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小説(転載)  教育実習 5/5

官能小説
12 /10 2018
 岡原が目を開けると、電気がついていた。停電が回復したらしい。隣では諒が眠っている。時計をみると4時を指していた。岡原は、灯りのスイッチを消した。雨は上がったらしく、外は静かになっている。
 

「う…ん。」
諒が少し寝返りをうった。

(いつから…だろう…?)

岡原は諒の長い髪を撫でながら、いつの間にか諒に惹かれていた自分に気づいた。先ほどのできごとは単なる衝動ではない。でなければ、横に眠る諒をこれほど愛しいとは思わないはずだ。

(でも…庄野は……)

諒が目を覚ましたとき、ここに自分がいたらどう思うのか、岡原は諒の顔を見つめた。諒は岡原を特に抵抗せず受け入れた。けれどもそれは、雰囲気に流されたのかもしれない。雷による停電に驚いて悲鳴をあげた諒の姿を思い出した。

 そのとき、諒のまぶたが動き、諒がゆっくりと目をあけた。目の前に岡原の顔があることに気づいた諒は頬を紅潮させる。岡原も自分も服を着ていない。恥ずかしさでどういう行動をとればいいのか今の諒には分からなかった。
 

「庄野。」
呼ばれても返事ができずに毛布に顔を隠す諒に、
「すまない。」
と岡原がつぶやいた。

 諒は岡原の言葉を一夜の戯れをわびる言葉として受け取り、
「気にしないでください。」
と答えた。諒の躰が震える。どうしようもなく切ない気持ちがわき上がっていた。岡原はトランクスをはき、ベッドから降りた。
「酒なんか、ないよな。」
諒は毛布に顔を隠したままシンクの下を指さした。そこにはまだ封の切られていないウイスキーの瓶があった。
「女の子でもウイスキーなんて飲むんだ。」
岡原が驚きながら、電気もつけず、ウイスキーの瓶を片手に、諒の寝ているベッドの脇に腰を下ろした。
「それはビンゴであたったんです。よかったら、差し上げます。」
諒が毛布の中から返事をする。岡原はウイスキーの封を切り、そのままぐいっと飲んだ。
 

「庄野……、僕は…、遊びじゃないんだ…。」
岡原の言葉に諒の躰がぴくりと動く。岡原は言葉を続けた。
「僕は、担当教師失格だ。実習生に惚れてしまうなんてな。はは…は…」
岡原は笑いながら、ウイスキーをまた飲んだ。

 


 諒は毛布で胸元を隠しながら、ゆっくりと起きあがり岡原の後ろ姿を見つめた。
「先生…。」
諒が声を掛けると、先生と呼ばないでくれと岡原が言った。
「今は、先生と呼ばれるのがつらい。これでも理性はあったはずなのに。自分がこんなことをするなんて…。」
岡原の肩が少し震える。諒は毛布に躰を包んだまま、ベッドから滑り降り、岡原の横に座った。
「私もお酒、飲みます。」
諒に言われて岡原はウイスキーの瓶を渡すと、諒はぐいっと瓶を傾けた。
「おいおい、だいじょうぶか?」
ウイスキーにむせる諒の背中をさする岡原を、諒は涙目になりながら見つめた。
 

「私も……実習生失格…です。あのとき……先生に…抱かれたいと……思ったんです。だから……」
 諒の予期せぬ言葉に、岡原は言葉を失い、諒の顔を見つめた。

 

 

「…グラス、持ってきましょうか?…氷ありますよ。」

諒が毛布を躰に巻き付け、立ちあがろうとしたとき、岡原に腕をつかまれた。

「いらない…」

「え?」

 岡原はウイスキーの瓶を口につけ、口に含んだまま諒の唇に自分の唇を重ねた。諒の喉がかすかに動く。岡原はそのまま諒の唇を離さなかった。

 

 

 ウイスキーの甘い香りが漂う中、二人は舌を絡め合い、ゆっくりとその場に倒れ込む。

「はぁっ…うっ……んっ……」

諒を覆う毛布を抜きとった岡原は、諒の乳房に手を這わせた。先ほどの慎重な岡原の動きはなく、情熱のありったけを諒の躰にぶつける。たまらず諒が躰をくねらせると、岡原は諒を後ろから抱きしめ、その力に諒の唇からは甘い悲鳴がもれる。
「あぁっ……や……そん…な……」

岡原の指が、諒の中に滑り込んだ。諒の愛液が岡原の指に絡みつく。

くちゅっ…ちゅくっ…ちゅくっ……

「はぅっ……だ……だめ……っ……」

岡原の指の動きが、濡れた音を立てている。諒は恥ずかしさと快感で、身をよじらせて岡原にしがみついた。

「名前…そうだ、庄野の名前だ……」

諒は、岡原のつぶやきを聞き返そうとするが、岡原の愛撫に言葉を奪われる。

(男だと思い込んでいた庄野を初めて見たときから、僕は参ってたんだ…。)

「諒……諒…」

名前を呼ばれ、諒の鼓動が高鳴る。岡原は再び諒の中へと入り込んだ。

「んっ…あぁぁぁっ…」

「諒…」

「あうっ…………はぁっ……はぁぁっ…」

諒は、自分の中で動く岡原に仰け反る。

 

 

岡原は、諒の躰の上に覆い被さると、腰を回すように動かし、諒の唇に舌を割り入れる。

「んっ……んんっ………」

岡原の動きが激しくなり、諒は岡原の背中にしがみつく。

「こ……このま…まで……はぁっ……うっ…」

岡原の唇が離れたすきに、諒がつぶやいた。黙り込んだ岡原の腰を、諒がつかむ。

「あぁっ……も…もう…………はぁっ……う…っく…」

諒の中が痙攣し始めていた。岡原は腰を離そうとしない諒の躰を抱きしめると、小さなうなり声をあげて激しく腰を動かしていく。

「諒…」

「ぁ…あぁぁぁぁっ……んっ…」

諒のその声は、決して大きくはなく、唇からこぼれるようだった。その少しあとに、諒は自分の中で何度も大きく脈打つ岡原を感じ取った。

 

 

