が、まだまだ
肉体が発展途上にある事を示していた。

優子は、ボディシャンプーをスポンジに浸けて泡を起こし始めた。
「用意はいいよ、パパ」
優子の声に、修三は、ゆっくりと湯船から身体を起こした。
もちろんタオルは、前に貼り付けた格好で浴槽から出た。
そして、優子の前に背を向けた状態で、ゆっくりと腰を下ろした。

(ヤバイ!)
そのゆっくりとした一連の動作には、修三自身の、己の肉体に起こっている変化を
悟られない為という思いがあった。
前を押さえたタオルからの感触は、それを確実に伝えるものだった。

(抑えが利かない!)
修三の男の部分が、父親という領域を侵しつつあった。
実の娘という意識を外すと、そこには可愛くて若い女性の息遣いが、修三の興奮を
呼び起こしつつあった。
いや、もう意識は無くなっているのかもしれない。胸の鼓動は早鐘のように打ち続けてい
た。

「じゃあ、洗うね」「おう・・・頼む」
冷静に努める修三。低い声で応対した。

「わああ・・・パパの背中って大きいね」

優子はスポンジで丁寧に背中を擦っていった。するとあっという間に大きな泡が背中
一面に広がった。
「久しぶりに洗ってくれて、パパ嬉しいな。ありがとうな優子」
「どういたしまして・・パパ。これぐらいならへっちゃらよ。だからさあ・・」
優子が、更に甘ったるい猫なで声で、修三に、しな垂れかかった。

柔らかな感触が背中から伝わって来た。
思わず振り帰ると、勢い視線が下に行ってしまった。
そこは、生え始めたばかりの薄い陰毛が集まって、小さな三角地帯を形成しているのが
見えた。

「し、しかしなあ・・・自転車といっても結構高いからなあ・・・」
「そんなこと言わないでさあ・・・ねえお願いだから買ってよ・・ねえったらあ・・」
優子は修三の両肩を掴んで、身体を押し付けてきた。
しかも左右に身体を揺するもんだから、その柔らかい感触もシャンプーの泡と一緒に
背中一面に広がった。

(くうぅ・・・これじゃあ、セクキャバと一緒だあ・・)
過剰ともいえるサービスに、戸惑いを隠せない修三。
その昔に遊んだ記憶が甦ってきた。

その娘のスベスベした肌の感触は、今までに味わった事のないぐらい
新鮮なモノに感じた。
すると次第に、様々な思いが頭の中で交錯し始めた。
忙しい気持ちが止まらなくなってきた。ここしばらく、ぼやっとしていたのが
嘘のように思えたぐらいに・・
娘からの刺激は、一気に修三を活性化させたようだ。

「そうだなあ・・買うか買わないかは、もう少し考えたいな」

積極的に迫る娘の気持ちを焦らすかのような返事をする修三。
はっきりと結論を言わない、そのはぐらかし方に優子はイラついた。

そんなムスっとした優子の顔を見て、イタズラっぽく笑う修三。
それは明らかに何かの要求を求める言葉に他ならなかった。

「じゃあ・・パパ、今度は前も洗ってあげる」
「そうか・・じゃあお願いしようか」

優子は、その言葉に乗った。

すると修三は、即座に身体を前に向き直した。
さっきまでの困惑した思いは何処へやら、今度は積極的な態度に出た。

スポンジの泡が胸全体を覆った。
次に両腕、そして両足へと広がって行った。
優子は実に丁寧に洗っていったのだった。

さて最後にと、お腹のところにスポンジを当てようとした時、コツンとした感触が
手の甲に当たった。
丁度、おへその下辺りに覆うように、置かれていたタオルから、それを感じた。
すると優子は、驚いたように手を、素早く胸の前に戻した。

「な、なあ~に?何か石みたいに硬いモノが当たったわ」
「ああ、気にしないで良いぞ。パパちょっと気持ち良くなっただけだから」
「ええ?パパったら気持ち良くなったら、ここが硬くなるの?」
「何もパパに限らず、全ての男の人は、気持ち良くなったらこうなるものなんだぞ」
「ホントに?」
「ああホントだぞ。現にパパは、お前が洗ってくれたお陰で今すっごく気持ち良いんだ」

きょとんとした表情の優子に、修三は丁寧に説明した。

「それって良い事?」「ああ、勿論そうだよ」
修三が笑顔で答えると、優子も、にんまりとした笑顔を見せた。そして・・
「それって優子のお陰なんでしょ?だったら・・・」
「おっと・・・その返事は、最後まで用事を済ませてからだぞ」
「え?最後・・って?」

不思議そうに首を傾ける優子に、修三が、にんまりとした笑みを浮かべた。
そして人差し指で、優子の額を1回、2回と、優しく小突いた。

「あっ・・ああそうか!」「おっ・・・判ったのか?」
優子が、大きく頷くと、修三はゆっくりと腰を上げた。

「まだ全部洗ってなかったね」「そうだ。最後まできっちりと洗っても貰わなきゃな」
修三はゆっくりとした口調で答えた。

すっと立ち上がった瞬間、前にあったタオルが、腰の中心で引っ掛かった状態で止まった。
目の前で見ている優子も、驚いた表情だ。
「ウソ・・・こんなに硬いなんて」
「びっくりしたかい?」
「だって私、何回か男の子のココを蹴っ飛ばしてきたけど、いつもフニャフニャとして柔
らかかったよ」
「男はな、気持ち良くなると、こうしてオチンチンを硬くしちゃうんだ。これって大事な
事なんだぞ。だからお前みたいに、いつも蹴っ飛ばしてばかりいると、そのうち使い物に
ならなくなってしまって、凄く大変な事になる事もあるんだぞ」
「使い物・・・って?」
「子供を作れなくなったり、オシッコをするのも不自由になったりするんだ。判ったか?」

どういう訳か修三が、いきなり性教育の一環のような、説教じみたことを始めたのだが、
素っ裸で股間を膨らませながら、娘の前で仁王立ちという光景は、どうにも滑稽だという
しかなかった。
それは風俗に遊びに行ったくせに、風俗嬢相手に説教をする親父らと何ら変わらなかった。
当然彼女らは、心の中で舌打ちする。
”うぜぇ親父、さっさと金だけ置いて、とっとと出ていきやがれ”


だが可愛い娘は、父親の言葉に素直に首を縦に振った。
満足げな表情の修三は、ぶら下がっているタオルを、おもむろに手でつまむと、
ゆっくりと持ち上げた。

そのモノが、中から徐々に見え始めると、優子の目は、好奇心いっぱいで釘付けになった。
「わああ!パパのオチンチンってすっごく大きい!」
驚きの声が浴室に響き渡った。
優子自身、父親の肉棒は何度も見てきたはずだが、興奮で大きくしたのを見たのは初めて
の事だった。
その要因は、一気に大人びた肉体に変貌した優子にあった。
父親は、娘に大人の男として反応したのだ。その証拠が股間の変化にあった。

「さあ、早く洗ってくれ、優子」

修三の興奮気味の声に、優子は素直にスポンジを太ももや、お尻やお腹の周りに当てると、
ゴシゴシと擦り始めた。
優子が左右にスポンジを動かす度に、修三の肉棒が同じように左右に揺れた。
そして最後に残してあった股間に、スポンジを当てようとした時、修三は手を出して制止
した。

「ここは大事なところだから、スポンジで擦ると痛いんだ」
「じゃあ、どうやって洗うの?」
「手にシャンプーを着けて、それで洗うんだよ」
「は~い。判りました」

優子は元気に返事をすると、ボディシャンプーの液を両手に着けた。
そして何度かこねくり回すと、大きな泡が手全体を覆った。

「それじゃあ丁寧に洗ってくれよ」
修三は、優子の手を取って、股間にある肉棒へと導いた。
泡まみれの優子の両手が、大きくなった肉棒を掴むと、ゆっくりと擦り始めた。

「パパ・・・何か段々と硬くなっていくよ」
「そ、それはな、気持ち良くなってきた証拠なんだ」
「パパ。すごく気持ちイイの?」
「あ・・ああ・・そうだ。優子上手いなあ・・・」

腕組みしながら仁王立ちの修三の顔が、次第に紅潮していった。
鼻の穴が大きく膨らんでいた。既に興奮の面持ちであるのは明らかだった。

懸命に洗っている内に、何時の間にか修三の肉棒が、両手に余るぐらいに大きく
なっていた。
「ちょっと手を離してごらん」
修三の言う通りに手を離すと、それは勢い良く豊かな弾力を持って反り返った。

「何か、別の生き物みたい」
驚きに満ちた優子の目が、大きく見開いた。

「これで全部を洗い終えたわけだな」
「うん。後はお湯で洗い流すだけよ」
「ああ、そうだけど・・・ちょっと優子にお願い事していいかな?」
「え?何なの?」
「パパさあ・・凄く気持ち良くなったんだけど、更に気持ち良くなりたいんだけど・・
いいか?」

修三は努めて平静さを持って、優子に対峙していたが、声はどこかしら震え気味に、
聞こえた。
その時優子は、不思議そうな表情で修三の顔を見ていたが、急に目をパチパチとさせると
首を大きく縦に振った。

「判ったわ。パパがそうしたいのなら、いいわよ」
「そ、そうか。済まんなあ・・あはは」
「でもそれってパパのおねだりなんでしょ?だったらさあ・・・ねえ」
「ああ、判った判った。お前のおねだりも聞いてやるから、それでいいだろ?」
「わああい、やったああ!パパありがとう!」

嬉しさいっぱいの優子は、再び修三の股間に手を伸ばすと、勢い良く擦り始めた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待った。優子ちょっと止めてくれ」
いきなり乱暴に扱われたせいか、腰を大きく引いた状態の修三が堪らず、その手の動きを
止めるよう声を張り上げた。

「そんなに乱暴に擦る奴があるか!もっと大事に扱ってくれよ、痛くてしょうがないじゃ
ないか」
「ご、ごめんなさ~い」
修三の苦悶の声に、優子は慌てて謝った。
ここで怒らせて、ご破算となっては元も子もないからだ。

「いいか、こうするんだぞ」
修三は、優子の左手を掴むと肉棒に添えさせて、ゆっくり上下にと動かし始めた。
「そう、そう、そう・・その調子だぞ。いいぞ優子」
「うん・・・こうするのね。判ったわパパ」

次に修三は、残った優子の右手を肉棒の下の袋に持って行かせると、優しく揉むよう指示
した。
するとしばらくすると、修三の股間は、物凄い泡でいっぱいの状態になった。
「おおお・・いいぞ優子。凄く気持ちがイイぞ・・あああたまらん!」
「パパ嬉しそう。もっと気持ち良くなって。優子も嬉しいわ」

愛しそうな表情で、まるで恋人のような言葉を言う優子に、修三の興奮は更に高まった。
「可愛いなあ優子。パパ、もう辛抱が出来ない」

そう言うと、修三は優子の両手を握ると、肉棒から離した。
そして、ゆっくりと両膝立ちになり、右手で、その泡まみれの肉棒を掴んだ。
「さあ、さっきやったみたいに、胸を寄せてくれ」
優子は、言われるままに両脇に手を添えると、左右から、ぐっと力を入れて寄せた。

すると、目の前に、真っ白で大きく盛り上がった山が2つ出来た。
修三は、ゆっくりとその山々の間にある谷間に、その熱くなった肉棒を差し込んだ。

吸い付くようなスベスベした肌の感触が、肉茎の周りにまとわりついた。
お餅のような粘り気のあるハリは、10代そのものだった。
修三の腰の動きが次第に大きくなっていった。

もうどうでもよくなっていた。
狭く暑苦しい空間の中、次第に空気が薄くなるような気持ちに苛まれた。
優子が、両手で締め付ける胸には、熱くたぎった男茎が挟まれて息も荒くなってきた。


これは淫行だぞ!
このままだと近親相姦だぞ!
優子は、まだ小学生なんだぞ!