 土曜日の夜、岡原は自分の部屋に戻るとそのまま布団に潜り込んだ。諒の体温がまだ忘れられない。休みの日にはあれこれしようと考えていたのに、もうそれらをする気が起こらなかった。土・日の休みを布団の中でごろごろと過ごした岡原は、まもなく終わる実習期間のことを思った。

 


 朝、いつものように学校へと向かう。しかし、気持ちはいつものようにとはいかなかった。学校へ行けば、他の教師たちの中で諒と顔を合わせるのだ。どんな顔をして諒が来るのだろうかと内心穏やかではなかった。
「おはようございます。」
諒が微笑む。いつもと変わりがない。

 唯一変わったこととと言えば、岡原が諒を家まで送るようになったことだった。

「上がっていきませんか?」

諒が岡原に勧める。岡原は少し考えた後、首を振った。

「いや……やめとく。」

朝まで居そうだから、という言葉を岡原は飲み込んだ。けじめをつけようとする岡原の態度に、諒は微笑むが、どこか切ない気持ちも感じていた。


 諒の最後の授業は、生徒たちの拍手で終わった。少し涙ぐむ諒に、岡原が微笑む。
「岡原ちゃーん、もう遠慮はいらないよーん。」
「なっ……?」

生徒たちに冷やかされ焦る岡原を見て、諒も生徒たちと一緒に笑った。

 


 日が暮れ、仕事をする教師たちの姿も少なくなった。岡原も仕事を片づけ、ひとりで教室の施錠に出かけた。自分のクラスまで来ると、静まりかえった教室に諒が立っている。
「どうした?忘れ物か?」
岡原の声に諒が振り向いた。諒は笑って、
「大変でした。」
と答えた。実習が終わり、学生に戻っていく前に、この二週間のことを思い出していたのだろう。岡原は諒に教師になるのか、と尋ねた。諒は笑いながら首を振り、
「分かりません。実習生失格ですから。」
と言った。岡原は諒の言葉の意味が先日のことを指していることを悟り、照れくさそうに笑った。
「あっ、庄野。」
教室から出ていく諒を岡原が呼び止めた。振り向いた諒に岡原が
「帰りに、寄っていいかな。」
と小声で聞くと、諒はうれしそうに笑った。
 

「今晩も雷が鳴るといいですね。」

 

~終わり~

小説(転載)  教育実習 4/5

官能小説
12 /10 2018
 諒が新しいコーヒーをいれようとキッチンへ行くと、岡原は時計を見た。もう十二時をまわっている。
「あっ、コーヒーはもういいよ。ありがとう。そろそろ帰るから。明日は学校もないし、ゆっくり過ごせてうれしいだろ。」
岡原が立ちあがりながらそう言うと、諒は空のコーヒーカップをテーブルに置き、岡原にお礼を言った。
 

 岡原がドアを開けると、外は雨が降り始めていた。
「バイク、大丈夫ですか?」
雨が降っているのに気づいた諒が岡原に尋ねた。
「これくらいの雨なら大丈夫だよ。」
そう言って、岡原はアパートの階段を降りていく。

「危ない!」

諒が叫ぶのと同時に、岡原は濡れた階段から足を滑らせ、一気に下まで転がった。
「…っつ。」
自分の格好悪さに、照れながら岡原が立ちあがろうとしたが、足をひねったらしく、ずきずきする。諒が心配して駆け寄ってきた。
 

 なんというまぬけなヤロウだ。強くひねり、真っ赤にはれはじめた部分を諒に冷やしてもらいながら、岡原は思った。
 外は雨足が強くなり、部屋の中に雨の音が聞こえ始め、雷まで鳴り出した。これ以上雨が強くなると、バイクでは帰れなくなる。そう思った岡原は
「だいぶ良くなったよ。ありがとう。」
と、ひねった足をかばいながら立ち上がり、靴を履いた。
 岡原が振り返ると、諒の顔色が悪い。
「どうした?顔色悪いよ。」
「か…」

諒は何かを言いかけたが、大丈夫ですと答える。
「か?……ははっ、庄野。雷嫌いか?」
岡原が笑ったとき、ドンッという大きな音とともに、部屋の電気が消えた。
「ひっ」
諒は小さな悲鳴をあげた。消えた電灯から諒に目を移し、両耳を押さえる諒の姿を、岡原は暗がりの中で見つめた。辺りは静まりかえり、岡原の首筋に鳥肌がたつ。
 

 

 岡原は耳を押さえる諒の腕をつかみ、自分の胸に引き寄せた。諒の細い肩が岡原の胸の中にすっぽりとおさまる。諒のかすかな甘い香りを感じると、岡原はさらに強く諒を抱きしめた。
 

(何を…してるんだ…?)

 

 岡原は自分の行動に驚いていた。衝動にかられてこんなことをすることなど、今までになかったのだ。

「あ…あの……」

 諒が小さな声で、岡原を呼ぶ。岡原は、諒を抱きしめる腕の力を弱めようとするが、躰が言うことを聞かない。ときおり、窓の外が青白く光り、大きな雷鳴が聞こえている。

 やがて岡原の唇が諒の耳に触れた。諒の躰がかすかに震え始める。岡原の唇が、諒の頬をゆっくりと這い、その行きつく先を知った諒のまぶたが閉じられていた。

 

 

 岡原の唇が諒の柔らかい唇に触れると、岡原は諒の唇を覆うように何度も何度も唇を重ねていく。

「んっ…」

 少しだけ開いた諒の唇の間に岡原の舌が入り込み、諒の舌に触れると、小さな雨音のような音を漏らしながら、互いの舌が絡み合う。

「ん……はぁっ……ふぅっ……」

舌を吸われ、諒は消え入りそうな声をあげた。岡原は靴を脱ぎ、諒を持ち上げるように部屋の奥へと連れていく。

「あ…の……わ…たし…」

諒が何かを言いかけると、岡原はまた諒の唇をふさぐ。もう岡原には自分が止められないのだ。自分が教師であることも、相手が実習生であることも、岡原の頭の中にはない。ただ、諒のやわらかくあたたかい唇と舌の感触だけが岡原を支配しつつあった。
 

 諒は、とまどいつつも抵抗はしなかった。自分でもその理由が分からない。初めて岡原に会ったときから、思いのほか若い自分の担当教師に興味を持ち始めていたような気がする。岡原はただ若いだけでなく、教師としての手腕も諒の尊敬に値する人物であり、バイクに乗るという意外性も諒の心を惹きつけていたのかもしれない。
 

 諒をベッドに座らせると、岡原はベッドの下にひざまずき、上着を脱いだ。重ねた唇を少し離しては、諒の反応を確かめ、また深く絡ませる。
「ぁふっ……はぁっ……」

 岡原に口づけされるたび、諒の躰がびりびりと痺れるようだった。いつの間にか岡原はシャツも脱いでいた。岡原の胸にあてられた諒の手に、熱いほどの岡原の体温が伝わってくる。

 諒のブラウスのボタンが外されると、暗がりに白い肌が浮かび上がった。首筋から肩へと岡原の唇が下りていき、諒の躰の痺れは一層増していた。

 

 

 ブラジャーのホックが外され、諒の形のよい乳房がこぼれる。小さな声をあげて思わず隠そうとする諒の腕は、岡原につかまれてしまい、岡原は諒の躰を覆うものをゆっくりと取り除いていった。
「あ……うっ……んっ」

 ベッドに倒された諒の唇から小さな甘い声が聞こえた。岡原の舌が乳首をとらえ、諒の息づかいに合わせるかのような動きを見せていたからだ。岡原は諒の乳房に手のひらをあて、ゆっくりとつかんだ。

「はぁっ……うぅっ……」

岡原は無言のまま、諒の乳房を揉みながら、乳首に唇を押しあてる。岡原の口の中で、諒の乳首が舌にはじかれ、諒はたまらず躰を仰け反らせた。

「あぅっ……や……はぁっ……あぁっ…」

ちゅっ………ちゅっ……

岡原は諒の乳首を交互に愛撫し、ときおり小さな音を立ててやさしく吸い上げる。

 

 

 やがて岡原の手が、ひんやりとした諒の太ももを這い、スカートの中へと入っていった。ぴったりと脚を閉じ、小さな抵抗をみせる諒の股間にたどり着いた岡原の指は、ショーツ越しの諒の谷間をなぞり出した。やわらかいその谷間にショーツが食い込む。

「そ……あぅっ……そこ…は……」

岡原の指先が、諒の小さな突起に触れた。ショーツの上からでもかすかに分かるその感触を、岡原は確かめるようになぞる。

「だ……だめ……はぁ……うっ……」

岡原の手首を握り、首を振る諒の躰が、徐々に仰け反っていく。諒の腰が少し浮いた瞬間を逃さず、岡原は反対側の手をスカートのホックへと伸ばし、スカートを脱がした。

 ショーツだけの姿になった諒は、恥ずかしさで躰を丸めようとするが、岡原の指は、最後の砦の中に滑り込む。諒の茂みを指先で撫でた岡原は、そのまま奥へと進んでいく。諒の太ももはぴったりと閉じられたままだったが、岡原は盛り上がったやわらかい肉の中央へと指をやさしくねじ込んだ。

「やっ…」

岡原の指が、諒の小さな突起に触れたとたん、諒は岡原の胸に顔をうずめる。

「んっ……あぅっ……ぅうっ……やっ……いやっ……んんっ……」

「庄野…」

敏感な突起を刺激され、首を振りながら声をあげる諒に、岡原は顔を近づけると唇を覆った。これまでにないほどの激しい口づけを受けた諒は、その抵抗力を失い、わずかに開いた太もものすき間から岡原の指を受け入れた。

 

 

ぬるっとした感触が岡原の指に伝わり、諒の秘部からは愛液があふれていた。諒の愛液を指で確かめながら、岡原は空いている片手で、諒のショーツを脱がせた。

ショーツが脚から外れると、岡原は諒の唇に再び舌を挿し込み、自分もズボンとトランクスを脱ぎ去って、諒の太ももを持ち上げた。

 

 

「いいか…?庄野。」

岡原がつぶやくと、諒は恥ずかしさで顔を背けながら、小さくうなずく。

「うっ……うぅぅっ……」

諒の中に岡原がゆっくりと入り込み、岡原の腰がゆっくりと動きはじめる。その動きは優しいが、諒の中で動く岡原の男根は諒を容赦なく追い込む。

「あぁっ……はぁっ……あぅっ…」

ぬちゅっ…ぬちゅっ……ぬちゅっ……

「や……あぁっ……んっ……あぁっ……」

結合部から聞こえる密やかな音が、少しずつ大きくなっていき、諒の唇からは甘くせつない悲鳴が続いた。

小説(転載)  教育実習 3/5

官能小説
12 /10 2018
 岡原はイライラしていた。教頭の寺下はまだ同じようなことをぐだぐだと言っている。明日は土曜日なのにと、他の教師たちも早く帰りたいという表情で、その話を聞いている様子はない。岡原は諒を待たせていることが気になって、貧乏ゆすりをし始めた。
「どうしたんですか?岡原先生。」
教頭が岡原の様子に気づき、声をかけた。
「えっ?あっ、ちょっとトイレに行っていいですか。」
岡原は席を立ち、控え室の方へ走っていった。
 

 諒はひとり、控え室で待っていた。他の実習生たちは帰ったようだ。
「申し訳ないんだが、会議が長引きそうなんだ。待たせるのも悪いから、帰っていてくれないか。」
岡原の言葉に、まだ涙のあとが消えない諒はつらそうな顔をしながらも、微笑む。そんな顔を見てしまうと、岡原も困る。一度は会議室に引き返そうとしたが、くるっと振り返った。
「もし、よかったら…帰りに庄野先生の家の前まで行こうか。」
岡原は、諒が否と言えばそれでいいと思っていた。しかし、諒は
「お願いします。」
と答えた。岡原さえよければ何時でも構わないと言うのだ。岡原は諒の返事に困惑しながら、あの様子では仕方がないか、と思った。
 

 どうでもいいような教頭の話がようやく終わったのは九時半だった。岡原はそれほど遅くなかったことにほっとしながら、急いでバイクを走らせた。
 

 昨日、諒を送った場所までくると、岡原はバイクを止め、ヘルメットを外した。コツコツという足音が聞こえ、振り向くと人が近づいてくる。
「バイクの音が聞こえたので…。」
暗がりで顔は見えないが、諒の声だった。
「遅くなって悪かったね。今日のことだけど…。」
話し始めようとする岡原を、諒が止めた。
「あの、よかったら上がってください。」
断ろうとする岡原だったが、顔もよく見えないような暗がりで話す話でもない。岡原は諒のあとについて行った。
 