頭の中に残る理性が、何度も声を浴びせ掛ける。
だが、もう止まらない。休火山は、もはや活火山と化し爆発寸前にまでに
熱くたぎっていた。
この快感を貪り食い尽くしてやる!本能がそう叫んだ。

「ううう・・・もうダメだ。出る!」

修三はうめき声を上げた。
痺れが背中を走った。

激しいほとばしりが、優子の胸に浴びせ掛けられた。
そして痺れが頭にまで来た時、やっと射精が終わった。

身体が軽くなった。
そして、次第に頭の中がすっきりとしてきた。

落ち着きを取り戻した修三は、柔らかくなった表情で前を見た。
優子の胸全体に、濃い精液が、べったりと着いていた。

「うわああん・・・何これ?凄くベタベタして気持ちわる~い!」
優子は眉間にしわを寄せて、嫌悪感丸出しの様子だ。
修三は、それを見て、己のしでかしたコトの罪深さを思い知った。
立ち込める湯気の中、己自身の苦しい息遣いの音が耳に聞こえていた。

「すまん、パパ気持ち良すぎて最後までやっちまった。ごめん優子。大丈夫か?」
「平気、平気。でも、これすっごく臭~いよう」
「これはな、男の人が気持ち良すぎると、外に吐き出る液体なんだ」
「なあにこれ?」
「精液といってね、赤ちゃんを作る時に元となる液体なんだ」
「じゃあ、これって汚くないのね?」
「ああそうだよ」

修三の説明に、優子はやっと笑みを見せた。
そして優子は、胸にこびりついた精液を指で摘むと、その粘り気を確かめるように、
二本の指先で、くっ付けたりとか引き外したりして遊んだ。
無邪気な笑みを見せながら、その指先の動きを見ていた。

「ママにはナイショだぞ」
「もちろん、判ってるってパパ」

修三は、お湯を汲み出すと、まず最初に優子の胸に掛け、次に汲み出すと自分の身体に
掛けて、それぞれさっぱりと洗い流した。
そして修三は、再び浴槽の中に身体を沈めた。
修三は浴槽から優子の行動を見つめていた。

その時優子は、入り口の隅のほうに置いてあるボディシャンプーを取ろうとしていた。
よつんばの状態で、手を伸ばして取ろうとしていた姿は、後ろ側から見ていた修三からは
丸見えの状態だった。
修三の目に、優子の淡いピンクの花弁と、小さな小さな蕾の2つの秘部が映った。

そして振り返った時、子供としては不釣合いなまでの胸のふくらみが揺れ動いた。
立て膝をついた状態で、スポンジにシャンプーを垂らして、大きな泡を起こしていった。
優子には、もはや恥ずかしさなど、何処にも感じている風には思えなかった。
やはり、いくら身体が大きくなっても、まだまだ子供なんだ、と修三は思った。

だけどその時、胸の中に再び込み上げてくる熱い塊のような感情が沸き立つのを覚えた。
修三は、自分の股間に手を伸ばした。
既に硬くなりつつある男根が手の中で感じられた。

収まりは未だ着いてなかった。
普段は淡白な自分が、その時は違っていた。

優子は、スポンジで丁寧に脇や胸を洗っていた。
その度に、躍動的に動く大きな胸が目に飛び込んで来た。
そして、すらりとした綺麗な太ももが妖しくも艶かしく動くのが見えた。

「今度はパパが背中を洗ってあげよう。いいかな?」
「うん、いいよ」
修三の申し出に優子は二つ返事で、あっさり承知した。

修三が浴槽を出た時、優子は直ぐに持っていたスポンジを手渡すと、くるりと背を向けた。
最後に洗ってあげたのは2年前だった。
あの時の小さな背中が、あっという間に大きくなっていた。
そればかりではない、その肌は、一層白く美しくなっていた。そして、そこには、
そこはかとなく女の色気が漂い始めていたのであった。

修三はゆっくり丁寧に、そして丹念に背中を洗った。
それから、腕や首筋へと、ゆっくりとスポンジが這って行った。

「さあ・・優子、立ちなさい」
修三の言葉に、優子は素直に従って、すっと立ち上がった。
まだ幼い腰周りと、すらりと長い両足が、丁度座っている目線の前にあった。
修三は、黙ったままで、スポンジを、腰、それからお尻、太もも、足へと滑らせた。

「優子、少し足を広げなさい」 「はあ~い」
言われるままに、優子は泡まみれの足を左右に広げた。
スポンジが、広げられた内股に滑り込んだ。

「どうだい優子?」「ちょっとくすぐったい」
優子は一度も振り向かずに、前を向いたまま答えた。

「なあ・・優子」「なあにパパ?」
「お前も、さっきのパパみたいに、気持ち良くなりたくはないか?」
「ええ?そんな事出来るの?」
「ああ、パパも優子も、2人一緒に快感を得られるんだ」
「ホントに?」
「ああホントさ。早速やってみよっか」
「わああ・・・すご~い!」

優子の無邪気に喜ぶ声が、修三の、はやる気持ちを加速させた。
修三は、素早く開かれた股間に手を伸ばした。
人差し指と薬指の2本が、器用に花弁の周辺を優しくなぞっていく。
「パパァ~何かくすぐったいよう」
優子が腰をくねらせ始めた。
「優子は結構敏感なんだね」
「パパ・・そんなにイジワルしないでえ・・」

か細く震えた声が、切なく響く・・・修三の興奮は最高潮に達しようとしていた。
「パパがもっと気持ち良くしてやるぞ!」
荒い息遣いの中、修三は顔を、ぷっくらと膨れたお尻に近づけた。

「きゃあ!そんなとこ舐めちゃあ、いやあ~!」
いきなりの感触に、驚いて背筋が伸びた。
修三の舌が、優子の小さなつぼみの周辺を這っていた。
「パパ、そんなとこ舐めたら、汚いよう・・・もうヤメテ!」
今まで一度も味わった事の無い感触が、その恥部の周辺から伝わって来た。
優子の顔が、恥ずかしさやら何やらで、真っ赤に染まっていた。

一方指の方は、優子のクリトリスを優しく擦りつけていた。
幼い子供相手に、この2穴責めは過酷とも思えた。
修三はというと、もう片方の手で、自分の肉棒を、猛スピードで扱き上げていた。
事態は最後の仕上げへと向かっていった。

優子は、両手を浴槽の縁に置いた。両足はガクガクと震えていた。
今までにない快感に身体が追いつかないような感じだった。
「な、何か変な気持ちになってきたよ、パパ。も、もう立ってられなああい!」
「気持ち良くなってきたか?優子」
「判んない。凄くくすぐったいのと痺れてきた感じがごちゃごちゃになってきたみたい」

優子は苦悶の表情のまま、首を何度も振りながら答えた。
その表情を見ていた修三は、もう堪らんという表情で立ち上がった。

「優子、最後の仕上げだ。パ、パパと一緒に気持ち良くなろう」
興奮のせいか早口で捲し立てると、修三はピンピンに反り返った肉棒を握り締めながら、
優子の腰に身体を寄せた。
互いの身体に纏わりついていたシャンプーの泡が、そのスムーズな挿入を助けた。

「んんっ!!」
修三のうめき声と共に、その硬くなった欲望が、すんなりと花弁の中に入っていった。
「はあああ! な、なに、なに、なんなの?何か入っちゃったの?」
「パパと1つになったんだ優子」
「ええ?パパのオチンチンが優子の中にあるの?」
「ああ、そうだよ。気分はどうだ?」
「お、お腹の中が、突っ張った感じがするよ。はああ・・動いてるう・・」

修三は、ゆっくりとリズム良く、腰を動かし始めた。
それは妻のとは違って小さく、そして締め付けがきつく感じた。

凄まじいまでの背徳感が、頭の中で暴れ出した。
まだ何も知らない小学生と、しかも実の娘と、妻の目を盗んでの行為。
おおお!淫行に近親相姦、それに不倫かあ?!
ヘレンケラーもびっくりの三重苦、と思うかどうかは修三の勝手だが、それまで押さえ
つけていた気持ちのタガが飛んだ瞬間、一転して全てを貪り食いたい衝撃へと気持ちが
傾いていった。
そして多少遠慮気味に動かしていた腰も、相手無用とばかりに派手に振り始めた。

「パ、パパァァァ!そんなに動いたら、優子のお腹が破けちゃうう・・」
「パ、パパは、凄く気持ちがイイぞ。こんな気持ちは初めてだ!」
背後から両手で優子の胸を鷲掴みしながら、激しく腰を振る修三。
優子は頭を大きく左右に振った。支えている両手も震えているのが見えた。

いくら大人顔負けのプロポーションを持つ優子でも、この初めての”大人の衝撃”の前
には、耐えうる術など、まだ持ち合わせているはずもなかったから、すでに足腰の方が
支えきれなくなって今にも崩れそうな気配があった。

「ダ、ダメェ~、もう立ってられなあ~い」
膝がガクガク震えながらも、懸命に歯を食い縛っている娘の表情は、凄くけなげに見え、
そして凄く可愛く見えた。
だけど、もはや何も見えていない修三には、欲望のはけ口への道を一直線に走っていた。
荒くなる鼻息。優子の首筋に何度も吹きかけた。

「パパ・・・もう・・許して・・・はああん・・」
息も絶え絶えに、涙声の懇願をする優子。突き上げの度に声が途切れた。

すると修三は、優子の片足を持ち上げて、浴槽の角に置くと、更に激しく突き上げた。
先程からの一貫した背後からの責めは、やはり父親ではない男性そのものの顔を娘に見
せるのが嫌だったのに他ならなかった。

室温が高い密室での激しい行為に、2人の身体は汗でびっしょりになっていた。
修三は、その汗まみれの顔を優子の背中に押し付けた。

久しぶりに味わう興奮は、その肉体をも十代へと引き戻した。
それも強さではなく早さだったのだが・・・
あっという間に、激しい射精感が修三の下半身を襲った。

「うそ、こんなはずは・・優子、凄いぞ、パパ・・もうイキそうだ・・」
「パパァァ・・・優子もヘンな気持ちになってきちゃったああ!」

下半身に張り詰めた感覚を覚えた。
その限界を察知した瞬間、修三は優子から身体を離した。
その時、ぬめった感触が一緒にまとわりつく感じがあった。

修三の興奮は頂点に達した。
優子も感じていたのだ、と確信したからだ。既に大人の身体として迎えていたのだ。
修三は優子の身体を反転させると、タイルの上に座らせた。

「わあああ・・パパのオチンチン、まるで別の生き物みたい・・・」
優子の目の前には、大きく反り返った肉棒が、ゆらゆらと揺れていた。
しかも亀頭部分から竿全体にかけては濡れていて黒く照っていた。

優子は目線を上に上げた。下から見上げると、顔を紅潮させ鼻の穴を膨らませた修三の
顔が見えた。既にそこには、いつも見る穏やかな笑顔の父親の表情など、どこにも見ら
れなかった。

修三も、先程までの恥ずかしさなど、どこかに吹き飛んでいた。
男を誇示するのに、何ら遠慮など見せなかった。

「パパの最後のおねだりを聞いてくれ」
修三は、優子の顎を上げると、根っこから握り締めていた男茎を近づけていった。
亀頭が優子の頬を2度、3度と突っついた。

「オチンチンをどうするの?」
優子は不思議そうな表情で小首を傾けた。

修三は何も言わずに、いきなり亀頭から竿の根元までを優子の口の中に押し込んだ。

「んん!!」
いきなりの事態に、驚きで目をまん丸にしながら両手をばたつかせた。

両目を瞑りながら天を仰ぐ修三。満足げな吐息が漏れた。
両手で頭を押さえながら、腰をゆっくりと前へ後ろへと動かしていった。

ぬめりが肉棒を覆った。咥えている優子の口から大量のよだれが流れ出すと、雫とな
って顎からポタポタと膝の上へと落ちていった。

「ううう・・・イ、イクぞ・・くうう!」
堪らなくなった感情が口を突いた。

その時、いきなりドアをノックする音が・・

「優子、あなた・・・何時まで入っているの?もう食事の用意は出来ているんですよ」
何時まで待っても出て来ない2人に心配した妻が、様子を見に来たようだ。

「ああ、スマンスマン。優子のおねだりを聞いていたら、ついつい長くなっちゃって」

修三は何事も無かったかのように、平然とした口調で対応した。
そして、優子の口から肉棒を抜き出すと、自分の口に一本の指を立てて、黙ってての
ポーズを優子に示した。

「ママァ・・今ねパパに一生懸命お願いしてるの。でもパパ、ちょっと頑固なんで困って
るの」
「まああ・・あなた達、お風呂の中でずっとその話をしてたの?もう・・バカねえ。
これ以上入ってたら身体に悪いわ。すぐに出てきなさい。あなたも聞いている?」
「ああ聞いてるよ。俺も優子のしつこさには参ってるんだ。うんというまで出さない
って・・これってお前の入れ知恵なんだろ?なんとかしてくれよ」
「パパァ!ねえ、自転車買ってよう!お願い!ね、ね?」

修三と優子は、互い笑いながら顔を見合わせてセリフを交わした。
優子のセリフ回しは、結構堂に入っていて、聞いているだけなら即座に信じてしまう程の
上手さだった。
「あなたあ・・もう買ってあげたらどうです?このままじゃあ身体に毒だから・・」
優子の迫真の演技に乗った妻が、心配そうな声でドアの前に近づいて来た。
ドアの影が大きく揺れた。