 岡原が案内されたのは、小さなアパートの二階の部屋だった。諒は学生だから当然と言えば当然だったのだが、実家だとばかり思っていた岡原は戸惑った。
「あれ、どうしてうちの学校に実習に来たの?」
岡原は、実習生は自分が卒業した学校を選ぶものだと思っていたのだが、実家が遠い学生によっては、大学に近い学校を選ぶことがあるのだと諒から聞いた。
 

 諒の部屋は女の子らしい雰囲気だった。ベッドの横の机の上には、数学の教科書やレポート用紙が置いてあり、今まで授業案を考えていたことが想像できた。本棚には、岡原自身も昔取り組んだ参考書が並んでいる。
 岡原は出されたコーヒーを飲みながら、諒を見た。控え室で見たときよりも落ち着いた様子の諒にほっとしながら、岡原は諒の話を聞いた。
 

 諒は、今日の失敗がたいしたことではないと分かってはいるが、自分の勉強不足が分かって、どうしようもなく情けなくなったこと。また、生徒に指摘されて、うまく対応できず、動揺したまま授業をしてしまったことを後悔しているとぽつりぽつり話した。話すうちに諒の目からまた、ぽろぽろと涙がこぼれてくる。岡原は、黙って諒の話を聞いていたが、やがて自分の経験談を話し始めた。それは諒の失敗など、足元にも及ばないと思えるほどの、大失敗の内容であった。
「岡原先生でも、そんなことがあったんですか。」
いつの間にか諒の目からは涙が消え、笑みさえこぼれ始めた。
「そうだよ。みんな失敗するんだ。僕の失敗なんか、授業参観のときだったからねえ。あのあとの学級懇談では、親たちの猛攻撃にあったさ。」
諒は声を出して笑った。
「そう言えば、岡原先生って、最初に『彼氏はいるのか』って聞きましたよね。あれも、小さな失敗でしたよね。」
諒はあのときの岡原の慌てた表情を思い出しながら楽しそうに笑い出した。
「初対面の女性にあんなこと聞いて、僕もいつの間にかオヤジ化してきたんだと内心焦ったよ。」
「先生は、彼女いらっしゃるんですか?」
諒の問いに、岡原は笑いながら
「ははは、いませんよ。もてませんから。」
と答えた。そんなことないと諒が言うと、岡原は、コンパがあったら誘ってくれ、と笑った。
 

 岡原は自分の学生時代の話や、アルバイトでの話をして諒を笑わせた。諒は学校での実習生としての顔ではなく、大学生の顔になって、岡原の話を楽しんだ。

小説(転載)  教育実習 2/5

官能小説
12 /10 2018
 授業が終わり、職員室に諒と歩きながら、岡原は自分の授業の感想を尋ねた。諒は、授業を始める前に別 の話で盛り上がっていた生徒たちが、岡原が授業を始めたとたん、授業に集中し、よく質問の手があがることに感動したと答えた。
「一年生のときから受け持たれているんですか?」
と尋ねる諒に、岡原は二年生になってからだと答えた。まだ数ヶ月しか受け持っていないのに、生徒たちの信頼を集めていることを知った諒は、自分の担当が岡原であることを幸せに思った。
 

 教師の仕事は、夕方五時になれば終わるというものではない。岡原の学校でも、教師たちは夜遅くまで学校に残っている。実習生たちは、自分の担当教師が帰るまでは帰りづらい雰囲気を感じた。といっても、実習生たちには膨大な課題があるので、担当教師を待つというよりも、課題を終えるために学校に残っているというのが現状だった。
 諒もまた、実習生の控え室で、自分の授業案を作成したり、大学に提出する日誌を書いたりしていたので、学校を出るのは十時すぎという毎日だった。
 

「庄野さんの担当の先生って、岡原先生でしょ?」
同じ実習生の一人が諒に声をかけた。
「いいなあ、若くって。おまけにさ、ちょっとかっこいいと思わない?」
そういって、もう一人の実習生と話し始めた。
「私の担当なんて、おっかないわよー。発音間違えると、生徒たちの前で注意されるんだから。」
 英語科の二人は、自分の担当教師のことをいろいろ言っている。諒は、少し笑いながらできあがった授業案を岡原に見せると言って控え室を出た。
 

 岡原は職員室でコーヒーを飲みながら、仕事をしている。
「おう、庄野先生。まだ残ってたのか?」
岡原が諒から授業案を受け取り、内容をチェックした。
「うん、いいんじゃないの?明日の授業、これでやってみて。」
岡原に言われて、諒はうれしそうに笑った。
「ところで、こんな時間に帰りのバスあるの?」
見ると十時をとっくに過ぎている。
「僕、これから帰るから、よかったら乗せていこうか?」
「いいんですか?」
岡原の言葉に、諒はうれしそうに答える。実際、連日のタクシーでの帰宅で、諒の財布の中身は厳しくなっていたのだ。他の実習生は学校のすぐ近くに住んでいるので、自転車や徒歩のようだが、諒だけは少し遠い場所だった。
 

 諒がかばんを持って職員出入口まで行くと、革のジャンバーを着た岡原が待っていた。
「はい、これ。」
岡原は諒にフルフェイスのヘルメットを渡す。
「えっ。バイクですか?」
驚く諒の前に、岡原が自分のバイクを引っ張ってきた。バイクのことをよく知らない諒は、岡原のバイクが大きいことに驚いた。黒い車体が出入口の蛍光灯に照らされてキラリと光る。
「だいじょうぶ。安全運転だから。乗って。」
岡原が、戸惑う諒の頭にヘルメットをかぶせる。岡原に手伝ってもらいながら、諒はスカートの裾を押さえ、バイク後部にまたがり、前に座った岡原の腰に手をあてる。
 そのとたんに岡原が振り返った。
「ああ、違うよ。バイクの後ろに乗るときは、シートの後ろのバーを握って…そう、それ。あともう片方は僕の肩に置いて。」
岡原の背中との距離があり、躰を支えるものが手だけになる諒にとって、その体勢は、妙に不安定な感じがする。
「すみません。バイクに乗せてもらうの初めてで…。」
諒は、岡原の腰に手をまわそうとしたことを謝った。岡原にそれを嫌がられたような気がしたのだ。
「僕としては、抱きついてもらった方が嬉しいんだけどね。こっちの方が、バランスがとりやすいんだ。」
諒の顔が少し赤いことに気が付いた岡原は、そう言ってエンジンをかけた。


 

「じゃあ、また明日。」
岡原は教えられた場所まで諒を送ると、そのまま帰っていった。そのあたりには街灯がなく暗くて、諒の表情は岡原には見えなかった。全身に響くようなエンジンの音と振動から解放された諒は、小さくため息をつき、頬に手をあてた。

「すごかったね…。」

小さな声で諒がつぶやく。岡原のバイクのエンジン音がまだ遠くから聞こえていた。

 


 次の日、諒が教壇にたった。すでに何回も授業をしているので、比較的順調に授業はすすんだ。岡原も徐々に上手な授業ができるようになった諒を見て、安心していたため、授業に遅れ気味の生徒のそばで指導していた。
「庄野せんせー。」
生徒の一人が手をあげた。
「今のところだけど、そのやり方、まだ習ってないよー。塾では高校生でやるって言ってたんだけど。」
諒の表情が変わった。岡原もその声に気づき黒板を見た。確かに中学生には不向きな解法が書かれている。
 諒は慌てて訂正し、授業を再開したが、生真面目なところがある諒にとっては、自分の勉強不足を生徒に指摘された動揺が授業最後まで尾をひいた。

 


 放課後、部活の指導を終えた岡原が職員室に戻ると、隣の加納が岡原に声をかけた。
「さっき、庄野先生が来て、岡原先生を探していたよ。」
 諒の失敗のあと、授業が詰まっていたため、まともに話をしていなかった岡原は、たぶん今日のことだろうと思い、実習生の控え室に向かった。しかし、諒の姿が見えず、職員室にもどろうとしたとき、隣の校舎の二階廊下に諒の姿を見つけた。どうやら諒も岡原を探しているようだ。岡原は諒のところまで走っていった。
「庄野先生。」
岡原がかけた声に振り返った諒の目には、みるみる涙があふれてきた。
「すみません。私、私…。」
泣き出す諒を見て、岡原は加納の言葉を思い出した。
「きれいな子は指導しにくいですよ。」
岡原は加納の言った意味がようやく分かった。相手が男ならば、こんなことで泣くな、と一喝もできる。けれども相手は女。しかもきれいな子ときては、どう対応してよいものか分からないのだ。

(弱ったな…。)

 


 諒の失敗は本当に些細なミスで、大したことではなかった。よくあることだし、岡原自身も何度か同じような経験をしているが、泣くようなことではない。しかし、経験も少なく、生徒たちとの交流も少ない実習生にとっては、些細なことでもショックなのだろう。
 とにかく目の前で泣く諒をなぐさめねばいけないし、他の先生に見られでもしたら、あとで説明するのも面 倒だ。ただでさえ、うるさい先生連中は、岡原にとっても嫌な相手なのだ。岡原は諒にどこかで話をしようと声をかけた。諒は涙をぽろぽろこぼしながら、うなずく。
 そのとき、校内放送がかかり、職員会議が始まることを告げた。
「なんだよ。こんなときに。」
岡原は職員会議があったことを思い出し、諒に控え室で待つように言って、階段を駆け下りていった。

小説(転載)  教育実習 1/5

官能小説
12 /10 2018
教育実習

 

 チャイムが鳴り、朝の職員会議が始まった。
「えー、一週間後に教育実習生が三人来ることになっています。実習生の教科を考えて、指導担当は、英語の森山先生、同じく英語の牧野先生、数学の岡原先生にお願いしたいと思います。」
教頭の寺下が言うと、岡原は立ちあがった。
「あの、僕ですか?僕はまだ、実習生の指導なんて…。」

 

 岡原は教師になって五年目である。他の森山、牧野の二人は十年以上の教師歴を持ち、ベテランであったが、岡原はまだ若く、自分の授業をすることで精一杯であった。
「いや、岡原先生。」
隣に座っている数学の加納が岡原の肩をたたいた。
「大丈夫ですよ。それに、岡原先生は教員採用試験を現役で合格したんでしょ。勉強方法なんかもその実習生に教えてやったらいいんです。」
「はあ…、そうですかね。」
岡原は自信なさそうに加納の言葉に答えた。

 

 

 一週間後、朝の職員会議が始まった。入り口のドアが開き、校長のあとに続いて緊張した様子の実習生たちが入ってきた。
「あれっ?女の子ばかりだ。」
岡原は自分の手元の用紙を見た。
「庄野諒」
用紙には担当するはずの実習生の名前がある。岡原は数学であることと、「諒」という名前から実習生は男だとばかり思っていたのだった。
 岡原はもう一度実習生たちを見た。
「本日から二週間、勉強させていただく庄野諒です。教科は数学です。ご指導よろしくお願いします。」
諒がお辞儀をした。続けて教頭が、
「担当していただくのは、岡原先生です。」
と言いながら、岡原の方の見た。岡原は立ち上がり、よろしく、とあいさつした。

 

 職員会議が終わり、教師たちは道具を持ちながら受け持ちのクラスへと出ていく。
「岡原せんせ。」
隣の加納が岡原の耳元に近づきささやいた。
「ずいぶんきれいな子じゃないですか。きれいな子は指導しにくいですよ。がんばってくださいね。」
加納はニヤリと笑って職員室を出ていった。岡原は加納の言った意味がよく分からなかった。

 

「あの…。」
声をかけられて岡原が気づいた。庄野諒が先ほどから岡原の机越しに立っているのだ。
「あの、庄野諒です。よろしくお願いします。」
岡原は、改めて諒を見た。長くまっすぐな黒髪を後ろでひとつに束ね、白いブラウスに紺色のスカートをはいた諒は、いかにも実習生らしい格好をしている。岡原はTシャツにルーズなジャージ姿の自分に気づき、少し恥ずかしくなった。
「あ、ああ。庄野さんだね。いや庄野先生かな。担当の岡原です。よろしく。」