その瞬間、修三の背中に衝撃が走った。
今開けられたら全てが終わる。座っている娘の前で、はしたなく男茎をおっ立てている
父親を見られたら、それまで築き上げてきた家族の絆が一瞬で崩壊してしまう。

「あ、ああ、あああ・・判った判った。仕方ない自転車買ってやる。それでイイだろ?」
修三は、慌てて承諾の言葉を大きな声で口にした。
ドアの影が、ピタリと動きを止めた。

「わああい!ありがとうパパ。優子大事に乗るからね」
大きな声ではしゃぐ優子。
「ホントだな?よし、それなら一番イイやつを買ってやろう」

「わああい、嬉しい!ねえママ聞いた?」
「ええ聞いたわ。良かったわね優子」
「うん!」
ドアの影が少し小さくなった。優子の一言がドアから妻を遠ざけてくれたようだ。
やれやれといった表情の修三。危機は去った。

「んん?!!」
その時修三は、何故か生暖かい吐息が亀頭部分に掛かるのを感じた。
視線を向けると修三は驚いた。
何と優子が舌の先で、チロチロと亀頭の先っちょ部分を舐めていたのだ。

ドア一枚隔てているとはいえ、母親が、すぐ傍にいるのにも関わらず、大胆にも
父親を挑発していたのだ。
イタズラっぽく笑いながら、舌でペロペロと舐める姿は、とても小学生とは見えない程
色っぽく、そしてイヤラしく見えた。

「このままじゃあ折角の料理が冷めちゃうから、そろそろ上がってちょうだい。いい?」
「あ、ああ・・・でも俺も優子も、長時間湯の中にいたせいで、顔中汗ダラダラの状態に
なって凄くうっとうしくなったから、頭を洗ってさっぱりしてから出るわ」

「判ったわ。じゃあ冷たいビールを用意しておくからね・・・」
妻はそう言い残すと、パタパタと足早に風呂場から出て行った。

「パパ、危なかったわね。うふふ・・・」
優子は可愛らしい笑みを見せながら、舌を竿の裏筋部分に這わせた。
「ああ・・・お前のお陰で助かったよ。でも・・な、パパさっきからずっと限界
だったんだ・・」
「え?・・パパァ?」
怪訝な表情で、下から覗き込む優子。
だがその瞬間・・・

「おおおお・・・・もうダメだ。堪らん、イクゥ!!」
修三は、いきなり激しく、その反り返った肉棒を扱き始めた。

そしてその食い縛った表情が天を仰いだ瞬間、それまでガマンにガマンを重ねた欲望が解
き放たれた。
おびただしい量の白濁液が、勢い良く優子の顔に降り注がれた。

額に、目の上に、鼻に、頬に、顎に、優子の顔中満遍なくぶっ掛けられたのだった。
粘り気のある汁が、そのまま顔から、首筋、胸、膝へと、ポタポタと垂れていった。

素晴らしい光景が出来上がった。
実の娘に顔射を決めたのだ。顔中一杯に男の欲望が詰まった精液を浴びた表情は、
まさしく感動モノだった。後悔とか後ろめたさなど、どこにも感じなかった。
欲望が満たされても、それは変わらなかった。背徳感で圧してた反動は、一気に開放感
へと導かれたのであった。
娘とのSEXは最高だ。修三は素直にそう思った。

「うわああん。何するのよパパ!すっごくネバネバして気持ち悪いし、すっごく臭いよう
・・・もう、信じられない!!」
目も開けられないままの状態で憤慨する優子。

「あははは・・・でも頭を洗うから丁度いいだろ?」
修三は清々しい笑みを浮かべながら、桶で湯を汲み出すと一気に優子の頭上から流したの
であった。


しばらくして真っ赤に上気した2つの顔が食卓に現れた。
修三はパジャマ姿だったが、優子は全身にタオルを巻いたままの格好だった。

「あらあら・・・2人共まるで茹でたタコみたいね。あはは・・」
「ママ!そんなに笑う事ないでしょ!」
「あらあら優子ったら、そんなにほっぺを膨らませたら、ますますタコそっくりよ」
「もうキライ!」

優子はそう言うと、しかめっ面を妻に向けながら、バタバタと足早に出て行った。

かなりゴキゲンな感じで食卓に料理を並べる妻。
時折ちらっと修三を見ながら、何やら含み笑いを浮かべていた。

修三にはその笑みが何であるかを理解していた。
それは、今真っ赤な顔で呆然としている自分の表情が、そのまま妻の思惑に嵌った証拠だ
からだ。

だけどいくらなんでも、本当に娘を使うとは・・・
最初から妻は見抜いていたのだろう。自分の視線が娘に行っていたことを。

結局この薬は劇的に効いた。妻の思惑通りに修三は、大きく元気を取り戻した。
今日の夜は久しぶりに、妻を天国へ導かねばならない。大きく力を削がれたが、
まだ1回ぐらいは大丈夫だ。妻の笑みは、その期待で一杯だろう。絶対に裏切れない。
妻の顔に似た優子の肢体を思い浮かべながら抱けばいいのだ。

そして、この薬は猛毒だった。修三の頭の中は優子の事で一杯になった。
まさか妻も、父親と娘がSEXまでしたとは思いもしないだろう。
だが毒を食らわば皿までも、の喩えの通り修三は、この色っぽくて早熟な娘と一線を越し
てしまった。
それゆえに妻の笑顔に対して笑顔で応えようとしたが、どこか引きつり気味の感じが拭い
きれなかった。

修三は、そんな気持ちを妻に悟られないように、笑顔を見せながら、素早く妻の隣に
行くと、すぐさま腰に手を伸ばして、ぐいっと抱き寄せた。
盛り付けの為に持っていた箸の動きが止まった。

「随分と強引ね」
「君の策略のお陰だよ」
「あらあら・・・それって良い傾向なのかしら?」

妻は、皿に盛り付けてある小芋を1つ摘むと、優しげな眼差しで修三を見つめながら、
すっと彼の口元に運んでいった。
「これは美味い」
「どういたしまして。うふふ・・」
妻は、甘えるような仕草で修三の胸に顔を寄せた。
修三の右手が、妻の髪を撫でた。

「凄い刺激があったよ。優子の成長の速さには驚いた」
「でしょ?・・・12才であの身体は反則モノよね」
「そのお陰で、今日は君に奉仕できるようになったんだぜ」
「うふふ・・それは楽しみだわ。でもさ、私の顔にそっくりな優子を見て、
その気になったって事は、ひょっとして・・・?」
「おいおい・・変な勘ぐりはするなよ。俺は父親だぞ、まったく何にもしてないぜ!」

ふいに核心部分を突かれた修三は、あっという間に顔が強張ってしまった。
焦りからか、心なしか語尾を強くしながら否定する修三。

「あはは・・・どうしたのよ。そんなのジョークに決まってるじゃない。何も必死に
なって否定しなくても良いじゃない」
「バ、バカ!冗談でもそんな事は言うな!実の娘に手を出す父親なんてシャレにもなら
ない。確かに、さっきまで一緒に風呂に入っていて、びっくりしたのは認めるけど・・だ
けど」

「はいはい・・・判りました。こんなジョークを面白がって言った私が悪かったわ。
ごめんなさい。でもね・・あの子の裸を見て、正直何にも感じないなんて男じゃないと
思うの。あなただって父親である前に、ちゃんとした男なんだから、たとえ変な気に
なったとしても平気よ。ま、それでもそんな事する勇気もないだろうけどね・・・うふふ」

妻は、一片の疑いすら思ってはいなかった。
それよりも彼女の頭の中は、修三とのナイトランデブーの事で一杯だった。
彼女は、まるで踊っているような軽やかな手付きで、盛り付けを仕上げていった。

だが、それを見ている修三の方は、終始穏やかな気持ちにはなれなかった。
妻に対しての申し訳ない気持ちと、優子に対する思いとかが上手く整理出来ないでいた
からだ。
これからの生活において、2人に対して、どういう態度で接すればいいのか?
それと同時に優子の気持ちがどうなのか、凄く気がかりで仕方なかった。
今ごろになって、やっと、自分がしでかした事がいかに重大な事態を引き起こしているか
を思い知った。

あれこれと考えるうちに修三の目が、弱弱しく食卓の辺りを泳ぐように見回していた。
すると、ふらつく視線の中に、パジャマに着替えた優子が入ってきた。
ほんの少し濡れた髪が、どこか風情があって色っぽく見えた。

困惑気味な修三の目が、優子の大きな目と合った瞬間、優子は頬を、ほんの少し赤らめ
ながら、小首を少し傾ぐような仕草で、にっこりと微笑んだ。

突然、優子の滑らかな肌触りの感触が手の中に甦った。優子の甘い吐息が首筋に甦った。
そして全身に心地よい疲労感が甦った。
その一瞬、妻に対する申し訳ない気持ちが消えた。

その時妻は最後の盛り付けに余念が無かった為か、背中越しにいる優子に
気づかなかった。

優子は、修三の立場を考えてか、今立っている場所から、声を出さずに口の
動きだけで用件を伝えてきた。

(パパ、今日はありがとう)

修三は口元に笑みを浮かべながら頷く。

(また明日、一緒にお風呂に入ってもいい?)

”ああもちろん!”修三の口元も軽やかに動く。

優子の顔に、恥らうような笑みが浮かんだ。潤んだ瞳には、大人の女性が宿っていた。
それを見た修三の目には、すでに力強い決意がみなぎっていた。

「あら、優子。もう着替えてきたの?それじゃあ食事を始めましょうか」
「はあああい!」
妻の前では、優子はいつもの無邪気な12才になる。さっきまでの雰囲気とは一変して
子供らしく元気に食卓に入ってきた。
妻も修三も、直ぐに席に着いた。

そしていつものように妻の合図を待って食事が始まるのだが、今日に限って修三が妻を
制して、先に声を出した。
「食事の前に、ママに1つお願いがあるんだが・・」
「一体何ですの?」
「明日久しぶりに3人一緒に風呂に入りたいんだが・・どうだい?」

「え・・ええ・・それは別に構いませんけど・・・でも優子はいいの?」
「もちろんOKよ。だってパパと一緒に入るお風呂って楽しいもん」

優子の返事に、呆気に取られた表情の妻。
修三と優子は、笑顔で互いに顔を見合っている。
そして2人は、何も知らない妻に向かって、その笑顔を見せた。

「優子のおねだりの次は、ママのおねだりを聞く番だから・・ちょうど良いだろ?」
                   
                               (おわり)

小説(転載) 幻  影

官能小説
11 /24 2018
戦争前後の思い出話なので情景が掴めないところもあるが、そのまま紹介する。

幻  影

1 海坊主
これは20世紀の幻影である。話の発端は、約50年も前にさかのぼる。その頃の記憶は
あらかた靄の中に消えかけているが、この部分だけは引き攣れた火傷のように、心の襞
に貼りついている。

私が1年間の浪人の後、郷里の知人を頼って上京したのは昭和29年3月であった。知人
が紹介してくれた下宿は上野広小路に近い表通りに面した印舗で、そこの小学6年男児の
家庭教師をして下宿料と相殺するという条件であった。まだ苦学という言葉が珍しくなか
った時代であり、食う・寝る所さえ確保できれば、奨学金をあてにして学業を続けること
ができる。後は何とかなるだろうと、今思えば無謀に近い行動であったが、赤十字に売血
しながら生活している学生もいた当時としては、それほど特異な事とは思っていなかった。

58歳の店主は、大工の徒弟として修行してきた6尺・30貫(180cm・112kg)の巨漢で、
腕力自慢の海坊主といった印象である。海坊主は二人の女にそれぞれ娘と息子を生ませた
が、両人とも幼い子供を残して逃げてしまい、子供は千葉の漁師町に住む祖母に育てられ
た。

3歳年上の奥さんは小柄で痩せた下町育ちの老婆といった感じで、印章職人として働い
ていた男を一人娘に娶わせて4歳の孫娘がいる。3年ばかり前、戦後建てたバラック同然
の店舗を補修にきた海坊主が、未亡人暮らしの長い初老の女主人を垂らし込んだのであっ
た。小金を貯めていた海坊主は、ここを3階建ての店舗併用住宅に改築し、名実共に印判
屋の主人の座に収まった。