 

 

 岡原は一時間目の授業がなかったので、諒を加納の席に座らせた。
「えっと、まずは…。僕は二年生の数学を受け持っているので、庄野先生も二年生の授業を担当してもらいます。」
諒は、岡原の説明ひとつひとつに小さく返事をしている。諒の表情はかたく、岡原はしゃべりづらくなった。
「僕はね、教員になってまだ五年目で、実習生の担当は初めてなんです。だから、庄野先生にどこまで指導できるか分からないんですが…。」
岡原が授業の説明を中断し、自信なさそうに話し出したのを聞いて、諒は微笑んだ。

 

 本当にきれいな子だな。岡原は微笑む諒を見て思った。目が大きく鼻筋も通 っているので、どこか気品すら感じられる顔立ちだ。実習生は大体、派手な化粧などはしてこないから、諒が薄化粧なのは当たり前なのだろうが、化粧をとった素顔も今と変わりはないだろう。
「彼氏はいるの?」
岡原は自分の口から出た言葉に慌てた。なんてことを聞くんだ、これじゃ下心があるみたいじゃないか。
「い、いや、あの、実習中はいろいろと、…指導案なんかを書くのに帰りが遅くなるから、彼氏がいたら、デートできなくて怒るんじゃないかなあ、なんて思っただけで…。」
慌てる岡原の様子を見て、諒はくすくす笑い出した。
「僕もねえ、実習中は彼女になんやかんや言われたことがあったりして、大変だったんだよね。」
なんとかフォローできたと岡原は思った。諒は微笑みながら、
「大丈夫です。彼はいませんから。」
と答えた。
「あの、ごめんね。セクハラだったよね。」
岡原が素直に謝るのを見て、諒は、気にしないでください、と言った。

 

 一時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、岡原は二時間目の自分の授業を見学するように諒に言った。
 岡原は生徒に人気のある教師だ。まだ若く容姿も悪くないことも理由のひとつだろうが、それにもまして、表情豊かにわかりやすく教えることが一番の理由だろう。
 教室に入ると、生徒たちは一斉に岡原の後ろの女性に注目した。
「あれー、女の先生じゃん。」
男子生徒がそう言ったのは、岡原が生徒たちに実習生が来ることを伝えたときに、男の先生だと言っていたからである。
「あ、ああ。ごめんごめん。先生、うっかりしててなあ。」
「諒」という名前から男だと判断していたことが、諒にばれてしまったので、岡原は慌ててしまったが、諒にあいさつをするよう促すと、諒は黒板に自分の名前を書き、
「庄野諒といいます。諒という名前を見て、岡原先生が男だとお間違えになったんだと思いますが、これまでも私の名前を見て女だと思った人の方が少ないです。」
と笑った。生徒たちは、諒の笑顔につられて笑い出した。
「岡原ちゃーん、美人の先生でよかったねー。」
一人の男子生徒が岡原を冷やかした。諒を初めて見たときから、生徒たちの反応は予想していたので、岡原は平気な顔をして、
「先生もうれしいが、お前らの方がうれしいんじゃないのか?」
と答えた。生徒たちはわあっと歓声をあげた。

小説(転載)  売られた妹

官能小説
12 /09 2018
売られた妹

パタパタパタ…。
廊下から軽快な足音が聞こえたと思うと、良樹(よしき)の部屋のドアがガチャッと開いた。
「お兄ちゃんっ。買ってきたよ。」
長い髪を左右で束ね、チェックのミニスカートとフリルのついたタンクトップを着た、妹の綾乃(あやの)が入ってきた。綾乃は中1、良樹は中3になったばかりだ。綾乃は、良樹の同級生である龍平を見ると、軽く頭を下げ、良樹に頼まれて買ってきたゲームソフトの入った袋を差し出している。
「あ…ああ、ありがと。」
良樹は、隣の龍平の顔をちらっと見て、綾乃の差し出す袋を受け取った。
「じゃあね。」
綾乃はにっこりと笑って部屋を出ていく。
「おい、良樹。もういいぞ。どっか行け。」
龍平は、良樹の手からゲームソフトを奪い取り、自分の鞄にしまうと、良樹の太ももを蹴り飛ばした。
「や…やめてくれよ。綾乃は…妹なんだ。」
「うるせえなあ、俺たちの仲間になりたいんだろ?」
龍平の低い声に、良樹は小さくうなずく。
「じゃあ、出て行けよ。」
もう一度、太ももを蹴り飛ばされ、良樹は目的もないまま、家を出た。
 

 
「綾乃ちゃん。何やってるの?」
綾乃の部屋のドアを少し開け、龍平が中を覗く。
「マンガ読んでるんだけど…あれ、お兄ちゃんは?」
ベッドの上に寝転がり、マンガを読んでいた綾乃は、龍平が部屋に入って来ると、不思議そうにドアの方を見た。
「良樹は、ちょっと出かけたんだ。その間、綾乃ちゃんと遊ぼうかなって思ったんだけど。」
「う…ん。いいけど。」
綾乃は、読みかけのマンガを閉じた。
 綾乃にとって、龍平は兄と仲の良い友達の1人だった。良樹が龍平のグループにいじめられていることや、良樹に対するいじめをやめるかわりに、綾乃を龍平に差し出すことを約束させていたことなど、全く知らなかったのである。
 

 
「きゃぁっ、何するのっ?」
綾乃の悲鳴が上がったのはその直後だった。
「いやっ、やめてぇっ!」
「なんでぇ?遊んでくれるって言ったじゃん。」
「いやぁぁっ…。」
龍平は背後から綾乃に抱きつくと、綾乃のタンクトップとブラジャーをずり上げ、柔らかい綾乃の乳房を乱暴に揉みしだいている。
「やめてぇっ…うっ。」
龍平は綾乃をベッドに押し倒すと、その躰の上にまたがり、綾乃の両手首を片手で押さえ込んだ。
「すぐに済むんだから、騒ぐんじゃねーよ。」
「いやっ、おにいちゃぁぁん。」
綾乃の目に浮かんでいた涙が、頬をつたう。
龍平は、綾乃を押さえつけたまま、空いている方の手で、乳房を揉みあげ、その乳首に吸い付いた。
「い…痛いっ。」
乳房全体を口に含んでは、何度も強く吸い上げる龍平の行為に、綾乃の乳房は、痛々しい赤みを帯び始めている。
 

 
「いやぁっ。」
龍平の手がスカートの中のパンツに伸びたとき、綾乃は脚をばたつかせて抵抗した。しかし、そんな抵抗もむなしく、綾乃のパンツは簡単にはぎ取られていく。
「毛も生えてるんだ。へぇっ。」
「見ないでよぉっ……うぅっ。」
綾乃の両脚は簡単に持ち上げられ、頭の方へとひっくり返された。
「うぐっ…。」
苦しい体勢に、綾乃の喉がうなる。龍平は、無防備にさらけだされた綾乃の秘部に顔を近づけると、舌の先で、割れ目をなぞり上げた。
「うぅっ…んぐっ…。」
自分の両脚で胸を圧迫されている綾乃は、声をあげることもできない。龍平は、少し酸っぱい匂いがする綾乃の秘部にべったりと舌をつけると、頭を左右に動かして、小刻みになめ始めた。柔らかな秘部の肉が龍平の舌にかき分けられ、綾乃の小さなクリトリスが、姿を現している。
「ぐぅぅっ…。」
綾乃は、そこが敏感な場所であるということを、そのとき初めて知ることになった。奇妙な感覚が背筋を這い、自分に迫る更なる危険を察知する。
「簡単には濡れねぇな。」
龍平はチッと舌打ちすると、片手でベルトを外し、ズボンを膝まで下ろした。勃起した龍平の男根を見た綾乃は、目を見開く。
「い、いや…いやっ…。」
脚を押さえつけていた龍平の手の力が緩んだ隙に、綾乃は声を上げた。声が震えている。
龍平は綾乃の口を手のひらで強く押さえ込むと、男根の先を綾乃の割れ目にあてがった。
「綾乃の処女、ゲットしまぁす。」
「んぐぅぅぅぅっ…。」
綾乃は精一杯の力で、龍平の手から逃れようとするが、龍平の男根がその割れ目に挿し込まれる方が早かった。
ぐぐぐ…。
綾乃の処女膜を引き裂き、龍平の男根が深く挿し込まれていく。綾乃の顔が激しくゆがみ、目からはぼろぼろと涙がこぼれた。
「きっつぅー。」
龍平は、綾乃の女陰のきつい締めつけに眉をしかめながら、強引に腰を動かし始めた。
「んぐっ…うぐっ…うぅ……ぐっ。」
押さえつけた龍平の手の下で、綾乃のうめく声が続くなか、龍平は腰を前後に動かしている。
ぬちゅっ……ぬちゅっ……。
やがて、綾乃の女陰から、濡れた音が聞こえ始めた。綾乃の出血によって、男根がスムーズに動きはじめたのだ。
 

 
「ひゃぁ、気持ちいいーっ。」
大声で叫んだ龍平は、あまりの痛みに顔をゆがめ、涙をこぼす綾乃にかまうことなく、その動きを速めた。
「うっ…くぅぅっ…。」
どくっ、どくんっ…どくんっ…。
龍平のあごが上がった瞬間、綾乃の中に精液が飛び出した。荒い呼吸を繰り返し、射精が終わるまで、腰を動かす龍平に、綾乃は愕然としている。
 

 
「綾乃…ごめん。怖いんだ…もう、いじめられたくないんだ。」
良樹は家の近くの公園のベンチに座り、今頃綾乃に襲いかかっているだろう悲劇を想像していた。
龍平たちのグループによる容赦のない陰湿ないじめは、良樹にとって耐えられるものではなかったのだ。
「おい、良樹。」
「りゅ…龍平くん。」
名前を呼ばれ振り返ると、そこにはニヤニヤと笑う龍平が立っていた。
「綾乃、処女だったぜ。まったく、頼りねえ兄貴を持つと、妹は大変だな。」
「こ…これで、僕をいじめないでくれるんだろっ?」
「ばかか、お前。」
「えっ。」
良樹は一瞬耳を疑った。龍平は良樹を軽蔑した目つきで眺めている。
「俺の仲間は何人いると思ってるんだ?俺だけがやめるって言ったって、無理に決まってんだろ?」
「何だって!!」
「さっき携帯でみんなを呼んだから…。今頃、綾乃はお前のためにめちゃくちゃになってるよ。綾乃のあそこは、どろどろだろうな…くくっ…。」
良樹の全身に悪寒に似た鳥肌が立った。
 

 
 その後も、良樹に対する龍平たちのいじめはなくならなかった。そして、休み時間のたび、顔面 蒼白の綾乃を人気のない場所へと連れていく龍平たちの姿も見られるようになった。

 

終わり

小説(転載)  露天風呂の少女

官能小説
12 /09 2018
露天風呂の少女


 深夜2時すぎ、宿泊施設の露天風呂に足を踏み入れた僕は、何がどうなっていたのか、分からなかった。なぜ、僕の目の前に瀬川千夏がいるのか…しかも、裸で……。
 
「きゃぁぁぁっ!」
千夏は、俺の姿を見るなり、悲鳴を上げた。ほんのりと染まった頬の赤さは、風呂のせいなのか、恥ずかしさのせいなのか…。
「せ…先生っ!!なんで…?」
妙に冷静に千夏を見ていた僕は、千夏の声で我に返った。そうだ、僕は裸で、しかも瀬川千夏は、僕の教え子なのだ。
「せ…瀬川こそ…ここは…男風呂だぞっ。」
「えぇっ!」
千夏は慌てて立ちあがろうとしたが、自分が全裸であることに気づくと、胸元を両手で隠したまま、動けなくなった。
「先生っ!!見ちゃ、やだぁぁっ。」