海坊主の実子は、祖母が2年前に亡くなったために二人とも広小路の店舗に引き取られ
たが、娘はすでに27歳であり、腹違いの弟の勉強を私がみることになったのである。複雑
な家族構成は、まだ歴史の浅いためかなんとなくよそよそしいもので、主人の一存で居候
になった私は、勝手のわからぬ居心地の悪さを感じていた。1階は判子屋の店で、仕事場
と2階・3階へ上る階段があり、奥に共通の居間と主人夫婦の居室、台所や浴室などの水
周りがある。2階は若夫婦家族と小6男児の子供部屋。3階は奥から6畳の和室が襖続き
で3室並び、表通り側は根太板の下にスプリングを入れた20畳大の柔道場で、主人の自慢
の場所であった。海坊主の娘は、階段の降り口に近い一番奥の部屋を使っており、中一部
屋空けて柔道場脇の6畳が私の居場所に決められた。

自転車で10分ほどの所に版下屋があり、よくそこに使いを頼まれた。印鑑や会社のゴム
印などの原稿を届けて逆文字の版下を書いてもらうもので、急ぎの仕事は待っているうち
に仕上げてくれる。そこは裏長屋の一軒で、タールを塗った板塀に自転車を立て掛けて玄
関の格子戸を開けると、半坪の狭い土間になっている。上り框の所に据えた経机が仕事場
で、老眼鏡の爺さんが面相筆で細字を書いていた。式台に横座りしてそれを見ていると、
未知の世界に紛れ込んだような不思議な気持ちになったと同時に、爺さんの来し方を想像
してしまった。
経机の下には薄汚れた布が下げられていたが、爺さんが座ったときに膝で押し出された
雑誌類が覗いていたことがあった。「猟奇」「リベラル」「夫婦生活」といったカストリ
雑誌で、こんな爺さんも読むのかと思ったが、夜な夜なキャバレーに出かけて若い女の体
を触りまくっていたそうである。このあたりの下町は、表通りと裏通り、表社会に隠れた
どろどろの裏社会が混在する下町特有の雰囲気があり、19歳のお上りさんを幻惑するには
十分すぎる魔力が潜んでいた。売春防止法が施行される4年も前で、高校時代の歴史教師
が、江戸の情緒を残す所と言っていた吉原も健在であった。

27歳の女と19歳の男が、襖で仕切られただけの3階に同居するのは危ないと、海坊主が
中間の部屋で寝ることになった。テレビは未だ一般家庭には普及されておらず、ラジオの
みの夜は就寝が早かった。8時9時にはそれぞれの部屋に篭ってしまい、10時には電気も
消えて、廊下の豆電球のみがぼんやり灯っているだけで、まばらな都電や自動車の音のみ
が支配していた。
布団に腹ばいになって本を読んでいると、娘の部屋から海坊主の声が聞こえてきた。背
中や腰を揉ませているらしく、3階に移ってからは毎晩繰り返されているが、娘の声はほ
とんど聞こえず、やがて隣室に戻った海坊主は、大鼾で寝てしまう。遅くまでスタンドを
点けていると吝嗇な海坊主に怒られそうなので、私も寝てしまうのが常となった。

こんな生活が一週間も続いたある日、広小路の交差点で娘に呼び止められた。娘は春子
といい、引き取られてから判子屋の注文取りを手伝っていた。お得意先の会社や個人商店
などを回るのであるが、年度替りの3・4月は特に注文の多い時期である。やっと東京の
地理と営業の仕事になれてきたところで、家に居る時よりも活発に見えた。
“みつばち”という甘いもの屋は女性に人気の店なので、男客は私一人だけであった。
上背もあり、漁師町の育ちらしく色黒だがしなやかな身体つきの春子は、最初のうち年上
らしく饒舌に喋った。私が今の家族について質問し始めると次第に口が重くなり、「貴方
には想像も出来ないことがある」と言って黙ってしまった。俯いた表情に影ができ、憂い
を含んだ30台の女に見えたほどである。最後に「時々お喋りに付合ってほしい」と席を立
ったが、もう一軒回るところがあるからと店先で別れた。その夜、春子の帰宅は8時を回
っていた。

珍しく早い時間から隣室の布団に横になっていた海坊主は、襖越しに遅くなったわけを
問いただし始めた。千住の会社を回り、最後に寄った商店で奥さんや子供たちと話し込ん
でいたのだという。亭主の晩酌にも付合わされて、夕飯もご馳走になったと言っていた。
得意先のこととてそれ以上の詮索も出来ず、例によって背中を揉むように命じたが、着替
えも入浴もまだなので後にしてほしいと言う声が聞こえた。機嫌の悪い海坊主は聞かず、
襖の滑る音がして春子は隣室に入ったらしい。背中を揉んでいるような気配がし始めたが、
くどくどと小言が続くので聞きずらくなり、明かりを消して布団を被ってしまった。

しばらくして、抗うような気配と何か襖に当たる物音がし、足元の方にぼんやりした光
が流れ込んでいた。襖に5ミリほどの隙間ができており、豆電球の下に海坊主の太い左腕
が春子の上半身を抱え込んでいるのが見えた。上体を倒されたときに足が襖を蹴ったので
あろうか、昼間着ていたギャバジンのスカートが乱れ、ストッキングの足と幅広の赤いガ
ーターが目の前にあった。折檻かと思ったが、引き寄せようと腰に絡みつく手を必死に払
い除けている。隣室に人がいるからと小声で訴えるのを無視して春子の両手をねじ上げ、
片足が引かれると白い下穿までもあらわになった。ゴムが固太りの太股に食い込み、ガー
ターとの間の素肌が燐光を発していた。私の胃袋は固まって胸元を突き上げ、全身にがた
がたと震えがきたが、目を離すことができなかった。
右手は容赦もなくズロースを引きさげ、蝦のように身を折る尻を剥き出しにした。ほの
暗い視界に、陰毛のみが鮮烈に見える。隠微な指の動きが春子の抵抗を奪ってしまい、荒
い息使いを隣室に悟られまいと必死に耐えているようであった。ズロースをガーターと共
に膝まで下げ、さらに足先で引っ掛けて脱がしてしまうと、やっと後ろ手を開放し、臀部
を掴んで腰に跨らせた。フレアーのスカートがあらかたを覆ってしまい、海坊主に揺り動
かされる春子のシルエットのみが、操り人形のように踊っていた。

静寂が戻ると、海坊主が寝息を立て始めた。春子は物憂げに上体を起こし、足首に引っか
かったズロースを外して股間に当て、海坊主の体から離れた。海坊主の身づくろいを直し、
布団を掛けてから立ち上がると、豆電球を消そうとソケットに手を伸ばした。もう一度部屋
の乱れを気にして振り返り、襖のずれているのを見つけたと同時に覗いている私と目があっ
た、いや、実際には気が付かないだろうと思った。春子は左手で股間をおさえたままの姿勢
で硬直したが、気を取り直したように消灯して出て行った。

動悸の激しいまま仰向になっても胃袋の痙攣は治まらず、強烈な画像が押し寄せてくる。
カストリ雑誌で見た小野佐世男の挿絵と重なって、隠微な妄想はさらにエスカレートする。
疲労し、勃起してもいないのに熱病のような爆発寸前の状態が続く。

陰夢なのかと思っていると、枕もとの襖が静かに開き、湯上りの春子が入ってきた。脇
に回り、襖のずれを直すとそのまま枕もとに座ってしまった。海坊主は豪快な鼾をかいて
いる。私はそのまま硬直してしまい、寝たふりを続けるしかなかった。春子の膝あたりか
ら発せられる輻射熱が頬を押す。かすかな身じろぎとともに洗い髪の匂いが襲い、萎えた
まま射精がおこった。それはだらだらと長く、気持ち悪く太股を伝わって流れたが、金縛
りの体を動かすことはできなかった。そのまま何も言わず、春子は立ち去った。

朝食の座に春子の姿はなかった。埼玉の方まで足を伸ばすと言って出かけたらしく、救
われた思いであった。海坊主の様子はいつもと変わらず、昨夜の出来事は私のみの幻影で
しかなかった。食後風呂場で洗濯をしたが、青臭いこわばりのついたパンツのみが、覗き
の罪を告白していた。
屋上の物干し場に上ると、まだ寒い朝の光に春子の下着が干してあった。入浴中に洗っ
たのであろうが、私の咎を許さないと証拠を突きつけられたようなショックを受けた。同
罪として地獄に落ちろと脅迫しているようでもあった。昨日、“みつばち”で言っていた
「貴方には想像も出来ないこと」が、朝日の中に明白な証言として曝されていた。
当時は高価であったナイロンストッキングとブルマ型のズロースの隣に、罪を告白する
ように私のパンツを干したが、それらが突然に生身の肉体を包み込んだように、淫らな交
わりを始めた。燐光を発する太股に掌が張り付き、もてあますほどのボリュームを撫で回
す。その感覚は行きつ戻りつして、それ以上には進まなかった。思い切って春子の下着に
手をかけたが、押し返す弾力は無かった。

一日中同じ幻覚にもてあそばれ、夕刻例の版下屋から戻るとすでに春子は帰宅していた。
自室にはたたんだパンツが置かれており、同志の誓が許されたような甘酸っぱい連帯の意
識が湧き上がってきた。

2 春子
後に春子は、自分はいつ処女を失ったのか覚えていないと言っていた。子供の頃は膝丈
までの着物で通し、男女の区別とて知らなかった。素裸での水浴びや、そのまま畦道にし
ゃがみこんで小便をするのも一緒だった。4~5歳になると、年上の男の子が股の奥を見
たがるようになった。平気で股を開いたが、そうすることが仲間に入れてもらうための条
件でもあった。小学校2年生のある日、学校からの帰り道で男の子たちに陰部をいじられ、
露草の花を割れ目に挟んだまま帰宅した。しゃがみこんだ股の間に露草の花を見つけた祖
母が咎めると、「皆にこれはお薬だから取ってはいけないと言われた」と答えた。祖母は
仲間の名を聞くと、学校に出かけていって教師に報告した。若い女の教員は「あんたの仕
付けでしょう」とも言えず、春子に形式的な注意を与えただけで不問にした。その時から、
祖母は春子にズロースを穿かせるようになった。

昭和9年は東北地方が飢饉に見舞われ、身売りをする娘が多かった。不況で仕事にあぶ
れた海坊主が、しばしば帰郷するようになったのがこの頃である。40台に入ったばかりの
海坊主は、勢力を持て余していた。夜になると春子を風呂に入れ、丹念に陰部を洗ってや
った。それは父親の愛情ではなく、幼女を弄ぶぎらぎらした欲望であり、子供同士の遊び
とは比較にならない微妙な指の感触であった。春子は、下腹部から疼くような快感を覚え、
不思議そうに父親の顔を眺めた。父親といっても生まれてこの方ほとんど一緒に過ごした
ことの無い男は、親切ごかしに春子を背負って裸の尻を触る男どもとかわりなかった。海
坊主としても、都合の良い処に幼児姦の対象を見つけただけで、春子が居なければ実の母
親の腰巻を捲くるような男であった。

やがて同じ布団にくるまった春子は寝巻きを脱がされ、唾をつけた指先で丹念に陰烈を
擦られた。刺激の強すぎる処は陰核と尿道の周りで、そこに触られると体がピクッと反応
し、脳に達する痺れがある。未発達の陰唇は、海坊主の太い指先を包み込むが、膣は硬く
閉ざしたままである。初めての陶酔に、尿意を覚えたが、中断されるのが怖くてじっと我
慢していた。海坊主が口淫しようと身を屈めると、我慢できなくなり「ちょっとおしっこ」
と言って裸のまま蒲団を抜け出し、縁側にしゃがみこむと勢いよく庭先に放尿した。
 隣で寝ていた祖母がこの格好を不信そうに眺めていたが、総てを悟ったらしく背を向け
て寝てしまった。続く快楽を期待して走リ寄ってくる春子を、そのまま仰向に寝かせ、舌
先で大陰唇を割って尻に回った小便まで、丁寧に舐めとってやった。9歳の春子は、固い
蕾のままエクスタシーに近い興奮を覚えて思わず叫び声をあげたが、祖母の背中が震える
のを気づかなかった。海坊主は巨大な陰茎を春子に擦らせ、挙句に亀頭を舐めさせたが、
とても頬張れる大きさではなく、再び春子の股に擦りつけながら射精した。海坊主の呻き
声と腹にかかる精液の粘つきは、春子にとって初めての事だったが、おぼろげながら大人
の秘事を体験しても、さして驚きはしなかった。ぶちまけた精液を拭うでもなく、それで
も寝巻きを着せて海坊主は寝てしまった。二人の寝息が聞こえ始めると、祖母はそっと起
きだして春子を抱きかかえて自分の寝床に運んだ。
翌朝祖母は海坊主に「早く帰れ」と言い、「ほんとに壊されちゃう」と嘆いた。