 僕はとっさに自分の腰に巻いていたタオルを外し、千夏に投げた。もちろん、千夏が自分の裸を隠せるようにである。
「きゃぁぁぁっ!」
「な…なんだっ?」
「先生っ、分かってるのっ?」
「わぁっ!!」
僕は、ようやく自分の下半身がむき出しになっているのに気づき、両手で隠すと、風呂を飛び出した。
「うがっ!」
ドタン…。
床に残っていた石鹸の泡に足を滑らせ、僕はその場にひっくり返る。
「先生、大丈夫っ?」
千夏が僕のそばに駆け寄ってきた。千夏自身もパニックになっていたのだろう。自分が裸であることを、一瞬忘れたのだ。
「あ……。」
僕と千夏は同時に声をあげたまま、黙り込んだ。千夏の頬がどんどん赤くなっていく。僕は僕で、千夏の躰に目が釘付けになっている。恥ずかしそうな千夏の顔と、小さめの乳房にピンク色の乳首が、僕の理性を崩してしまう。
 
「せ……せんせ…い。」
僕は千夏の躰を抱き寄せた。風呂に入っていた千夏の躰は異常に熱い。
(すまん…瀬川…。)
「んんっ。」
千夏はほとんど抵抗しなかった。僕の唇に千夏の唇の緊張が伝わるだけだ。やわらかく張りのある千夏の唇は、完全に僕を狂わせた。床の上に、千夏を押し倒し、僕は千夏の唇の間に舌を挿し込んだ。甘ったるい千夏の舌が、僕の舌先に触れると、夢中で吸い上げていく。
「んんっ……ん…。」
不思議なことに、千夏は緊張しているようではあったが、嫌がることなく僕の舌を受け入れていた。
「瀬川……?」
「せんせ……私……。」
千夏の目が潤んでいる。僕の鼓動は激しく高鳴っていた。
 
(いいのか…?)
一瞬迷いはしたが、僕の手は千夏の乳房に触れる。その感触は見た目の小ささなど関係なく、やわらかく僕の手のひらに吸い付いてくるようだった。
「あ…んぅっ……んんっ……。」
乳房をゆっくりと揉むと、千夏は可愛い声で反応している。僕は、両手で乳房を揉みながら、千夏の乳首に唇をつけた。少しだけ舌をだして、乳首の先端をなめると、千夏の躰がぴくんと痙攣する。
「私が…先生のこと…好きって…知ってたの…?」
千夏の小さなつぶやきに、僕の股間が熱くなる。千夏は僕の教え子で、僕は顧問として千夏の所属する部活の合宿の付き添っていた。そして、千夏に特別 な感情がなかったのかと聞かれれば、ないとは言えない。千夏が僕のことを好きだったというのは、このとき初めて知ったことだが、僕自身、ずっと前から千夏に特別 な感情を抱いていた。もちろん、恋愛として成就させようなどとは思っていなかった。できるはずがない。僕は教師で、千夏は生徒だ。
 しかし、千夏のつぶやきを聞いてしまった以上、僕の男としての意識があふれ出すのを止められるはずがない。
「僕も、好きだったんだ。」
「うそ……あっ…あぁぁっ……。」
僕は千夏の乳首に吸い付いた。乳首の周りを舌でなぞり、突起をつくったかわいい乳首を吸い上げる。
「やぅっ…。」
僕は手を千夏の閉じられた太ももの間に滑り込ませる。柔らかい茂みの中には、可憐な千夏の秘部が隠されていた。
「は…恥ずか…し……んぅっ…。」
自分でもいじったことのない部分を、僕に触られることに、千夏は抵抗を見せるが、僕はかまわず千夏の秘部を指先で感じていた。
「僕に任せてくれるか?」
少し時間をおいて、千夏が小さくうなずく。僕は、千夏の太ももをゆっくりと開き、その股間に顔を近づけた。千夏の呼吸が一瞬止まる。見ると、千夏はぎゅっと目を閉じて、喉元で小さなこぶしを握りしめていた。
(かわいい…。)
僕は、千夏のやわらかい谷間を指先で左右に開くと、小さなクリトリスに舌先をあてる。風呂で火照った千夏の秘部は甘い肌の香りを漂わせ、僕は夢中で千夏のクリトリスを舌でもてあそんだ。
「ひぅっ……あぁっ…。」
千夏は躰がぴくぴくと痙攣し、透明な愛液がしみ出してくる。舌先でクリトリスを転がしながら、その愛液を指先でなぞってやると、千夏の愛液はどんどん量 を増していった。
 
 僕は、千夏の割れ目に男根をあてがうと、ゆっくりと挿入する。
「んうぅぅぅっ…。」
「せ…がわ……。」
千夏は処女だった。
「痛くないか…?」
「う…ううん…。痛く…ない……。」
うそだ。痛くないはずがない。千夏の女陰は、俺をきつく締めつけ、女陰が悲鳴をあげているのが僕の男根に伝わってくるのに。
「せん…せ……。うれし…い……。痛くない…から……動…いて…。」
千夏の目に浮かんだ涙が、ぽろっと頬をつたう。僕はゆっくりと腰を動かし始めた。
 今、思えば、僕自身もずいぶんと緊張していたのかもしれない。千夏の女陰の締め付けやその感触にもかかわらず、射精感はすぐには訪れなかった。
 
 やがて、痛そうに顔をしかめていた千夏の表情に変化が表れ始めた。
「あっ……あっ……んぅ……。」
「気持ち…いいのか…?」
千夏は何度もうなずく。僕の肩にしがみつき、躰を仰け反らせて、僕を感じていた。
「す…き……せ…んせ…。」
 
 腰の動きがどんどん速くなる。一方の手で千夏の太ももを抱え、もう片方の手で乳房を揉み上げながら突き入れ続けると、千夏は激しい快感を全身で表現していた。
「せんせ……あぁっ……せ…んせ…。」
ずちゅっ…ずちゅっ、ずちゅっ。
その瞬間、千夏の女陰がびくん、びくんっと痙攣した。僕は、さらに激しく突き入れたあと、一気に男根を抜き取る。千夏の下腹部には、僕の精液が飛び散った。
 
 
「先生ったら、やっぱり女風呂だよ。」
しばらくして、風呂場を出たとき、千夏は笑った。僕はたぶん、寝ぼけていたのだろう。入るべき風呂を間違えたのは、僕の方だったのだ。
 
「明日の夜……先生の部屋に行ってもいい?」
恥ずかしそうにうつむく千夏の言葉に、僕はうなずいた。
 合宿は、あと5日残っている。妻と子供の待つ僕の家に帰るまでには、まだまだ時間があるのだ。

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。