大人の愛撫を経験してしまうと、春子は子供たちとの遊びに興味を感じなくなった。対
象は高等小学生や中学生になり、最初は無視されても近づいていった。着物の裾を割って
座り込み、地面に絵など描いたりしていると、横目で見ている中学生たちが話し掛けてく
る。少女は、彼らが何を見たがっているか承知していた。木登りをして、枝にかけた足を
大きく開くと、中学生たちまでニヤニヤしながら木登りをはじめる。仲良くなると小便の
飛ばしっこをした。祖母が庭先の肥溜めに、後ろ向きに尻を突き出して放尿するのを真似
て、中学生と並んで尻をからげて勢いよく飛ばした。皆笑いあっていたが、ひそかな性的
興奮を楽しんでいたのである。しかし集団で遊んでいる時は、おたがいの牽制からそれ以
上の進展はなかった。

ある日彼らが作った裏山の隠れアジとに行くと、16歳になる顔見知りの子が居た。悶々
として落ち着かない欲望に悩まされていた彼は、半ば期待して春子を待っていたようであ
った。春子は、堂々と彼の前にしゃがんで小便を始めた。かれの咽喉はひくつき、声がか
すれた。「見てもいいか」と問うのに、春子の方が落ち着いて「いいよ」と言って仰向に
寝た。彼は「誰か来るといけないから」といって春子を伴って藪の裏側にまわった。震え
る手で春子の右手を引き、片手には脱ぎ捨てたズロースを裏返しのまま握っていた。
 窪地の草の上に春子を寝かせると、おずおずと手を差し伸べて下腹に触れた。春子は、
子供たちとの遊びのときと同じ大股開きで空を見上げている。彼は足元に跪いて尻の下に
裾を敷き、紐を解いて前をはねた。一重の着物一枚の春子は袖を通したまま前を完全に露
出して下目に彼の仕草を見ていると、震える手は遠慮深く性器の周りを撫で回していたが、
かすかに盛り上った大陰唇を開き、小さなミミズほどの小陰唇に指をかけた。
 三段腹の下に蝙蝠が張り付いたような母親の陰毛に欲情してきた眼には、無毛のデルタ
は綺麗過ぎた。少女の性器は三角の突起しか見当たらず、カストリ雑誌の解剖図や粗悪で
猥褻な絵から得た知識とまったく違っていた。
 「これぬぎなよ」と春子にズボンを引っぱられ、いまや年齢差もなく素直に頷いてズボ
ンを脱いだ。お医者さんごっこになれた春子は、まだ少し皮を被った陰茎を掴んだ。篠だ
けの芽生えのような子供たちのチンコとも、握り拳のごとき節くれた父親の大魔羅とも違
う。少年の金玉はすべすべした下腹に環のように短く生えた毛の中から、青白く細い真竹
のようにすっくと直立していた。春子も綺麗だと見とれ、本当に青竹を割ったような匂い
を嗅いだ。海坊主に教わったように根元に向けて擦ると、包茎の皮が剥けて恥粕があらわ
れたが、それとて雌を陶酔させるフェロモンの役割をはたした。狂ったようにしゃぶりつ
いた春子は、父親の幼児姦で目覚めた一匹の雌獣になってしまった。思いがけぬ展開に、
視野の狭まった少年には裸の少女が彼の股間に食いつく姿しか写らず、むせかえる草いき
れの中でそのまま射精した。少年にとっての白日夢は背徳の後ろめたさを残したが、一生
忘れ得ぬ感覚と幻影が残った。
 それ以来彼にとっては、どんな幼女も天女と娼婦の両面を兼ね備えた弁才天に見えるよ
うになった。
 
その日、春子は早い初潮を迎えた。

3 祖母
海坊主の父は南房総の漁師だった。傍ら、小さな田畑を借りて自給自足の生活をしてい
たが、病弱だった妻を里に帰した後、山間部の貧農の末娘を農作業と飯炊きに雇った。17
歳の山出しの娘は、最初の夜に漁師のおもちゃにされたが、口減らしのために家を出され
たので、船橋あたりの遊郭に売られるよりましだと我慢した。早熟な南房の娘はすぐに身
篭り、漁師は海坊主が産まれると病弱の妻を離婚して二人を入籍した。離婚届・婚姻届・
出生届が同日付けで出されている。
ひとまわりも歳の違う夫婦が円滑にいくはずがなく、暴力や浮気に耐えかねて家出を繰
り返したが、その都度連れ戻され、その都度孕まされた。3歳頃の記憶だと思うが、海坊
主が寝付く時間に父親が家に居たことは無い。冬の夜、母は冷たい足を太股に挟んで暖め
てくれたが、子供の足に母の陰毛の感触が残った。20歳の母親は一人寝に耐えられなかっ
たのであろう。

腰巻だけの母親や裸の妹たちと一緒に寝ていた海坊主は、女体にそれほど興味を持たな
かった。しかし、小学校高学年になると母親の体が眩しく見えるようになった。夜中に寝
返りを打つ振りをして母親の足元に回り、そっと腰巻を上げて中を覗いた。母親も承知で
股を広げて見せてくれたが、二人ともそのままの格好で寝てしまったところに亭主が酔っ
て帰り、電気を点けたまま子供の頭が女房の太股を枕にしているのを見て、二人とも蹴飛
ばされた。

小学校6年になると海坊主の体はどんどん大きくなり、産毛が黒ずんでくると、チンコ
の先も膨らみ始めた。妹たちが寝てしまうと、母親はそれを口に含んで愛撫してくれたが、
未だ射精にはいたらなかった。そんな遊びは、海坊主が奉公に出されるまで続いた。
海坊主のあとは女ばかり4人も産んでいる。近所に同じような境遇の女が2人おり、友
達付き合いをしていたが、皆男運には恵まれなかった。海坊主が東京の大工に奉公に上り、
妹たちも次々に家を出た後、45歳で寡婦になった。前後して仲間は3人とも後家となった
が、やっと青春が巡って来たように喜んだ。ちっぽけな田畑を耕し、子供たちの仕送りが
あれば十分すぎる幸せであった。

同じ町の男たちは魚やら野菜やら、口実を作っては後家どもを見舞ったので、彼らの女房
たちはこの後家集団を目の敵にした。女たちから八分されると、報復に亭主の誘いに乗って
もんぺを脱いだ。肌の艶や生理のサイクルを維持するために、それが一番良い方法だと言う
ことを彼女たちは知っていた。女房たちが夜の外出を禁止したので、男たちは昼の寄り合い
を利用して順番のようにやってきたが、彼らにとって公然の秘密でも、それが外部に漏れる
ことはなかった。不時にやってくる男たちは、どこでも彼女たちを抱きたがった。野良仕事
の最中、萱の陰で尻を捲くられて前技もなく挿入されるような一方的な性交でも、野外白昼
のスリルが彼女たちを十分興奮させた。亭主との性交が、いかに義務的で味気ないものだっ
たかを知ってしまった後家たちは、「最近は頬っ被りした顔よりも尻のほうが日焼けする」
といって笑いあった。

春子は3歳になったころ、海坊主に愛想をつかした母親に置きざりにされてこの祖母に
預けられた。最初のうち、男と乳繰り合っているときは「向こうで遊んでいろ」と敬遠さ
れた。そのうち見張り役に立たせられるようになり、男たちとも顔見知りになった。町に
出ると「あ、おじちゃん」といって声をかけるので、春子の姿を見かけるとこそこそ隠れ
てしまう。女房どもは、春子まで憎むようになってしまった。小学校でも特別な眼で見ら
れたが、特に同性の先生や女の子たちは、汚いものを見るように春子を避けた。
 しかし、仲間の男の子たちは春子を阻害しなかった。

昼夜の区別なく祖母の家を訪れることができるのは、隣村に婿に出た祖父の弟だった。
大叔父は祖母より5歳も年上だが、祖母を「義姉さん」と呼んでいた。村役場勤めの大叔
父は、祖父が死ぬとすぐ“義姉さん”に何くれとなく奉仕した。それは兄の未亡人に対す
る義務として、ほめられる行動であった。婿入り先の義父が死に、大叔父の頭を抑えるも
のが無くなったころから、頻繁に実家の“義姉さん”を訪れるようになった。

ある夏の夜、遊びつかれた春子は夕食を食べてすぐに寝てしまった。勤めを終えてから、
自転車の荷台に黄色いマクワウリを乗せて大叔父がきた。行水をすませた祖母は浴衣の寝
巻きに細紐一本締めただけだったが、愛想よく迎えて井戸水で絞ったお絞りをだした。祖
母が早速マクワウリを井戸に冷やしに行き、戻ってくると大叔父はシャツを脱いでお絞り
で上半身を拭いていた。冷えた麦茶を飲みながらもろもろの相談ごとをしていたが、「義
姉さんのことは俺が面倒を見るから安心しろ」と繰り返し、祖母を抱き寄せると浴衣の胸
を割って乳房を掴んだ。男を知り尽くした祖母は、驚いて拒む仕草をし、口を吸われて股
に手を入れられるとぎゅっと両足を絞めた。腰巻も付けていないので簡単に指先は陰毛に
達しているが、上半身を横抱きにして口を吸いながらでは容易に股を開けない。急に倒さ
れると、無理な姿勢で堪えていたバランスが崩れ、膝が緩んだ隙に難なく膣口まで指が届
いた。
 締め付けた指先に静かにくじり続られると、行水の後さっぱり拭いておいた股のあたり
がぐじゅぐじゅに濡れ、その気になってきたのが相手にわかってしまう。このあたりであ
っさり芝居を止めて、後は大叔父のなすがままに振舞った。やらせる気があるかどうかは
先刻打診済みの大人同士の芝居で、よっぽどいやな相手ならば気を引くようなことはしな
い。儀式は終わったと細紐をとかれて前がはだけられ、この暑いのに全身を舐めまわされ
る。障子も雨戸も開けっ放しで、だれが覗くか知れたものではないが、家の周囲は畑と田
圃で、訪れるのは日ごろお相手の男どもだけ。
失うものの無い強みか、素っ裸になって首っ玉にしがみ付く。大叔父の方は、日ごろ窮
屈な婿暮らしで、無愛想な女房に跨っても、早く終われと横を向かれるのが落ちで、歳も
若いし小股の切れ上がった兄嫁に惚れていたところ、やっとありついた据え膳に、このま
ま地獄の果てまでもと、足の裏まで嘗め尽くす。「早く入れて」と急かされて、ズボンも
褌も脱ぎ捨てて、「兄貴よりこっちの方が太いよ」と握らせる。気もそぞろの“義姉さん”
は、大魔羅を邪険に引っ張り上げて空割れを擦り、十分にぬらつかせると膣口にあてがっ
た。「いいよ、入れて」と合図すると、めりめり音がするような按配で、周りの小陰唇か
ら陰核まで巻き込むような勢いに、さすがの“義姉さん”も「うーん」と唸ってずり上が
ってしまう。
 大叔父は肩に手を掛けて引き戻し、2・3回小突いて淫水を塗りつけ、繰り返している
うちにぐーと根元まで入った。「届くう・・・」と腰が上げられ、亀頭が子宮口にぶつか
る。硬い子宮口を潜って、精子溜の奥まで突っ込むと、雁首辺りに硬いこりこりしたもの
があたる。
 祖母は、はあはあ荒い息を吐きながら大股開いて両手両足でしがみ付く。何度か襲う気
の遠くなる瞬間に、あえぐ腹の筋肉が大魔羅を吸い込み、膣が痙攣する。活躍筋は俵絞め
に躍動し、膣の中で無数のミミズが陰茎に絡みつく。
 大叔父がこのままでは我慢できなくなると腰の動きを止めると、“義姉さん”の尻が催
促するように突き上げられる。「ちょっと待って」と全身の重みで尻を押さえつけるが、
俵絞めもミミズの跳梁も休んでくれない。気を逸らして射精を堪えようと横を見ると、春
子がパッチリ眼を開けて眺めていた。
驚いて起きあがろうとするのに、「いかないで」としがみつかれ、「春子が見てるよ」
と言ってもあわてない。春子もとぼけて「なにしてる?」と聞けば、「相撲をとってると
ころ。今叔父さんを投げ飛ばすからね」と尻を突き上げる。観客が子供でも銭の取れる勝
負を見せなくちゃあと、汗を吹き飛ばしながら組討が始まった。野良で尻だけ突き出して
ぐるぐる回しているのと迫力が違い、砂被りまで移動してじっくり覗くと、薪みたいな
のが泡を吹いて婆ちゃんの尻を突き上げる。触って見るとべとべとぬるぬるが、尻の穴ま
で濡らしている。そのうちに婆ちゃんが「うー・・」と仰け反って動かなくなった。大叔
父も婆ちゃんの腹の上に被さったままがっくりと首を垂れている。二人とも荒い息を吐い
ているから心配ないけど、婆ちゃんは時々足をピクッと動かし、同時に陰茎を咥え込んだ
穴もピクッと締まる。大叔父は突っ込んだまま余韻を感じている。でもだんだん萎んでく
ると、最後にずるずると抜け落ちた。鰻が魚篭の口から逃げ出すようで、魚篭の口から乳
がどろりと流れ出した。尻の穴を通って畳に着くまでねばっこく垂れ下がり、鰻の逃げ出
した後はぽっかり穴が開いて、白髪の混じった陰毛が渦を巻いて周りに貼りついている。
春子は相撲の最後を見届けて寝てしまった。

翌日、後家連中が遊びに来ると、「夕べ婆ちゃんとおじちゃんが裸で相撲をとった」と
報告すると、皆げらげら笑い出して、「どっちが強かった?」「太い鰻が魚篭から逃げて、
両方とも負け」と答えたら涙を流していつまでも笑っていた。皆50台に入って月経の煩わ
しさも妊娠の心配もなくなり、十分男の精気を吸い取って、同年輩の亭主持よりはるかに
若く、輝いていた。

4 戦争と若後家
10歳の終に初潮を迎えた春子は、過剰な性の刺激を受けて瞬く間に女らしい性徴をあら
わしはじめた。小学校では女の先生と同じくらいに背が伸び、膝までの着物は腰揚げを全
部下ろしても太股が覗き、胸は襟を広げるように膨らんできた。最近は中学生ばかりでな
く、青年団の若者も裏山に現れるようになった。陰堤にうっすらと陰毛が芽生え始めたこ
ろには、亀頭の半分ぐらい入るようになったが、男たちは決っして無理な挿入を試みなか
った。小さな町では、少女を孕ませて評判になれば、即刻烙印を押されてしまう。必ず膣
外射精かコンドームが用いられた。祖母は着物の裾を精液で汚して帰る春子に詳しく性教
育をしたが、自分の経験から男たちが危険を冒すことはないだろうと思っていた。
春子の膣口は徐々に柔らかく広がり、処女膜も破れないうちに完全に挿入ができるよう
になった。尋常高等小学校に進んだ13歳になると、尻は魅力的に大きく張り出し、胸は着
物の前身ごろ押し上げていた。未だ娘になる前の体は胴も足もがっちり太めで、固太りの
胸は走ってもあまり揺れない。実の硬い桃のような印象だが、小麦色に引き締まった下腹
部から太股にかけての緩やかな曲線は、男を桃源の快楽に誘い込むのに十分であった。そ
ろそろ物資が不足し始めたこの頃、ブラウスやスカートといったものまで貢がれるように
なった。
しかし町から若い男たちが急激に居なくなり、愛国婦人会などが組織されると、春子や
祖母の周辺はまったく刺々しいものになった。春子も軍需関連工場に刈り出されたが、こ
こでも女たちに敬遠され、男たちには持てた。
 
徴用で家を離れている男は、町に出て女を誘った。映画館は女を引っ掛ける場所になり、
稼ぎ手をとられた主婦たちまで、そっと映画館で手を握られるのを心待ちするようになっ
た。主婦たちも、後家さんたちと同じように男を求め、一時の陶酔に我を忘れた。徴用さ
れた男たちは、目ぼしい女を申し送って去っていった。さすがに祖母は60台半ばになって
以前のように華やかな男出入りは少なくなったが、休暇になるとあぶれた男たちがかち合
った。そんな時は隣の部屋で順番待ちをし、金盥に跨って洗浄した祖母を押し頂くように
抱いた。祖母はそんな男の性をばかにすることなく奉仕していたが、鎮守の森影やススキ
の原で、今まで後家さんたちを蔑視していた婦人会の連中までが、同じように股の奥で徴
用の男たちを慰撫していた。いや、自分たちの方が嬌声を揚げて男にしがみついていった。

昭和18年になると、海坊主にも徴用がきたが、同棲していた女が田舎に帰ってしまった
ので、2歳になる男の子を祖母に預けにきた。そのころ、木更津の旅館に奉公に出てその
まま番頭と一緒になっていた次女が、戦争未亡人となって戻ってきた。当初は彼女の立場
に同情と形式的な尊敬を示していた近隣の住民たちも、39歳の若後家を警戒するようにな
ったが、案の定隣の畑を耕している男と懇ろになった。
その男の30歳になる娘が、犬を連れて山仕事から帰る道すがら父親と若後家がつるんで
いるのを見てしまった。母親に密告すると、亭主よりも相手憎しと怒鳴り込んできたが、
祖母は「鎖で繋いでおけ」と一喝して追い返した。
いかず後家娘と若後家は、9歳離れているので顔見知り程度の付き合いだったが、この
事件以来敵対関係になった。両親健在の娘は、うるさい母親の干渉で30歳になるまで男知
らずで、偶然覗いた父親の勃起した魔羅が眼にちらついてしょうがない。山仕事をしてい
てもいつしか下腹の疼きを感じてしまう。仕事の帰り、若後家が一人で働いていのを見つ
けて犬をけしかけた。犬は勢いよく走っていったが、鍬を振るっている若後家の尻の匂い
をかぎはじめた。追い払っても前に回って股ぐらに鼻を突っ込む。月経の最中で、動物的
な匂いに雄犬が発情してしまった。「しょうがないね、お前もかい」と一人寝の寂しさを
知っている若後家は仕事の手を休めてもんぺを脱ぎ、褌のような生理帯をはずすと、更に
興奮して鼻を押し付けるので、草の上に座って股をひらいてやった。中型の雑種だが、犬
の陰茎は人間より太くて長く、おまけに根元に拳大の玉が付いている。「立派だね」と感
心して握ってやると、前脚を肩に掛けてのしかかってきた。メンスの時ほどしたくなる体
質で、雌犬を真似て尻を突き出してやると、筒先で膣口を探り当てるや一気に押し込んで
できた。本能とは言え、自然の仕組みは上手くできていると感心していると、ピストン運
動は野郎どもよりずっと達者で、手拭を口にあててよがり声を押し殺すありさま。野郎ど
もより良いのは、いちいち「回せ」だの「絞めろ」だの注文がないこと。頭を抱えて何度
か気をやると、犬の方も大量のザーメンを発射して尻から離れた。自分の陰茎からだらり
と精液を垂らしながら若後家の尻を舐めまわし、後技と後始末までのサービスに、振り向
いて「有難う」とつい礼を言ってしまった。

 出るに出られず、草むらに隠れて一部始終眺めていた娘は、父親のみならず飼い犬まで
敵の虜になってしまったのを悔しがったが、父親の合戦を見たときよりも興奮していた。
犬が得意そうに飼い主の所に戻ったので、立ち上がってもんぺを直していた若後家に見つ
かった。「おや、そこにいたの。その犬、上手だったよ。また貸してね。」と挨拶したが、
邪険に犬の首環に縄を着けて小走りに逃げ出した。鎌を入れた背中の籠が飛び跳ねるのを、
若後家はいつになく満足した笑顔で見送った。娘はこのことを母親に密告しなかった。

翌日の夕方、娘と若後家は狭い畦道ですれ違った。犬は縄で繋がれていたが、若後家の
方に喜んで寄ってきた。そうはさせじと強く綱を引かれたので犬が前脚をあげて立ち上が
ったが、昨日のように赤い陰茎が顔を出し精液で濡れている。「おや、あんたも楽しんだ
ね」と言われて、「そんなことしてないよ」と甲高い声で否定したが、「もんぺのけつが
べとべとだよ」と追い討ちをかけられて、真っ赤になって走り出す。「犬の合いの子産む
つもりか」とさらにからかった。
 数日後娘が若後家を待ち伏せしていたが、「ほんとに犬の合いの子なんて産まれるのか」
と聞いた。両親の監視の厳しかったのは、この娘が少々足りないからで、先日の言葉が心
配になったようだ。「居るともさ。里見八犬伝の伏姫なんか、八房の子を8人も産んでる
よ」。さすがに南総の住人、この話は知っている。がっくり肩を落として去っていくのに、
可哀想になって「うそだよ。大丈夫、畜生相手じゃ妊娠はしないんだ」と教えてやると、
「良かった」と明るい顔になった。
 「また貸してやるね」「たのむよ」まではおまけ。

この話も婆さん連中に披露されたが、ひとしきり笑った後、「犬ってそんなに良いのか
い」「犬なら婆さん相手だって文句はつけないだろうね」「今度借りておいで」と話はと
んでもない方に発展していった。
 ある日、本当に伏姫と八房が祖母の家に招かれた。主役を振られた伏姫が、すっかり板
についた仕草で八房とつるんで見せる。生唾を飲み込んで見ていた婆さん連中に八房が回
されると、さすがに3人目ぐらいから尻ごみしてしまう。白髪の陰毛に牛乳を垂らして突
き出すと、舐め終わるや横を向き、尻尾を股の間に巻き込んで降参した。

近所をうろつく犬がさかりの時期を過ぎても人間の尻を狙い、子供まで追われるように
なったので、町役場は野犬捕獲に力をいれ、飼い犬は鎖で繋がれた。
 男日照りはますます厳しく、東京湾上をB29が飛び、遠くの空が真っ赤に染まる夜が続
いた。そして、日本中に戦争未亡人があふれるようになった。

5 戦後
戦後は、自信を無くした大人たちや修身教育からの開放感に満ちていた。生活苦を跳ね
返すように、性は表舞台に踊り出てきた。男にだけ与えられてきた特権が、戦争未亡人や
若い娘たちにも広がり、隔離されていた売春は都会の真ん中にまで進出して、小説や映画
の格好な題材とされた。男女の開放的交際は田舎こそ激しく、青年会や村祭・野良ダンス
と、出会いの場所に不自由しなくなった。女も複数の男を体験し、明け透けな噂話で笑い
興じる。処女性も離婚暦も、女の価値を落とす条件にはならなくなった。若い男の数は適
齢期の女に対して圧倒的に少なく、女たちは誘われるままに体を開き、自らも堪能する。
テスの悲劇は、小説の中だけに封じ込まれたのである。
 春子の周りの性に関する哲学は、よりグローバルに展開していった。いまや少数派では
ない。いや、表面に出なかっただけで、古今東西のスタンダードだったのかも知れない。
かっての同盟国ドイツでは、戦後“夫を貸せ”運動まで起きたのだから・・・・・・。

戦闘帽や飛行服姿の男たちが町に目立つようになり、闇市・カストリ・ヒロポンなどの
文字が新聞紙上で踊っていた。インフレの加速は新円発行や預金封鎖まで引き起こし、焼
け残った着物が通貨の役割を果たした。都会から買出し列車に満載された中年過ぎの男女
が、リックサックを担いで押し寄せてきた。食料に換えられるものは何でも提供されたが、
復員した男たちは仕事も無く、生活力ある女の紐になった。都会ではジープに乗った進駐
軍の兵隊が一番金を持っており、他に娯楽もないから女に流れる。田舎まではジープが来
ないので、女を商品として都会に進出していった。ストリップ小屋はどこの町でも見られ、
白系ロシアらしい金髪の花電車まで毒々しく看板を飾った。伏姫と八房は、調子のいいア
ロハのあんちゃんに乗せられて伊豆の温泉町に連れていかれ、“獣姦ショウ”のスターに
なった。ショウの後、客の要望で体を売ったが、忠誠を尽くす犬士とは比較にならない。
両方とも稼ぎにはなるがエクスタシーを覚えるのは“獣姦ショウ”の時だけだった。

祖母に育てられた春子も、漁師町でそんな時期を過ごしている。19歳で終戦を迎え、復
活した魚市場で働いていた春子は、一日中男たちの視線に曝されていた。食糧難を知らず
に育った体は、漁師たちのターゲットとして十分な魅力をもっていた。少女期の健康的な
硬さがなくなり、くびれた胴とスッキリした脚線、もんぺからスカートに変わった服装、
もろもろの条件が、春子を脱皮した蝶のように変貌させた。魚市場を拠点に町のお偉方も
春子を意識した。田舎町の高級コールガール的存在であったが、相変わらず誰とでも寝た
ので、漁師たちの人気も高かった。

木更津の旅館での知り合いのが、叔母を訪ねてきた。死んだ番頭とも面識のあった土地
の地回りで、40歳を越して崩れた魅力を増した叔母に、エロ写真のモデルになってくれと
頼んだ。70歳に手の届く母と5歳の海坊主の息子、春子との4人暮らしで誰にも気兼ねの
ない気楽な身分、「面白そうだね」の一言で話は決まった。未だ白黒写真で、女が嫌がれ
ば簡単に首をすげ替えて他人の顔にしてしまう。首のあたりに修正した線が残るが、夜の
盛り場で売りさばくにはそんな程度で十分だった。仲居をしていた木更津の旅館が舞台で、
話を持ってきた地回りが相方を務め、素人の女を盗み撮りした顔に替えた。
春子を見た地回りがしつこく口説いたが、僅かばかりのモデル料では興味を示さず、
「いやだよ」と一言で断ってしまった。

昭和26年、乱れた性風俗を正すためか、文部省推薦と銘打って“処女膜の神秘”と言う
短編映画が上映された。春子も自分の処女膜喪失の自覚がまったくなかったので、地元の
映画館に観にいった。文部省推薦ということなので、男女高校生も大勢観にきていた。映
画は間違った男女関係を正す目的であったのか、少女から大人の女に成長していく体の変
化や、処女・和姦・強姦それぞれの処女膜のサンプルが映画館の画面いっぱいに投影され、
その破れ具合が女のアナウンスで解説された。若いのから相当使い込んだと思われるもの、
陰毛の薄いのや剛毛やら、指で開いて詳細に説明してくれる。あげく強姦された場合の注
意、淋病・梅毒で崩れかかったのまで、食傷するくらい紹介された。無かったのは直接の
性交と出産のシーンぐらいで、女学生は席を立つものが大勢いたが、男子高校生は固唾を
飲んで熱心に観ている。このフイルムが今残っているかどうか不明だが、性教育に提供さ
れた医学用サンプルだとしても、極端に強烈なポルノ効果があった。

隣に座った高校生が太股を押し付け、肘を張って春子の乳に触れようとしていた。それ
を許すように座る角度を変えてやると、急に荒い鼻息になって遠慮が無くなり、周りを見
回しながら太股に手をかけてきた。映画が替わると、春子の手を取って「出よう」とささ
やき、先に立って通路に出た。続いて立ち上がる春子を確認すると、ぎこちない歩き方で
映画館を出て行き、薄暗い横道を曲がったところで初めて振り返った。自分よりはるか年
上で、女の旬といった春子に一瞬たじろいだようであったが、「こっち」と喉に引っかか
る声をだして、暗い方へ導いて行く。「やりたいんだったらいい場所があるよ」と言って
やると、美人局かと訝って固まる高校生に、「大丈夫、安心してついておいで」と今度は
春子が先導し、漁港の防波堤の突端に誘った。

低い灯台の明かりが頭上で回っているが、そのために基部は遠眼には暗い。海の方に回
ってしまうと沖から帰る漁船が気になるが、漁師だけが知っているスポットで、しばしば
逢引に使わせてもらっている。高校生の服を脱がせて尻の下に敷き、春子がリードしてキ
スをしたが、歯ががちがちぶつかるほど興奮している。「はじめてなの」と問うと、「は
い」とすっかり従順な態度で答え、次の段取りも解っていない。そのままの姿勢で胸を触
らせ、手首を取ってズロースの中に導いてやり、「実際に見てごらん」と囁く。スカート
を捲らせてズロースを脱がせるのも、腰を揚げただけで高校生にやらせた。他所から見ず
らくとも当人同士には結構明るく、灯台の明かりがミラーボールさながらに回ると、陰毛
が逆巻く大陰唇、陰烈、肛門が鮮烈に浮かび上がる。立て膝に股をあけ、「指に唾を付け
てやさしく開いて」と指導すると、粘膜性の小陰唇に囲まれた膣前庭が現れ、陰核のむけ
具合、外尿道口、膣、会陰部と続く。この明るさでは淡いピンク色に見えて、小陰唇や外
陰部のメラニン色素沈着はさだかでないが、早速の生物実験で総合的な観察は一通り終わ
った。
 「処女膜の破れ具合はどう?」と聞くと、さらに押し開いて眼を近づけ、「膣口の周り
に薄い環状のレースみたいに残っています」と医学的な観察結果が報告され、「強姦の痕
は窺がえません」と解剖所見が述べられた。春子はこの所見に満足して、「そう、じゃあ
次は実技ね。あんたもパンツ脱いで」とレッスン2に進む。

高校生の陰部は青竹の匂いがした。幼女の頃、最初に裏山で嗅いだ匂いと同じだ。突然
15年も前の記憶がよみがえり、「なつかしい匂い」とたなごころに包み込み、柔らかくし
ごいて口付けした。包皮を剥くと恥粕がこびりついているのも懐かしく、大人になる前の
少年を犯す残虐性と背徳の行為が春子の頭を痺れさせた。幼女の自分を犯した男たちの興
奮が乗り移り、猟奇の世界に埋没していったが、高校生は瞬時に射精してしまい、栗の花
の匂いが鼻の先に飛び散ってきた。慌てて亀頭を口に含み、少年の腹筋の痙攣と陰茎の脈
動が治まるまで十分に気をやらせてやったが、勃起は継続したまま。「サックもってる?」
「無いです」「じゃあ、出そうになったら言ってよ。今日は排卵日なんだから」と跨った。
石畳が痛くて膝がつけないので、中腰のままちり紙で小便のあとを拭き取るような具合に
亀頭を擦りつけ、湿りを与えて膣口にあてがい、軽く抜き差しを始める。包茎が一度に剥
げる痛さを気遣って、無理な姿勢で柔らかく揉み込んでいく途中、突然脳裏に草いきれの
裏山が出現した。初潮を見た日から2年にもおよぶ長い時間をかけて広げられた膣の感覚
が、灯台の回転に合わせて駒送りに進んでいく。少年たちの顔も鮮明に浮き上がってくる。
膣の感覚に意識が集中し、襞を押し分ける陰茎の脈動が伝わってくる。堪え切れずに腰を
落としたとき、亀頭が腹の底を突き上げるのを感じ、思わず「届くうー・・・」とうめい
てオルガズムを迎えた。緩やかな破瓜の進行がこの一瞬に凝縮されて再現し、体中が陶酔
のおののきに犯された。

2度目の射精を同時に向かえた高校生も必死で春子の尻を掴み、その瞬間が永遠に続く
ことを願ったが、意識の回復は春子よりも早かった。膣の蠕動を味わいながら、見上げる
女の顔は神々しい乱れの中で眼を閉じている。弁才天に犯され、エクスタシーに溺れた顔
を盗み見た罰で、岩穴の奥に閉じ込められるのではないかと恐れた。ごろりと大の字に転
げ落ちた弁天は、罰の替わりに陰部を綺麗に拭うことを命じた。淫水と精液で下腹から臀
部、太股までべったりと濡れ、陰毛が渦を巻いて貼りついている。高校生の指は、陰毛が
乾いて潮風にそよぐまで撫で擦り、爪で梳った。膣前庭は舐め清め、尻から太股にかけて
は自分のパンツで拭い、なごり惜しそうに撫でまわす。少年の眼は春子の乳と下腹を往復
し、春子の眼は星空を見上げていた。二人とも、その時になってやっと潮騒が聞こえ、立
ち上がって身繕いし、防波堤を後にした。町に入ると、「また会えますか」と聞かれ、春
子も後ろ髪を引かれるように「日曜日の午後なら、裏山に居るよ」と場所を教え、「友達
を連れておいで」と加えた。彼の戦果はすぐ伝わり、仲間の羨望に抗し切れないこともよ
くわかっており、春子自身も幼女時代の淫夢の再来を願う思いがあった。帰り道、「排卵
日だというのに・・・」われを忘れたことを苦笑していつもの春子に戻った。

次の日曜日、春子はアメリカ放出物資の赤と黒を基調にしたチェックのスカートを穿い
て裏山に行った。スカートのポケットに、1ダース入りのコンドームが用意してあった。
洗い晒した着物を着た未熟な体が変態を遂げ、中古品とはいえチェック柄の洋服で思い出
の場所に行くのは、心地良い緊張と優越感がある。すでに5人の少年が固い表情で春子を
迎えたが、誰の発案か草の上に畳茣蓙が用意されていた。

当時不良青少年たちの間には、仲間のセックス相手を呼び出して輪姦してしまうことが
あったが、多くは合意のもとの遊びで、社会問題になることはあまりなかった。今回は春
子の方から仕掛けたことで、期待感はあっても不安はなかった。赤黒のチェック柄と娘の
素足を見て、半信半疑でいた少年たちに驚愕の表情が浮かぶのが見えた。履物を脱いで乱
暴に畳茣蓙に座ると、ひるがえるスカートの下に太股からズロースまで見えたが、さらに
目を伏せて押し黙ったままである。幼女の体を触る少年たちも寡黙であった。へんに言葉
を交わすよりも行動が垣根を取り外してくれる。いきなり「誰がシャツを脱がせてくれる
の」と言うと、「僕が」と先日の少年が手を上げ、春子の前から胸のボタンを外す。袖の
ボタンは春子が外し、少年が後ろに回って脱がせる。シュミーズの肩を外すと、律儀に元
の席に戻ってしまった。笑いながら「みんなおっぱいに触りたくないの」とはっぱっをか
けると、最初背中や肩のあたりから初めて徐々に乳房に近づき、恐る恐る乳首に触れてき
た。電流が脳から子宮まで流れて、仰向に寝ると5人の手が我先に触りだした。乱暴な手
ではなく優しい愛撫で、やがて脚から太股にあがり下腹部に及んだ。乱れた着衣のほうが
興奮をかきたてるのを知っているる春子は、上半身が裸にされてもスカートとズロースを
外さずに少年たちの蹂躙にまかせていた。きっかけさえ与えてやれば後は本能が導いてく
れる。お互いの牽制が欲望の爆発にブレーキをかけているが、先発で来た5人は度胸のあ
るほうだったのだろう。一人が乳首を口に含むと、下腹を探っていた手がズロースの上の
ゴムにかかった。腰を揚げてやると静かに引き下ろす。みんなの注意が下腹部に向いてし
まうのを、「あんたは後で」と乳首に吸い付いている子の首を抱え込んでしまった。やは
り先日の子がコーチされたように陰烈を開き、今度は白日の下で詳細に観察する。春子は
自分の感覚の高まりを追うことに専念し、途中コンドームの付け方を教えてやると後は何
もいう事は無かった。腹ばいになって尻を持ち上げてやれば、後背位に対応する。横にな
って脚を開けば、松葉崩しに挿入してくる。最初の射精はコンドームを着けているうちに
起こってしまったが、みんな数回の絶頂を迎えた。春子も、飽くなき全身の愛撫に立ち上
がれなくなるほどの疲労を覚えたが、最後まで受身に徹していた。幼児期の感覚は、受動
的な中に潜んでいた。

家に帰りつくと、叔母が「ひとに観られたり写真を撮られたりするのはよけい興奮する
だろー。風呂がわいてるよ」と奮戦振りを察して、「あいてが高校生でなければ私が行き
たい」と、さすがに歳を気にしているようであった。しかし春子を酔わせているのは“青
竹の匂い”であり、少年たちとの性が自分の原点になっていることを思い出した満足感で
あった。

日曜日ごとの狂乱が3ヶ月も続いた夏の終わりに、祖母が死んだ。四拾九日が過ぎると、
叔母は木更津の地回りと一緒になって家を出て行き、春子と息子が東京に引き取られた。
漁師町の家はだれも住まなくなり、萱の大株が女たちの淫交の場所を隠すように揺れて
いた。

6 春子と私
春子と母違いの弟が上野広小路に移ってから2年が経過した。奔放な生活を送ってきた
春子は郷愁に明け暮れていたが、判子屋の注文取りを手伝っているうちに言い寄る男たち
との関係が深まり、気がまぎれるようになった。逢引は鶯谷あたりの連込み旅館で、鏡張
りやら回転ベッドなど、最初のうちは物珍しさがあったが、すぐに飽きてしまった。男た
ちは会社や家庭に知れるのを恐れ、旅館の出入りにも人目を憚った。初老の男たちは、性
的な能力の不足を性具で補おうと懸命で、変態的にエスカレートしていく。春子によがり
声をあげさせるために逃げようとする腰や脚を押さえつけ、強烈なバイブレーターを挿入
する。膣の奥では先端がくねくね動き、膣壁は小刻みに震える。陰核を挟んで震動を加え
たり、包皮を剥ぎ、剥き出しの実に舐めついてくる。直接すぎる刺激は春子にとって苦痛
でさえあった。男の発想で作られた玩具を、女の感覚を知らない男が操作する。女が嬌声
をあげるのが手柄と、2時間の御休憩をフルに攻め立てられると、膣は棒を挟んだように
広がって歩くのもままならない。そういう男にかぎって、別れ際に「良かった?」と聞く。
「うん」と返事してやると、我が実力が若い女を支配したと思って我家に凱旋する。女房
には“大人のおもちゃ”が使えないから、半立ちの陰茎では満足を与えられない。春子も
誘いに応じなくなるが、お得意さん特権で3度に1度は言うことをきかせる。工場長や田
舎の親父どものほうがよっぽどましだと思った。

若い男は旅館代も無い。春子にたかるが、そういう男は春子に惚れている訳ではない。
上野公園は条例では夜間立ち入り禁止だが実際はお釜の職場だし、墨田公園には浮浪者が
溢れている。日比谷公園のベンチで若い男とペッティングしていると、回りの植え込みか
ら4~5人ほどにも覗かれる。うっかりしているとハンドバッグの置き引きにあう恐れも
ある。2年の間ですっかり東京の夜と男たちの生態に嫌気が差してしまった。

海坊主の女房は痩せて貧相な女で、もともと惚れて一緒になったわけではないし、欲望
を処理するには不満だらけである。といって女房の娘には、一日中家で仕事をしている亭
主がいる。春子を引き取った日から三階の春子の寝床で体を揉ませ、裸で絡みついた。女
房はそこまでの事実は知らないが、宵の口から3階に上ってくれれば楽ができると喜んだ。

春子も、最初に性の感覚を芽生えさせたのは海坊主の指だったし、帰省する度に添い寝
して、新しい興奮を植え付けた父親を受け入れるのに抵抗はなかった。取引先の男どもよ
りよっぽど女の扱いは上手く、なによりもそのまま就寝できるのが良かった。さすがに終
わった後は、海坊主は一階に降りて女房の隣で寝た。

春子の生活がマンネリになったころに、私が家庭教師として雇われた。春子は久しぶり
に青竹の匂いを思い出し、郷愁と共に初めて恋心を覚えた。

私が埼玉の高校にいるとき、友達に頼まれて逢引のキャンセルを伝えに行ったことがあ
る。丘の上で相手の女学生とお喋りする機会が持てたが、「あいつと同じことをしてもい
いか?」と聞くと、「同じ気持ちでなければ良いよ」と言ってくれた。抱き寄せてキッス
し、開放的なセーラー服の下からシュミーズの胸を触り、制服のギャザースカートも難な
く捲ることが出来た。少女の陰部を擦っていると膣に中指が入った。2本の指までなんな
く入ったので、股の間に膝をついて正常位で挿入を試みたがどうしても入らない。そのう
ちに、相手の陰毛に向けて射精してしまった。「入れるのを手伝ってくれ」とは言えず、
最初の性交渉は未遂に終わった。
 数日後の夕方待ち合わせて、丘の上に着いた時はもう暗くなっていた。今度はコンドー
ムを用意してきたので、装着してから挿入しようとしたが、前回よりも亀頭の感覚がにぶ
く、膣口を探しているうちに爆発してしまった。
 次は昼間逢う約束をしたが、その時は友達が代わりにきた。定時制学校に通っているの
で時間の制約があったが、「俺の話聞いてる?」と聞くと「少しね。経験無いの?」と逆
に質問されて、最初から自信をなくす会話になった。1時間ぐらい暇があるというので、
誘って駅の裏手に出た。5分も行くと田圃があり、稲刈りが始まっていた。強姦してでも
この女学生を抱きたいと思うほど欲情し、「どうしたら出来るのか教えてくれよ」と打診
すると、ニヤニヤ笑ったので可能性ありと思った。
畦道に座ってしまえば遠くで農作業をしている人には見えない。一刻も我慢できない状
態で腰をおろしてキッスをした。周りを気にして落ち着かない彼女の下半身を性急にあら
わにして、陰烈を人差し指と中指でさぐっていると、意外に近いところで作業をしていた
農家の小母さんに「そんなところでなにやってる」と発見されてしまった。慌てて逃げ出
し、後日の約束が出来ないままその子たちとの連絡は途絶えた。

初めての経験は浪人中の夏であった。工業高校卒業後就職した悪友に誘われて特飲街に
行き、「こいつ初めてだからよろしくね」と相方に紹介された。娼婦でも少年の初穂を刈
るのは興味があるらしく、丁寧に誘導してくれたが、終わってから未練がましく陰部を覗
き込んでいると「また大きくなっちゃうと大変」といって隠してしまった。“ちょいの間”
45分のあっけない童貞喪失で、それ以来女性の体に触れてはいなかった。

春子と秘密を共有するようになってから3日が過ぎた。晩酌で茹蛸のように赤い顔にな
った海坊主は、7時ごろ3階に上ってきた。春子の部屋に入ったが、春子は隣室に連れて
きて寝かせた。足元に回って襖をこの前よりも広くずらし、電球は点けたまま背中から揉
み始めたが、強度の近眼の海坊主は眼鏡をはずすと襖の絵柄もぼけるくらいで、ましてか
なり酔っている。私には、春子の意識的な挑戦が始まったと思えた。
 海坊主の手は春子の尻にまといついた。女体に触れる感触が本能的な陶酔を呼び、麻薬
のような習慣性をもたらす。そうなると周囲のことは念頭から離れ、本能の導きだけで行
動してしまう。マッサージは最初のきっかけで、執拗な愛撫に春子はシュミーズだけにな
って海坊主の顔を跨ぎ、勃起する亀頭を愛撫する。体の重い海坊主は騎乗位を好んだが、
口淫も寝たままで尻の丸さを撫で擦りながら行う。緩慢な愛撫で次第に高まり、尻を押し
のけて促すと、春子はコンドームを被せた。そのままずれて、襖の隙間に向いたままゆっ
くりと挿入し、のけぞりながら腰を回す。私に見ていろと強制する体位を取りながら、決
して隙間を見ようとはしない。頭上の灯の影で陰部の詳細はさだかではないが、ぬらぬら
と濡れたうごめきは、微かな振動とともに私の感覚を痺れさす。やがて動きが激しくなる
と、春子は前に突っ伏して終演を迎えた。
 起き上がって海坊主の身繕いを直し、脱ぎ捨てた着衣を集めてから襖を閉め、消灯して
自分の部屋に戻ったが、最後まで私とは眼を合わせなかった。

私が暗闇の中で今見た情景を反芻して悶々としていると、入浴後浴衣の寝巻きに着替え
た春子が入ってきた。廊下の襖を開けたままなので、豆電球の光が逆光の春子を浮かび上
がらせた。なんのためらいも無く私の横に寝て、胸に頬を当てた。おずおずと体を抱くと、
それが合図だったように伸び上がってキッスをして舌を入れてきた。洗い髪と肌の香り、
唇と舌のぬめり。パジャマの前がはだけられ、腰紐を解いた春子の全身が張り付いてくる。
 剥き出しの尻が顔に被さり、下半身が裸にされると舌のぬめりは亀頭を包み込んだ。春
子の陰毛が顎に当たり、陰核は唇に、鼻まで膣口に覆われて呼吸が出来ない。秘密を見て
しまった罰で窒息死が与えられる。死に至る恍惚こそ最も甘美なものかもしれない。両股
で顔を締め付けたまま、腰を前後に動かし始めて、やっと呼吸が出来るようになった。舌
先と鼻で奉仕する。廊下の豆電球は、尻を浮き上がらせ、目の前の肛門を照らす。首を伸
ばして肛門にしゃぶりついた。一瞬春子がピックとして肛門を強く閉じるのがわかったが、
陰茎を横に倒して腰を救い上げると、私の肛門に舌先を入れるようにした。唾液をつけて
指先を肛門に浅く入れ、亀頭を吸われているうちに耐えきれず、口中に射精してしまった。
そのまましばらく口淫を続けたが、春子が向きを変えて私を迎え入れた。「サックは?」
と小声で聞くと「いらない」と答えたが、当夜交わされた会話はこれのみであった。
 深く挿入したまま、静かに臼を引くような動きがじわじわと続いた。隣室の気配を窺が
いながらお互いの顔を見つめあい、姦通のような切羽詰った罪悪感さえも迫ってくる。そ
れは淫交の極地だった。春子のうめき声を掌で押し殺し、体位を変えて数度の絶頂を迎え
たが、抱き合ったまま眠りに落ちた。

海坊主の朝は早い。3時ごろ寝巻きの前を合わせてそっと春子は出て行った。泥のよう
な眠りから覚めて屋上に上ると、春子が洗濯物を干していたが、朝の挨拶はしなかった。
春子は初めて秘めた恋に目覚め、人の目を意識するようになり、私は泥沼の肉欲を知って
しまった。春子と私の下着がいつも並んで干されるのを見て、海坊主の女房や娘が「夫婦
みたい」と冷やかすと、「居候同士の指定席よ」と笑って答えていた。

学校がはじまって一ヶ月ほど経ったある日、海坊主が「学校を辞めて春子と一緒になら
ないか」と言い出した。秘密がばれたのかと思ったが、単に娘を結婚させたいだけで、
「ここで一緒に暮らせば商売も上手くいくし、あんたの生活も安定する。教育のある連中
は薄情だから、すぐに学校を辞めて婿になれ」ということであった。春子は「そんなこと
出来るわけがない」と否定したが、私はすぐに次の下宿探しを始めた。春子に未練は残る
が、この環境に埋もれるのは我慢出来ないと思った。すでに薄情な要素を持ってしまって
いたのかもしれない。そして一週間後に、逃げるように転居してしまった。

新しい住所に移って1年が経過したころ、まったく偶然に判子屋の若夫婦に出会った。
聞けばごく最近この近くに越して来たのだという。いろいろと話しがあるからと誘われて
お邪魔すると、海坊主の女房も一緒だった。海坊主とは離婚したそうで、広小路の店も他
手に渡った。発端はその年の2月、春子が芝埠頭を徘徊しているところを水上警察に保護
され、事情聴取に応じて父親との近親相姦を話した。海坊主が水上警察に呼ばれたりして
家族に知れるところとなり、一家は四散してしまった。春子は自殺未遂とされ、海坊主と
離されたが、今は一人で故郷の漁師町に戻っているとのことであった。

気になって、春子の住所を聞いて手紙で近況を尋ねると、会いたいといって木更津の叔
母がいた旅館を指定してきた。久しぶりの春子は、日に焼けて元気そうだった。可哀想と
思ったが、自殺未遂のことから聞くと「あれは狂言だった」と笑いながら話し始めた。

私が居なくなると虚無感に襲われ、なにをする気もなくなった。やはり恋だったと知り、
今までの明け透けな奔放さも影をひそめてしまった。お得意先の男どもとは、結婚するこ
とになったからと言って関係を絶ったが、海坊主の求めはかわしようが無かった。せめて
故郷の祖母の家に帰りたいと思い、海の見える所をさまよい歩くようになった。そんな姿
を不審に感じた港湾管理者から水上警察に連絡が入り、事情を聞かれた。そこで近親相姦
を告白し、厭世的になったと話せば環境を変えることが出来ると考え、思い切った行動に
出たのだという。「家族の皆には迷惑をかけたけれど、決っして自殺しようと思ったわけ
ではないから心配しないで」と結んだ。

その夜、春子は狂乱した。一睡もしないのに目の輝きは衰えなかった。明け方私がまど
ろんでいると、広縁の籐椅子に座って遠い海を見ていた。春子の告白が不安に感じられ、
その日も一緒に居ることにしたが、その時に自分の生い立ちや祖父母からはじまる思い出
を話してくれた。終日寝床の中で絡み合い、お互いの体温が無ければ凍死してしまうと思
うほどに暖めあったが、時間は無常に過ぎていく。

翌日、チェックアウトしてから春子と叔母の家を訪ねた。地回りの夫は、堅気になって
魚の仲買をしていた。叔母は、当分春子を木更津に置くと言ってくれ、私も夏休みに訪ね
ると約束して別れた。

その約束は私が結婚するまで続いた。その4年前に春子は商家の後妻に入ったが、叔母
の家に里帰りと称して逢引を続けた。女の子を2人産んだが、臨月に近い体で乱れるとき
は野生の獣と番っているようで、女の生命力に圧倒された。叔母には「この不埒者ども」
とからかわれたが、二人の子が私の血を引いていないことだけは救いであった。

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。